……………


ポケモンセンター


澪「そういや梓はラルトスにニックネームはつけたか?」

梓「いえ、まだどういうポケモンかわからないので後々つけようかなと……」

澪「そうか、私も何かつけようと思ってるけどなかなかいいのが出なくて……」

梓「うーん……進化したらどうなるかなって考えると……」

澪「まぁそのうちつけるのもいいだろう。 ……そろそろポケモン達も回復しただろう」

梓「じゃあこの後は?」

澪「ともしびやまへ行ってみよう。 いなかったら他の島へ行ってみよう」

???「あのー……」

澪「はい?」

???「もしかしてあなたたちが澪さんと梓さんですか?」

梓「そうですけどあなたは?」

ニシキ「初めまして、僕はニシキというものです」

澪「ニシキ?」

ニシキ「えぇ、ちょっと用事で1のしまに来たんですけど……」

梓「私達に何か用ですか?」

ニシキ「マサキさんから色々聞きました。 元チャンピオンを探してるってことを」

澪「元チャンピオン……ムギを知っているのか!?」

ニシキ「いえ、全部知ってるって訳では無いんですけど少なくともこの1のしまにはいませんよ」

梓「えっ?」

澪「それってどういう……」

ニシキ「この島は温泉がありまして、色んな地方から観光客が来るんです」

ニシキ「初代カントーチャンピオンの名はカントーだけでなく色んな地方でも知られています」

ニシキ「そんなチャンピオン琴吹紬という人物はほとんどの人が見てもわかります」

澪「でも、どうして誰もムギを見てないってことがわかるんですか?」

ニシキ「実はあなたたちがこの島に来る前に聞いてきたんですよ。 見てないかって。 そしたら誰も見てないって言ってました」

梓「でも私達がここに来るってことはいつから?」

ニシキ「マサキさんから連絡が来たんです。 『澪って子と梓って子が琴吹紬を見つけるためにナナシマに行くから手伝ったってや』って言われて時間がある時に……」

澪「……もしそうなるとこの島にはいないってことになるけど……」

ニシキ「それならナナシマ地方には名前の通り7つ島がありますから他の島を回ってみたらどうでしょう?」

梓「……澪先輩どうします?」

澪「マサキさんの知り合いなら悪い人じゃないはず……それなら他の島を調べた方がいいと思う」

ニシキ「もしこっちで何か手掛かりが見つかりましたら僕から連絡するというのはどうでしょう?」

澪「それなら……」

ニシキ「あっ」ピリリリ

ニシキ「すいません、失礼しますね! ……もしもし」タッタッタッ

梓「何だったんでしょう?」

澪「さぁ……少なくともムギ探しの手助けしてくれるようだから味方と考えていいんじゃないか?」

梓「何かあったら私達に連絡してくれるようですし……」

澪「さて梓、ここはニシキさんに任せて行こう」

梓「えっ? どこに行くんですか?」

澪「次は2のしまだ。 行くぞ!」

梓「ま、待って下さい!!」


……………


2のしま


梓「ここが2のしまですね?」

澪「あぁ、でもここにはゲームコーナーぐらいしか無いらしい」

梓「ゲ、ゲームコーナー?」

澪「あまりゲームコーナーにムギがいるとは思えないけどな……」

梓「でもゲームに夢中でいるってことも……」

澪「その可能性は無くは無いかも……」

梓「でもこの島ってゲームコーナーしか無いんですか?」

澪「いや、他には……」

おばあさん「ちょっといいかいお前達」

澪「はい?」

おばあさん「お前達こんな島に来て何をしとるんじゃ?」

梓「実は人を探していまして……」

おばあさん「ほうほう、遠い所から御苦労さんじゃのう」

梓「どうも……」

おばあさん「しかし、あんた達のポケモンを見るとどうも頼り無さそうに見えるのう」

梓「え?」

おばあさん「バタフリーとペルシアンは悪くないねぇ、でもドーブルとラルトスはまだまだじゃのう」

梓「え!? なんで私の手持ちを!?」

おばあさん「長く生きてるとそれぐらいわかるようになるぞ」

澪「そんなわけないでしょう」

おばあさん「ん?」

澪「長生きしただけじゃ人の手持ちの強さなんてわかるはずがないじゃないですか」

おばあさん「ほう……」

梓「……ってことは今のは適当ですか?」

おばあさん「違うわい! 適当に出来るか!!」

澪「おばあさんトレーナーですよね?」

おばあさん「フフン、バレたら仕方ないのう。 わしは通称わざおしえばあさんじゃ!!」

梓(通称……?)

おばあさん「お前達を見た時に何かビビッときたもんでな!」

梓「そんなに凄い人には見えないんですけど……」

おばあさん「失礼な! こうみえても昔は結構名の知れたトレーナーだったんじゃぞ!!」

澪「で、そのわざおしえばあさんが私達に何か用ですか?」

おばあさん「おっと、そうじゃった。 お前達、自分のポケモンに珍しい技を覚えさせたくないかい?」

澪「いえ、間に合ってます」スタスタ

梓「失礼しました」スタスタ

おばあさん「えぇい! 待たんかい!!」ボン!

バクフーン「フー!!」ゴウッ

澪「うわっ!?」ボン!

梓「きゃっ!?」ボン!

ふわ☆ふわ「ピッピー!!」

あずわん「ブル!!」

梓「な、何するんですかいきなり!?」

おばあさん「わしがどれだけ経験を積んできたかお前達に見せてやるわ! さぁこい!!」

澪「梓、あのバクフーン結構な強さだと思う。 油断しない方がいいぞ」

梓「そ、それはわかったんですけど、焦ってあずわん出しちゃいました……」

澪「……まぁ、それはしょうがない。 ドーブルには敵の技をそのまま自分の物にする"スケッチ"という技がある。 向こうが強そうな技を出したら"スケッチ"を使うんだ」

梓「"スケッチ"ですね……」

おばあさん「どうしたんじゃ!? 2匹で一斉にかかってこんかーい!!」

澪「慌てなくてもいきますよ! "ゆびをふる"!!」

ふわ☆ふわ「ピッピー!!」フリフリ

澪「………」

梓「………」

おばあさん「………」

澪「………?」


ふわ☆ふわ「ピッピー……」バタッ

澪「え!?」

おばあさん「"おきみやげ"か……これでこっちのバクフーンの力は弱くなったが……」

あずわん「」ジー

バクフーン「」ギロッ

おばあさん「まぁ大丈夫じゃろ。 バクフーン! "かえんほうしゃ"!!」

梓「"サイコキネシス"!!」

あずわん「ブル!!」キュイン

おばあさん「そんなもの効くかーい! やれー!!」

バクフーン「フー!!」ゴォォォ

あずわん「ブル!?」ジュッ

おばあさん「バクフーン! "ブラストバーン"でトドメじゃー!!」

バクフーン「フー!!」グォォォォ

あずわん「ブル!?」ドゴン

梓「あずわん!?」

あずわん「」バタッ

おばあさん「勝負ありじゃな」

澪「1対2だったってのもあるけどさっきの技って……」

梓「さっきのっていうと……」

おばあさん「"ブラストバーン"は限られたポケモンしか覚えんからのう」

梓「すごい人だったんですね……」

澪「でも……」

梓「どうしました?」

澪「おばあさんが凄いトレーナーというのはわかったけど、私達と戦ってどうするんですか?」

おばあさん「そうじゃ! 戦ってる場合じゃなかったっていうのに何で戦ったんじゃ!?」

澪「仕掛けてきたのはそっちです!」

梓(ボケてる……?)

おばあさん「わしはボケとらんわい!!」クワッ

梓「ひぃ!? 心を読まないで下さい!!」

澪(本当に何者なんだこの人……)

おばあさん「まぁここで話すのもアレだからわしの家で話そう。 ついてきなさい」

澪「はぁ……」


……………


きわのみさき おばあさんの家


おばあさん「お前達にまず聞きたいことがあってな……」

澪「何ですか?」

おばあさん「お前達は確かヤマブキのシルフカンパニーの騒動に関わってるっていうのは間違いないかい?」

澪「!?」

梓「なんで知ってるんですか!?」

おばあさん「ヤマブキに親戚がいてな、色々聞いたんじゃ。 お前達の写真もあるぞ、ちょっと写りが悪いが」

梓「あっ、ホントだ!」

澪(本当は近くにいたんじゃ……)

おばあさん「間違いないんじゃな?」

澪「……間違ってはないです」

おばあさん「そうか……じゃあこのナナシマでよく見かけるロケット団は一体何じゃ?」

梓「ロケット団?」

澪「!? 何ですかそれは!?」

おばあさん「何と言われても何か探していたような感じがするんじゃが……」

澪(……? どういうことだ……)

おばあさん「知らんのなら仕方ないが……ん?」ピリリリ

梓「電話?」

おばあさん「ちょっと失礼、なんじゃ?」ピッ

澪(ナナシマに団員達は何も用は無いはず……一体何のために……)

おばあさん「テレビ? あぁわかった。 ちょっとすまんがテレビをつけてくれんか?」

梓「わかりました」ピッ

テレビ「ザー・・・」

澪「電波が悪いのかな?」

おばあさん「おかしいのぅ、このチャンネルは普通につくはずなんじゃが……」

梓「そういやさっきの電話誰だったんですか?」

おばあさん「うーん誰だったか……親戚や友人以外に電話はしないからな……」

梓「近所の人とかじゃ……」

おばあさん「この辺に住んでるのはわしぐらい……」

澪「あっ、何か映った!」

梓「……? まだよく見えないですね」

おばあさん「ん?」

テレビ『ナナシマに住んでいる方にお知らせします』

おばあさん「なんじゃ? 臨時ニュースでも入ったんか?」

テレビ『現在このナナシマにて凶悪犯が潜伏しています』

梓「凶悪犯?」

おばあさん「なんじゃ、それだけか」

澪(それだけ……?)

テレビ『この写真の二人を見かけたらすぐに警察に連絡して下さい』

澪梓「!!」

おばあさん「ん? どこかで見たことあるような……」

梓「見たことあるも何も私達ですよ!!」

おばあさん「あっ」

梓「あっ、じゃないでしょ!!」

澪「な、なんだこれは……」

おばあさん「お前達何かやったのか?」

梓「何かやった…んですか?」

澪「……聞かれても」

おばあさん「何だか凄いことになってきたな」ワクワク

梓「こんな時によくワクワクできますね……」

おばあさん「いやー! こんな年になると刺激が少なくて……」

梓「………」

澪「ん? さっきのニュースおかしくないか?」

梓「えっ?」

澪「さっきのニュースで取り上げられたの私と梓の二人だけだよな」

梓「そうですね……」

澪「なんで唯と律は取り上げられてないんだ?」

梓「あっ! そういえば!!」

おばあさん「なんじゃお前達、仲間か何かいるのかい?」

梓「今は私達だけですけど……」

澪「まるで私達がここに来たことを知ってるかのようにしてるような気がするんだが……」

おばあさん「ふむ……ん?」プルルル

梓「電話?」

おばあさん「はいもしもし? おぉそうか待っとるぞ」ピッ

梓「誰だったんですか?」

おばあさん「助っ人を呼んだのじゃ。 もうすぐここに着くそうじゃ」

澪「助っ人?」

おばあさん「そうじゃ、さっきのニュースが流れた後にここに来てくれるか呼んだんじゃ」

梓「もしかして警察に……」

おばあさん「何を言ってるんじゃ? お前達が悪いことをするように見える訳が無いじゃろ」

澪「えっ?」

おばあさん「さっき呼んだのは今のニュースについておかしいと思って電話を掛けたらわしだけでなく向こうもおかしいって言っておったぞ」

梓「じゃあ……」

おばあさん「わしはお前達の味方じゃ。 あの時の戦いでわかる!」

澪「………」

おばあさん「なんじゃ? 嬉しすぎて声も出んか?」

梓「そ、そんなんじゃ……!」

???「入っていい?」コンコン

おばあさん「おぉ、来おった来おった。 入っていいぞ!」

???「失礼するわ」ガチャ

澪「!?」

梓「あっ!!」

おばあさん「ん? どうしたんじゃお前達?」

カンナ「久しぶりね」


……………


アサギから出航している船の甲板


憂「うーん……ホウエンってどんなところなんだろう……?」

???「それはもう自然がいっぱいあっていいところだぞ!」

憂「えっ?」

???「やあ、一人旅かい?」

憂「えっと……どちら様で……?」

トウキ「俺はトウキ、ジムリーダーをやっている者さ」

憂「ジムリーダーがなぜここにいるんですか?」

トウキ「ジョウトに知り合いがいてさ、一緒に色々修行やって今帰る途中だ」

憂「知り合いって……?」

トウキ「いつも修行のことばかり考える奴でさ、暇さえあればすぐに山籠りしてる奴だよ」

憂「山籠り……」

トウキ「まぁ修行ばっかりやってたせいか先に四天王になっちまったらしくてさ」

憂「す、すごい人ですね……」

トウキ「まぁ俺の話はいいとして、君はホウエンが初めてなんだろう?」

憂「はい」

トウキ「この船の着く町ぐらいなら案内してやるぞ」

憂「本当ですか!?」

トウキ「まぁホウエンのいいところを少しでも知ってもらえればいいかなと……」

憂「ありがとうございます!」

トウキ「いいってことよ、もうすぐ着くから準備しとけよ」

憂「あ、はい!」


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