唯「次はどれ乗ろっか?」

澪「コーヒーカップ、とか///」

唯「相変わらずだねぇ」

澪「やっぱり嫌?」

唯「ううん。私も好きだし」

澪「じゃ、じゃあいいかな」

唯「……」

澪「唯?」

唯「ん? あっごめん、ちょっとぼーっとしてた! じゃあ、コーヒーカップ行こうよ!」

澪「う、うん」

唯「くるくる~」

澪「ちょっと唯、回しすぎっ!」

唯「えへへ、だってこれ楽しいんだも~ん」

澪「もう、子どもか」

唯「澪ちゃんも回してみなよ~。結構楽しいよ~」

澪「じゃ、じゃあちょっとだけ」クルクル

澪「あ、確かにちょっと楽しい、かも」

唯「でしょでしょ! くるくる~」

澪「あはは、くるくる~」

澪「酔った……」

唯「大丈夫、澪ちゃん? あそこに椅子あるからちょっと休もっか。背中さすってあげる!」サスサス

澪「ありがとう。やっぱり調子にのるものじゃないな」

唯「でも、はしゃいでる澪ちゃん可愛かったよ!」

澪「そ、そう?」

唯「うんっ! もっとはしゃいでもいいんだよ」

澪「それはやめとく」

唯「え~、何で?」

澪「唯がはしゃいで、私もはしゃいだら収集つかないだろ」

唯「ひ、酷いよ澪ちゃん!」

澪「ふふふ、冗談冗談」ナデナデ

澪「ふぅ。大分よくなった。唯、背中ありがと」

唯「えへへ、どういたしまして。
  じゃあ次何乗る?」

澪「うーん、次は唯が決めてよ」

唯「えっ、いいの?」

澪「うん。『お願い』」

唯「なんだかこじんまりとした『お願い』だなぁ。
  じゃあ、パラトルーパーとかどう?」

澪「パラトルーパー?」

唯「ゴンドラが空中でくるくる回るやつ。あっあそこにあるあれだよっ」

澪「ああ、あれか。あれならそんなに怖くなさそう」

唯「うんっ。じゃああれでいい?」

澪「うん。じゃあ行こ」

澪「これも二人乗りか」

唯「怖かったらいつでも抱きついて来ていいんだよ」

澪「流石にこれでは怖がらないよ」

唯「あっ動き出した」

澪「……うん、これならだいじょきゃあ! 何これ、こんなに高くあがるの!? 外から見てると大したことなく見えたのに!!」

唯「うん、結構高くまであがるよ~」

澪「……」ギュー

唯「大丈夫だよ、澪ちゃん。私がついてるから。ほら、下見てみなよ。綺麗な景色だよ」ナデナデ

澪「う、うん/// ほんとだ、綺麗……」

唯「ふふん。次何乗ろっか。あれであんなに怖がるんじゃあ、ジェットコースターは無理そうだね」

澪「でも、唯は乗りたいでしょ?」

唯「……澪ちゃんと一緒じゃなきゃ、乗ったって意味ないよ!」

澪(……)

澪「……決めた! 私、ジェットコースターに乗る!」

唯「ええ!? 澪ちゃん、無理しなくていいんだよ!」

澪「でも、唯とジェットコースター乗ってみたいし///」

唯「澪ちゃん……」

澪「あ、でも、こ、心の準備させてっ! そうだっ午後! 午後乗ろう!」

唯「うん。澪ちゃん、駄目そうだったら無理しないでね」


――

しょくどう!


唯「ふぅ~結構遊んだね」

澪「うん。だいぶ乗り物にもなれて来た。これなら、ジェットコースターも大丈夫……かも」

唯「ほんとに無理しないでよ? 私、ジェットコースターに乗らなくても全然楽しいんだから」

澪「でもやっぱり、折角遊園地に来たなら乗っておかないと」

唯「じゃあ一番怖くないのにしよっか。空中で回転するのとかは流石に駄目でしょ?」

澪「そ、それは怖いっ!」ブルブル

唯(か、可愛い///)


じぇっとこーすたーまえ!

唯「これなら昇って降りるだけだから、多分他のより怖くないよっ」

澪「う、うん。じゃあ」

唯「ほんとに大丈夫?」

澪「うん。怖かったら、唯に抱きつく///」

唯「うん。私にしがみついてるといいよ。じゃあ、行こっか」

ガタンガタン……

澪「い、いざ動き出すと、怖くなってきたかも。安全バー下ろしたらしがみつけなくなったし……」

唯「ほら、じゃあ私の手、握ってなよ」

澪「う、うん」

ガタンガタン

澪「ま、まだ昇るのか」

ピタッ

ゴォォオオオオオオオオオ

澪「きゃ、きゃああああああああああああああ!! こわいこわいこわいこわい!!」

唯「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


唯「楽しかったー! って、澪ちゃん?」

澪「も、もう、駄目……」グッタリ

唯「やっぱり無理してたんだね……。でも、ありがとう澪ちゃん。あっちでちょっと休も」

澪「う、うん」


唯「よいしょっと。大丈夫、澪ちゃん?」

澪「う、うん。唯、ひ、膝枕して貰っても、いいかな/// 『お願い』」

唯「おおー積極的だねぇ。はい、どうぞ」ポンポン

澪「じゃ、じゃあ///」

唯「えへへ。澪ちゃん、ありがとね。私のために、頑張ってくれて」ナデナデ

澪「ううん。私も、怖がりとか克服したいと思ってたし、って唯?」

唯「……ん? あ!? ごめん、またぼうっとしてた」

澪「……考え事?」

唯「ううん。何でもない。澪ちゃん落ち着いたら、今度はあんまり怖くない奴乗ろうね」

澪「うん、そうする」


――

唯「おおーもうこんな時間かぁ」

澪「ほんとに遊びつくした感じだな」ノビー

唯「でも、最後にあれが残ってるよね」

澪「ああ、そうだな」

唯「観覧車、乗ろ!」


かんらんしゃ!

唯「やっぱり最後はこれだよね~」

澪「そうだな。唯、今日はほんとにありがとね。楽しかった」

唯「私の方こそ、澪ちゃんの誕生日なのに、付き合って貰っちゃって」

澪「そんなことないよ。私も来たかったし」

唯「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいな」

唯「……」

澪「どうした? 唯?」

唯「あっ、ううん、またぼーっとしちゃってただけ」

澪「ほんとに?」

唯「うん。それより澪ちゃん、見てみて、景色が綺麗だよっ」

澪「ほんとだ……凄い。詩が作れそう……」

唯「やっぱり高いとこからの景色は格別だねぇ」

澪「……」ギュー

唯「澪ちゃん///」


かえりみち!

唯「うーん、楽しかったね! 後は家に帰ってケーキ食べよっか」

澪「ケーキの前に晩御飯な」

唯「晩御飯は私が作るからねっ!」

澪「ふふ、じゃあお願いしちゃおうっかな」

唯「……」

澪「唯?」

唯「あっごめん澪ちゃん、また……」

澪「ほんとにどうしたの? ……もしかして、楽しくなかった? 私が、全然絶叫系のやつに乗れないから……」

唯「ううん! そんなことないって! すっごく楽しかったよ!」

澪「じゃあ、何で?」

唯「……うん。ちょっと、不安になって来ちゃって」

澪「不安?」

唯「うん……私達が子供の時にはあんなに賑わってた遊園地にほとんど人がいなくて、
  ああ、もう潰れちゃうんだなぁ……って実感して。時間が経てば、変わっていっちゃうんだなぁと思って。
  私達も今はこんなに楽しいけど、いつかは別れちゃうのかなぁって、不安になって来ちゃったんだ……」

澪「唯……」

唯「私、いっつも澪ちゃんに迷惑かけてばっかりだし、いつか澪ちゃんが、私のこと嫌いになるかもしれないんじゃないかなぁって……」

澪「唯」ギュー

唯「澪ちゃん///」

澪「約束するよ。私は、絶対唯のこと嫌いになんかならない。
  迷惑だなんて思ってないよ。私は、唯の笑顔が大好きなんだ。それさえあれば、他の何にもいらないくらい」

唯「///」

澪「だから、私の方からも、『お願い』」

澪「これからもずっとずっと、私の恋人でいて下さい///」


おしまい