澪「・・・」ムクッ

澪「・・・といれ」

澪「・・・」スクッ

澪「・・・」テクテク


ガチャ・・・バタン・・・


澪「・・・ちょっと怖いな」テクテク

澪「・・・りつ、呼んでこようかな」ピタッ

澪(い、いや・・・駄目だ、これくらい一人でできる・・・)テクテク

澪(電気のスイッチ、どこだろう・・・暗い・・・)

澪「着いた・・・」

澪(早く済ませよう・・・)キィィ・・・バタンッ

澪(明日はちゃんと練習できるかな・・・)

澪(あぁ、一緒になって遊んじゃいそうだ・・・)

澪「はぁ・・・」カラカラ


ジャー・・・

キィィ・・・バタンッ


澪「よし、早く戻ろう」キリッ

澪(はぁ・・・またこの暗い廊下を歩くのか・・・)

「・・・で・・・だも・・・」

澪「!!?!?」ビックゥ!?

澪(なななななななな!?)

「あっはっは」

澪(笑い声!?)

澪(って・・・この声、まさか・・・)

澪(・・・ベランダにいるの、唯だよな?)テクテク

唯「んー、かもねー」

澪(誰かと電話してる・・・?)

唯「えー?そんなこと言わないでよー」

澪(・・・?)

唯「そうだね。そうそう、帰ったら宿題見せてね」アハハ

澪(・・・和かな?)

澪(って、なんでこんなコソコソしてるんだ!部屋に戻ろう、うん。そうしy)

唯「え?浮気?・・・面白いこと言うんだね、和ちゃん」

澪「」

澪(え?なに?今なんて?)

唯「そっかー、和ちゃんでもそういうヤキモチやいちゃうんだ?」

澪(え、えっと・・・え?)

唯「安心してよ、私こう見えて結構一途だよ?」

澪(唯、なんか普段と違う・・・)

唯「あー、でも・・・」

澪(なんか、ちょっとかっこいい・・・?)

唯「そんな和ちゃんも見てみたいかも」

唯「・・・」

唯「なんてね、冗談だよ」

澪(動くに動けなくなってしまった・・・)

唯「うん、わかってるよ」

澪「・・・」

唯「だからさ」

澪「・・・」

唯「『わかってる』って、わかってよ」

澪「へっくしょん」

唯「!?」クルッ

澪「」

唯「・・・澪ちゃん?どうしたの?」

澪「え、えっと・・・トイレに・・・」

唯「トイレならあっちだよ?」

澪「行った帰り道で、なんていうか、その・・・」

唯「ん?あぁ、ごめんね。こっちの話」

澪「ごめんな、和との電話邪魔しちゃって」

唯「・・・」

澪「え、唯・・・?」

唯「なんで和ちゃんだって知ってるの?」

澪「あ、私って実はエスパーなんだよ」

唯「立ち聞きしてたの?」

澪「ごめんなさい」

唯「んーん、別にいいよ」

澪「うぅ・・・」

唯「あ、もしもし?それじゃ、私そろそろ部屋に戻るね。うん、おやすみ」

澪「・・・いいのか?」

唯「うん、ちょうど切るところだったから平気だよ」

澪「本当か?」

唯「ほーら、気にしないでって」

澪「あ、あぁ」

唯「部屋に戻ろう?」

澪「そうだな。・・・唯ってさ」

唯「?」

澪「いや、なんでもない」

唯「和ちゃんの話?」

澪「あ、あぁ・・・その、付き合ってる、のか?」

唯「・・・知りたい?」

澪「・・・ちょっと、気になる」

唯「えへへ、内緒」

澪「えっ」ガーン

唯「ほら、行こ?」グイグイ

澪「そ、だな」

唯「・・・電気のスイッチどこだっけ?」テクテク

澪「私も探したんだけど、見つからなかったんだ」テクテク

唯「あ、これじゃない?」カチッ

澪「!?うわっ、眩しい」

唯「うーん、目が痛いねー」

澪「・・・あ、あれ?」

唯「うん?」

澪「あそこにいるの、梓じゃないか?」

唯「あ、本当だね。・・・影になって見えないけど、ムギちゃんもいない?」

澪「・・・だな」

唯「私も澪ちゃんの真似しちゃおっかなー」

澪「私の真似?」

唯「うん、立ち聞き」

澪「本当にごめんってば」

唯「怒ってないって」アハハ

澪「でも・・・なんの話してるんだろうな?」

唯「やっぱり気になるんじゃん」

澪「うぅ・・・」

唯「近づいちゃおっか?」

澪「・・・う、うーん」

唯「ほら、行こ行こ」グイグイ

澪「ちょっと、唯・・・!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


梓「って感じです」

紬「うーん・・・まぁ、純ちゃんはそういう子なんでしょう?心配しなくても・・・」

梓「心配はしていません。嫌なんです、生理的に」

紬「そうは言ってもねぇ・・・」


唯「あずにゃん、怒ってるのかな?」ボソッ

澪「っぽいな・・・」

唯「あずにゃんは牛乳飲んだほうがいいね、色んな意味で」

澪「それ梓が聞いたら泣くぞ」


梓「付き合ってるのに、片想いしてるみたいで・・・」

紬「そんなこと言ったら純ちゃんが可哀想よ」

梓「なんで純が可哀想なんですか」

紬「話を聞いてて思ったんだけど・・・純ちゃんも同じことで悩んでそう」

梓「純が?それはないですよ」

紬「どうしてそう言い切れるの?」

梓「だって・・・純ですし・・・」

紬「うーん・・・」


唯「なんか真面目な話してるね」

澪「そうだな。梓って純ちゃんと付き合ってたのか・・・?」

唯「さぁ?どうなんだろう」

澪「もしそうだとしたら唯と梓ってある意味、仮面夫婦みたいな感じだな」

唯「怒るよ」


紬「梓ちゃんは純ちゃんにそういう話した?」

梓「して、ないです・・・」

紬「それはどうして?」

梓「女同士ですし・・・同性に嫉妬なんてしてたらキリないじゃないですか」

紬「それで?」

梓「鬱陶しいかなって・・・」

紬「本当にそれだけ?」

梓「・・・」

紬「意地、張ってるんじゃない?」

梓「かも、しれません・・・」

紬「二人とも、もうちょっと素直になればきっともっと素敵な関係になれると思うんだけど・・・」

梓「本当は・・・私ばっかり純のこと好きみたいで、ちょっと悔しいんです」

紬「・・・それは純ちゃんに失礼かも」

梓「え?」

紬「いいから、純ちゃんと話してみて?」

梓「・・・解決、しますかね」

紬「しないわ」

梓「」

紬「解決とか、そういう問題じゃないもの」

梓「・・・まぁ、そうですね。他の人と仲良くしないで欲しいなんて、無理な話ですし」

紬「そうよ。でもそういう話はした方がいいわ」

梓「・・・はい」

紬「たまには素直になって気持ちを改めて伝えた方が、ね」

梓「ですね」

紬「すれ違ったままなんて、悲しすぎるじゃない」

梓「・・・」

紬「それじゃ、私はそろそろ部屋に戻るわね」

梓「・・・はい」

紬「梓ちゃんはどうする?」

梓「・・・純に、電話します」

紬「そう。頑張ってね」

梓「はい。おやすみなさい」

紬「えぇ、おやすみ」

梓「・・・ムギ先輩」

紬「?」

梓「どうも、ありがとうございました」

紬「・・・」クスッ

梓「・・・?」

紬「私は何もしていないわ。おやすみ」

梓「・・・」


唯「こっち来ちゃったよ・・・!?」

澪「どどどどうしよう・・・!」

唯「とりあえず逃げようっ」ダッ

澪「え!?ちょっと、唯!?唯ってば・・・!」ダッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

唯「ここまで来れば大丈夫かな」ゼェハァ

澪「本当に広いよな、この家」

唯「ねー、和ちゃんにも見せてあげたかったなー」

澪「惚気るなー?」

唯「んー?なんのことー?」

紬「こんばんは」ニコッ

唯澪「」

紬「二人とも、トイレ?」

唯澪「・・・」

紬「?」

唯「えっと、そうそう!我慢できなくなっちゃってねー」

紬「二人は梓ちゃんの話どう思う?」

唯澪「」

澪「おいっ、バレてるぞ」ボソッ

唯「ね」ボソッ

紬「あ、大丈夫よ。多分梓ちゃんは気づいてないから」

澪唯「ごめんなさい」

唯「その、悪気はなかったっていうか・・・」アハハ

紬「えぇ、わかってるわ」ニコッ

唯「えっと、あずにゃんの話ってs」

紬「やっぱりその話はまた今度しましょう」

唯澪「えっ」

紬「唯ちゃん、私たちはお部屋に戻りましょう」

唯「え」

紬「いいから」

唯「でも」

紬「澪ちゃん、おやすみ」ニコッ

澪「え?あ、あぁ、おやすみ」

唯「え、ちょっと」

紬「ほら、明日も早いから。ね?」グイッ

唯「ええぇー?」

澪「??」

澪「・・・」

澪「行っちゃった・・・」

澪「・・・もう一回トイレ行こうかな」テクテク

澪「・・・」

澪「あれ・・・?」

澪「だ、誰かいるのか?」

「みぃおー?」

澪「なんだ、律か」

律「・・・」ギュッ

澪「!?///」

律「どこ行ってたんだよ」

澪「え、えっと・・・トイレ・・・」

律「起きたら・・・誰もいなくて・・・ビックリしたんだぞ・・・?」ギュー

澪「あぁ、そっか・・・ごめんな?」ギュッ

律「ん」

澪「寂しかった?」

律「うるせー」

澪「なぁりつ」

律「・・・なんだよ」

澪「私、夜中に一人でトイレ行けたんだぞ」

律「そっか」

澪「すごくないか?」

律「・・・」

澪「いや、当たり前のことだよな、ごめん・・・」

律「すごいよ、頑張ったな」

澪「・・・」

律「でも、あまり嬉しくないな」

澪「え・・・?」

律「・・・なんてな。なんでもないよ」

澪「え?でも、今のどういう」

律「いいから」

澪「・・・さっきな、色々あったんだ」

律「色々?」

澪「あぁ。唯とか・・・梓とか、ムギとか・・・」

律「よくわかんないけど・・・それがどうしたんだ?」

澪「色々あって・・・その、律に、会いたくなったんだ」

律「・・・?会えてよかったな?」

澪「うん」

律「・・・?」

澪「・・・あのさ」

律「ん?」

澪「律、ちょっと話があるんだけど・・・外に出ないか?」



おわり



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最終更新:2011年01月28日 21:34