和「好き同士なら結婚するのが当り前でしょ!?」

唯「と、友達の『好き』のつもりだったんだけど・・・」

和「なにそれ、好きに区別なんかあるの?」

唯「普通あると思う・・・」

唯「和ちゃんは親友だし、りっちゃんや澪ちゃん、ムギちゃんにあずにゃん、さわ子先生、

  クラスの人たち・・・それに憂とお母さんとお父さん・・・

  みんな大好きな人たちだけど、どれも違った意味の『大好き』で、」

和「話がよくわからない」

唯「ええぇ~・・・」

和「要するに、唯は私と結婚したいの?したくないの?」

唯「それは・・・」

和「お願い、答えて」

唯「のどかちゃん・・・」

和「おねがい、唯・・・」

唯「・・・・・・」

唯「・・・のどかちゃんはどうしてそんなに私と結婚したいのかな」

和「毎日セックスしたいからに決まってるじゃない」

唯「えっ」

和「げふんげふん。なんでもない、なんでもないわ」

唯「でも、今なにか変なこと・・・」

和「聞き間違えよ」

唯「う、うん・・・じゃあ、のどかちゃんはどうして私と結婚したいの?」

和「それは、幼稚園の時に将来の夢を」

唯「違うよね」

和「唯はなんにも夢が思いつかず『のどかちゃん、どおしよお』と私に泣きついてくるので

  すかさず私が『しょうがない、ゆいはわたしのお嫁さんになればいいや』と、

  そしたら『ありがとー、のどかちゃん!』って・・・」

唯「違うよね、のどかちゃん」

和「・・・今度は八割方本当よ?」

唯「そうじゃなくって・・・」

唯「普通、そんな小さいころの約束、果たそうとしないよ」

和「私は約束を守る女なの。嘘もつかないし」

唯「ぜったいうそだ・・・」

和「嘘じゃないもん」

唯「のどかちゃんは、小さいころに約束したから私と結婚するの?」

和「・・・・・・」

唯「幼稚園の頃の約束のせいで私と結婚しなきゃとおもってる?」

和「・・・・・・」

唯「そもそも、今までそんなこと言ってこなかったじゃん」

和「それは・・・あなたが約束を忘れてたから・・・

  私はずっと覚えて楽しみにしてたのに、あなたが忘れてしまったから」

唯「ごめんね・・・でも」

和「いいよ、唯。私と結婚さえしてくれれば」

唯「のどかちゃん、ふざけないで聞いて」

和「私は真剣なの」

唯「私とのどかちゃん、そもそも付き合ってすらいないよね」

和「・・・ええ」

唯「それなのにいきなり結婚とか言われても、私うなづけないよ・・・」

和「勇気を出すのよ、唯。あなたはやればできる子」

唯「いや、勇気とかそういう問題じゃないよ。

  むしろのどかちゃんのその蛮勇はどこからでてくるのさ。びっくりだよ」

和「愛ゆえに、よ」

唯「はいはい」

和「唯のいけず・・・・・・」

唯「それに、私ものどかちゃんも女の子なんだよ?」

和「そのくらいわかってるわ。何度もあなたの体は確認してきたもの」

和「目をつぶれば即座に思い浮かべられる程度には把握してるわ」

唯「・・・頭のいいのどかちゃんなら分かると思うけど、女の子同士がそういう関係になるのって

  普通じゃないんだよ?」

和「私は気にしないわ、普通なんて」

唯「私が気にするって言ったら」

和「・・・じゃあ私モロッコに行く」

唯「いや、行かないでいいよ」

和「でも・・・」

和「唯はわたしに・・・その、と、トンちゃんが生えてないのがいやだってこと?」

唯「わお・・・」

和「なによ」

唯「と、トンちゃんって・・・」

和「オブラートに包んだつもりだったんだけど。唯は私にペニ」

唯「言わないで!分かってるから言わなくていいよ、そういうことじゃないから」

和「じゃあ何が問題だというの」

唯「私もよくわかんなくなってきたけど、一番の問題はのどかちゃんの発想のような・・・」

和「勘弁してちょうだい。私はこういう性格なんだから」

唯「うん・・・よそであんまりこういう一面を見せないでね」

和「私がおかしくなるのは唯の前でだけ」

唯「おかしいって自覚はあったんだね」

唯「・・・うぅ~ん、なんて言えばいいのかなぁ。わっかんないよぉ・・・」

和「唯?」

唯「わたし、ばかだから上手く言えないけど・・・ねえ、のどかちゃん」

和「なに、唯」

唯「あのさ、どうして今なの?」

和「今?」

唯「だから、どうして今なの、のどかちゃん。なんで今、結婚しようって言い出したの?」

和「・・・・・・」

和「・・・どうして」

唯「自分でもわからないの?」

和「そうじゃないの。唯、あなたはどうしてわからないの?」

唯「・・・・・・」

和「だって、今じゃなきゃ、今言わなければあなたは私から離れて行ってしまう」

唯「そんなことないよ」

和「そうよ。現にもう、あなたは昔の唯じゃない。どんどん私の知らない唯になってる」

唯「私は変わってない・・・」

和「いいえ、変わりました。自分で気づいてないだけ」

和「一人で学校も行けるようになったし、勉強もできるようになった・・・

  ブラのサイズも大きくなったし、柄も大人っぽくなったし、

  夜一人でトイレに行けるようになったせいで、おねしょ癖もなくなってしまった」

唯「ちょちょちょ!」

和「なに?」

唯「半分以上おかしいことを言ってない?おねしょとかいつの話を」

和「はあ・・・それだけあなたは立派な人間になってしまったのよ」

唯(無視した・・・)

和「もう、私抜きでもやっていけるくらいに」

唯「のどかちゃん・・・」

和「言い訳は無用よ。あなたにとって私は過去のものになりつつある・・・」

唯「いや、そうじゃなくて、なんで私のブラのサイズとか知ってるのかなあって・・・」

和「・・・」

唯「のどかちゃ」

和「あなたにとって私は過去のものになりつつある・・・ガン消しみたいにね」

唯「いや、のどかちゃん・・・」

和「ガン消しで字を消そうなんて思わないでしょ?

  唯にとって私はそういう存在だったってことね。笑えるわ」

唯「ぜんぜん意味分からないよ。また無理にごまかそうとして・・・」

和「好きな人のスリーサイズくらい把握してたいわよ、悪い!?」

唯「逆切れされても困るんだな」

和「それどころか持ってるわよ。唯のパンツ持ってるわよ。私盗んだ。パンツ盗んだ」

唯「どん引きだよ・・・」

和「もっと聞きたい?お望みならもっと白状するわよ」

唯「のどかちゃんの悪事には非常に興味があるけど、今は本筋からずれるからいいや」

和「・・・」ほっ

唯「後で聞かせてね」

和「寝てるうちに唇を奪ったことは内緒にしておいた方が無難ね・・・」

唯「おい、お前」

和「ともかく私はもう過去の女なのよ、さながらガン消しのように」

唯「そのくだり気に入ってるの?」

和「そうなんでしょ?そうだって言って!」

唯「私はのどかちゃんを過去の人だなんて思ってないよ」

和「だって、あなたはもう私抜きでなんでも出来るじゃない」

唯「そんなことない・・・のどかちゃんがいなきゃ、私なんにもできないよ」

和「いいえ、それは嘘」

唯「・・・もし、そうだとしても、やっぱりのどかちゃんは必要だよ」

和「・・・なぜ?」

唯「だって、のどかちゃんはのどかちゃんだもん」

和「・・・・・・」

唯「それに、もしほんとに私がのどかちゃん抜きでなんでも出来るようになっていたのだとしても」

唯「それはのどかちゃんが近くにいてくれたからだよ・・・」

唯「私一人で成長できたんじゃない・・・のどかちゃんがいてくれなきゃ、なんにもできないよ」

和「でも・・・でも・・・」

和「実際、あなたは離れていくのよ。大学だって、別のところに通うことになる・・・」

唯「それは・・・」

唯「別の大学にいっても、今まで通り会えるよ」

和「それは同じ道を行く軽音部のみんなのこと。私と唯は今までどおりではなくなる」

唯「そんなこと」

和「そうだもん!そういう道を選んだんでしょ、私より軽音部をって・・・」

唯「・・・・・・」

和「そんなに言うならそっちが進学先変えればいいじゃないって顔ね」

唯「いや、べつに・・・」

和「だって、私は頭いいんだから、あなたと同じ大学になんていけないじゃない」

唯「言うね」

和「ごめんなさい」

唯「のどかちゃんって実は結構、いやかなりめんどくさい子だよねぇ・・・」

和「ごめんなさい」

唯「やれやれ・・・」

和「私のこときらいになった?」

唯「ちょっと引いた、かな」

和「やっぱり・・・私指詰めるね」

唯「しなくていいって・・・のどかちゃんがそういうところあるって知ってるから

  のどかちゃんの良いところも悪いところも全部知ってるよ」

和「私も唯の全部知ってるよ」

唯「ブラのサイズまで?」

和「匂いも」

唯「匂いかいでるんだ・・・どん引きだよ」

和「ごめん・・・」

唯「変態だもんね、のどかちゃん」

和「あっ・・・唯の罵り、ちょっと気持ちいい」

唯「へんたい!」

和「も、もっと!もっと言って」

唯「やだよ、もう・・・」

唯「ねえ、それより今のが理由?」

和「うん?」

唯「急に結婚してくれって言ってきたことの理由なの?」

和「・・・・・・」

唯「のどかちゃん」 ぽんぽん

和「だって、さびしい・・・」

唯「うん」

和「唯がいなくちゃ、さびしいじゃないの・・・」

唯「うん」

和「今まで、ずっと一緒だったのに・・・一緒にお泊まりもしたし、

  一緒にゲームもした、ファーストキスも二人で一緒だったのに・・・」

唯「うん、最後のはちょっと覚えがないな・・・」

和「それなのに、別れるなんて、できないよぉ・・・・・・」

唯「うん、のどかちゃん」

和「・・・おかしいよね、ずっと唯のお姉さん面してきたのに、

  私が、私の方こそ、唯がいなければ何もできなかったのよ」

唯「のどかちゃん」

和「ぐすっ・・・きーみがーいーなーいーとなんにーもでーきーなあいよぉ」

唯「今歌うタイミング?」

和「唯のご飯が食べたいよ!!」

唯「のどかちゃんがキレた・・・」

和「もう私、唯がいないと死ぬからね」

唯「のどかちゃん落ち着いて・・・死ぬなんて言っちゃやだよ」

和「ぐすっ・・・ごめん」

唯「めっだよ、死ぬなんて言っちゃ」

和「はい・・・」

唯「のどかちゃんは、ばかだねえ・・・」

和「・・・かも」

唯「その上さみしがり屋だし、甘えん坊だし、へんたいさんだし」ぽんぽん

和「ふえぇ・・・」

唯「よしよし」


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