唯「え?」

紬「りっちゃん、今何て言ったの?更に言うならそう言い出した経緯を迅速かつ詳細に話して、さぁさぁ早く早く」

梓「ムギ先輩、落ち着いて下さい」

律「あーごめん、思わず声に出ちゃってたか。別に大したことじゃないから気にしなくても・・・」

紬「これのどこが大したことないのよ!?しかも気にせずにいられる訳が無いでしょう!?」ダンッ

唯「ひぃぃ・・・」ブルブル

梓「ムギ先輩、落ち着いて下さい机を叩かないで下さい。唯先輩が怯えてますし紅茶がこぼれます」

律「んー、まぁ言った通りなだけなんだけど・・・澪に、キスしたいなぁって」

唯「で、でも私だって気にはなるよ。どうして急にそんなこと言い出したの?」

律「いや、ある意味急にではないっつーか・・・今迄だって口に出さないだけで、そう思ってたし」

梓「それはまた何でですか?」

律「いやー何でも何も、澪って可愛くない?」

唯「確かに澪ちゃんは可愛いねー」

律「うん、外見もすごい可愛いしさ。中身もすっごい女の子らしいっていうか乙女っていうか」

唯「じゃーりっちゃん、可愛い子だったら誰とでもちゅーしたいの?」

律「そんな訳ないじゃん」

律「他に可愛いと思う子は居ても、私が一番可愛いと思ってるのは澪だし、私が好きなのは澪だけだよ」

梓「そういえば律先輩、小学生の時澪先輩からかってたのって『好きな子だから』って言ってましたしね」

律「そうそう、見かけですごい可愛い子だなーって思ってて話してみたら中身も可愛くてさ。もうそん時からべた惚れ」

紬「りっちゃん、改めて確認だけはさせてね?」

紬「りっちゃんの言ってる『好き』って言うのは友情としてじゃなく、恋愛としての『好き』ってことよね?」

律「当然。さっきも言ったけど、私がキスしたりしたいのは澪だけだ」

紬「じゃもう一つ質問よ?りっちゃんが澪ちゃんに抱きついたり胸触ってたりしてたのって、下心はあった?」

律「正直あったな、だから澪以外には絶対しないじゃん」

紬「ならば、問題は無い」ボタボタボタボタ

唯「あわわ・・・ムギちゃん、血が!血が出てるよ!?問題無くないよ!?」

紬「大丈夫よ唯ちゃん、これはある意味歓喜の涙だから」ボタボタボタ

梓「唯先輩、放っておきましょう。本人があれでいいんですから」

律「問題ないって・・・私にとってはまだ問題ありだよ。あー、澪とキスしたーい」

紬「大丈夫よ、りっちゃん。したいならすればいいのよ」ボタボタボタ

律「急にそんなことしたら澪嫌がるだろ、澪が本当に嫌がるような真似はしたくないんだよ」

紬「だから、さっき私達の前で言ったことをそのまま澪ちゃんに言えばいいのよ」ボタボタ

律「へ?」

紬「『ちゅーしたい』とか、『澪ちゃんのことが好き』とか、今迄抱きついたりしたのもそういう気持ちがあってだとか」ボタ…

律「えー。澪って結構潔癖っていうかウブだから、そんなこと言ったら嫌われそうじゃん・・・」

紬「大丈夫よ、りっちゃんなら。それに本気で好きだからやってたって言えば、わかってくれるわよ!」

律「んー、そうかなー。でもなぁ・・・」

紬「もしそれで反応が良くなかったら、私達も協力してりっちゃんの冗談ってことにするから!」

唯「えっ」

梓「今勝手に『達』って私と唯先輩を巻き込みませんでした?」

律「まぁそれなら、やってみてもいいかな・・・」

紬「本当!?じゃあ頑張って、りっちゃん!健闘を祈ってるわ!」

唯「ね、ねぇムギちゃん。あんなこと言っちゃって大丈夫なの?」ヒソヒソ

紬「大丈夫よ、だって澪ちゃんはりっちゃんにぞっこんじゃない」ヒソヒソ

梓「まぁ確かにそうですけど・・・」ヒソヒソ

紬「誰が見ても両思いなのにいつまでも煮え切らないから、私達で後押ししてあげないと」ヒソヒソ

唯「二人共鈍いもんね・・・」ヒソヒソ

梓「で、本音はどうなんですか?」ヒソヒソ

紬「りっちゃんと澪ちゃんのキスが見たいのよ、それはもう切実に」ヒソヒソ

唯梓「・・・」

紬「つ、つい本音が・・・じゃなくて、冗談よもう♪」ヒソヒソ


澪「皆、遅くなってごめんなー!」

やっと、律に逢える!

律「遅いぞ澪ー!」ダキッ

なんて思ってたら、律が抱きついてきた。
急激に、私の体温と心拍数は上昇していく。

そして気付いた時には、私はいつものように手を振り上げていた。

澪「ひゃあああぁぁ!?な、何するんだよ馬鹿律!///」ゴツン

律「痛っ!?」

あ、ま、またやっちゃった・・・。
本当は何だかんだで私にしかしてこないし、
律に抱きつかれるの嬉しいのに、何で私ってこう素直じゃないんだろ・・・。

澪「ま、全く・・・ふざけるのも大概にしろよな!」

律「・・・ふざけてなんか、いないって言ったら?」スクッ

澪「え?」

私に叩かれたせいでしゃがみ込んでいた律が立ち上がり、私の方へ歩いてくる。

律「だからさ、ふざけてなんかいないって言ったら?」ガシッ

更に律は、私の両肩をしっかり掴んで顔を近づけてきた。
かかか、顔が近い!近いって律!

律「本気で澪のことが好きで、澪の体に触れたいから抱きついたりしてたって言ったら・・・どうする?」

澪「え、えええぇぇぇ!?ななな、何言ってるんだよ律!冗談は・・・!///」

途中まで口に出したところで、律に肩を掴まれたまま壁まで押し付けられて、もっと顔を近づけられた。

律「さっきから、本気だって言ってるじゃん」

澪「えっ、えぇ、うあぁ・・・///」

律が喋る度に、律の吐息がかかるくらいに近い距離。
どうしよう、ドキドキしすぎてまともに喋れない。

律「大体、澪が悪いんじゃん」

澪「ふえぇ・・・?///」

律「ほら、またそうやってさ。澪がそうやって、可愛すぎるのがいけないんだよ」

り、律が可愛いって・・・可愛いって言ってくれた・・・!
嬉しい・・・!

けど、今はそれどころじゃないよ!
もう色々と一杯一杯だよ!

律「ていうかさ、私もう我慢できないよ。ねぇ澪、キスして・・・いい?」

澪「・・・え?ええええぇぇぇぇぇ!?///」

律「いいよね?」

―――

唯紬梓「」ボタボタ ザー

唯「り、りっちゃんすごいね・・・何て強引な・・・///」

梓「しかも聞きました?『可愛すぎるのがいけない』、とか言ってましたよ?何て甘い台詞を・・・」ザー

紬「私は律澪に感謝している、。律澪がなければ、私はきっと殺人者になっていたわ」ボタボタボタボタ

唯「む、ムギちゃん・・・?」

梓「放っておきましょう、完全に目が据わっているから関わり合いにならない方が無難です」ザー

―――

澪「だ、駄目だよ!私達恋人同士とかじゃないし・・・!」

律「じゃあ恋人同士になろうよ。さっきから言ってるけど、私澪のこと本気で好きだよ?」

私も律のこと、小学生の頃からずっと好きだったけど・・・!

澪「で、でも私達女同士だし・・・///」

律「私は、澪が澪だから好きになったんだよ。だから今のままの、可愛い女の子の秋山澪がいい」

澪「あ、あうぅ・・・///」

律「・・・澪はさ、私のこと嫌いなの?」

澪「え、えぇ!?何でそうなるの!?」

律「いや、いいんだよ・・・。ごめんな澪、自分勝手に私の気持ち押し付けちゃって」

どうしよう。
そんな訳ないのに、私だって律のこと大好きなのに・・・。

律「ごめん、無理かもしれないけど忘れてくれ。せめて澪とは恋人じゃなくても、親友で居たいからさ・・・」

や、やだ・・・!
律が折角私のこと好きだって言ってくれたのに、それを忘れたくなんてない!

澪「そ、そんなことないよ!私が律のこと嫌いな訳ない!」

律「本当・・・?じゃあ澪は、私のこと好き?」

澪「え、えぇぇ!?その、そ、それは・・・!///」

律「いいよ、澪・・・。無理して私に合わせなくたって・・・」

澪「違うよ!無理に合わせてなんてない!だって律のこと昔からずっと・・・す、好きだもん!///」

律「じゃあさ、私と恋人でもいいよね?キスしても・・・いいよね?」

澪「こ、心の準備がまだ・・・///」

律「やだ、澪がこんなに近くに居るのに・・・澪が私のこと好きだって言ってくれたのに、我慢なんてできないよ」スッ

わ、わわっ!
り、律の顔がどんどん近づいて・・・!

律「澪、可愛いよ・・・」

ちゅっ

澪「!! ・・・/////」

し、しちゃった・・・。
律と、キスしちゃった・・・。


―――

唯紬梓「!!」ボタボタボタボタ ザー

唯「つ、遂に・・・///」

梓「とてもこの提案に乗り気じゃなかった人とは思えませんね・・・」ザー

紬「私は今・・・歴史的瞬間に立ち会っているのね・・・?」ボタボタボタボタ

唯「ムギちゃん!戻ってきたんだね!?」

紬「えぇ、もう大丈夫。私は人間を超越したわ」ボタボタボタボタ

―――

澪「う、うぅ・・・っ」ポロポロ

律「澪!?ご、ごめん!強引、すぎたよな・・・」

『何やってんだ私は・・・。
いくら澪も私のこと好きだって言ってくれたからって、
強引に迫って澪を泣かせるなんて駄目じゃないか!』

澪「え・・・?」グスッ…

律「その・・・いくら澪とどうしてもキスしたかったからって、強引すぎた!ごめん!」

澪「~~~っ!/////」ガシッ

『へ?澪?いきなり私の肩なんか掴んでどうし・・・』

ちゅっ

律「うえぇっ!?///」

『い、今!澪が!あの恥ずかしがり屋な澪が自分からキスしてくれた!?』

澪「う、嬉し涙に決まってるだろ・・・ばかりつ・・・///」

『あー・・・馬鹿律とか言ったけどね?澪の方が絶対馬鹿だよ?
だって折角落ち着いたのに、嬉し涙とか言っちゃって、
そんな顔真っ赤にして可愛い澪を見せられちゃったらさ・・・』

澪「だから・・・私のこと大切に・・・んんっ!?」

『我慢できなくなっちゃうじゃん?』

ちゅ、にゅる・・・

澪「んぅぅっ!?」

『澪の口内に、舌を無理矢理ねじ込む。』

ちゅるっ、じゅるっ、ぺちゃ・・・

澪「ふぁっ・・・んっ・・・」

『私が澪をこんなにも愛してると伝えるように、澪は私のものなんだってわからせるように、澪の口内を私で塗り潰していく。』

律「んっ・・・はぁ・・・みおぉ・・・」

澪「やっ・・・ふぁっ・・・り、つぅ・・・」

れろ・・・ちゅるっ・・・

さっきから、律の舌が私の口内全てを蹂躙するかのように蠢いている。

律「みお・・・みお・・・はぁ・・・っ」

舌を絡ませたその後に、律の舌は上唇と歯の間も、歯の裏側も、舌の裏も、私の口内の全てを律色に塗り潰していく。

ちゅむ、ちゅるっ・・・れろ・・・ぢゅっ・・・

そして、何より―

澪「り、つぅ・・・はぁっ・・・りつ、りつぅ・・・っ」

私の頭の中を、快楽で塗り潰していく。


―――

唯梓「///」ザー

唯「あ、あずにゃん・・・これはもう見ちゃ駄目だよ・・・///」

梓「18歳未満閲覧禁止ですよね・・・///」ザー

紬「私は見るわよ?えぇ見ますとも、18歳ですから大丈夫です。軽音部で一番誕生日が早くて良かった・・・」ブシュウウウウウ

梓「いや、年齢じゃないところで絶対大丈夫じゃない気が・・・そろそろ致死量な気が・・・」ザー

―――

律澪「んんっ・・・ぷはぁっ・・・」

お互いの舌に唾液で糸を引かせながら、遂に口を離す。

澪「はぁっ・・・は・・・ぁっ///」

私は全身の力が抜けて、ぺたんと地面に座り込んでしまった。

律「あ、ご、ごめん澪・・・私夢中になりすぎちゃって・・・苦しかった?」

澪「そうじゃ、ないよ・・・」

律「でもまだ息が乱れてるし・・・」

澪「えっと・・・その・・・き、気持ちよかったから・・・///」

律「えぇっ!?・・・そ、そっか。だったら良かった、かな///」

澪「・・・良くは、ないだろ。相手の同意もなしにいきなりあんなことするなんて・・・」

律「うっ、ごめん・・・」

澪「許して、やるよ。だから、さっきも言いかけたけどさ・・・」

澪「私の初めて、無理矢理あんな風に奪ったんだからちゃんと責任とれよな・・・///」

律「あ、当たり前だろ!さっき好きだって言ったのも何もかも、全部本気なんだから!」

律「・・・だから、一生澪のこと、大事にするよ」

澪「うん、嬉しい・・・。大好きだよ、律!」

唯「良かったね、二人共・・・」ウルウル

梓「でも何というか、流石にいちゃつきすぎというかやりすぎだと思います・・・」ザー

紬「全米が泣いたわ、感動した。私の歓喜の涙がさっきから止まらないわ」ボタボタボタボタ


澪「・・・え?み、皆・・・?」

そ、そういえばいきなり律が迫って来たから、そっちにばかり気をとられてたけど・・・

律「あ、夢中になってすっかり居るの忘れてた」

そりゃ、皆居るよね・・・。
ということは、さっきまでの私と律がキスしてるとこは・・・

唯「でも、あずにゃんの言う通りだよぅ。あんなに激しいのを人前でするのは・・・///」

梓「あまりにも甘々すぎて、私さっきから砂が止まらないです」ザー

紬「いいものを魅せてもらったわ・・・!でも18歳以下の人の前では流石に不適切な行為だと思うわ///」ボタボタボタボタ

当然、皆ばっちり見てるよね・・・。

澪「い・・・、い・・・!」

恥ずかしい、
恥ずかしい、
恥ずかしいなんてものじゃない・・・!

澪「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

こうして私は、一年生のライブの時以上に恥ずかしい思いをして、
学校中に響き渡るような声で叫んだ。

-fin-





唯(でもりっちゃんと澪ちゃん、ラブラブで羨ましいなぁ・・・)






最終更新:2011年01月19日 04:31