律「あー、練習終わったー!」

澪「ちょっと、律。もう少し練習しようよ」

律「えー?もう力が出なーい」

澪「そんなこと言わずにさ・・・」

律「澪がキスしてくれたら、もっと頑張れるよ?」

澪「・・・もう、律は仕方ないんだから・・・///」

ちゅっ

律「今のじゃ一曲持たないからもっと長いのー」

澪「わ、わかったよ・・・///」

ちゅうー・・・

澪「んん・・・っ。はい、終わり!///」

律「へへっ、澪の唇は相変わらず柔らかくて気持ちいいや」

澪「は、恥ずかしいこと言うな!・・・それに、律の唇だって・・・///」


唯紬梓「・・・」ボタボタ ザー

私達の目の前で初めてちゅーした時は、あんなに恥ずかしがって取り乱してた澪ちゃん。
ところが今ではすっかりこの様で、完全にバカップル状態。

でも、りっちゃんと澪ちゃん・・・羨ましいなぁ。
お互い好き同士で、いつも一緒に居られて、ちゅーしてる時もすごく嬉しそうだし。

私だって・・・

律「ありがとな、澪。さぁーて、やる気もみなぎったしもういっちょ練習するか!」

梓「・・・人前では、自重した方がいいですよ」

紬「うふふふふふ、ごちそうさまでした」ニコニコ

ムギちゃんと、ちゅーしたい。


改めてムギちゃんをじっと見てみる。

髪の毛ふわふわ。
肌は色白で雪みたい。
顔立ちも整っていて、睫毛もすごく長くてとっても綺麗。

前からずっと、優しくておっとりぽわぽわなムギちゃんのことが気になっていた。
ムギちゃんは女の子同士を見るのが好きだって前に言ってたけど、自分はどうなんだろう?

ムギちゃん自身も、女の子が好きなのかな?
私が相手だったら、どうなのかな?

あの時のりっちゃんと澪ちゃんを見てから、ずっとこんなことばかり考えてしまう。

紬「唯ちゃん?」

唯「ひゃあっ!?」ビクッ

紬「ど、どうしたの?」

唯「ご、ごめん!考え事してた!」

ムギちゃんのこと考えてたら目の前に本人の顔があって、びっくりしたよぉ・・・。

紬「そうなの?何か悩み事でもあるの?」

唯「え?う、うん・・・。悩み事って言えば、悩み事かなぁ・・・」

っていうか、ムギちゃんのことで悩んでるんだけどね。

紬「そっか。・・・話したくないなら無理にとは言わないけど、もし誰かに言いたくなったら私に言ってね?」

紬「唯ちゃんは、私の大切なお友達なんだから」

そうだよね。
やっぱり、友達だよねー・・・。

唯「ねぇ、ムギちゃん?」

紬「なぁに?」

唯「ムギちゃんは、女の子同士の恋人が好きなんだよね?」

紬「えぇ、そうよ♪」

紬「はっ!・・・ま、まさか唯ちゃん!?好きな女の子ができたの!?」

唯「うん・・・、そうかな・・・」

っていうか、ムギちゃんのことなんだけどね。

紬「ぜ、是非詳しくお話を聞きたいわ・・・!」

そうだなぁ・・・。
いつもバカップル(りっちゃんと澪ちゃん)に見せつけられて、
余計にムギちゃんのこと意識するようになったのに、
いつまでも私ったら煮え切らないし、
この機会に相談っていうか告白・・・しようかな。

唯「うん・・・、そうだね。じゃあ練習が終わったら、ちょっと残ってお話聞いてくれる?」

そうと決まれば、頑張ろう!
私はきっと、やれば出来る女子なのです!

紬「是非是非よ!」

『・・・あれ?』


紬「それで、唯ちゃん?誰のことを好きになったの?」

『平沢唯ちゃん。
今私の目の前に居るとっても可愛らしい、
その場に居るだけで周りも元気にしてしまうような明るい女の子。
そんな彼女が、恋をしたらしい。』

『いつも元気で天真爛漫な唯ちゃんもすごく可愛いけど、
今私の目の前で頬を染めてる彼女もまたすごく可愛らしい。
こんな天使のような彼女に想われている幸せ者は、一体誰なんだろう?』

唯「んっとねー・・・、えっとね・・・?///」

『でも、何でなのかしら・・・。
そんな天使のような女の子の、女の子同士の恋愛。
それを見られるのは私にとって、すごく嬉しいことの筈なのに―』

唯「・・・ムギ、ちゃん・・・」

『本当に、何でなのかしらね。
さっき唯ちゃんに好きな人が居るって聞いた時から、
ずっと・・・

胸がずきずきして、苦しいわ。』

紬「うふふ。改めて名前なんて呼ばれなくたって、ちゃんと聞いてるから大丈夫よ?」

唯「そうじゃなくて・・・ムギちゃん///」

紬「・・・え?」

唯「私、ムギちゃんのことが好きなの・・・///」

紬「え?・・・え?えぇっ!?」

『う、嘘・・・!?
まさか、私・・・だったの!?
唯ちゃんの好きな人って、私なの!?』

唯「ムギちゃん、女の子同士が好きなんだよね?ムギちゃん自身は?女の子が好きなの?」

紬「わ、私はその・・・男の子には興味が無くて、女の子が好き、よ・・・」

紬「で、でも唯ちゃんみたいな優しくて可愛い子が私なんて駄目よ!///」

唯「どうして?私のこと嫌い?私じゃ、駄目なの・・・?」ウルウル

紬「そうじゃないわ!でも私、皆みたいに可愛くないし・・・唯ちゃんには私なんて勿体ないわ・・・!///」

唯「そんなことないもん!ムギちゃんは可愛いもん!!」

『彼女の突然の言葉に、驚いた。
彼女がこんなに声を荒げるのを初めて聞いたかもしれない。
そして驚いて顔を上げた時に見た彼女の顔、
それは今までに見たことがないくらい真剣な表情だった。』

唯「髪の毛はふわふわで、肌も雪みたいに綺麗で!初めて見た時におとぎ話に出てくるお姫様みたいだって思ったもん!」

紬「唯、ちゃん・・・///」

唯「そんな風に思ってて、仲良くなってみたらムギちゃんすごく優しくて、どんどん好きになっていったんだもん・・・」

唯「そうしたら、ムギちゃんは女の子同士が好きって言ってたから、私にもチャンスがあるのかなぁって思ってたの」

『何か、何か言ってあげないと。
彼女はきっと、不安になってしまうと思う。

でも、何故だろう。
言葉が、出てこない。』

唯「でも、やっぱり怖くて言えなかった。だけど・・・りっちゃんと澪ちゃん見てたら羨ましくなっちゃって」

唯「私だって、ムギちゃんとそういうことしたい」

唯「私もムギちゃんと・・・ちゅーしたりしたい、ってすごくよく考えるようになってたの・・・///」

唯「だから、だから・・・!私と、恋人になって!ムギちゃん!」

『あ、そっか。
わかっちゃった。
何でさっき、言葉が出てこなかったのか。

私は、彼女の言葉を聞いていたかったんだ。
彼女に好意を伝えて欲しくて、途中で言葉を切りたくなかったんだ。
そうとわかったら、何であんなに胸が痛んだのかも、簡単なことね。』

『私、見てるだけで温かくなれる、明るくなれる・・・

―そして、愛しくなってしまう。
彼女のことが、唯ちゃんのことが、好きなんだ。』

紬「唯ちゃん、私も・・・私も、唯ちゃんのことが、好き」

唯「ほ、本当!?」

紬「本当よ。唯ちゃんのこと・・・大好きだわ」

紬「だから、その・・・今後は恋人として、側に居てくれますか・・・?///」

唯「ムギちゃんが居て欲しいなら、いつでも側に居るよ!」

唯「あ、でも・・・側に居て欲しくないって言われても、離れたくないから離れないかもしれないけど・・・」

紬「ふふっ、唯ちゃんはわがままね。・・・そんなに、私のこと・・・///」

唯「好きだよ!大好き!」

紬「うふふ、・・・嬉しい」

唯「えへへ・・・///」

唯「・・・だから、えーっと・・・ムギちゃんのことが、可愛くて仕方ないから」

唯「ムギちゃんのことが、大好きだから・・・ちゅー、してもいい?///」

紬「わ、私初めてだから至らないところがあるかも知れないけど・・・///」

唯「私だって初めてだよー。・・・へへ、何か緊張しちゃうね」

紬「そうね、唯ちゃ・・・んんっ」

『唯ちゃんが、啄ばむように私の唇に唇を重ねてくる。
慣れていないからか、ちょっと唇から外れたところに彼女の唇が触れたり、
偶に歯が当たったりもする。
そんな、決して上手ではない、軽く唇が触れるだけの稚拙なキスだけど、
それでもどうしようもないくらいに私の心臓は高鳴ってしまう。』

唯「んっ・・・ちゅっ・・・はぷっ・・・」

『薄目を開けて彼女の顔を見てみると、
彼女は顔を真っ赤にしながら目を瞑ったまま私に顔を近づけていた。
目を閉じたままじゃ、当然唇から微妙に狙いが外れたりもするよね。
慣れてないのと緊張とで一生懸命な彼女のその姿を見て、
思わず笑みがこぼれてしまった。』

紬「・・・ふふっ」

唯「む、ムギちゃん?急にどうしたの?やっぱり私、下手だったかなぁ・・・」

紬「ごめんなさい、急に笑ったりして。唯ちゃんったら目を瞑ったまま何回もキスするものだから、つい」

唯「む、ムギちゃんはされる方なんだから目を瞑ってないと駄目だよー!///」

紬「でも、する方の唯ちゃんは目を瞑ってなくていいんじゃない?」

唯「・・・あ、そっか。それもそうだね、へへ・・・」

唯「こ、今度はちゃんとやるよ!!」

『彼女の顔が、私に近づいてきた。それに呼応するように、私もそっと目を閉じる。』

唯「ん・・・っ」

うわぁ、どうしよう・・・。
ムギちゃんの唇、すごい柔らかいしムギちゃんいい匂いするし、すっごい気持ちいい。
キスって、こんなに気持ちよかったんだ・・・。

紬「んんっ・・・」

ムギちゃんの声、色っぽい。
ムギちゃんも、気持ちいいと思ってくれてるのかな。
もっと、もっとムギちゃんと気持ちよく、なりたいな・・・。

私達もりっちゃん達みたいに、大人のキスがしたい。

んちゅっ、にゅる・・・

紬「んんっ!?・・・は、ぁ・・・っ」

『私の口内に、唯ちゃんの舌が入ってきた。
そういえば、りっちゃん達を見て我慢できなくなってきたって言ってたもんね。
唯ちゃんも、私とこういうキスがしたかったのね。
嬉、しい・・・。』


れろっ、ちゅるっ・・・

唯「むぎ、ひゃん・・・んぅぅっ・・・」

これ、さっきよりもずっと気持ちいい・・・。
私の口の中に、ムギちゃんの味が広がって、
全部ムギちゃんのものになっていくよ・・・。

もう頭の中真っ白になって・・・何にも考えられなくなりそう・・・。

ぢゅっ・・・ちゅぱっ・・・

紬「んっ・・・、ゆい、ちゃんっ・・・ふぁっ・・・」

『女の子同士が、女の子が好きな自分がこうやって女同士で、
しかもこんなに可愛らしい唯ちゃんとキスしてるなんて、夢みたい。』

『だけど、これは夢じゃないのよね。
これからも、こうやって二人で確かめ合って行けるんだものね。』

『―好き、愛してるわ、唯ちゃん。
私達はお互いの愛を確かめるように、濃密に舌を絡ませていった。』



唯「んんっ・・・、ぷはっ」

『ようやく私達は、お互いの唇を離した。
どれくらいキスをしていたんだろう。
お互いの口元はもう涎だらけで、ベタベタだった。』

紬「あ、唯ちゃん・・・。涎が制服に垂れちゃう・・・」

『とっさにハンカチを出して、滴り落ちそうになっていた涎を拭う。』

唯「むぐ・・・。あ、ムギちゃんも・・・」ペロッ

紬「きゃっ!?///」

『そう言うと、唯ちゃんは私の顔を舐めてきた。』

紬「ちょ、ちょっと唯ちゃん・・・。これじゃ、余計に涎が付いちゃうわよ?」

唯「あ、それもそうだね・・・」

唯「ムギちゃんに子供扱いされたみたいで悔しかったから、驚かせようと思ったんだけどそこまで考えてなかったよ・・・」

紬「・・・ふ、ふふっ」

唯「あはははははは、何か駄目だね。私達はりっちゃん達みたいにはできないのかも」

紬「それでいいんじゃないかしら?二人がきっかけだったとしても、私達がすっかりあの二人を真似る必要は無いもの」

唯「うん、そうだね。私達は、私達のやり方で幸せになろうよ!」

そう言って私は、もう一度ムギちゃんを抱き寄せる。

唯「・・・ムギちゃん、大好きだよ」

紬「私もよ、唯ちゃん」

ちゅっ

『そして私達は、またお互いの愛情を確かめ合った。』

-fin-





純(え?え?何で!?唯先輩と紬先輩がキスしてる!?)