==律の家==
唯「うぅ・・・」
律「大丈夫か?唯」
唯「うん・・・・」
律「一人で抱え込むなよ。」
唯「ありがとうりっちゃん…」
律「ムギに対する思いはみんな一緒だぞ。」
唯「うん…そうだね。」
律「来月は渚園でライブだ。サイコーのライブにしてやろうじゃん。」
唯「うん………」
一ヵ月後 渚園
律「お~しみんな!! いくぞ~~!!!!」
唯澪梓「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
~ライブに登場
きゃああああ!! HTT~~~~!!! てぇふってえええ~~!!
YUIかわいい~~~!! サイコー!! デュフッwww
MIOちゃんかわいい~~~!!! きゃああああああ~~~!!
唯「みんないくよー!! 曲は! 『Don't say "lazy"』!!!!」
きゃああああああ!!! うぉぉ~~~!!!!!
Please don't say "You are lazy" だってほんとはCRAZY~♪♪
唯(ああ、やっぱりお客さん、すごい盛り上がってる…私は…いや、皆…悲しみを抑えながら演奏してるのに……
なんで…こんなつらい思いしなくちゃいけないの私達…
ムギちゃん…戻ってきてよ…
私もう限界だよ………
澪「想像に一生懸命♪ 現実は絶体絶命♪ …あっ!」
唯「…? 澪ちゃ…… あっ!!!」
梓「澪先ぱ… ああっ!」
律「なんだ… あっ!」
………………
ざわざわ… なんだ…? どうしたどうした……?
澪「す… すいません!!みなさん! ……もういちど最初から演奏します! ほんとに…ごめんなさい!」
律「澪…」
頑張れーーー!!! いいぞーーー!!! がんばってぇぇぇ~~~~!!!
じゃかじゃかじゃああ~~ん
澪「みんなありがとーーーー!! あと失敗してゴメンねーーーー!!!」
きゃあああ!!!! おおおおおおお~~!!!
スタッフ「どうしたの、皆途中で一旦演奏やめちゃって」
澪「すいません………」
スタッフ「まあお客さんのノリが良かったから何とかなったけど…」
澪「はい…本当にすいません」
唯「すいませんでした…」
澪「本当に…すまない…皆」
唯「澪ちゃんのせいじゃないよ!」
梓「そうですよ、皆の演奏が止まったんだから、私達にも責任はあります!」
律「ああ、………だって私……見ちゃったんだ…だからドラムが叩けなかった…」
唯「りっちゃんも!?……多分私も……」
梓「私も見ました………澪先輩もですよね!?」
澪「ああ……確かに、客席に『あいつ』がいるのを見てしまった…」
梓「いましたよね…客席に」
澪「ああ…」
唯「ムギちゃんがいた…」
澪「ムギがいた…」
梓「ムギ先輩がいた…」
律「ムギがいた…」
澪「確かにアレは…ムギだった…はず」
唯「でも…ムギちゃんはアメリカにいるんじゃないの!?
澪「唯…」
唯「あれがムギちゃんだとしたら、ムギちゃんは今日本にいるの!? どうなの!? みんな!」
澪「落ち着け、唯!」
律「それに。まだ、あの人がムギだと決まったわけじゃない… 演奏が止まったあの一瞬しか私達見てないんだ。それに6年たってるんだから、見た目も変わるし、何よりまだあの白い長髪だとは思えん…」
唯「そんな………………でも! あれは絶対ムギちゃんだもん!」
===電車の中===
梓「じゃ、唯先輩。私はここで。」
唯「うん。」
梓「私も…あれは絶対ムギ先輩だと思いますよ」
唯「うん…ありがと…」
『PEAK MODEL』 10月号
特集・・・・・今年の夏フェス
全国各地で開催された『夏フェス』。さまざまなアーティストが参加したが、とくに特筆すべきは「放課後ティータイム」だろう。
今年の上半期NO.1のブレイクを果たした放課後ティータイム。デビュー間もないにもかかわらず、なんと熱海と渚園で行われた夏フェスに参加。
渚園では演奏ミスというハプニングに襲われたが、会場を大いに盛り上げた。
後略
written by PM編集 M氏
その他のトピックス
- the heroes 大阪城ホールでのライブで年内解散を否定
- LUNA SAY 再結成を発表
- ミュージック・アーバン・ギター 全世界ライブツアーを開始
○×駅~~○×駅~~~ お降りの際はお忘れ物のないように~
(改札を抜け、アパートへ帰る唯)
唯「ムギちゃん…ムギちゃん…」
?「あの~ちょっとそこのお方…」
唯「ムg…は!はい!なんでしょう!」
?「お尋ねしたいんですが…○×駅はどう行けばいいんですかな」
唯「ええと、私が来たこの道を行って…三つ目の信号で右に曲がってください。」
?「や、どうもすみません。なにせこの地域は久しぶりなもんでね。年をとるとなかなか思い出せないんだよ。」
唯「はあ……(あれ、この人どっかで……)」
?「それじゃあ。」
唯「あ! 待ってください!あなたもしかして…」
?「なんです?」
唯「琴吹紬さんの……執事さん…じゃないですか…?」
執事「なんと……紬お嬢様のお友達でしたか!」
唯「はい…」
唯「それで…ちょっと聞きたいことがあるんですけど…」
執事「なんです?」
唯「あの…紬さんは…今どこにいるか…ご存知ですか………?」
執事「紬お嬢様は………アメリカに高校卒業後渡られました。」
唯「はい…。それは知ってます。」
執事「しかし、非常に申し上げにくいことなんですが…」
執事「紬お嬢様は…行方不明になられました…」
執事「渡米後、1年足らずでお父様が破綻してしまい…それに伴い、夫婦そろって蒸発。私は強制的に日本へ戻され、紬お嬢様だけがアメリカで一人で…………。非常に可愛そうなお方です…」
執事「私も紬お嬢様が今何をされているのか分かりません…。ただお嬢様はよく部屋で一人、キーボードを弾いておられましたが…。」
唯「そうですか……。」
===唯の家===
唯「ムギちゃんが行方不明・・・・」
唯「ははっ…そうだよね…日本のライブにムギちゃんが来るわけないよね…」
唯「ははっ…アメリカにいるかどうかも分からない…もしかしたらムギちゃん一人でどこかの国で暮らしてるかもね…だとしたら…もうムギちゃんは私たちのこと忘れちゃってるよね…」
唯「こんなに…がんばって…今までやってきて…
いつか全米デビューして…そしたらムギちゃんに遭えるかも…
そう思っていたのに…誰もムギちゃんの居場所を知らないなんて…
このままバンド続ける意味あるのかな・・・・?」
唯「りっちゃん……ちょっと明日会える…?」
律「うん?ちょっと晩にしかあえないなぁ。でもなんで?」
唯「ちょっと話したいことがあるの。」
律「電話じゃだめなの?」
唯「うん…会ってしっかり伝えたいことだから…」
律「そうか…じゃあ駅前のCDショップに、19時半で良いか?」
唯「うん…」
===次の日===
律「やっほー、唯」
唯「うん。」
律「どうした? 昨日の電話から元気ないぞ。」
唯「……すごく深刻な話するつもり……。」
律「何だよ…唯。」
律「先にCD見ていい? ちょっと欲しいCDがあるんだ。」
唯「うん…いいよ別に。」
唯(どうしよう…タイミング逃しちゃった…)
唯(すべてムギちゃんの事情を話して…それで…解散しようって…)
唯(だめだ…やっぱ言えないよ…りっちゃん)
律「おー。ちょっと来てくれ~。これ見てみろよ唯~。」
唯「どうしたの。りっちゃん?」
律「見てみろよこれ。イギリスのバンドなんだけど。笑っちゃうよな~。」
唯「なにこれ…?」
律「知らないのか?唯。今全世界でCDが売れてる、『Music Urban Guitar』ていうロックバンドの等身大パネルなんだ。」
唯「へぇ…。」
律「本人はロックバンドを自称してるけど、この奇抜なメイク、どうみてもデスメタルだよなー。なんかさわちゃん思い出すよ。」
唯「………………」
律「全世界ライブツアー中らしいけど、日本でもライブするんだぜこれ。……て唯聞いてる?」
唯「…………」
唯「りっちゃん……このキーボードの女性……」
律「どうした?」
唯「…………」
律「どうしたんだよ、そんなにパネル見つめちゃって。……まさか唯、こんなバンドが好きなのか!?」
唯「この人…………」
律「あ、ちなみに今日のMステ出演するらしいぞ。なんか日本公演の宣伝もかねてるらしいからな。」
唯「ほんとに!!!? りっちゃん!! 今何時!!?」
律「え・・・7時50分だけど。Mステはあと10分で始まっちゃうな。」
唯「りっちゃん!!!!!!!!」
律「おい!どうしたんだよ急に走り出して!! どこいくんだ!!唯!!」
唯「りっちゃん!!いますぐ澪ちゃんに電話して!! 私はあずにゃんに電話するから!!!」
律「な、なんて伝えりゃいいんだよ!!」
唯「今すぐ私の家に来て! それだけ!!!」
律「いったいどうしちゃったんだよ…唯」
唯「いいから! はやく!」
ピポパポ
律「……あ~澪? ちょっと今すぐ唯の家に来て欲しいんだけど…」
唯「もしもし!? あずにゃん!! 今すぐ私の家に来て!!」
ポツ・・・・・・ポツ・・・・・ザァァァァァァァ・・・・
律「わっ! 雨降ってきた!!!」
唯の家
がちゃ…
律「ずぶぬれだあ…」
唯「りっちゃん…コレ…見て…」
律「ん? どうした?」
アナ「さあ!なんと今日は海外からのゲストが来て頂いてます!」
きゃあああ!!!!
アナ「ミュージック・アーバン・ギターです! どうぞ!!!」
律「なんだ。さっき話してた奴じゃないか。それがどうしたんだ?」
唯「……何も言わずに……見ててよ……たぶん……」
律「?」
律「ほんとどうしちゃったんだよ。あ、あと言わなきゃいけない大事な話って結局なんなんだ?」
唯「いや…その話はもういいよ…。」
最終更新:2011年01月15日 00:29