むかしむかし、あるところに憂がすんでいました。

ある日、憂が山へ芝刈りに行ったあと、川で洗濯していると、
うんたん♪うんたん♪
と桃が流れてきました。

憂「うわぁ、大きい桃だぁ!帰って食べよう!」

そう言って家に持ち帰りました。
そして桃を切ると、なんと中から元気な女の子が出てきました。

憂「うわぁ!かわいいー!そうだ、この子を育てよう!名前は…唯にしよう!」

唯「うんたん♪うんたん♪」




その後、唯はすくすくと成長していき、憂よりも少し年上くらいになりました。
そのため、憂は唯のことを

憂「お姉ちゃん」

と呼び、唯も

唯「ういー」

と呼ぶようになりました。
そんなある日。
唯がいつものように憂の作った夕飯を食べていた時のことです。

唯「うまい!憂の作ったハンバーグは本当においしいよー」

憂「ふふっ、ありがとうお姉ちゃん。おかわりあるからいっぱい食べてね!」

唯「うん!」


……

『あははー、バルサミコすぅ!』

唯「あははー、このアニメおもしろいねー!」

憂「そうだね!」

『…ピロリロリン!番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします!』

唯「あーん!いいとこだったのにー」ブー

『また鬼が村に現れ、金品や食料、それに女性数人を誘拐したそうです!』

憂「また鬼かー、物騒な世の中になったなぁ」

『尚、この後は番組を変更して、鬼の対策について、鬼研究家の桃田 朗(ももた あきら)にお話を伺いたいと思います…』

憂「怖いなぁ…ん?」

唯「ゆゆゆ…」プルプル

憂「ゆゆゆ?」

唯「許せなーい!!」

憂「お、お姉ちゃん?」

唯「こんなことするなんて最低だよ!わたしゃ、もう怒ったよ!鬼退治してやるんだから!」プンプン

憂「お姉ちゃん…!」

憂(よかった…私の教育は間違ってなかったのね)

唯(楽しいテレビを邪魔するなんて最低だよ!)



……

かくして唯は鬼退治に行くことになりました!

唯「ういー、じゃあ行ってくるね」

憂「本当に行くの?」

唯「うん!だって(テレビを邪魔されて)困ってる人がたくさんいるんだもん!」

憂「そう…わかったよ!行ってらっしゃい!」

唯「うん!行ってきます!」

憂「あ、そうだ!ハンカチとティッシュはバックの小さいポケットに入ってるから、あと絆創膏は右のポケットに、あとお腹すいたらキビダンゴ入れといたから食べてね!」

唯「ありがとー!」



……

唯「さて、これからどうしようか…」

唯「そう言えば鬼退治の先駆者、桃太郎さんは犬、サル、キジを仲間にしたんだよね」

唯「おーし、私も…」

ガサガサ

唯「おっ、そこの茂みに気配が!犬か?サルか?それともキジかー?」

バッ

梓猫「にぁあ!」


唯「なんだ、クロネコかー」

唯「よくよく考えたら狂犬病対策とかで野良犬はいないんだよね」

梓猫「にゃあん」スリスリ

唯「かわいー!そうだよ、今の時代はおりじなりてぃだよね!」

唯「えっとー…(ガサゴソ)…あった!」

梓猫「にゃ?」

唯「はい!キビダンゴ!一緒に行こ!」

梓猫「にゃあ!あ、おいしい…」パクパク

唯「おーし!君の名前はあずにゃんだ!」



……

唯「あとはサルとキジかぁ」

梓「そうですね」

『おーい!ゆいー』

唯「ん?その声は…田井中さんちのりっちゃんじゃないかー!」

律「どこ行くんだ?猫なんか連れて」

唯「ちょっと鬼退治をね」

梓「です!」

律「ふーん、そっか。頑張れよ」

唯「うん…あ」

唯(人間も昔はサルだったんだよね…)


唯「りっちゃんりっちゃん」チョイチョイ

律「ん?なんだ?」

唯「桃太郎でさ、サルがキビダンゴ欲しいときに言ったのってなんだっけ?」

律「はぁ?そんなのも知らないのかよ」

律「もーもたろさんもーもたろさん、おっこしっにつっけたーきーびだーんごー、ひっとつーわったしーにくーださーいなー」

唯「はい」

律「……」

サルが仲間になった




……

唯「あとはキジかー」

律「んなもんいるわけないだろ」

カァーカァー

唯「あ、カラスの集団だ」

律「またゴミ漁ってるよ」

澪烏「あっ、それ私の…はぁ、また何も食べられなかった…」

唯「あれ?あの可愛いカラス餌食べられなかったよ?」

律「いるんだよなー、集団生活できないやつ」

梓「にゃー」


唯「あっ、そうだ」タタタッ

澪「カァー…お腹すいたよぉ…」

唯「ねぇ、カラスさん」

澪「ん?なんだ人間?」

唯「はい!」

唯はキビダンゴをあげた

澪「えっ…た、食べていいの?」

唯「うん!」

澪「あ…ありがとう!」パクパク

澪「ごちそうさま」

唯「お腹いっぱいになった」

澪「おかげさまで」

唯「じゃあさ、お願いなんだけど…私の仲間になってくれない?」

澪「えっ?」

唯「私たち鬼退治行くんだけどキジ役探してて…」

澪「…ごめん、私怖いのダメだし、やっぱ今の仲間は裏切れないよ」


唯「そっか…」

澪「本当にごめん!」

唯「大丈夫だよ…あ、でも」

唯「今の仲間どっか行っちゃったから頑張って探してね!」

澪「えっ!?」クルッ

シーン…

唯「他に鳥いたっけ」
律「雀とか?」
梓「弱すぎです」てくてく


澪「……」

澪「私も行くぅ…」グスン


唯「おし!これで全部そろったよ!」

律梓澪「いぇーい」

唯「まずはネコ、改めあずにゃん!」

梓「にゃん!」

唯「そしてサル、改めりっちゃん!」

律「私だよん!」

唯「そしてカラス、改め澪ちゃん」

澪「カ…カァー」


唯「うーん…こうやって見ると…」

唯「色が地味だね」

梓←黒
律←茶
澪←黒

梓律澪「うるせー(です)!」




はまべ!

律「つか私人間だからな!人間!」

唯「わかってるよ!…サル」ボソッ

律「あ!今小声でサルって言ったろ!おい!」

唯「そんなことより…どうやって鬼ヶ島まで行こうか」

梓「澪先輩に乗っけてもらうのはどうですか?」

澪「むっ、無理だよぉ」

律「そうだよ、自分の体重で飛ぶのが精一杯(ゴスッ)フベエェッ!!」

梓(カラスなのにグーで殴った)

唯「あっ、あんなところにクルーザーが!」

律「しかも鬼ヶ島行きだって!ラッキー!」

澪「わ、罠だろそれ絶対!」

唯「澪ちゃん、男には罠だとわかっていても向かっていかないといけないときがあるんだよ!」

梓「行きましょう…澪先輩!」

………

唯「すいませーん」

斉藤「はい、なんでしょう?」

唯「鬼ヶ島に行きたいんですけど」

斉藤「わかりました。4名様でよろしいですね?」

唯「はい」

律「えらいあっさりだな」




鬼ヶ島!

斉藤「ごゆっくりどうぞ」

唯「着いたー!」

律「これが鬼ヶ島…!」

澪「っていうよりリゾート地じゃないか」

梓「でっかいお屋敷です!」

唯「この中に鬼がいるんだね…」ゴクリ

澪「本当に行くのか?」

唯「当たり前だよ…いくよ!」

梓律澪「おー!」

唯「とつげきー!」


バターン


唯「たのもー!」

紬「あら、どちらさまですか?」

唯「むっ!そのツノ!お前が鬼だな!」

律「鬼退治にきたんだよ!覚悟しろ!」

梓「にゃあ!」

澪「カァー!」

紬「えっ、あっちょっと待って!なんで私が退治されるの?」

律「だってお前食べ物奪っただろ!」

紬「え?私はただ沢庵を買っただけよ。ただカードしか持ってなかったからお金はあとで払いますって…」

律「じゃあお金取ったろ!」

紬「そのお金おろしただけよ。ただ銀行の人が誤解しただけで…」

律「じゃあ女の子誘拐したのは…」

和「唯ー」

唯「あ、和ちゃーん!なんでここに?」

和「この子、小さいころから鬼って虐められて、友達がいなくて寂しかったんだって。だから遊んであげてたのよ」

唯「そうだったのかー」
梓「かわいそうに…」


紬「ごめんなさい…こんな容姿だからみんなに怖い思いさせちゃって…」グスン

澪「な、泣かないで!」

梓「にゃあ…」

律「おい唯…このままじゃこの子、誤解されたまんまでかわいそうだよ…」

唯「そうだね…よーし」



……

その後、唯はムギちゃんの誤解を解くために、村のみんなを説得しました。
最初は半信半疑でしたが、心優しい唯の言うことだからと、村のみんなは納得してくれて、やっとムギちゃんは村で暮らせるようになりましたとさ。

唯「よかったね!ムギちゃん!」

紬「なんて言ったらいいか…本当にありがとう、唯ちゃん!」

唯「えへへー」

紬「これ…ほんのお礼だけど」

唯「なにこれ?」

紬「西洋に伝わる弦楽器らしいわ。ぎたー…っていうもののよ」

唯「ふうん、じゃあギー太だね!」


めでたしめでたし