……………


ハクタイのもり


ガサガサ

唯「ねぇ、りっちゃーん! 出口まだー?」

律「いや、出口らしきものは無いな」

唯「やっぱり戻ろうよりっちゃん。 もう夜だよ?」

律「じゃあ出口どこにあるのか教えてくれよ」

唯「………」

律「………」

唯律(やっぱりポケモンセンターに戻るべきだったなぁ……)


……………


律「ダメだ……さっきから同じ所を見てるような気がする……」

唯「えーと……もしかしてもう出られないとか……」

律「いや! それは困る!! せめてここを出ないと!!」

唯「どうするりっちゃん……もう夜の9時だよ……」

律「野宿するしかないんじゃないか……」

唯「えぇ!? 野生のポケモンとかに襲われたら……」

律「流石にこんな時間に野生のポケモンが……」

唯「あれ? りっちゃん……あれって……」

律「ん……灯りか……?」

唯「もしかしたら誰かいるかも!!」

律「そ、そうだな! 行ってみよう!!」


……………

もりのようかん前


唯「………」

律「ち、近くで見ると不気味な建物だな……」

唯「誰かいませんかー?」ドンドン


シーン


唯「寝てるのかな?」

律「もし寝てるなら勝手に入らない方がいいんじゃないか?」

唯「うーんそうだね」キィィ

律「おいおい勝手に開けちゃダメだって……」

唯「えっ? 私じゃないよ?」

律「えっ?」

唯「えっ?」

律「で、でも扉開いてるじゃん」

唯「私まだ扉に触ってないよ?」

唯律「………」

唯「……きっと自動ドアなんじゃない?」

律「い、いやそんなにハイテクじゃないだろこの扉!」

唯「……とりあえず入ってみる?」

律「……まぁ開いたからな……入れってことかもしれないし……」

唯律「お邪魔しまーす……」


パタン



もりのようかん


唯「誰もいないのかな……」

律「誰もいなかったら勝手に扉は開かないぜ? 家主を探してみよう。 私はあっちを探してみる」

唯「じゃあ私はこっちだね」

律「探し終わったらまたここに戻ってこようぜ」

唯「オッケー!」


……………


唯「りっちゃーん! ……あれ? まだなのかな?」

律「わっ!!」

唯「わっ!?」ペタッ

律「ハッハッハー! 私だよん!!」

唯「な、なんだぁ……ビックリしたぁ……」

律「いやー! ちょっと驚かしてやろうと思ってさ!!」

唯「もー……ひどいよー……」

律「で? どうだった?」

唯「誰もいなかったよ。 そっちは?」

律「こっちも人影すら見えなかったぜ?」

唯「そっかぁ……」

律「なぁ唯、家の人には明日にでもメモとかで泊った事伝えるってことにしてそろそろ寝ようぜ?」

唯「うーん……そうだね、眠くなってきたし……」

律「さっきいい部屋見つけたぜ! こっちこっち!!」バタバタ


シーン・・・



バチバチ・・・


……………


律「この部屋だ!」ガチャ

唯「おぉ! ひろーい!!」

律「ベッドも二つあるしこの部屋がいいかなと思ってさ!」

唯「うおっ!? ふかふかだ!!」ボフッ

律「そしてこの広さ! これだけ広かったら……!」

唯「ぐー……」

律「っておい! 寝るの早すぎるだろ!!」

律「……まぁ夜遅いし色々あったししょうがないか。 私も寝よっと。 電気消して……と」カチッ

律「おやすみー」


……………


深夜


律「んー……ん?」


ザァー・・・


律「あれ? なんでテレビついてんだ?」

唯「ぐー……」

律「唯は寝てるし……何かの拍子でついただけかな?」ピッ

律「あー……トイレ行きたくなっちゃった……トイレ行ってこよ……」バタン


カタカタ


……………


律「ふぅ……」カチャ

サイクロン「グォ?」

律「あれ? サイクロン? もしかして勝手に出てきたのか?」

サイクロン「グォ」

律「まぁ勝手に出てきたならしょうがないけど……ん?」


ザァー・・・


律「またテレビがついてる……」

サイクロン「」ブンブン ←首を横に振る

律「じゃあ唯か……?」

唯「ぐー……」

律「それはないか……」

律「とりあえず消しとこ……」ピッ


パッ


律「へっ?」


ザァー・・・


律「今、勝手についた……?」

サイクロン「………」

律「ん? 何か見えるような……」

ヒュン


律「うわっ!?」ビクッ

律「な、なんだ今の!?」


ドン!


律「今度は何だ!?」

サイクロン「グォ!」

律「ドアの向こうから音がしたよな……?」カチャ

律「うわっ!?」

サイクロン「グォ!?」

律「何だ……洗濯機じゃないか……」

律「……にしても洗濯機がなんで部屋の前に……」

サイクロン「!!」

律「ん? どうした、サイクロン?」

サイクロン「グォ!!」ドカッ

律「うおっ!? 急にどうした!?」


ポン


律「ん?」

???「………」ビクビク

律「これって……ポケモンか……」

???「!!」

律「もしかして……さっきテレビが勝手についてたのもこいつの仕業か!?」

???「」ピュー

律「あっ! 逃げた!!」

サイクロン「グォ!!」

律「待て! サイクロン!!」

サイクロン「グォ?」

律「逃げたっぽいしもう襲ってくることはないと思うから大丈夫だろ」

律「それにめちゃくちゃ眠いし……」ファー

サイクロン「グォ」

律「さて、寝るか!」カチャ

唯「えへへ~……うい~……」ムニャムニャ

律「あんだけ大きい声や音出してるのにまだ寝れるのか唯は……」ハァ・・・

律「まぁいいや、もう寝よう!」バサッ

律(……にしてもやっぱり今のはポケモンだったのか……?)


……………


翌朝


唯「……う~ん………はっ!?」ガバッ

唯「りっちゃん! 朝だよ朝!!」ユサユサ

律「あ~……」

唯「さぁりっちゃん! 今日も元気に行こうよ!!」

律(……結局全然寝れなかった……)

唯「あっ、そうだ! 家の人にも泊った事わかるように手紙書いとこっと!!」

律「……眠い」


……………


ハクタイシティ


唯「ねぇりっちゃん? 朝から元気無いけどどうしたの?」

律「あ~……昨日の夜全然寝れなかったんだよな~……」フラフラ

唯「え~? りっちゃんもしかして夜ふかししたの?」

律「いいよなー、唯は何も知らないで……」ボソッ

唯「えっ? 何か言った?」

律「いや、何も」フラフラ

唯「りっちゃん大丈夫?」

律「悪い唯、しばらくポケモンセンターで休んどくわ……」

唯「えっ?」

律「唯はその辺で何かやっといて……」フラフラ

唯「えっ!? りっちゃん!?」


……………


唯「うーん……どうしようかな……」

唯「ここがどういう町か聞いてみようかな?」キョロキョロ

唯「あっ! すいませーん!!」

???「ん? あたしに何か用?」

唯「この町ってどういう町なんですか?」

???「どういうって……あなた観光者?」

唯「まぁそんなところです」

???「へー! それなら任せて! あたしこの町のジムリーダーだからね!!」

唯「ジムリーダー?」

ナタネ「そう! ハクタイシティのジムリーダーナタネとはあたしのことよ!!」

唯「そ、そうなんですか……」

ナタネ「あなたどっち側からこの町に来たの? テンガン山? それともサイクリングロード?」

唯「いえ、森から来ましたけど……」

ナタネ「そうか~森から来たのか~……ってえっ!? 森!?」

唯「は、はい……」

ナタネ(ハクタイの森からこの町に来れるということはそうとうな実力者!?)

唯「昨日は大きい館みたいなところで泊りましたけど……」

ナタネ「大きい館……それってもしかして"もりのようかん"!?」

唯「ようかん……? あっ! おいしかったですよ、あのようかん!」

ナタネ「おいしかった……?」

唯「部屋にあったので勝手に食べちゃいましたけど……」

ナタネ「……ってそれは"羊羹"でしょ! あたしが言ってるのは"洋館"よ"洋館"!!」

唯「す、すいません!」

ナタネ(もしかしてあたしバカにされてる?)


ナタネ「なるほど……そういうことね……」

唯「はい?」

ナタネ「あたしがジムリーダーってことがわかってから油断させようとしてるんでしょ!?」

唯「えっ?」

ナタネ「いいわよ! それなら今日ジムリーダー戦やってやろうじゃないの!!」

唯「あっ、大丈夫です」

ナタネ「」

唯「カントーのバッジ全部持ってますので……」

ナタネ「えっ!? マジ!? ちょ、ちょっと見せて! ってか見せろ!!」グワッ

唯「は、はいぃ!?」ゴソゴソ


唯「ど、どうぞ……」スッ

ナタネ「凄い……本当に全部ある……!」

唯(面倒臭い人だなぁ……)

ナタネ「返すわ……」スッ

唯「ど、どうも……」

ナタネ「今のあたしじゃバトルするだけ無駄ってことね……」

唯(初めから戦う気はないんですけど……)

ナタネ「それなら!!」ガバッ

唯「わっ!?」

ナタネ「あたしもあなたに負けないように鍛錬あるのみ!!」

唯「えーと……」

ナタネ「うおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」ドドドドドドドド

唯「………」


……………


唯「さっきの人なんだったんだろう……」ツカツカ

唯「それにしてもこの町ってなんか凄いなー……トゲトゲのビルがあったり……ん?」

???「」スタスタ

唯「!?」ビクッ

???「失礼、どいてもらおう」

唯「は、はい……」

???「」スタスタ

唯「………」

唯「び、びっくりしたぁ……凄い怖そうな人だったなぁ……」


……………


唯「この町にも特に手掛かりになりそうなものは無かったっぽいから、そろそろりっちゃんの様子見に戻ろうかな」


ドン


唯「あっ! すいません……」

ギンガ団下っ端「気をつけろ! ……あっ」

唯「あっ! 発電所の時の悪い人!!」

ギンガ団下っ端「やべっ!」ダッ

唯「あっ! 待てー!!」


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