律「聡、今日暇か?」

聡「なに? どうしたの?」

律「じゃーん、映画のチケットだ!」

律「暇なら一緒に観に行こうぜ」

聡「はぁ? めんどくさ・・・」

律「いいからいいから、早く支度しろって」

聡「しょうがないなぁ・・・」

律「久しぶりだなー、こうやって二人で観に行くの」

聡「そう?」

律「最近ゆっくりしてる暇なかったからな・・・余計そう感じちゃうんだよ」

聡「ふーん・・・」

律「聡、私が信頼できるのはお前しかいない」

律「弟のお前しか・・・」

聡「それはいいけど・・・もう期限まで二日だよ?」

聡「どうすんの?」

律「うーん・・・とりあえずお前は私が守ってやるから心配するな!」

聡「なんだそりゃ・・・」

律「お前には生きて欲しいんだよ、聡」

律「たった一人の弟だからな」

律「映画が始まるまで時間あるな・・・ちょっとコンビニで飲み物買ってくるからここで待っててくれ」

聡「うん、分かった」

聡「・・・・・・」

聡(ダメだなぁ姉ちゃんは・・・家族って言っても、ライダーは敵同士なのに)

聡(ま、こっちは楽になるから助かるけどね)

聡(おかげで三人も脱落したんだし)

聡(さてと、これからどうしよう・・・)

聡(姉ちゃんは俺のために死んでくれるとして・・・後は澪さんと和さんか)

聡(どっちから先に消えてもらおうかな・・・)

聡(いや、他のライダーもいる可能性があるから・・・)



唯「あの・・・聡君?」

聡「!!?」

唯「聡君で・・・いいんだよね」

聡「なっ・・・お前、なんで!?」

唯「・・・変身」

ギュィィィィ
シュピーン

リュウガ「・・・」



女「え・・・? なにあれ」

男「何? 映画の撮影?」



リュウガ「・・・」ソードベンント

聡「嘘だろ・・・ここで戦う気かよ」


……

カラン

和「・・・」

沙奈子「いらっしゃい・・・」

和「あの・・・神崎優衣さんは?」

沙奈子「優衣なら出かけたよ、ここにはいない」

和「そうですか・・・」


prrrr、prrrr

和「あっ・・・澪から?」


澪『もしもし和! 大変だよ! 生きてたんだよ!』

和「えっ・・・ちょっと、なにが?」

澪『唯だよ、あいつ生きてたんだ!』

和「嘘・・・」

澪『本当だ! この目で見たんだから!』

澪『特に怪我もしてなかったし、元気だったぞ!』

和「・・・」

澪『和?』

和「ねぇ澪、それってひょっとしてだけど・・・」


……

リュウガ「・・・」

ドガバキッ!!

ガイ(聡)「があっ・・・」

リュウガ「・・・」

ガイ(聡)「なんでだよ・・・死んだんじゃなかったのかよ・・・かはっ」

ドゴォッ!!バキッ!!

ガイ(聡)「うぐっ・・・」

パリィィィィン

聡「はっ・・・あがっ・・・」


……

和「そうよ、もしも黒い龍騎だったら・・・・・・」

和「分かったわ、お願い」ピッ

和(一番起きて欲しくないことが・・・唯に会わせる顔がないわ)

和(どうしましょう・・・今すぐ神崎優衣探してライダーバトルを終わらせるか)

和(それとも・・・)







士郎「・・・・・・」


……

聡「ひっ・・・く、来るな!」

リュウガ「・・・」

聡「ま、参った! 俺の負けだ!」

リュウガ「・・・」

聡「おい、もうデッキを破壊したんだからいいだろ!?」

リュウガ「・・・」

聡「ま、待てよ! 謝るから!!」

聡「嘘ついて悪かった! ごめん!」

聡「ごめんなさい!!」

リュウガ「・・・」

聡「お、俺が謝ったんだから許してよ!!」

リュウガ「・・・」

聡「なんで・・・なんでだよ!!」

聡「俺が何か悪いことしたのかよ!!?」

リュウガ「・・・」

聡「俺はヒーローになりたかっただけだ!!」

聡「それなのに何でこんな目に合わなきゃいけないんだよ!!」

聡「ふっざけんな!! うわああああああああああああああああああああ!!!」

リュウガ「・・・」

聡「はぁ・・・はぁ・・・」

リュウガ「・・・」チャキィン

聡「!」

聡「ま、待て・・・やめろ・・・」

聡「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



グチャッ



律「うーん、コーラとかでいいかな・・・」

律「あっ、これ聡の好きなやつだ」

律「これならあいつも喜ぶだろうな」

ガー

澪「見つけたぞ律!!」

律「!」

律「み、澪・・・なんでここに・・・」

澪「お前のこと探してたんだよ!」

澪「唯の姿を見なかったか?」

律「は? 何言ってんの?」

律「唯は私が殺したって・・・」

澪「違うんだ! 唯の格好をした・・・」



女「きゃあああああああっ!!!」



澪・律「!?」


律「な、なんだ! 外で何が起こってるんだ!?」

澪「大丈夫ですか!?」

女「は、はい・・・」

澪「一体何が・・・」

女「あれ・・・」

澪「えっ・・・?」



リュウガ「・・・」

聡「」



澪「ッ!?」

律「聡・・・?」


律「う、嘘だろ・・・聡があんな・・・」

澪「あのライダー・・・もしかして」


リュウガ「・・・」

ポイッ、ドサッ
聡「」


律「聡・・・聡・・・」

律「あっ・・・あぁ・・・あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


律「聡!! 聡!!」

律「嘘だろ!? 何でだよ!!」

律「何でお前がぁ!!!」

リュウガ「・・・」

澪「・・・君、憂ちゃんだろ?」

リュウガ「・・・」

パリィィィィン

唯「・・・」

律「えっ・・・」

澪「さっき会った時は、髪を下ろしてたから分からなかったよ・・・」

キュッ、キュッ
憂「・・・」

律「憂・・・ちゃん・・・」

憂「・・・私がライダーだってこと、誰から聞いたんですか?」

澪「和からだ・・・憂ちゃんが唯に変装して、唯を殺した相手を探し回ってるんじゃないかって」

憂「・・・やっぱりお姉ちゃん以外の人間は信用できない」ボソッ

澪「えっ・・・」

憂「その通りですよ、お姉ちゃんを殺したやつを探すために変装してました」

憂「この姿をして他のライダーに接触すれば、その反応で殺したかどうか分かると思って」

憂「まぁ、その前に澪さんが犯人を教えてくれましたけど」

澪「・・・」

憂「澪さん、お姉ちゃんのことを大切に思ってくれてありがとうございます」

憂「それに比べて・・・ねぇ? 律さん」

律「・・・ふざけんなよ」

憂「・・・」

律「なんでだよ・・・なんで聡を殺したんだよ!!」

憂「・・・」

律「私が憎いなら、私を殺せばいいだろ!?」

憂「・・・確かに憎いですよ」

憂「だから・・・私と同じ苦しみを味わって欲しかったんです」

律「ッ!!」

憂「どうですか? 家族を失った哀しみは」

憂「耐えられないくらい辛いでしょ?」

律「・・・・・・ぶっ殺す」

澪「律!!」

律「お前、私のこと憎いんだよな・・・私もお前のことが憎いよ」

憂「・・・」

律「だったら・・・お互い戦う理由には十分だ」

澪「やめるんだ律!! 今はそんなことやってる場合じゃ・・・」

律「うるせえな!! お前から死にたいのか!?」

澪「り、律・・・」

律「あいつを殺さなきゃ・・・死んでも死にきれねえ!!」

澪「律・・・とりあず落ち着け、な?」

澪「怒りは抑えて冷静に・・・」

律「黙れよ!!」

バコーン!!

澪「いだっ!?」

律「もうその口動かすんじゃねえ」

澪「・・・」

ピーポーピーポー

澪「まずい・・・警察だ!」

澪「逃げるぞ律! 憂ちゃんも・・・」

シーン…

澪「あ、あれ? いつに間にいなくなって・・・」

律「あいつ・・・どこ行ったぁ!!」

ピーポーピーポー

澪「と、とにかく逃げるぞ律!」

澪「はぁ・・・はぁ・・・」

澪「なんとか振り切ったか」

澪「悪いことしてないのに警察から逃げるってのも、なんか嫌な感じだな・・・」

律「くそっ!! アイツ・・・絶対に許さねえ」

澪「・・・律」

律「殺してやる!! 殺してやる!!」

律「ぶっ殺してやる!!!」

澪「落ち着け律! さわ子先生みたいになってるぞ!」

律「うるせえ!!」

律「お前に何が分かるんだよ・・・大切な弟を殺されたんだぞ?」

澪「・・・」

律「私にとっちゃ、放課後ティータイムなんかよりよっぽど大切な弟なんだよ!!」

澪「・・・」

律「待ってろよ聡・・・姉ちゃんが生き返らせてやるからな」

澪「!?」

澪「お前・・・それって!」

律「このライダーバトル・・・私が勝ち残ってやる」

澪「やめろよ律! お前までそんなこと・・・」

律「もういい、喋るな」

律「澪、お前も倒してやる・・・唯たちみたいにな」

澪「ふざけるな! なぁ律、昔のお前に戻ってくれよ!」

澪「お前だってこんな戦い馬鹿げてるって言ってただろ!?」

律「運命なんだよこれは・・・ライダーのな」

律「結局、戦うことしかできないんだ」

澪「・・・認めない」

澪「こんなのが運命だなんて、私は絶対認めないからな!」


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最終更新:2011年01月20日 04:54