唯「今年も年末は憂といっしょだね」

憂「そうだねお姉ちゃん」

唯「お母さん達また旅行行っちゃったもんね」

憂「でもこうしてお姉ちゃんと二人っきりになれたよね」ニコ

唯「そうだねー」ニコ

憂「お姉ちゃんは寂しくない?」

唯「何がー?」

憂「お母さん達あまり家に居ないのが」

唯「ううん、さびしくないよー」

憂「そっかぁ」

唯「憂はさびしいの?」

憂「ん~最初は、だけど、今は慣れたかな」

唯「ふーん」

唯「わたしもね、最初はさびしかったけどね」

憂「今は平気なの?」

唯「そうだね。憂がいっしょにいるからね」

憂「そっかぁ」

唯「そうだよ」

唯「一人っきりじゃないから、さびしくないよ」

憂「そうだよね」

唯「憂もさびしい言ってるなんてまだまだ子どもだねぇ」エヘヘ

憂「お姉ちゃんも子どもだよ」ニコ

唯「わたしはお姉ちゃんだから、憂より大人です!」フンス!

憂「ふふふ」

唯「ほら憂。もっとこっちおいで」

憂「うん」ズイズイ

唯「こんな広いリビングだけど」

唯「こうコタツで寄り添ってれば寂しくも寒くもないよ」

憂「うん、お姉ちゃんあったかいもんね」

唯「一人じゃあったかくないよ」

唯「憂がこう肩を寄り添ってくれてるからあったかくなれるんだ」

憂「そうかな」

唯「そうだよ」

憂「お姉ちゃん、手にぎっていい?」

唯「いいよー。にぎろう」

唯「にぎればあったかく、つながれるからね」

憂「うん」

――ぎゅっ

憂「えへへ」

唯「憂の手はいつにぎっても気持ちいいね」

憂「お姉ちゃんだって」ギュ

唯「あずにゃん達も呼べばよかったかな」

憂「梓ちゃん家族と過ごすんじゃないかなぁ」

唯「家族かぁ」

憂「お母さん達今頃楽しんでるかな」

唯「毎年毎年仲いいよね」

憂「ケンカしたところ見たことないよね」

唯「家に居てもいっつもイチャついてるもんね」

憂「今でも同じベッドで寝てるし」

唯「ああいうのをおしどり夫婦って言うんだね」

憂「そうだよ。いつまでもいつまでも仲良くね」

唯「いいなぁ。いつまでも楽しそうで」

憂「お姉ちゃんはお母さん達みたいな夫婦生活にあこがれる?」

唯「うん。仲良くて笑顔いっぱい見れるし。二人とも楽しそうだもん」

憂「お母さん達いつも家に居ないけど」

憂「帰って来た時はすっごい優しくしてくれるよね」

唯「だよねー。お父さんなんか写真撮っちゃって大切に飾ってるもんね」

憂「ああ次帰って来るの年明けかぁ……」

唯「ふふ。やっぱり寂しい?」

憂「お父さん達の話してたら寂しくなっちゃったかも」

唯「次帰ってきたらいっぱい甘えちゃおっか」

憂「うん。そうしよう」

唯「お父さんに抱きつくと結構デレデレするしね」

憂「なんだかんだ言っても娘にも甘いお父さんでした」

唯「あんまりやりすぎるとお母さんがちょっと怒るもんね」

憂「お母さん嫉妬してるよ、アレは」

唯「お母さん、お父さん好き過ぎだね」

憂「夫婦はアレくらいがいいんだよ」

唯「そうかな」

憂「この先もずっと一緒に居るんだから。仲良くなくっちゃ」

唯「仲良しこよしかぁ」

憂「お姉ちゃんも将来そういう相手が見つかるよ」

唯「そうかなぁ」

憂「お姉ちゃんかわいいもん」

唯「えへへ」ニヤニヤ

憂「大学行ったら交友広がってそんな機会があるかもしれない」

憂「お姉ちゃんかわいいから直ぐ相手見つかって――」

唯「なに憂。わたしに彼氏出来てほしいの?」

憂「……ん~。お姉ちゃんがほしいなら……出来てほしいかな」

唯「え~どうしよっかなぁ」

憂「……」ジー

唯「ん~わたしは要らない、かな」

憂「……ホントに?」

唯「それほど興味ないしねぇ」

憂「強がらなくてもいいんだよ」

唯「本当だよ~」

憂「ふ~ん。お姉ちゃんかわいいのに」

唯「それにさ」

憂「ん?」

唯「まだまだ憂と一緒に居たいし遊びたいしさ」

唯「そんな男にうつつを抜かしてる場合じゃありません!」

憂「くすくす」

唯「なんで笑うの~?」

憂「彼氏さんできたことないのに面白いこと言うなぁってね」

唯「出来たこと無いけど……憂と一緒の方が楽しいよ絶対!」

憂「楽しいのに一人暮らししちゃうんだ」

唯「あれはちょっと自分を磨くためにですね」

唯「それにそんなに離れてないし、いつでも合えるよ」

憂「そのつもりだけどね」

唯「そーそーいつでもおいでー」エヘヘ

憂「お姉ちゃんわたしがいないと危なっかしいもんねぇ」クス

唯「さすがにそこまでじゃないよぉ」

憂「そうだったね」

憂「高校生の間にお姉ちゃんも成長したもんね」

唯「そうだよ!わたしはやれば出来るんです!」

憂「お姉ちゃんすごい!」パチパチ

唯「どーもどーも」テレテレ

憂「なんかね」

唯「ん?」

憂「お姉ちゃんが変わってくのを見ると嬉しい反面ちょっと寂しいんだ」

唯「寂しいの?」

憂「うん。いつのころか家事を殆どわたしがして」

憂「お姉ちゃんもわたしを頼ってくれたじゃない」

唯「うん、感謝してるよー」

憂「でね、頼ってくれるお姉ちゃんもそんな頑張ってる自分も好きでさ」

憂「結構自分に酔ってたかもしれない」

憂「だからどんどん変わってくお姉ちゃんを後ろから見てると寂しさを覚えちゃってね」

憂「で、一人暮らしをするって言うからわたし、取り残された感じがして」

唯「うい……」

憂「えへへ……ちょっと暗くなっちゃった」

唯「もう憂ったら」ポコ

憂「?!いたた」スリスリ

唯「そんなこと心配しなくてもいいの!」

憂「お姉ちゃん?」

唯「わたしはここにいるから!憂のそばから離れないから」

憂「わたしだって、離れたくないよぉ……」

唯「憂はどうせ大学もわたしと同じところ来る気でしょ?」

憂「うっ。バレテル」

唯「一年経って一緒に暮らせばいいんだから」

唯「ちょっと待つことになるけど、これで今まで通り一緒に暮らせるよ」ニコ

憂「……うん。お姉ちゃん」ギュ

唯「憂が来るまでの一年で家事をマスターしてみせます!」

憂「出来るよ。お姉ちゃんなら」

唯「うん!変わったわたしを見せてあげる」

憂「わっ。今から楽しみだなぁ」

唯「そうだよ。楽しみにしてて」

唯「だから寂しがってちゃダメだよ」

憂「だいじょうぶ。もう平気」

憂「一年くらい平気だよ」

唯「一年は長いよ」

憂「ううん。短いよ。一年はあっというま」

憂「楽しい一年は特にね」

憂「お姉ちゃんも高校生活あっというまだったでしょ」

唯「そうだったね。あっというまだった」

唯「楽しかったなぁ~」

憂「大学生活もきっと楽しいよ」

唯「そうなるといいな」

憂「けいおん部の皆さんも一緒なんだから楽しいよ」ニコ

唯「そうだ。みんなも一緒だから楽しまなくっちゃ」

憂「一足先に大学生活楽しんできてね」

唯「おぉー!」

憂「お姉ちゃんの居ない一年かぁ」

唯「うぅ……わたしが二人居れば一人は憂と一緒にいられるのにぃぃ」

憂「ふふ」

憂(お姉ちゃん二人いたら……嬉しすぎるなぁ)

憂(二人からういーういー言われるかな)フフ

唯「あー。憂が笑ってる」

憂「お姉ちゃん楽しいもん」

唯「そっかなー」

憂「今のうちにお姉ちゃん分補給しとこっかなぁ」

唯「ふぇ?」

憂「ぎゅっとね」ギュー

唯「憂ったら抱きついちゃって甘えんぼさん」

憂「いいのっ」ギュ

唯「わたしはここにいるから。そんなに強くしても逃げないよ」

憂「うん。わかってる。ちょっとだけだから」

憂「お姉ちゃんがここにいるって確かめてるだけだから」

唯「ねぇ憂」

憂「ん?」

唯「来年一緒に暮らしたらそのままずっと一緒にくらそっか」

憂「え」

唯「わたし彼氏作る気ないし、憂とずっと一緒がいいなぁ、なんて」

唯「イヤ?」

憂「ううん!イヤなわけないよ……嬉しいよ」

唯「やった!」

憂「お姉ちゃん」

唯「わたし達もお父さん達みたいに仲良く暮らすんだよ」

憂「うん。お父さん達に負けないくらいにね」

唯「たまに帰ってきた時に、わたし達のイチャつきっぷりを見せつけてやろう」

憂「もう、お姉ちゃんったら」

唯「おーっし。なんか気合入ってきたぞ!」

憂「わたしもだよお姉ちゃん!」


――ゴーン ゴーン……

唯「あっ。鐘が鳴った」

憂「年越えちゃったね」

唯「新年かぁ」

憂「お姉ちゃん」

唯「ん?」

憂「あけましておめでとう」

唯「うん。おめでとう!」

憂「今年もよろしくね」ニッコリ

唯「今年もよろしくね」ニコ

唯「これ、毎年言いたいね」

憂「うん言い続けよう」

憂「一緒に居れば言えるよ。ずっとね」

唯「そうだね」

唯「わたしと憂はずっと一緒だよ」ギュ

憂「うん。お姉ちゃん」ギュ



              おしまい