唯「ういー」

憂「なに?お姉ちゃん」

唯「かくれんぼしませんか」

憂「急にどしたの?」

唯「いやぁなんていうか『そろそろ見つかってみたいな』って思ってね」

憂「? いいけど…」

唯「始めよっか」

憂「うん」

……

唯「見つけたら……」

憂「見つけたら?」

唯「……ううん。見つけてくれるだけでいい」

憂「……え?」

唯「って事で始めるよー」

憂「ちょ、ちょっとお姉ちゃん」

……

唯「じゃあ隠れるから100まで数えてね~」

憂「…うん」

憂「いーち、にー、さーん……」

 4、5、6…

憂(そういえばお姉ちゃんとこうやって遊ぶのは久しぶりだなぁ)

 7、8、9…

憂(子供の頃はこんな風によく二人で遊んだっけ)

 10、11、12…


唯「」ギュッ

憂「ひゃっ、お、お姉ちゃん?」

唯「まーだだよー」

憂「えっと…」

唯「まだだよ?」

憂「……じゅうさん……じゅうし……」

 15、16、17…

唯「」ギュー

 18、19、20…

憂「お姉ちゃん。隠れないの…?」

唯「かくれてるよー」

 21、22、23…

唯「うい~♪」スリスリ

……

 73、74、75…

唯「憂はさぁ」

憂「?」

唯「嫌いな人っている?」

憂「え?いないよ」

唯「だよね。私もそう。皆大好き」

唯「あ、数えるの続けてー」

 76、77、78…

唯「人を好きになるって凄くしあわせだよね」


唯「あの人はいつも元気いっぱいの笑顔で皆を引っ張っていく、とか」

唯「あの人はいつもは大人しいけどピンチになった時助けてくれる、とか」

唯「あの人は可愛くて真面目で、でも時には厳しい、とか」

唯「あの人はあたたかい雰囲気で周りに優しくできる、とか」

唯「人には色んな魅力があって、宝石のように輝いていて、大好き」

唯「あのね、うい。そんな色んな魅力がぎゅーってつまったある人が」


 97、98、99…


唯「すっごく近くにいて、触れることができたらどうなると思う?」


 100!

憂「え?」

唯「憂、あれ言わないと」

憂「う、うん」


憂「もーいーかい」


唯「もーいーよ」

憂「…」クル

唯「♪」ヤッホー

憂「…」

唯「」ジー

憂「えっと…」

唯「」ジーーー


憂「ぉ、お姉ちゃんどこに隠れてるのかな~?」

唯「!」


憂「テーブルの下?」

唯「」スタスタ

 ガタンガタ

憂「お姉ちゃーん?」

唯「ういー♪」ヤッホー

憂「あ、あれ~?いないな~」

唯「!」

憂「あーお姉ちゃんの部屋かなー」スタスタ

唯「マ、マッテ」ガタンガタ

憂「」ピタ

唯「よいしょ……ん?憂?」

憂「…」スッ

唯「……手?」

 ギュ

唯「ぉぉ」

憂「お姉ちゃんどこ~?」

 トコトコ

唯「……エヘヘ」ギュ

……

 ガチャ

憂「どこにいるのーお姉ちゃーん」

唯「憂の隣~」

憂「……ベッドの下かな?」チラ

唯「よ、よっと…」モソモソ

 ゴン

唯「いたっ」

憂「! だ、大丈夫っお姉ちゃん?」

唯「頭ぶつけちゃった…へへ」

憂「ごめんねお姉ちゃん…」

唯「憂は謝らなくていいよ。遊ぼうとしてくれたんだもん」

憂「でも…」

唯「ちょっとぶつけただけだから大丈夫だいじょうぶ」

憂「お姉ちゃんちょっといい?」

 ギュゥ

唯「ふぉ」

憂「こうやって胸にあてると痛みがすぐ引くんだって」

唯「……ういに抱きついてもらえた」

憂「痛みが引くまでだよ?」

唯「じゃあ、ずっと痛いよ~」

憂「もう、お姉ちゃんったら」


唯「……しあわせ」ボソ

憂「んー?」

唯「なんでもない」


憂「私もだよ…」ボソ

……

唯「憂」

憂「?」

唯「見つけた?」

憂「…」

憂「…ちょっとだけ」

唯「…憂に見つかっちゃった」

憂「見つけて良かったの…?」

唯「憂に見つけて欲しかったもん」

憂「うれしい…」

唯「あのね……」

唯「……今度はわたしが憂を見つけたい」

憂「…」

唯「うい?」

憂「本当に…?」

唯「お姉ちゃんが絶対見つけるから大丈夫!」

憂「……うんっ」


唯「じゃあ100数えるね」

憂「わかった」

唯「あ、まだ抱きついたままで…」

憂「♪」ギュー

唯「~♪」

唯「いーち、にー、さーん」


………

……


………

 100!


 「もーいーかい」


 「もーいーよ」



 ある晴れた日曜日。


 私は妹と隠恋慕。




おしまい



最終更新:2011年01月03日 23:29