がちゃ

梓「うひゃあ~濡れちゃった~」

澪「まったく…こんな土砂降りの日に突然呼び出すなんて…」

律「梓!澪!     …唯!二人とも来たぞー。」

唯「二人とも…何も言わずに…これを見てて…」

梓澪「?」

澪「なんなんだ?いったい。」

律「それが私も分からないんだよね~。CDショップでミュージック・アーバン・ギターのパネルを見たかと思うと突然走り出して。」


アナ「さあ!次はミュージック・アーバン・ギターです!!!」

きゃああああ!!!!

アナ「現在、世界ツアーの真っ最中のミュージック・アーバン・ギター。どうして突然世界ツアーをやろうと思ったんでしょうか。リーダーのCathyさん。」

Cathy「…そうですね。」

アナ「あら、日本語お上手じゃないですか。」

Cathy「ハイ…やっぱり、世界の人に私達の音楽を生で聞いてもらいたい。そう思ったんです。よく『デスメタルだ』って言う人がいるんですけど、私達はロックバンドのつもりでやってるんで、万人受けする音楽を奏でたいんです。」


律「なあ、唯…」

唯「だまってて!」




アナ「さあ、そんなミュージック・アーバン・ギターなんですが、メンバーの皆さんが一番尊敬してるアーティストはどなたなんでしょうか。」





唯「………信じてる…私は信じてるよ…」

澪「唯…」


アナ「なるほどー。では、最後にCathyさん。一番尊敬しているアーティストは!?」



Cathy「…………わたしは…とてもつらい経験をしたんです…」

アナ「? Cathyさん?」

Cathy 「そんなとき…いつも私の胸には彼女達がいました…いつもいつも私の中で音楽を奏でてくれていた…でも…そんな彼女たちとは会うことは許されていませんでした。私は青春時代、彼女達といつも楽しく笑い、そしてともに悲しみ、一緒にステージに立ち…高校卒業後も一緒に笑いあえる…そう思っていたのに…なのに………………

   わたしは6年間、一度も彼女達を忘れたことはありません…もし彼女達が今は音楽を辞めていても…

     そして…先日、私は日本に来ました、そのとき一瞬だけ、彼女達のライブを見たんです。

     ああ…彼女達はこんなに立派に成長している………そのとき私が思った印象は…

      『かわってないな。あの時とまったく…』



     名前は『放課後ティータイム』……私の大切な仲間…そして、世界で一番尊敬するアーティストです………」



澪律梓「!!!!!!」



律「この人…もしかして…」

唯「うん…『ムギちゃん』だよ…。」



唯(ムギちゃん…こんなところにいたんだね…私達よりはるか高いところに…

    でも…ムギちゃんも変わっちゃいない…

      私は勝手にムギちゃんとは会えないんだとか思っちゃって…でも…

        ムギちゃんはずっと私たちのことを想ってくれていた…

          私たち5人は、あのときからずっと一緒だったんだ…

            深い溝なんて最初からなかった…私たちは…

              ずっとずっと…心は一緒だったんだ…………)




     『PEAK MODEL』 11月号

特集・・・・・ミュージック・アーバン・ギター

全世界ライブツアー敢行中のミュージック・アーバン・ギター。彼らのキーボード担当であるCathyが、なんと日本武道館でソロライブを急遽行うことが決定!!
なんとゲストにはあの放課後ティータイムも登場し、共に演奏するという。Cathyきっての希望らしい。
非常に想像しにくい絵ではあるが、どちらも本誌が追いかけてきた2大アーティストなため、期待は大きい。
         中略
彼らの今後の活動も要チェックだ。

その他のトピックス
      • 放課後ティータイム、新曲『ふわふわ時間』が自身初のオリコンチャート一位を記録。




10月某日 日本武道館

ざわざわ…   ざわざわ…



唯「うわあ…すごい人数だぁ…」

澪「なんだ。緊張してるのか? 唯」

唯「そんなことないっ!」





?「あら?    みなさんおそろいで?」

唯澪律梓「?」

?「どうしたのよ。6年ぶりに会ったのにそんなポカーンとしちゃって。」



律「ムギ…か…?」








紬「あたりまえじゃない!   皆さん…………おひさしぶりですっ!!」


唯「うわあああああああ!!!!!!!!」

紬「ちょ、ちょっと唯ちゃん・・・」




澪「むぎぃぃぃぃぃ!!!!!!」
梓「先輩いいいいいいいいいい!!!!!!」
律「うおおおおおおお!!!ムギいいいいいいい!!!」



紬「ちょっと…そんな急に4人で抱きついてこられても…」



唯「はなさない!!ぜっっっっっっったいはなさない!!!!」

紬「ほら、もうカウントダウン始まっちゃってるわよ?」

澪「はっ…すまん、ムギ。」




律「よおおおしっ! 5人で円陣組もうぜ!」

唯「うんっ!」



律「準備はいいか!?皆」

澪「いいぞ。」

律「ムギもいいな?」

紬「えぇ。もちろん。」


律「それじゃいくぞ…………………さいっっっこうのライブにするぞー!!!!!!」

澪唯梓紬「おお~~~~!!!」


ドォォォォォン!!!

きゃああああ!!! きゃああああああああああ!!!!! Cathy!!!!! HTT!!!!



ライブが始まった。




史上最高のライブが。





5人で奏でる音楽。それはいつまでもいつまでも武道館に鳴り響いた。悲しみをすべて吹き飛ばして。





いつまでもいつまでも、鳴り響いた……………………




唯「やっぱ放課後ティータイム!!! サイコ~~~~~~!!!!!!!!」
澪「ちょっと唯!まだやる気!?」
紬「いいじゃない、別に。私はかまわないわよ?」
澪「そうだな…5人のライブ…やっぱ最高だ!」

唯「よっしゃあ~~!! 今日は皆帰さないぜ~~~~!!!」




                    ~完~





武道館ライブから約一ヶ月    11月某日 朝


TV「さあ、本日はミュージック・アーバン・ギターのCathyさんから素晴らしいビデオコメントが届いてますよ!」

紬「めざ○しテレビをごらんの皆さんおはようございま~す。ミュージック・アーバン・ギターのCathyで~す」


――――――――唯の部屋

唯「ムギちゃん、あのあとイギリス帰っちゃったんだね。もう一度5人でライブやりたいなぁ…」

――――――――

紬「私たちミュージック・アーバン・ギターは今、ニューアルバムの告知のため日本に来ていま~す。」

    略

紬「以上ミュージック・アーバン・ギターでした~。日本の皆さん買ってくださいね~。」

――――――――

唯「夢のようなあの日のライブ…。もういちどムギちゃんと音楽はやれないのかなぁ」


唯「まあ今日は久々のオフだし、寒いし、ずっと家にこもってよーっと。」


唯「布団あったかいなぁ…」


唯「皆今何してんだろ…」

===澪の家===

澪「うぅ…寒いなぁ…………」

澪「………………」

澪「ふぁ~~…………」

澪「……………………もう一回寝よ……」


澪「………………」



澪「………………………………ぁ…………はぁっ!!!」

澪「素晴らしい歌詞とメロディが!!!」

澪「……………………………………夢か」



澪「最高の曲がひらめいたと思ったのに………………おもいだせない………くそっ」


===律の家===

律「うう~~~~どうしてだよ~~~~><」

梓『どうしたんですか、こんな朝早くに電話なんて』

律「今日の朝刊見たのか!梓!」

梓『見ましたけど…?』

律「今年の紅白歌合戦の出演者がほぼ決定って! その中に私たちが入ってないんだよ~!」

梓『そりゃ…唯先輩と澪先輩がオファー断ったから…』

律「なんでだよ~!! 今年最もブレイクしたアーティストといえばHTTだろ~!」

梓『知りませんよそんなの…』

律「なんで断ったんだよ~。リーダー私じゃないのか~!!」

梓『唯先輩は年末は家族で実家で過ごしたいって言ってましたよ。それに澪先輩も、あまり紅白の方針には乗り気じゃないみたいです。』

律「アーティストにとって紅白ていうのはなあ…頂点なんだよ! TOP OF THE WORLDなんだよ~!」

梓『何なんですかそれ…? でも、たまに“音楽で勝敗をつけたくない”て言って一切出場しないアーティストもいますよ。』

律「よそはよそ!うちはうち!」

梓『…もう気が済みましたか?切りますよ。』

律「まって~~~ずっと私のそばにいて~~~。この凍える体だきしめて~~。」

梓『ラブソングの歌詞みたいになってますよ、それに電話なので抱きしめられません。…あ、今テレビにムギ先輩出てますよ。』

律「なにっ!! まさかのHTT電撃加入か!?」

梓『ちがいますって…ミュージック・アーバン・ギターのニューアルバムの告知みたいです。』

律「なんだよ~。ムギの奴、まるで私たちのことなんて無かったかのように…」

梓『世界的人気ですよ、ミュージック・アーバン・ギターって。そりゃ日本だけで活動してる私たちに比べたら休む暇も無いんですよ。』

律「そうだけどさぁ~~~。私たちに連絡する時間ぐらいはあるんじゃないの~?」

梓『知りませんって…そりゃ私だってムギ先輩ともう一度会いたいですけど…ムギ先輩の都合もありますし。』

律「じゃあどうすりゃいいんだよ~」

梓『私もヒマじゃないんで。今度こそ本当に切りますよ。』

律「ちょ、梓!」

プー    プー    プー



梓(こりゃ律先輩、朝から相当飲んでるな)



===昼===


ぴんぽーん

唯「はーーい」(誰だろ。こんな時間に)


憂「やっほーー!おねぇちゃん!」

唯「ああ!憂~~~」

憂「たまたま近く通ったから来ちゃった~//   いまお邪魔して大丈夫?」

唯「大丈夫だよ~ちょっと散らかってるけど。」

憂「気にしないよ、そんなの。…………うわッ!」

唯「……どうしたの?」

憂「おねぇちゃん…ちょっとどころじゃないよ…」

唯「いやぁ~。一人だとなかなか片付かなくて…」

憂「しかたないなぁ…私が手伝ってあげるから、今すぐこの部屋綺麗にしよ!」

唯「えぇ~~~。めんどうくさい~~~。」

憂「そんなこといわないで!」



===一時間後===

唯「うぅぅぅ…終わった~~~…」

憂「凄いね。ゴミ袋三つも使っちゃった」

唯「うわぁ!見て憂!新築みたい!!」

憂「…今度からちゃんと掃除してね、おねえちゃん。」

唯「は~~い…………」



憂「あ、それと先月の武道館ライブ、最高だったよ!」

唯「ありがと~~~。やっぱムギちゃんがいないとHTTじゃないもんね。」

憂「でも…なんで紅白出場できなかったんだろうね。私、絶対HTTは紅白いけると思ったのに。」

唯「あ、それ私が断っちゃった。」

憂「え……なんで……なんで!? なんでそんなもったいないことを!」

唯「だってだって…………年末ぐらい憂と過ごしたいし………」

憂「おねえちゃんが紅白出場するのをどれほど私は……………」

唯「ごめんごめん! じゃあ今年の年末は皆でいっしょに鍋パーティやろう! 純ちゃんも和ちゃんも呼んでさ。」

憂「ほんとに?」

唯「うん!絶対約束する!」


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