信代「澪、これ」チョンチョン

澪「ん? 手紙?」

信代「向こうからまわってきた」

澪「あぁ、唯から。 ありがと」

澪「なになに?」


あずにゃんに私のだえきを
飲ませ続けたい

澪「ぶーッ! なんだこれっ!」

さわ子「秋山さ~ん?」

澪「す、すいませんなんでもないです……」

クスクス ロミオ クスクス

澪「うっ……唯の奴め」カァ

澪「なんでそんなことしたいんだ、っと」

澪「これ頼んでいい?」

信代「あいよ」


澪「まったく、唯は突拍子も無いことをいつもいつも」ブツブツ

信代「返事きたよ」

澪「なになに?」


あずにゃんに私のだえきを
飲ませ続けたい
あずにゃんに私のだえきを
飲ませ続けたい
あずにゃんに私のだえきを
飲ませ続けたい
どうすればいい? 澪ちゃん教えてよ!


澪「ぐぐっ…………プクク」

澪「教えてよ!って……経験者じゃあるまいし」

澪「ふ、ふつーにキスしてそのまま……って何まじめに考えてるんだ私は」

澪「とりあえず放課後まで待て、っと」

澪「やれやれ……毎度つきあわされる梓もたまったもんじゃないだろうな」


放課後

唯「やっほー澪ちゃん。さっそくアドバイスお願い!」

澪「えっと……」

律「ん? なになに、何の相談」

律「家庭からお金、恋の悩みまで、なんでもあたしにまかせんしゃい」

唯「うん! あのね」

澪「わーまてまて。人前でそんなこと言うんじゃない!」

唯「じゃあさっさと部室いこっか」

紬「私理科室よっていくわね?」

澪「え? どうして?」

紬「だって漏斗とか試験管とかあったほうが便利じゃない?」

唯「なるほどー! ムギちゃんあったまいいー」

澪「ちがっ! なんでだよ!」

律「んあ?」

唯「はやくあずにゃんに会いたいよ」


部室

梓「あ、みなさん早いですね」

澪「あ、あずさ……来たのか」

律「きょ、きょうはかえったほうがいいぞ……」

紬「だめよ! 例の件の後でちゃんと練習するもの! ハァハァ」

唯「あーあずにゃ~ん!」

梓「なんですか?」

唯「ねーねー突然だけど私の唾液飲ませ続けていーい?」

梓「……はい?」

唯「だからーあずにゃんに私の唾液飲ませ続けたいんだよ」

梓「それは……とても嫌ですね」

唯「えぇー?」

梓「ていうか気持ち悪いです」

唯「ひどい! 私の唾液が飲めないっていうの!?」

梓「いみわからないです」

唯「それでね。方法としてはまず口で直接」

梓「拒否したんですけど!?」

唯「んで二つ目は一度試験管等に移してからゴクリと」

梓「いやいやいやいや。やめましょうよ」

唯「なんで?」

梓「逆にききますけど、唯先輩は私なんかの唾液を無理やり飲まされたらどんな気分になりますか?」

唯「最高だね」

梓「でしょ!? 最悪ですよね、え……?」

唯「飲ませてくれるの!?」キラキラ

梓「は……?」

唯「やったぁ! あずにゃんの唾液! 飲み放題! ドリンクバー!」

梓「えっと……嫌です」

唯「じゃあ私の唾液飲む? どっちか早く決めてよ」

梓「どっちも嫌です」

唯「わがままだねあずにゃん」

梓「と、とにかくよしましょう? みなさん待ってますし」

澪「今日は帰る」

律「同じく」

紬「帰りま~す」

唯「ほらぁ! あずにゃんがさっさとしないからみんな帰っちゃうじゃん!」

梓「私のせいじゃないです!」

唯「不安がらなくても大丈夫だよ。歯磨いたから。うがいもしたよ!」

梓「そういう問題じゃなくてですね……」

唯「どういう問題?」

梓「……あの、私」

梓「まだキスとかしたことないんですよ」

唯「……ふーん」

梓「だからその……初めてでそういうのはちょっと……」

唯「そっかぁ」

梓「はい」

唯「わかった!」

梓「諦めてくれましたか」

唯「じゃあさ。はじめてのチュウは素敵な思い出にしよ?」

梓「えっ?」

唯「キミとチュウ~ I will give you all my love~♪」

梓「あの……」

唯「あずにゃん!」

梓「!」ドキッ

梓「う、う、えっと///」

梓「うわあああああああああっ!」

唯「おっと逃さないよ」

ガシッ ギュウウ

梓「ひんっ」

唯「ね? あずにゃん。私のドキドキわかる?」

梓「あうあうあうあう」

唯「私、はじめてはあずにゃんがいいんだ」

梓「唯先輩も……はじめてなんですか?」

唯「うん。どきどきするね」

梓「その割には随分ハードなことしようとしてましたよね」

唯「えへへーつい衝動がね」

梓「なんの衝動ですか」

唯「あずにゃんのことを考えてるだけで頭がおかしくなるんだよ。毎日毎日」

梓「そ、それってあの……」

梓「私のこと」

唯「好きってことだよね! 大好き!」

唯「だからあずにゃんムチュチュー」

梓「うわぁっ! もうっ! だめですよ」

唯「えー、いい感じの雰囲気だったじゃん」

梓「待ってください。ま、まだ私の気持ち……伝えてませんから」

唯「あずにゃん……」

梓「ちょっと、深呼吸したいんでいったん離してください」

唯「逃げない?」

梓「逃げませんよ」

唯「じゃあ……あぁ、さらば私のぬくもり~」

梓「ふー、唯先輩」

唯「なんじゃ」

梓「もう、まじめに聞いてください」

唯「ごめんなさい」

梓「私の目見てください」

唯「はい。わぉ、ビューティフォー!」

梓「あ、もういいです帰ります」

唯「うわーんあずにゃ~ん」

梓「こんなときまで茶化すなんて……やっぱりお遊びなんですね」

梓「私は結構本気で……」

梓「好きなのにぃ……」

唯「私も好きだよ?」

梓「唯先輩の好きとはきっと違うんです。確信しました」

唯「そっかなー。私はあずにゃんとチュウしたいくらい好きだよ?」

梓「私は……」

唯「あずにゃんはどれくらい好き?」

唯「手つなぎたいくらい? 抱きしめ合いたいくらい? ずっと一緒にいたいくらい?」

梓「どうでしょう……」

梓「たぶん、全部」

唯「おぉ!? 大好きなんだね!」

梓「大好きです! 初めて抱きしめてもらった日からずっとずっと!」

梓「唯先輩と出会った奇跡がこの胸にあふれてるんです!」

唯「……良かった」

梓「唯先輩も私のこと本気で好きですか!?」

梓「私、そんな軽くないのでお遊びなんかじゃ絶対絶対付き合ったりなんかしません!」

唯「えー本気だよー見てわからないの?」

梓「しょ、証明してみてください」

唯「証明~? オッケー!」

梓「私のこと本気で好きなら誠心誠んぅ!? むぐ……ふ」

唯「~~~♪」

梓「んっ、……ぷは」

唯「ふっふー、誓いのキスなんていかがだったでしょうか!」

梓「な、あああっ! なにするんですかぁー!!」

唯「あははーあずにゃん顔真っ赤」

梓「初めてだって……言ったのに……」

唯「嫌だった?」

梓「別に、嫌じゃ……ないですけど」

唯「あまーい味がしたよっ! どうして? あずにゃんだから?」

梓「う、お昼ジャムパンだったので……って何を言わせるんですか」

唯「チュウってきもちいいんだね? 知らなかった」

梓「……恥ずかしいです」  

唯「もう一回しよ? チュウ」

梓「だ、だめですよ……次はもっといい雰囲気のときに」

唯「あずにゃん……乙女だね?」

梓「そ、そうです乙女なんです! ムード重視なんです」

唯「そっかぁー、じゃあ唾液とか飲ませ続けられないよね」

梓「だからそう言ってるでしょ!?」

唯「でもいつかはしていいの?」

梓「いつかって……いつですか……」

唯「私が聞いてるんじゃんー」

梓「たぶんそんな日来ないと思います……」

梓「というより唯先輩、明日には忘れてるでしょ」

唯「えーじゃあメモしとく」

唯「いつか、あずにゃんに、だえきを、のませつづける。っとこれでバッチリ」

梓「あーもう! 没収です没収!」

唯「うわーん唾液のんでよ~」

梓「これからお付き合いしていく上での約束です」

唯「唾液~」

梓「無論唾液は禁止です。やるとしても……ディ、ディープキスまで、です!」

唯「じゃあしよ!? それでいいからしよ!?」

梓「それはもうちょっと進んでからです」

唯「うーケチケチケチけちぃ!」

梓「……さっそく別れます?」

唯「ご、ごめんなさい。もう言いません」

梓「わかればいいんです」

唯「あずにゃんは厳しい」

梓「それが普通でしょ!?」

梓「だいたい付き合い始める前にキスするなんて、そっちのほうが非常識です」

唯「いやーどうしても我慢できなくなっちゃって」

梓「……むぅ、ほかにも決まりが必要っぽいですね」

唯「えーまだあるのー?」

梓「えっとキスは一日あたり……さ、三回」

唯「えー! 少ないよー!」

梓「じゃあ五回までで……」

唯「微妙に妥協したね?」

梓「い、いいじゃないですか!」

唯「じゃあ今日はあと四回できるんだ! やったぁ!」

梓「雰囲気がいいときに限ります! こんな部室で」

梓「部室で……ってうわあああああっ!!」


澪「……」ズズズ

紬「今日のお茶どうかしら?」

律「甘ったるい」

紬「砂糖いれてないけど……」

澪「甘い……吐きそうだ」


梓「あ、あははははまだいたんですか……」


律「ヒューヒュー」

澪「……馬鹿」

紬「お幸せに~」

梓「はふん……もうだめです」ボンッ

唯「うん! みんなの協力のおかげだよ! ありがとう!」

律「なにもしてないけどな」

梓「    」

唯「あずにゃ~ん。どうしたの固まって」

ユッサユッサ

梓「    」

唯「煙がでてる……over heat!」

律「あーあー、神聖な学び舎でイチャコラした罰だな」

澪「こんどこそ帰る」

紬「練習はまた明日ね~」

唯「おーい目覚めよあずにゃん! 帰るよー!」

ユッサユッサ

梓「   」

唯「ありゃりゃ。起きないや」

律「ゆーい、ここはさ」

澪「そうだな。乙女な梓にはぴったりのアレで」

紬「唯王子頑張って~」

唯「……そっか! なるほど」

唯「……」



唯「唾液を飲ませたらいいんだね!!」



梓「いーかげんにしなさい」

スパン


お し ま い



最終更新:2011年01月17日 23:37