唯「ふぅー、満足だぁー」


唯「わたしは最近あることにハマっています」

唯「目に付くものを片っ端から」ニヤリ

唯「その相棒、その名も……」

 ダンッ!

唯「乳化性液状金属磨き“ピカール”君です!」


唯「はじまりは些細なことでした」(遠い目

―――――――――回想―――

唯「ういー、何してるの?」

憂「えへへ、爪磨いてるんだー」

唯「えぇ! でも爪磨きがないよぅ?」

憂「そんな本格的なやりかたじゃないよ」

憂「つるつるしてるレシートでこうやって」ゴシゴシ

憂「ジャーン」ぴかーん

唯「うっひょー!」

――――――――――――――

唯「部屋に戻り早速爪を磨きました」しみじみ


唯「私は変なスイッチが入ってしまったのですっ!」


唯「時に中学校2年生!」

唯「技術で金属加工のキーホルダー作りの授業がありました」

唯「最初は真鍮の板にドリルでういぃぃぃぃん! ってやったり」

唯「糸鋸でギコギコギコギコ、正直つまんなかったです」ハァ

唯「最後の磨き上げの段階で……」

 ダンッ!!

唯「ピカール君との運命の出会いがあったのです!」ふんす

 ゴシゴシ、キラーン

唯「和ちゃんこの子スゴイよぉ!」あわあわ

和「なに? ああ、ピカール液ね」

和「50年以上もの実績があるし、結構なんにでも使える」

和「プロ用とまではいかないけど、男性の趣味なんかでも愛用されてることが多いわね」

唯「おぉぉぉ」じーん

 ダダダ、がばっ

唯「先生! お願いです、この子を譲ってください!」

 「んー、まあ本当はダメだけど特別ね? 平沢さん」

唯「ありがとうございますっ!」


唯「んん~♪」(頬擦り


~~

唯「まあ、正直ここ最近までピカール君の存在を忘れていたのですが」てへへ

唯「この間りっちゃんがスネアの金属をゴシゴシ磨いていたときにその血はまた巡り」

 ダンッ!!!

唯「覚醒したのですっ!」ふんす


唯「私は家に帰るやいなやピカールを取り出しギー太のあらゆるところを磨きました」

唯「エンドピン・コントロールノブ・テイルピース・ブリッジ・ピックアップセレクター……」

 キラーン

唯「あはぁぁぁん♪」


唯「走り出すと止まらない性格のせいか、一日掛けてシンクを磨いたり」

唯「蛇口のノブを磨いたり」

唯「家中の金属部品をピカピカの銀色に磨きました」

唯「ですが、そんな楽しいひと時にも別れがやってきます」


唯「もう、磨けるものがない!!」あわわ

唯「禁断症状が出ます」

唯「金属を磨きたい、磨きたくてしかたない……」



唯「うーいぃーー!」ガチャ

憂「!? どうしたのおねえちゃん?」

唯「さ、財布だして……」

憂(お姉ちゃんが、恐喝?)

憂「で、でも、わたしお小遣いつかっちゃったからあんまりないよ?」

唯「はぁ……はぁ……」

唯「小銭、紙切れなんか、い゛っいらないからっ!」

憂「は、はい!」チャリチャリ

唯「ありがと……う」

 ふらふら

唯「あとで、返しにくるから、ねぇ」にやり

憂「お、お姉ちゃんがおかしくなっちゃった」ガーン



唯「へへっ」ごしごし

 キラーン

唯「100円玉がよろこんでるよぉ~♪」

唯「つっぎは~、10円玉だね」ごしごし

 キラーン

唯「ん~! 100円玉の輝きも捨てがたいけど、10円玉はやりがいがあるよっ」うっとり


唯「は! この10円ギザ10だ、交換しよーっと♪」



唯「それでも、わたしの衝動は抑えられません」


律「よー! おはよっゆーいっ」

唯「おはよ……」

唯(りっちゃんのオデコ)

唯(なんだかキレイ)

唯「りっちゃん隊員! そこに座ってください!」

律「は? まあいいけど」

唯「~♪」

 ごそごそ、シャキーン

唯「そおおおおい!」ごしごしごしごしごしごしごしごし

律「ぎゃああああああ! あっぢぃぃぃい!」



唯「りっちゃんのオデコは磨いたら何色に光るのかなぁ?」ごしごしごしごしごしごしごし


~~~


 「唯ちゃん?」

 「ゆーいー! おきろー!」


唯「はっ!」

唯「夢かぁ」しょんぼり

澪「ったく、どんな夢見てたんだよ」

律「ごしごし言ってたぞっ」にやにや

唯「んふふ♪」


唯「こんど磨かせてね!」ぺしぺし

律「おい、デコ叩くなよ!」



 おわり