まだだ!ここはじっと我慢するところだよ!
怖いけど、ずごく怖いけどまだシャッターをきるところじゃない!
もっと引き付けて、もっと、もっと……!

梓「唯先輩!!」

唯「今だ!!」

少女「アアァアアアアア!!!!」

女の子は一際高い悲鳴をあげて、黄泉へと続く穴に落ちていきました。
そして、憂はそのすぐ側に倒れていました。

唯「憂!」

律「憂ちゃん!!」

みんな憂の元へと走っていきます。

澪「唯、憂ちゃんは!?」

唯「うん!大丈夫みたい!」

紬「良かったぁ♪」



憂「……ん」

律「お、目を覚ましたみたいだぞ」

唯「憂?」

憂「あれ、お姉ちゃん。皆さんも……。どうしたんですか?」

どうやら今までのことを覚えていないようです。
でも、そのほうがいいのかもしれません。

唯「憂がね、迷子になっちゃったからみんなで探してたんだよ」

澪「ああ、苦労したんだぞ?」

憂「そうだったんですか。すみません……」

律「ま、無事に見つかったからいいさ!いつか笑い話にもなるだろ」

紬「うふふ、りっちゃんの言うとおりね」

……ゴゴゴゴゴゴ
足元から大きな地響きがしました。

梓「わわわ!すごい地響きですよ!!」

律「ラスボスを倒したことにより、地下ダンジョンが崩壊し始めたか!?」

たぶんゲームのお話のことでしょうが、律先輩の言うように
今にも地下道が崩れてしまいそうなほど強い揺れです。

唯「わわ!ほんとに崩れちゃいそうだよ!?」

紬「早く避難したほうがよさそう!」

律「よし、憂ちゃん捜索隊ミッションコプリート!これより地上に帰還するぞ!」

 「「おー!!」」

律「やれいそげー!」

澪「1人で先走るな!!」

梓「待ってくださいよー!」

紬「うふふ~♪」

唯「行くよ、憂」

憂「うん、お姉ちゃん♪」


─────

姉「あんまり森の奥まで行くと危ないよ?」

妹「大丈夫だよ、おねーちゃん!お姉ちゃんは怖がりさんだなぁ」

姉「そんなこと言う子は、地図から消えた村に連れていかれちゃうぞー?」

妹「あ、それ私も聞いたことあるよ!お祭の日に消えちゃった村のお話でしょ?」

姉「よく知ってるね。でもこの話には続きがあるんだ。知ってた?」

妹「えー、知らないー」

姉「その村にね、私たちと同じような姉妹とそのお友達が連れて行かれちゃったんだって」

妹「……ほんと?」

姉「ほんとほんと。それで友達たちはなんとか帰ってくることができたんだけど……」

妹「その姉妹はどーなったの?」

姉「まだ帰ってこないんだってさ。警察も必死になって捜したけど、手がかりもなんもなし」

妹「……」

姉「あれ、怖くなっちゃった?」

妹「こ、怖くないよ!」

姉「あはは、ごめんね。まぁ私も人づてに聞いただけだから、嘘かほんとか分からないんだけどねー」

妹「もう!」

姉「だからごめんて」

妹「……」

姉「……どうしたの?」

妹「もしもだよ、私がその村に連れていかれちゃったら、お姉ちゃんならどうする?」

姉「あはは、決まってんでしょ!連れ戻しにいくよ」

妹「……ほんと?」

姉「あったりまえでしょー!こんなかわいい妹を置いていけるかっての」

妹「えへへー」 ギュ

姉「オ、急ニ甘エン坊サンニナッタナ」

妹「オ姉チャン大好キー」

律「……」

澪「……」

律「今すれ違った姉妹……」

澪「ああ、何処となく唯と憂ちゃんに似てた」

律「……なんだか私も妹が欲しくなってきたよ」

澪「私は律みたいなガサツなお姉ちゃんは嫌だな」

律「なんだとー?」

澪「ふふふ」

律「あれから一年かー。あっという間だったな」

澪「たしかにな。それに、またここに来るとは思わなかったぞ」

律「一年前の澪だったらやだやだー!って駄々こねて泣いてたな」

澪「そ、それは言うな……」

律「はいはい」

澪「そろそろ戻るか。梓たちの練習を見てやらないといけないしな」

律「ムギのケーキも待ってるわ!」

澪「調子にのるな!」 ポカッ

律「あいたっ!」

澪「だいたいな、これは梓たちけいおん部の合宿の一環としてだな……」

律「でもずっと練習を見てるわけじゃないだろう!だからたまには生き抜きも必要なんだよぉ!」

澪「それはそうだけど」

律「いらないなら、澪のケーキはありがたく貰っておくぜー!」

澪「こら、律!そういう意味じゃない!私も食べるー!!」



これにて完全に閉幕でございます
お付き合いありがとうございました!!