よくじつ!

コンコン

紬「どうぞ」

ガチャッ

斉藤「お嬢様、そろそろ学校の時間でございます」

紬「・・・ごめんなさい、今日は体調が良くないから休むわ」

斉藤「・・・かしこまりました、では学校へ連絡いたします」

ガチャッ、バタン

紬「・・・・・・」

紬(なんてね、嘘ついちゃった)

紬(さてと、やっぱり昨日のことが気になるし調べてみようかしら)

紬(見なかったことにしてって言われても、見ちゃったものはしょうがないしね)

カタカタ

紬(なんと、自宅のパソコンをハッキングしちゃいました)

紬(本当は適当に操作してただけなんだけど・・・)

紬「あっ、これかしら?」

紬「・・・この研究所ってうちが投資してる所よね?」

紬「人類基盤史研究所『BOARD』・・・」

紬「えーっと、人が地球を制した背景には進化論では説明できない理由が存在する・・・」

紬「その理由を究明する為に・・・う~ん、なんだか分からないわ・・・」

紬「あら?」

カチカチッ

紬「ライダー・・・システム?」

prrrr、prrrr

紬「あっ、もしもし」

紬「実は私かくかくしかじかで・・・」

紬「・・・はい、それで一つ頼みたいことがあるんですけど」

紬「そちらの研究所を見学しにいってもよろしいでしょうか?」

紬「はい、最近歴史関係に興味を持ってまして・・・」

紬「えっ、今日でよかで・・・いいんですか!? ありがとうございます!」

紬「いえいえ、こちらこそ・・・では後ほど」ピッ

紬「やった! さっそく準備しないと!」

紬「それとこっそり抜け出さないとね」


……

さわ子「・・・・・・」フラフラ

さわ子(紀美・・・紀美・・・)

さわ子「先に仕掛けたあんたが悪いのよ・・・私はただ・・・」ブツブツ

さわ子「あなたが悪いのよ・・・私は間違ってない・・・」

さわ子「・・・・・・」

さわ子「これからどうする・・・戦うの・・・?」

さわ子「それでいいの・・・?」

さわ子「分からない・・・何も分からない・・・」

さわ子「考えたくない・・・怖い・・・」

さわ子「・・・・・・」

キーン…
   キーン…

さわ子「・・・・・・」

士郎「・・・山中さわ子」

さわ子「・・・」

士郎「戦え、ライダーバトルは始まっている」

士郎「お前はもう、引き返すことはできない」

士郎「一度ライダーになったものは、最後までライダーであり続ける・・・それが掟だ」

さわ子「・・・」

士郎「これから指定する場所へ行け、ライダーが待っている」


……

男「お嬢様、ようこそBOARDへ」

女「私たちがご案内いたします」

紬「どうもありがとうございます」

男「では早速奥へ・・・」

紬(こんな所にまで来るなんて・・・自分でも驚きだわ)

紬(それにしても、表向きは普通の研究所ね・・・)

紬(本当にこんな所でライダーシステムなんて開発してるのかしら?)

男「こちらでは、古代生物の研究をしています」

男「様々な生物の先祖がうんたらかんたら・・・」

紬(話が難しくてついていけないわ・・・)

紬(もし唯ちゃんがいたら頭パンクしちゃうだろうなぁ・・・)

紬「うふふ」

女の子「お父さん! お母さん!」

紬「え?」

女「こら、向こうの控え室にいなさいって言ったでしょ」

女の子「ごめん、二人の姿が見えたから・・・」

紬「お父さんとお母さんってまさか・・・」

男「はい、実は僕たち夫婦なんです」

女「子供には家にいて欲しかったんですが・・・この子ったら寂しいからイヤだって」

女の子「だって今日非番だって言ってたのに急に仕事に行っちゃうから・・・」

紬「あっ・・・ごめんなさい」

紬「私が見学したいって言ったから・・・」

男「いえ、いいんですよ別に」

女「それよりこの子、来年お嬢様が通ってる桜が丘高校に入ろうとしているんですよ」

紬「まぁ、そうなんですか!」

紬「よかったら今度、うちの学校見学しに来てね」

女の子「はい!」

男「では引き続き案内を続けましょうか」

紬「よろしくお願いします」

女「私はこの子を控え室に連れて行くわ」

男「あぁ、頼むよ」

女「いい? ちゃんとここにいるのよ?」

女の子「はーい・・・」

女「じゃあ私は仕事に戻るから」

ウィーン

女「はぁ・・・」テクテク

女「・・・そういえばあのお嬢様、現場にいたって聞くけど」

女「まさかこんな所に来たのって・・・」

女「・・・まぁ変なことしなければ処分はされないだろうし、一応忠告ぐらいは」

「すいませーん」

女「え?」

ドスッ!

女「うっ・・・」ドサッ

ベルデ「ごめんなさい、ちょっと眠っててくださいね」

女「・・・・・・」

ベルデ「さてと・・・」コピーベント

女(ベルデ)「ふふっ・・・これでよし」

女(ベルデ)「あとはデッキを回収して、この研究所を破壊するだけね」


紬(もう八時過ぎちゃった)

紬(斉藤、心配してるかしら?)

男「かつて地球には今以上に様々な生物が存在していたようです」

男「中には不死の生命体もいたそうでうんたらかんたら・・・」

紬(うーん、これ以上ライダーについての話は聞けそうにないわ・・・)

男「お嬢様?」

紬「え?」

男「大丈夫ですか? ぼーっとしていましたけど」

紬「あっ・・・すいません」

男「いえ、無理もないですよこれだけの長時間でしたら」

男「あっ、そうだ・・・よかったらこれでも見て疲れを取ってください」スッ…

紬「これは・・・?」

男「娘の写真です」ニコッ

男「これが三歳のころの写真、こっちが幼稚園へ入学した時の写真」

紬「は、はぁ・・・」

男「これが小学校に入学した時の写真で、こっちは遠足の・・・」

紬「・・・お嬢さんのこと、本当に好きなんですね」

男「はい! うちの宝です!」

男「あっ・・・すいません一人で盛り上がっちゃって・・・」

男「娘のことになるとつい・・・」

紬「いえ、いいんですよ」

男「そうだ! よかったらこの後うちで食事していきませんか?」

紬「え?」

男「妻の料理がこれまた美味しいんですよ! 娘も喜ぶと思いますし・・・」

男「迷惑でしょうか・・・?」

紬「いえ、そんなことは・・・」

紬「嬉しいです、ぜひ寄らせてもらいます」

男「本当ですか!? ありがとうございます!」

紬「うふふ」

男「あっ、おーいこっちだ」



女(ベルデ)「げっ・・・」


男「どこ行ってたんだ、遅かったじゃないか」

女(ベルデ)「ちょ、ちょっとね・・・」

男「実は今お嬢様と話していたんだが・・・」

女(ベルデ)(まずい、この女の人の知り合いかしら・・・って)

女(ベルデ)「えぇっ!?」

紬「?」

女(ベルデ)(この子・・・確か軽音部の・・・)

女(ベルデ)(どうしてここに!?)

男「おい、どうしたんだ?」

紬「どうしたんですか?」

女(ベルデ)「あっ・・・い、いえ・・・」

女(ベルデ)「・・・眉毛太いなーって・・・」

紬「!?」

男「こら! 失礼だろ!」

女(ベルデ)「ご、ごめんなさい!」

紬(私の眉毛・・・そんなに変かしら・・・)




ドガアアアアアアアアアアアアン!!!


紬「きゃっ!?」

男「な、何だ今の爆発音!!」

女(ベルデ)(モンスターでも現れたのかしら?)

男「ただ事じゃないな・・・」

男「俺はちょっと様子を見てくる! お前はお嬢様を安全な場所へ!」

女(ベルデ)「えぇ、分かったわ」

女(ベルデ)「さぁこっちに!」

紬「は、はい!」

女(ベルデ)「ここにいれば多分安全ですから、じっとしてて下さい」

紬「あの・・・」

女(ベルデ)「なんですか?」

紬「ここに・・・私一人ですか?」

女「決まってるじゃないですか、他に誰がいるんです?」

紬「・・・」

女(ベルデ)「じゃあ私も行くところがあるんで!」タタタッ

女(ベルデ)(ふふっ・・・今のうちに目的を達成しましょう)

女(ベルデ)(まずはデッキの回収ね)

女(ベルデ)「えーっと・・・あった、この部屋かしら」

女(ベルデ)「確かこの人がカードキーを持ってたはず・・・」ピピッ

ウィーン

女(ベルデ)「よし、開いた!」

女(ベルデ)「さてと、デッキはどこかしら・・・」

紬「あの、この部屋は何ですか?」

女(ベルデ)「え? 関係者以外立ち入り禁止の極秘研究をやってる部屋だけ・・・ど・・・・・・」

紬「へぇ~、そうなんですか~」

女(ベルデ)「・・・・・・」

紬「・・・・・・」

女(ベルデ)「・・・あの~」

紬「はい?」

女(ベルデ)「・・・なんでここに?」

紬「気になるんでついて来ちゃいました」

女(ベルデ)「馬鹿!?」

紬「ご、ごめんなさい・・・」

紬「でも、お子さんを心配してなかったりしたからやっぱり変だと思って・・・」

女(ベルデ)「うっ・・・子供いたんだ」

紬「?」

女(ベルデ)「・・・はぁ、しょうがないわね」

シュウゥゥ…

紬「!?」

ベルデ「危ないから隠れてて言ったのに」

紬「え?・・・えっ?」

ベルデ「あなた確か・・・琴吹紬さん、よね?」

紬「な、なんで私の名前を・・・」

ベルデ「ふふっ」

パリィィィィン

恵「お久しぶり・・・覚えているかしら?」

紬「あっ!」

恵「うふふ」

紬「澪ちゃんのストーカーさん!!」

恵「・・・・・・」


男「おい! 何が起きたんだ!」

研究者1「そ、それが・・・外に・・・」

研究者2「モニターを見てください!」ピッ

ベノスネーカー『キシャアアアアア!!』

男「ミラーワールドのモンスターか・・・」

研究者1「どうしましょう・・・所長は留守ですし・・・」

男「どうするもこうするも・・・すぐにオルタナティブで撃退する!」

男「準備を!」

研究者1「は、はい!」

男(娘は・・・娘は守らなければ!)



紬「ライダーバトル?」

恵「そう、私は仮面ライダーで勝ち残ればなんでも願いを叶えてくれるんですって」ガサゴソ

紬「その・・・神崎士郎さんが?」

恵「そうじゃないの?」ガサゴソ

恵「デッキどこかしら・・・」

紬「・・・」

恵「・・・私は神崎士郎に頼まれてここに来たのよ」

恵「奪われたデッキの回収と研究所の破壊をしにね」

紬「え?」

紬「ど、どうしてこの研究所を・・・?」

恵「なんかライダーバトルの妨げになるらしいの」

恵「昔神崎士郎が研究してた資料を参考に、独自でライダーシステムを開発してるらしくて」

恵「確かその試作品の一つが・・・オルタナティブ・ゼロって呼ばれてる擬似ライダーよ」

紬(もしかして、あの時の・・・)

恵「それにアン・・・なんだっけ」

恵「よく知らないけどけど、変な生物の研究もしてるみたいだしね」

恵「ま、もう知る必要もないでしょうけど」ガサゴソ

紬「うちの資金でそんなことを・・・」

恵「あった! ファムのデッキ!」

紬「それが仮面ライダーのデッキなんですか?」

恵「そうよ、鏡に写せば変身することができるわ」

紬「ほぉ~・・・」

恵「あっ、あなたは変身しちゃダメよ!」

恵「ライダーなんて危険だし・・・知り合いとも戦いたくないわ」

紬「ご、ごめんなさい・・・」

恵「さて、さっさとここを破壊して逃げましょうか」

恵「外にはモンスターもいるみたいだし」

紬「あの・・・」

恵「なに?」

紬「先輩の望みって・・・なんですか?」

恵「!!」

恵「そっ、それは・・・」

恵「その・・・」

紬「先輩?」

恵「あ、秋山さんと・・・その・・・」

紬「澪ちゃんと?」

恵「特別な関係を・・・」

紬「!」

紬「と、特別な関係!?」フンフン

恵「やだ! 恥ずかしい・・・///」

紬「でも本人同士がいいならそれもアリだと思います!」

恵「そ、そうかしら・・・?」

紬「はい」ウットリ

恵「ならいいけど・・・ってそんなことやってる場合じゃないわ」

恵「早く・・・」

ドガアアアアアアアアン!!

紬「!?」

恵「どうやら外にいるモンスターが大暴れしてるらしいわね・・・」

恵「この調子なら私が手を出さなくてもいいかも」

紬「せ、先輩!」

恵「逃げましょう!」


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最終更新:2011年01月20日 04:59