===ライブ当日=澪の家===
澪「なんだ…これは。」
TV『ただいま入ってきたニュースです。無期限活動休止中のHTTメンバーであるMIOさんが、本日のHTT武道館ライブで復帰すると所属事務所が発表しました。』
澪「こんなの私知らないぞ…」
バタン!
紬「澪ちゃん!!!」
澪「わっ!びっくりした!!」
紬「あ、TV見てたんだね。そういうことだから。」
澪「いや、そういうことって言っても…。」
紬「ほら、早くしないと間に合わないわよ!?」グイッ
澪「わわっ!!ちょっとムギ!!」
バタン!
ブロロロロロ・・・
澪「ムギ、車運転できたんだな…」
紬「うん。…そんなことより、澪ちゃん。なんでそんなに下向いてるの?」
澪「だって…あまり私の姿を見て欲しくないというか…」
紬「何言ってるの。今から澪ちゃんは何万人の前でステージに立つんだから。」
澪「……………」
紬「あら、信号で止まっちゃった。」
澪「…………」
ファンA「見て!あれHTTのMIOとTSUMUGIじゃない!?」
ファンB「あ、ほんとだ!」
澪「ひぃぃ…」
紬「ほら、澪ちゃん。顔上げて微笑まないと。」ニコッ
ファンA「きゃあ!今TSUMUGIちゃんに微笑まれた!! やった~!!」
ファンB「でもMIOちゃん元気なかったね。なんか心配だなぁ。」
澪「………………」
唯「あ!ムギちゃん来たよ!」
律「お~ぅ。ムギおつかれ~。」
梓「はやくしないと、開始予定時刻まであと少しですよ。」
紬「さ、衣装に着替えないと。」
澪「……………」
ザワザワ ザワザワ
唯「みてみて!超満員だよ!!」
律「前回の武道館より増えたんじゃないか?」
紬「なんかドキドキしてきちゃった。」
梓「ぜったい成功させますよ!みなさん!!」
澪「………なぁ」
澪「………皆、やっぱり私…」
律「まだそんなこと言ってるのか、澪。」
梓「もうニュースで復帰するって言っちゃったんで、引き返せませんよ。」
澪「でも……やっぱり駄目だ。どうしても…あのネットの書き込みがトラウマになって…………」
律「澪…」
澪「今日来ている人も皆、偽りのファンじゃないか、とか…もう私たちにファンなんて誰もいないんじゃないか、とか…」
唯「澪ちゃん!!」
澪「!?」
唯「そんなこと…そんなこと言わないでよ!! みんなで頑張ってここまで来たんだよ!? なのに…なんでいつも大事なときにメンバーが欠けてるのさ!! どんなときでも、私は5人で音楽やりたいんだよ!!」
澪「唯…。」
律「なぁ澪。さっきファンがどうのこうの言ってたけどさ、それってそんなに大事なことなのか?」
澪「そりゃ…ファンがいないと…」
律「まあそうなんだけどさ、ネットにアンチがいるのは当たり前だろ? だからって応援してくれてるファンの存在も否定するのか?」
澪「いや…そんなわけじゃ…」
紬「澪ちゃん。たしかにファンは減っているかもわからない…でもね、どんなに私たちを応援してくれてる人が少なくても…もし世界にたった一人しかいなくても、そのたった一人のために私たちは音楽やっていきたい…そう思うの。」
澪「ムギ…」
梓「澪先輩。これが私たちの出した結論です。澪先輩が何を言おうと、私たちはこの考えを決して変えたりしません…」
澪「でも…もし私たちのことを誰も応援してくれなかったら…? もし、ファンが一人もいなくなったら…」
律「澪…!」
唯「………関係ないよ、そんなの。」
澪「ゆ、唯…」
唯「もしそうなっても、私自身が一番放課後ティータイムを応援してるもん!! 私はぜったい、ぜっっったい!!放課後ティータイムを裏切らないよ!! 私は、死んでも放課後ティータイムの大ファンでありつつけるよ!!」
紬「…いいわねそれ。わたしも乗った。」
律「私も!!」
梓「私も…死ぬまで放課後ティータイムを愛し続けます!!」
澪「み、みんな…」
律「なにボーってしてんだよっ! もうライブ始まるぞ。」
澪「え…ちょ、ちょっと…」
3…
2…
1…
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
キャ~~~~!!! 放課後ティータイム~~~!! YUI~~~!!!!
MIO~~~~~!!!!! TSUMUGI~~~!!! RITSU~~~~!!! AZUSA~~~~!!!!
かわいい~~~!!! きゃ~~~~~!!!
澪「……………」
律「どうだ、澪?」
澪「………………………」グズッ・・・
律「ここにいる人みんな別々の道を歩んできたんだ。誰も同じ人生なんてない。それなのに、今皆の心は一つになって私たちを応援してくれてる。不思議なもんだ。」
澪「………………」グズッ・・グズッ・・・・
唯「みてよ澪ちゃん!!みんなすっごく楽しそうだよ!! これでもまだ偽りのファンだっていうの?」
律「すくなくとも、ここにいるファンの気持ちは本物だ。」
澪「…………………………みんなぁ…」グズッ・・・
唯「……」
律「……」
梓「……」
紬「……」
澪「ほんとうに……………ごめん……」
唯「大丈夫だよ、澪ちゃん。もう一人で悩まなくても。」
律「みんな、澪のことが大好きだよ。」
梓「さぁ、はやく演奏をはじめましょ!!」
紬「えぇ!」
唯「よしっ!」
律「よっしゃああ!!」
澪「………あぁ!!!」
きゃああああああ!!! キャ~~~!!!!
澪「みんな!!!!!! 心配かけてごめん!!」
きゃああああ~~~~~~!!!!!
澪「さっそく一曲目…きいて下さい…ふわふわ時間!!!!」
ジャ~ジャカジャカジャッジャ~~~♪
キャ~~~~!!!!!! ウォ~~~~~!!!!!
澪「…………みんな!!!!!」
澪「ほんとうに!!!」
澪唯梓紬律「ありがとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
~完~
いちおうこれでSSは完結です。
見てくださった方ありがとうございます。
残った伏線回収するために武道館ライブ以降を書いたけど…いろいろ突っ込みどころあるかもです。
最終更新:2011年01月15日 00:37