梓「えっ、じゃあ先輩たちは生きてるんですか!?」

斉藤「はい・・・戦いの後お嬢様に電話で呼ばれ、私が三人とも救助しました」

斉藤「今は私と紬お嬢様が住んでいる空き家にて療養中です」

梓「よ、よかったぁ」

斉藤「それにしても、買出しついでに以前住んでいた家を覘いてみたら」

斉藤「お嬢様のご後輩がいらしたとは・・・」

梓「私もみなさんのことが心配で、何かできないかなって・・・」

斉藤「ありがとうございます・・・中野様のようなご後輩を持たれて、お嬢様もさぞお幸せでしょうね」

梓「そ、そうですかね・・・」

斉藤「そうですとも」

梓「だったら・・・嬉しいです」

斉藤「ふふ・・・おっと」

斉藤「着きました、ここです」

斉藤「どうぞ中へ」

梓「は、はい・・・」

梓(すごいボロボロ・・・)


ガチャッ…


梓「あっ・・・」

唯「!」

梓「せ、先輩・・・」ウルウル

唯「あずにゃん・・・どうして・・・」

梓「唯せんぱーーーい!!」ガバッ

唯「うぐっ!?」

梓「先輩!! 先輩!!」ギューッ

梓「心配したんですよぉ!!」

唯「あずにゃん・・・く、苦しい」

梓「先輩の様子が変だって気づいてたのに、何もできなくてごめんなさい!!」ギューッ

唯「あ・・・あずにゃん・・・」

梓「でまた会えてよかった!!本当によかった!!」ギューッ

唯「ギブ・・・あずにゃんギブ・・・」

唯「ギ・・・ブ・・・」カクン

梓「あっ・・・すいません、取り乱しました」

紬「よっぽど唯ちゃんに会いたかったのね」

梓「ムギ先輩!」ウルウル

紬「お久しぶり、梓ちゃん」

梓「ずっと心配してたんですよ!」

紬「ごめんね・・・」

紬「でもどうしてここに?」

梓「グズッ・・・澪先輩から事情は聞きました」

梓「それで、私にも何かできないかなって思ってムギ先輩の家に行ったら・・・」

斉藤「私が見つけてここへ連れてきたのです」

紬「そうだったの・・・」

梓「それにしても、良かったです! みんな生きていて・・・」

さわ子「・・・・・・」

梓「あっ・・・」

さわ子「・・・・・・」

梓「・・・・・・」

唯「怖がらないで、あずにゃん」

唯「先生は昔のさわちゃん先生に戻ったから・・・」

梓「・・・・・・・」

さわ子「・・・・・・」

梓「・・・・・・」

唯「あずにゃん?」

梓「澪先輩から聞きました・・・先生は純のことを殺したんですよね?」

さわ子「・・・・・・」

梓「・・・・・・」

バチーン

さわ子「っ!!」

唯「やめてあずにゃん!」

梓「だ、だって・・・純を殺したんですよ!?」

梓「私の友達を・・・」

唯「・・・」

梓「許せるわけないじゃないですか!!」

唯「あずにゃん・・・」

紬「・・・」

さわ子「・・・ごめん・・・さい」ポロポロ

梓「・・・え」

さわ子「ごめんなさい・・・グズッ・・・」

さわ子「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

梓「・・・・・・」

唯「あずにゃん、気持ちは分かるけど今の先生は・・・」

梓「・・・おかしいですよ」

梓「なんでこんな人が生きてて・・・純が死んじゃうんですか・・・」

さわ子「・・・・・・」

梓「おかしいです・・・」

唯「・・・・・・」

紬「・・・とりあえず、何か食べましょうか」

紬「みんなお腹すいてるでしょ?」

紬「斉藤」

斉藤「はっ、すぐに準備いたします」

梓「怪我は大丈夫なんですか?」

唯「うん、なんとか動けるよ」

梓「よかった・・・先輩たちがいなくなった時、すっごく不安だったんですよ?」

梓「一人ぼっちで、怖くて・・・」

唯「うん・・・ごめんね」

紬「・・・」

梓「でも、もう大丈夫ですよね!」

梓「先輩たちが生きてるのなら、戦いを止めることだってできるだろうし」

唯「・・・」

紬「・・・」

梓「先輩?」

斉藤「皆様、お待たせいたしました」

斉藤「どうぞ」

梓「あっ・・・どうも」

斉藤「もやし炒めでございます」

梓「・・・」

梓(もやししか入ってない・・・)

斉藤「こちらはもやしのスープ、もやしのお浸し、もやしのサラダ、湯でもやし」

梓(全部もやし!?)

斉藤「デザートのもやしでございます」

梓「何ですかそのもやしへのこだわりは!?」

紬「ごめんね、今お金がなくて・・・」

梓「あっ・・・そうでしたよね・・・」

梓「すいません」

さわ子「・・・」

唯「でも美味しいよね、もやし」

紬「えぇ、今まで気づかなかったけど素晴らしい食材だわ」

紬「低カロリーで栄養もあるし」

紬「なにより安い!」

梓「そ、そうですね・・・」

梓(普通の主婦みたい・・・)

唯「いただきます」

紬「いただきます」

梓「い、いただきます」

梓「ムギ先輩はずっともやしを食べてたんですか?」モシャモシャ

紬「うん、ライダーになってからはずっとこれね」モシャモシャ

さわ子「・・・」

梓「・・・正直、飽きないですか?」モシャモシャ

紬「うーん・・・でもワガママを言っていられる状況じゃないし」モシャモシャ

紬「それに慣れれば楽しいものよ? こういう生活も」モシャモシャ

梓「は、はぁ・・・」モシャモシャ

梓(以外にも楽しんでた・・・)

唯「あっ、今度もやしのプリンとか作ろうよ~」

紬「いいわね、それ」

梓「いや、絶対不味いですってそれ」

唯「じゃあ、もやしのケーキはどう?」

梓「どうって言われても・・・」

唯「苺の代わりにもやしが入ってるの」

梓「絶対イヤですよ!!」

紬「うふふ」

さわ子「・・・」

唯「あーっ、さわちゃん先生まだ食べてない」

唯「美味しいですよ、もやし」

さわ子「・・・」

唯「・・・ひょっとしてもやしが嫌いとか?」

さわ子「・・・」

唯「で、でも食べないと元気でないよ!」

さわ子「・・・」

唯「先生、もやしは体に良いんですよ」

唯「美容にも良いって憂も言ってた気がするし・・・」

さわ子「・・・やめて」

唯「え?」

さわ子「やめてよ・・・なんで優しく接しようとするの・・・」

さわ子「もうやめて!!」

唯「せ、先生・・・?」

さわ子「私は人殺しなのよ!? たくさん・・・たくさん殺した・・・」

紬「・・・」

さわ子「それなのに・・・なんでそんな風に接するの!?」

さわ子「いっそのこと梓ちゃんみたいに罵ったり、叩かれたりされた方がマシよ!!」

唯「先生・・・」

さわ子「もういやだ・・・死にたい・・・」ポロポロ

さわ子「殺して・・・」

梓「・・・」

紬「・・・別に、許したわけじゃありません」

紬「今でも先生のことは憎んでます」

紬「私の家族や、大切な人の命を奪ったんだから・・・」

さわ子「・・・」

唯「・・・」

紬「・・・あの夜のことは忘れません」

紬「私が・・・初めてライダーになったあの日の夜・・・」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


むぎのいえ!


紬「明日はどんなお菓子を持っていこうかなぁ・・・」

紬「うーん・・・」

紬「・・・和菓子なんかいいかも」

紬「えーっと、確か羊羹があったはず・・・」

紬「あった、『甘味処たちばな』の羊羹」

紬「このお店の和菓子は美味しいのよね~」

紬「唯ちゃんたち喜ぶかしら・・・」


キーン…
   キーン…

紬「?」

キーン…
   キーン…

紬(何かしら・・・この金切り音)

紬(向こうの部屋から聞こえてくる・・・)

紬「・・・」

キーン…
   キーン…

紬(何かいる・・・いるのが分かる)

紬(何なの・・・)

紬「そ~っと・・・」

紬「・・・」キョロキョロ

シーン…

紬(何もないわよね・・・)

紬(ここは物置部屋だからめったに人なんていないのに・・・)

紬(でも、さっきの音は一体・・・)

紬「・・・・・・」

紬(気のせいかしら?)

キーン…
   キーン…

ブワン
ファム「うっく・・・あう・・・」ドサッ


紬「!!」

紬(か、鏡の中から人が!?)

ファム「はぁ・・・はぁ・・・」

紬「あ、あの~・・・大丈夫ですか?」

ブワン

オルタナティブ・ゼロ「下がれ!!」

紬「!?」

紬(ま、また鏡から・・・)

ファム「くっ・・・うわああああ!!」

オルタナティブ・ゼロ「させるか!」アクセルベント

ビュゥン!!

オルタナティブ・ゼロ「うおぉっ!!」

バキィン!!ガシャン!!

ファム「あがぁっ!!」

紬(な、何なのこれ・・・)

紬(何が起きて・・・)

ファム「うっ・・・あぅ・・・」

オルタナティブ・ゼロ「早くこの部屋から出てください!!」

紬「あっ・・・」

斉藤「お嬢様!!」

紬「さ、斉藤!」

斉藤「こちらです!!さぁ早く!!」


斉藤「ここまで来れば安心です、紬お嬢様」

紬「斉藤・・・今のは・・・」

斉藤「・・・お嬢様、さっき見たものはお忘れください」

紬「えっ?」

斉藤「今回の件はお嬢様に何の関係もありません」

斉藤「お嬢様は気になさらず、いつも通りお過ごしください」

紬「・・・・・・」


「オルタナティブは問題なく使用可能でした」

「あの白いライダーは?」

「デッキだけ回収し、中の人間は始末を」

「そうか・・・そのデッキも解析し、ライダーシステムの開発に役立ててくれ」

「はっ」

「それにしても、投資先の自宅でこんなことが起きるとはな」

「なんでも、現場にそのご令嬢がいたとか」

「そうか・・・だとしたら・・・」

「それは良くないな」

「・・・・・・」


ドガアアアアアン!!

インペラー(紀美)「あがああああああっ!!」

王蛇(さわ子)「はぁ・・・はぁ・・・」

インペラー(紀美)「あがっ・・・ぐっ・・・さわ子ォ・・・」

王蛇(さわ子)「!」

インペラー(紀美)「よくも私を・・・」

王蛇(さわ子)「違う・・・だっていきなり紀美が襲ってくるから・・・」

王蛇(さわ子)「こ、こうするしかないでしょ!?」

インペラー(紀美)「ぐっ!?」

王蛇(さわ子)「紀美!!」

シュゥゥゥゥゥ
インペラー(紀美)「か、体が・・・」

インペラー(紀美)「ぐああああっ!!!」

王蛇(さわ子)「そんな・・・紀美!!」

インペラー(紀美)「さわ・・・子・・・」

インペラー(紀美)「助け・・・」

王蛇(さわ子)「!」

インペラー(紀美)「助けて・・・さわ・・・子・・・」

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ

王蛇(さわ子)「紀美・・・紀美!!」

王蛇(さわ子)「いやあああああああああ!!!」


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