キッチン
憂「~♪」
澪「何か手伝うよ」
憂「あ、いいですよそんな」
澪「いや、気分転換も兼ねて手伝わせてくれ」
憂「じゃあ……にんじんとジャガイモの処理をお願いできます?」
澪「お安いご用だ」
憂「私は玉ねぎ切りますね」
澪(それにしても唯に似てる)
憂「えっと……六人分と」
澪(エプロン姿の唯……いや憂ちゃんも可愛いな)
ザクザクザク
憂「玉ねぎってしみますねー」
澪「あ、あぁ」
憂「六人分も切ってたら涙が……」
澪「大丈夫?代わろうか?」
憂「大丈夫……です」
澪(泣くのを必死でこらえてるゆ……憂ちゃん可愛い)
澪(…………重症だな私も)
憂「お鍋に移して……きゃっ!」ズルッ
澪「危ない!」ガシッ
憂「あ、ありがとうございます」
澪「いや、怪我が無くって良かった」
紬「今、悲鳴が……」
澪「…………違うんだ」
紬「…………ごゆっくり」
澪「おい良いかムギ、今のは誤解だ」
紬「解ってる、解ってるわ澪ちゃん」
澪「頼むからその微笑みを止めてくれ。私は転びそうになった憂ちゃんを支えただけだ」
紬「愛の形はそれぞれだもの、私は応援するわ」
澪「違うって!憂ちゃんからも説明してくれよ!」
憂「あ……凄く、ドキッとしました」
紬「あらあら」
澪「転びかけた事に対してな、そうだな憂ちゃん?」
…
唯「いただきまーす!」
律「ウメーウメー」
梓「憂は本当に料理上手だよね」
憂「あ……うん、ありがとう」ドキドキ
澪(あ~、憂ちゃんからの視線が)
憂「み、澪さん……どうですか?」
澪「お、美味しいよ」
憂「えへへ……」
澪(照れる憂ちゃんも可愛いけど……)
唯「皆がカレー食べれば戦争なんて無くなるのにー」
澪(本命はあっちなんだけどな)
律「お、澪食べないなら肉くれ」ヒョイ
澪「はぁ……」
律「肉を取られても怒らない……こいつ偽物だ!?」
澪「静かに食べろよ、桜高一カレーの似合う律っちゃん」
唯「良いなー」
律「えへん」
梓(バカしかいない……)
紬「ごちそうさま」
律「すっげー旨かった!」
唯「そりゃー世界一の妹が作ったカレーだからね!」
憂「もー、お姉ちゃんたら」
唯「ほんとだもーん」ガバッ
憂「は、恥ずかしいよ」
梓「いつも私はそんな目にあってるんだよ」
紬「でも断らないのよね?」
梓「う……」
澪(あぁ羨ましい……)
紬「片付け手伝うわ」
憂「すいませんお客さんなのに」
紬「良いのよ」
憂「あ、お姉ちゃん、洗濯物畳んでくれる?澪先輩のも乾いてると思うから」
唯「その前に食後のアイス……」
憂「畳んでくれたらスーパーカップからハーゲンダッツに……」
唯「さぁさぁ澪ちゃん、いこ!」
澪「お、おう」
澪(唯が私を誘ってくれるなんて……)
律「…………じゃ、私らは皆の代わりにくつろぐか」
梓「…………救いがたい」
唯「ふふ~ん♪アイスーアイスースイアー♪」
澪(子どもっぽいなぁ……そこが良いんだけど)
唯「はい、澪ちゃんの服」
澪「あ、ありがと」
唯「どういたしましてー」
澪「洗ったのは憂ちゃんだけどな」
唯「むー」
澪「はは、ちゃんと唯にも感謝してるよ」
澪(な、なんか凄く自然な流れだ……これは頭を撫でても許される流れ!)
澪「唯……」
唯「よーし、洗濯物おしまい!ハーゲンダッツが私を呼んでるぜ!澪ちゃんも着替えたら来てね!」
澪「……」
澪「……はぁ」
澪(千載一遇のチャンスだったのに)
律「何へこんでんだ?唯にいじめられたか?」
唯「そんな事しないもん!」
憂「澪さん、服……大丈夫ですか?」
澪「あ、うん。憂ちゃんは洗濯も上手なんだな。ありがとう」
憂「や、そんな……洗濯機回しただけで」
梓「憂?顔赤いよ?」
憂「な、何でもないよ……」
律「んじゃ、私らはそろそろ帰るとするか」
唯「えー、淋しい~」
紬「よしよし」ナデナデ
澪(代わってくれムギ……)
玄関
紬「すっかりお世話になっちゃって」
憂「いえいえ」
唯「行かないで皆~」
律「出会いがあれば別れがある……さらばだ」
梓「大げさな」
唯「……そうだ!週末に皆で泊まりにきなよ!お母さん達は旅行だし、憂と私しかいないし」
律「良いのかよ?」
憂「私は構いませんよ」
紬「じゃあ私も予定空けとくわね」
律「私も」
梓「なら私も」
澪(週末……確か用事が……)
唯「澪ちゃんも来てくれるよね?」
澪「オフコース」
帰り道!
梓「ではまた」
紬「またね」
律「おうよー」
澪「気をつけてな」
律「……」
澪「……」
律「なんか喋れよ」
澪「お前と違って無駄口は叩かないんだ」
律「澪ちゃんのプリティボイスが聞きたいわぁ」クネクネ
澪「うわ……」
律「うわってなんだよ、うわって」
澪「はぁ」
律「たくー、最近ため息ばっかりだな澪は」
澪「律は悩み無さそうで良いな」
律「失礼だな、いっぱいあるぞ」
澪「例えば?」
律「ベルセルクがまた休載だとか、おこづかい足りないとか」
澪「はぁ……」
律「なんだよもう、シャキッとしろよ」
澪「わかってるよ」
律「何でもいいけどさ、いつでも相談には乗るからな」
澪「あぁ」
律「じゃ、元気出せよー、また明日な」
澪「おう。風邪ひくなよ」
律「がってん」
澪「ははは」
澪(言えるわけないだろ……お前と唯の関係が羨ましいなんて……)
週末!
律「おらー!律様だぞー!」
紬「お邪魔しますね」
梓「お世話になりに来ました」
澪「よ……よう」
唯「待ってたよ~入って入って」
律「突撃ー!」ドタバタ
澪「おい、近所迷惑だろ!」
梓(はしゃいでるなぁ)
憂「澪さん澪さん」
澪「ん?」
憂「今日はごちそう作りますね!」
澪「あ……うん……」
唯「澪ちゃんも入って」
澪「あ、あぁ!今行くよ!」
律「これがテキサスクローバーホールドだー!」
唯「うぎゃー」
律「そしてこれが律っちゃんスペシャルだ!」
唯「むおー!」
梓「ただのコブラツイストじゃないですか」
紬「まぁまぁ、くんずほぐれつね」
澪(羨ましい恨めしい)
唯「おりゃーあずにゃんゲットー!」ガバッ
梓「ちょ、ちょっと止め……」
律「ふへへ、今日は寝かさないぜ梓~」
梓「いやーっ!」
紬(カメラ仕込んでおいて正解ね)
澪(澪ちゃん……寝かさないよ……なんて唯に言われたり……えへへへ)
…
憂「もうお姉ちゃん、ドタバタしないの」
唯「今宵の私は血に飢えてるよーガブー」ガブ
憂「お、お姉ちゃん!?」
唯「へへー吸血鬼だぞー」
憂「もー」
律「なんだかんだで憂ちゃんも嬉しそうだな」
梓「テンション高いですよね」
澪「……」
律「どうした?」
澪「ゆゆゆゆ唯と唯が抱き合って……」
律「唯と唯って……確かにそっくりだけどさ……ってお前、鼻血!」
紬「み、澪ちゃん!」
澪「へ、平気だ!」
梓(どうみても嘘だ)
最終更新:2010年01月08日 01:21