唯「そう思わない?! あずにゃん!」

梓「はあ……そうですね」

唯「あずにゃん反応小さい~」

梓「いきなりそう言われましても……」

唯「毎日思ってるんだけどさ……」

唯「今日急に言いたくなってね」

梓「それ、憂に言ってあげたらどうですか?」

唯「う~ん。言いたいのは山々なんだけどねえ」

唯「憂は今家かな~」

梓「仲が良いのは良いことだと思いますが」

唯「憂はかわいいからね。も~毎日抱きついて頬擦りしちゃうくらい!」フンス!

梓「憂は今日も言ってましたよ」

梓「お姉ちゃんが毎朝起こしに行くとベッドの中へ引きずり込まれるって」

梓「とっても嬉しそうに……」

唯「いやあ~朝は寒くってね。憂の体が恋しいんだよ」

梓「だからって引きずり込むのはどうかと思いますが……」

唯「も~憂の体があったかくてあったかくて……えへへ」

梓「……そんなにあったかいんですか?」

唯「それはね。またまた寝ちゃうくらいぽっかぽっかなんだよ!」

梓「いいかげん朝くらい一人で起きれるようになりましょうよ」

唯「それじゃあ憂が起こしにきてくれないじゃない!」

梓「そ、そんなに大きな声ださなくても」

唯「おっと、失礼あずにゃん」

唯「でもね、私には憂が必要不可欠なんだよ」

唯「憂がいないと生きていけない! 死んじゃう!!」

梓「それはちょっとヤバイですよ」

唯「あ~憂のこと考えてたら会いたくなって来たなあ」

梓「憂は今頃家で家事でもしてるんじゃないでしょうか」

唯「あ~憂はごはんの準備でもしてるかな~」

梓「憂……大変だなあ」

唯「そーそー、憂はお菓子作るのも上手なんだー」

梓「前、チョコレート作るの手伝ってもらいました」

唯「ムギちゃんの持ってくるケーキもおいしいけど」

唯「憂のも負けないくらいおいしいケーキなんだよ」

梓「知ってます。とってもおいしかったですよ。アレは」

唯「台所で一生懸命作ってるのを見ると惚れ惚れしちゃうんだ」

唯「よいしょって言いながらせっせと作っててね」

唯「――ああ、かわいいなあ。そう思っちゃうんです」

梓「見てないで手伝ってあげましょうよ」

唯「手伝ったら憂100%分の愛情じゃなくなっちゃう!」

梓「手伝ってあげたほうが喜ぶんじゃないですか?」

唯「ずいぶん昔にやったけど」

唯「指を包丁で切ってから手伝わせてもらえなくなっちゃったよ」

梓「そこで引かず姉らしく手伝えばいいと思います」

唯「ううん。いいんだよあずにゃん」

唯「私には手伝うことができないけど」

憂「憂の作った料理を食べることが出来るから――」

梓「……憂は喜んでるんでしょうか」

唯「すっごく喜んでるよ」

唯「はい、お姉ちゃん。あーんして」

唯「なんて言いながら食べさせてくれるし」

唯「おいしい? おいしい? ってニコニコ笑顔で聞いてくるし」

唯「かわいすぎて、頭いっぱいナデナデしちゃう!!!」ウフフ

梓「手伝わない唯先輩はともかく、憂は健気ですね良い子ですね」

唯「そうなんだよ!」グン!

梓「ひゃう!」

唯「なんであんなに良い子でかわいいんだろ?」

梓「わ、わかりませんよ。そんなに顔を近づけられても」

唯「これは、永遠のテーマだね」ウーン

唯「ああ、鏡よ鏡よ鏡さん」

唯「なんであんなにも憂はかわいくて良い子なんですか~」

唯「――返事がありません」

梓「鏡にもわからないんですよ。たぶん」

唯「くぅ~。鏡は姿を映すだけじゃなくこの質問にも答えてほしいよ」ジタンダ!

梓「まあ、良い子なのは唯先輩のためってこともあるのでしょう」

唯「私の~?」

梓「なんでもかんでもお姉ちゃんのために行動してるから」

梓「必然的に唯先輩にとって良い子になるんじゃないんでしょうか」

梓「いえ、私からみてもとっても良い子に見えますけどね」

唯「だよね! 憂は良い子だよね。かわいいし」ウヘヘ

梓「かわいいのは唯先輩もでしょ」

梓「同じような顔してるのに」

梓「そこの鏡を見てみましょう――」

唯「んんん~」

梓「ホラ、こんなふうにポニーテールにすれば――憂です」

唯「おおー憂っぽいけど……違うなあ」

梓「……そうですか? 違いがわかりませんが」

唯「憂はもっと目の垂れ具合も違うし、輪郭も違うし」

唯「何よりあの雰囲気が違う!」

梓「雰囲気……確かにそれはありますね」

梓「唯先輩にはないあの独特の落ち着いた雰囲気」

唯「鏡越しでこの顔は毎日見るけど」

唯「これは私であって、憂じゃないの」

唯「これじゃあ憂のニセモノだよ!!」

梓「ニセモノ、ですか」ジー

唯「……自分で言っててちょっと悲しくなった」

唯「要は憂の顔が見たいってことなんだよ!!!」

梓「ハイ」サッ

唯「鏡に映るのは憂じゃなく、私だよあずにゃん」

梓「やっぱりダメですか」

唯「も~あずにゃんわからずやだね」

梓「憂の顔はほぼ毎日見てますけど」

梓「そこまで思ったことはないですね」

唯「むぅ、じゃああずにゃん。今日私のうちでお泊りしよう!」

梓「ええ? 今日ですか?」

唯「憂を間近で見ればそうかわいく思うよ!」

梓「まあ明日やすみだからいいですけど……」

唯「よしっ。早速行くよあずにゃん!」

梓「えっ。部活は――」

唯「ほいダッシュだよー!」ダダッ


――平沢家

唯「ういー! ただいまー!」

憂「おかえりお姉ちゃん!」パタパタ

梓「あ、憂。おじゃまするね」

憂「あ、梓ちゃん。いらっしゃい!」

梓「急にゴメンね?」

憂「ううん。平気だよ。さっ、あがってあがって」

梓「おじゃまします~」

憂「もうすぐごはんできるからリビングでまっててね?」ニコ

梓「うん」

憂「えへへ」パタパタ

唯「どうかなあずにゃん」

梓「はあ」

唯「あのお出迎えは」

梓「すごい笑顔でしたね」

唯「だよねー?!」

唯「なんかアレ見るとゾクゾクってしちゃう……!」

梓「……風邪ひかないでくださいよ」

唯「もーあずにゃんはつまんないこと言ってないであそこの憂を見てみて?」

梓(つまんない言われた)ガーン

梓「ケホン……憂がエプロンつけてごはん作ってますね」

唯「じっくり聴くとわかるけど、たまにね鼻歌歌ってるんだよ」

梓「楽しいと歌いたくなりますよね。私もよくやります」

唯「うんうん。それがね歌ってるだけでもかわいいのに」

唯「その歌ってるのがU&Iなんだよ」

唯「かわいいよね~~」

梓「かわいいの基準がわかりませんが」

梓「まあ、あんだけ文化祭やらでアピールすれば歌いたくもなるんじゃないでしょうか」

梓「しかも、唯先輩自ら作詞した曲ですし」

唯「そっかなーやっぱりーー?」テレ

梓「……わかってるじゃないですか。憂に聞いてみればいいのに」

唯「聞くのがもったいない気がする」

唯「あれは私が書いた詞だから歌ってるのか、ただ好きだから歌ってるのか」

唯「わからないのがいいような」

梓「そんなもんなんですか」

唯「たぶんね」

梓「おなかすいてきましたね」グーー

唯「この出来るまでの間」

唯「ここで寝転がりながらキッチンの方を眺めてるのがいいんだよ」ゴロン

唯「まーだっかな――なんて思いながら憂を見つめるの」

梓「こんなふうですかね」ゴロン

唯「まだー? まだー?」アシバタバタ

梓「まだー? まだー?」バタバタ

唯「でね、たまにね憂と目があうとね」

唯「ニッコリ笑顔で手を振ってくれるんだ~」エヘヘ

梓「そうなんですか――あ、憂がこっち見た」

憂「ん? えへへ、おねーちゃん、梓ちゃん」

憂「もうすぐできるから、まっててね」ニコ

唯「――ね」

梓「……はい」

唯「かわいいよね?!」

梓「今のはなかなか効きました」

唯「うふふ、ふふふ」

梓「おなかすいたので早く食べたいです」

唯「えっ」

梓「えっ」

梓「あ、いえ。別に変な意味ではないです」

梓「ただ空腹なだけですから……」

唯「……あずにゃんの食いしん坊」

梓「すいません……」

憂「お姉ちゃん、梓ちゃんお待たせ。ごはんできたよー」

唯「まってました!」

梓「ありがとう憂」

憂「いっぱいあるから沢山食べてね」ニコ

唯「憂の料理はおいしいよあずにゃん!」

梓「食べたことあるんですからわかりますよ」

憂「はい、梓ちゃんのお皿」サッ

梓「ありがとう」

唯「ほい、憂のお料理をいっぱい食べよう!!」

憂「今日もおいしく出来たからどんどん食べてね」

唯「もっちろん! 憂の作ってくれたのを残すわけにはいかないよ!」


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