和「すみません」

宅配ピザ屋「いえ」

ガー

和「ふう、ちょっと遅刻かしら」

弟「お姉ちゃん! このおうちすごいね!」

妹「すごいすごい!」

和「ほら、静かに」

弟妹「はーい」

プルルルル

和「あら、ムギからだわ」

ピッ

和「もしもし?」

和「あ、うん、今エレベーターに乗った所」

弟「すげー! ボタンがいっぱいある!」

妹「ほんとだー!」

和「……うん、うん。そうなんだ」

和「わかったわ。それじゃあ」

ピッ

ポチ

チーン ガー

和「降りるわよ」

弟「もうついたのー?」

和「ほら早く」スタスタ

弟「……」

妹「……えーい!」ポチ

弟「あっずるい! 僕も!」ポチポチポチ

妹「あははははっ!」ポチポチポチポチ

宅配ピザ屋「えっ!?」

和「早くこっちきなさーい」

弟妹「はーい!」タッタッタッ

ガー

宅配ピザ屋「……」

宅配ピザ屋「うそだろ……」

宅配ピザ屋「ほとんどのボタン押しちゃってるよぉ……」


チーン ガー

宅配ピザ屋「……」

チーン ガー

宅配ピザ屋「……」

チーン ガー

宅配ピザ屋「……」

チーン ガー

宅配ピザ屋「……」

チーン ガー

宅配ピザ屋「……」

チーン ガー

宅配ピザ屋「……」


宅配ピザ屋「どうしよう……まだ120階だ……このままじゃ1時間を過ぎてしまう」

※注文から1時間以上かかった場合料金無料

宅配ピザ屋「……走るか? いやいや」

宅配ピザ屋「……あっ! そうだ別のエレベーターに乗ればいいんだ!」

宅配ピザ屋「そうと決まれば!」

チーン ガー

宅配ピザ屋「どうしてもっと早くに気付かなかったんだろう」

宅配ピザ屋「このままじゃ途中で止まらなくても間に合わないな……」

チーン ガー

宅配ピザ屋「ああ、こんな時に……」

住人「……あれ」

住人「あの、すみません」

宅配ピザ屋「はい?」

住人「1000階に行くんですよね?」

宅配ピザ屋「そうですけど」

住人「特急エレベーター使わないんですか?」

宅配ピザ屋「特急……エレベーター?」



紬「まだかなまだかな~」

澪「あっまた光った。律、今の見た?」

律「え、何? UFO?」

澪「も、もしかしたら……」

律「そんなわけねー」

律「あっ」

律「……光ったな」

澪「和も見たよね?」

和「ええ……」



ガー

エレベーターガール「いらっしゃいませ、こちらは特急エレベーターでございます」

宅配ピザ屋「マ、マンションにエレベーターガールがいる……」

エレベーターガール「ご利用階数をお申し付けください」

宅配ピザ屋「あ、ええと、1000階でお願いします」

エレベーターガール「かしこまりました。1000円です」

宅配ピザ屋「はい」

宅配ピザ屋「……え? お金かかるんですか?」



澪「やっぱりUFOかな?」

律「どうだろうな」

紬「何見てるの?」

澪「UFOかもしれない」

紬「UFO!? どこどこ!?」

紬「あ! あれね!」

澪「いや、あっちだよ」

紬「でもほら、こっちにも……」

律「え?」

律「あれは……なんだ?」


ピンポーン

紬「はーい」

ガチャ

宅配ピザ屋「マックスピザです。ご注文の品をお届けにあがりました」

宅配ピザ屋(間に合った! 1000円の出費か……いや、無料になるよりましと考えよう)

宅配ピザ屋「ええと、マヨ沢庵のLサイズとトマトマトのLサイズ、コーラが5つとチキン盛り合わせが一つですね」

紬「あの……チキンは頼んでません。ポテトを頼んだのですが……」

宅配ピザ屋「……え」

紬「あっでもチキンも――」

宅配ピザ屋「すみませんすぐにお持ちしますぅぅぅうううう」

ガチャ

紬「……いっちゃった」

澪「ムギ! こっちこっち!」

紬「はーい、どうしたの?」

和「あのUFO? がこっちに近づいてるのよ」

紬「ええっ!?」

律「ぶ、ぶつかったりしないよな?」

澪「ひいいいい……」

和「……ん?」

紬「う?」

律「お?」

澪「あ?」

ゴオオオオオオオ

律「うおお……飛行機だったのか」

紬「なーんだ」

澪「こ、こわかった……」

和「じゃああっちがUFOかしら?」

澪「そういえばもう一つ怪しい物体がいたんだった」

律「あれか、サンタか?」

澪「そんな馬鹿な話があるわけ……」

紬「でもよく見るとトナカイがソリを引いてるように見えるかも」

和「言われてみればそう見えるわね」

澪「まさか。大体あれがトナカイだったとしたら完全に二足歩行で走ってるじゃないか」

律「だよねー! はははは」

律「ははは……ていうか飛行機とぶつかりそうじゃね?」

澪「うん……」

紬「えっ危ないんじゃあ……」

和「あ」

律「ぶつかった!」

澪「サンタさんが落ちてくぞ!」

紬「サンタさーん!」

和「マヌケなサンタね」



ピンポーン

澪「誰か来たな」

律「唯か梓かな?」

ガチャ

宅配ピザ屋「お……おまたせしました……」

律「あ、唯じゃなかった」

宅配ピザ屋「ポテトです」

律「あ、どうも」

宅配ピザ屋「先程のピザと合わせて6280円です」

律「はーい……あ、ない」

律「澪ー」

和「どうしたの?」

律「あ、和。お金ある?」

和「足りないの?」

律「うん」

和「注文してからどのくらい時間が経った?」

律「私たちが来た時には既に注文してたからもう1時間以上は経ってるかな」

和「つまり無料よね」

宅配ピザ屋「おっしゃる通りです」

宅配ピザ屋「ありがとうございましたー」

ガチャ

宅配ピザ屋「はあ……チキンあまったなあ……後で食べちゃお」



宅配ピザ屋「さわ子元気そうだったな……」

宅配ピザ屋「ていうか無料になっちゃた。あと少しでクリスマスなのについてないや……」

宅配ピザ屋「はあ……」

宅配ピザ屋「……あれ? 何か落ちてる」

宅配ピザ屋「あ、お金だ」

宅配ピザ屋「お札が2枚に小銭が……合計で6280円だ……」

宅配ピザ屋「……」

宅配ピザ屋「毎度ありがとうございまーす」



あずサンタ「金銭は……特別ですよ? さてこれで粗方終わった」

あずサンタ「まったく唯先輩はどこで何しているのやら」

あずサンタ「もしかして怪我してたり……」

あずサンタ「いやいや、きっと無事だよね。今頃私の事探してくれてるかも」

あずサンタ「そう考えるとこのままムギ先輩の家に行くのは忍びない」

あずサンタ「よし! もう少し唯先輩を探してみよう。ええと、確か唯先輩が墜ちたのは……」



ピンポーン

ガチャ

唯「メリークリスマー!」

さわ子「アンダハッピーニューイヤー!」

律「なんとなく来ると思ってたよさわちゃん……」

さわ子「最初から誘いなさいよ! あとこれお土産」

紬「ケーキ! ありがとうございますっ。 それとチキン! ……チキン?」

唯「ムギちゃん、このピザおいしいよ!」

澪「聞いてくれ唯! さっきサンタを見たんだ!」

唯「なんとっ!」

澪「でも飛行機にぶつかっちゃって……」

唯「ええっ!? 左のあばら骨が痛くなりそうな話だね!」

さわ子「しっかし凄いところね~」

律「ささ、さわちゃんも一杯」

さわ子「んぐっんぐっプハー! よし! 今日はハデに行くぜー!!」

唯「うおーーーー!!」

和「そういえば梓ちゃんは?」

唯「え? まだ来てないの?」



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――――――――

――――――――――――


唯「――というお話だったとさ」

憂「くぅ……」

唯「あや、寝ちゃったか」

憂「……ぅゅ」

唯「ふふ。憂、おやすみー」

唯「あ、もうこんな時間だ」

唯「明日は収録があるから私も寝よう」

唯「明日のブランチは王子とめぐるデザイナーズマンションのなんとか琴吹! たのしみだなー」

唯「それじゃおやすみ~♪」



END