唯澪律梓「…」


唯「ほーげー」

律「たまげたな…」

澪「これはまた大きい…」

梓「で、でもホラ前の別荘とそれほど大きさ変わりませんし!」

律「十分でかいけどな」

唯「もっとお城!みたいな感じかと思ってたよねー」

澪「それは私達が入っていいのか…」


律「ところで澪… なんか持ってきた…?」

澪「一応… 一回家に帰ったときにママに話したらメロン持たされたから…」

律「メロンか… 王道だな…」

澪「コレだけど」 スッ

律「おお!ずっしり! さすが澪、頼りになる!」

唯「私はこの蜜柑を持ってきました!じゃーん!」

梓「ややこの自宅の雰囲気にそぐわない様な…」

律「ま、まあ蜜柑は風邪にもいいしな!!」


律「よし!見舞いの品も持ったし…準備オーケーだな!」

唯「うん、大丈夫だよ!」

律「…突入するぞっ!」

梓「は、はい…」 ゴクリ

律「…」 ドキドキ

澪「早くインターホン押せよ」

律「だ、だって緊張するだろっ!」

……


紬「…」




紬「…」 モソモソ




紬「…」




紬「はぁ…寝てるだけなんて退屈…」


紬「…みんな今頃練習してるのかな」

コンコン

紬「? どうぞ」

カチャリ

執事「失礼します」

紬「…何かあったの?」

執事「お嬢様にお客様が来られました」

紬「お客さん…?」


「本物の執事さんだよ!凄いよね!」
「なんか動きが丁寧っつーか機敏っつーか…」
「おい、あまり騒ぐなよ」
「そうです、ムギ先輩寝てるかもしれないんですから」


紬「!!!」

「皆様、お嬢様はこちらです」
「は、はい…そ、そのありがとうございます!」
「では私はこれで…」
「…」
「よし、じゃあ入るぞ」
「ああ」
「…あれ、こう言う時 どうやって入ればいいんだ」
「普通に入ればいいんじゃないか?」
「本当に普通でいいのか? マナー違反じゃないのか?」
「そう言われると…」
「失礼します、くらいは言ったほうがいいかもしれませんね」
「じゃ、じゃあそれで行くか…行くぞ…」

ガチャ

律「え、えと し、失礼します」 ガチガチ

澪「は、ははは り、律 き、緊張しすぎだろ」 ガチガチ

律「み、澪だって」

唯「ムギちゃーん、来たよー」

梓「ムギ先輩、調子どうですか…?」


紬「みんな…」


紬「あ、入っちゃダメ!」

唯律澪梓「!!」

紬「ゴホゴホッ…」

唯「ムギちゃん…!」

紬「ご、ごめんなさい…でもうつすと悪いから…」

澪「ムギ…」

律 ズカズカ

紬「!」

澪「お、おい…律…」


律「無理するなよ、風邪の時ってさ1人だと心細いだろ…?」

紬「りっちゃん…」


スタスタスタ

唯「そうだよ、ムギちゃん 辛い時は皆に頼ってくれていいんだよ」

紬「唯ちゃん…」

トコトコ

梓「はい!私達、けいおん部の仲間じゃないですか」

紬「梓ちゃん…」

スタスタ

澪「そう言うわけだからさ… お見舞いくらいさせてくれよ」

紬「澪ちゃん…」


紬「ぐすっ」

唯「わ、わわ ムギちゃん?!」

律「ど、どこか痛むのか!?」

紬「ううん、なんだか嬉しくって…」

紬「みんな、ありがとう」 ニッコリ

紬「あ、狭くてごめんなさいね…」

梓(せ、狭い?)

紬「風邪をひいちゃったから、家の執事達にうつす訳にもいかないし

  だから私の希望で、この別宅で療養中で…」

唯(べ、別宅…!?ここ別宅だったの!?!)

律(つか別宅でこの大きさかよ!)

紬「ここにいる使用人の人達も少なくて、ちゃんとした御持て成しはできなくて…」

梓(少ないって…執事メイド合わせて10人くらいはいましたよね)

澪(持て成しも丁寧でむしろこっちが緊張したくらいだったけど…)


紬「こっちにいる人たちにも風邪をうつしたくなかったから…できるだけ1人にして貰ったのだけど…」

紬「でもりっちゃんの言ったとおり、ちょっとだけ心細かった…」

唯「そうだったんだ…」

唯「でも大丈夫だよ!私達には蜜柑パワーがついてるからね!」

紬「ふふ、そっか…なら安心ね」

唯「今日も持ってきてるんだよ! …そうだっ!」

唯「ひとつ剥いてあげよう!」

紬「そんな、悪いわ…それくらい自分で…」

唯「いいから、いいから」 ムキムキ

紬「で、でも…」

唯「それにね

  ムギちゃんはいつも私達のためにお茶入れてくれたりしてるから…

  だから、今度は私達の番だよ!」 フンスッ

紬「!」

澪「ああ、唯の言うとおりだ

  こんな時くらいさ、甘えてくれていいんだよ」

紬「…そうね、お願いするわね唯ちゃん」 ニコリ

唯「うん!」 ムキムキ

律「なんか困ってる事とかないか?」

梓「そうですね、何かあるなら私達に言ってください」

紬「…ありがとう」

紬「でも特には…」

紬「あっ」

律「お、早速困った事があったか?!」

紬「ええ、実はさっきまでとっても退屈してたの…」

紬「だから私…皆とお喋りがしたい!」

唯律澪梓「!」

律「! よしっ!任せとけ!」

梓「はい!お安い御用です!」

紬「ふふ ありがとう…今日は部活はあったの?」

律「ああ! そうだ、澪ったらさー汚いんだぜ」

澪「なっ! それは律が…」

……

……

唯「ムギちゃん… いつもごめんね…」

紬「…? どうしたの唯ちゃん」

唯「毎日毎日お茶入れてもらって…お菓子持ってきてくれて…」

紬「それは私が好きでしてることだから」

澪「でもムギ、昨日も無理して…」

紬「ううん、無理なんかしてない」

唯「えっ?」

紬「皆、今日は私のためにお見舞い来てくれたでしょ?」

律「ああ、大事な友達のためだからな!」

唯「うん、ムギちゃんに元気になって欲しいから!」

紬「うん!私も一緒!」

紬「皆のためにお茶を入れるのもお菓子を持ってくるのも…」

紬「全部、大切な友達に喜んで欲しいから…!」

紬「だから全然無理なんかじゃないの」

澪「ムギ…」

梓「ムギ先輩…」

唯「ムギちゃん…!」

唯「いつもありがとーっ!!」 ギューッ

紬「わ、唯ちゃん くすぐったい」 クスクス

律「まったく、ムギはいい奴だな

  でも調子悪い時は調子悪いって言ってくれよ、心配だろ?」

紬「ごめんなさい、でも心配してくれて嬉しかったわ」 ニッコリ

澪「そう思ってくれるなら私達も嬉しいよ」 クスッ

唯「ムギちゃーん!これからもお菓子よろしくねーっ!」

梓「唯先輩…」

紬「ええ!任せといてっ!」 フンスッ


澪「じゃあ、私達帰るな」

唯「ムギちゃん、早く元気になってね!」

梓「ムギ先輩がまた部室に来るのを待ってますから!」

律「それじゃあまた学校でな!」


紬「ええ、みんな今日はありがとう!」 ヒラヒラ

唯「じゃあ、またねー」 ブンブン


バタン


紬「みんな…本当にありがとう」



後日!

紬「シャランラシャランラ♪」

紬「すぐに治って良かったわ~」

紬「これも皆のおかげね~♪」

ガチャ

紬「こんにちわ!」

紬「…あれ?」

さわ子「こんにちわ 久しぶりね、ムギちゃん」

紬「あ、さわ子先生 えっと、皆は…?」

さわ子「それが4人とも風邪で休んじゃってるのよ…」


紬「ええっ!?!」


おしまい



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