唯「……みんな」

梓「唯先輩」 ギュ

手を取ろうか迷っている先輩の手を私は無理矢理掴みました。

梓「憂も、もちろん唯先輩のこともみんな大好きなんです」

唯「……」

梓「だから、みんな一緒に帰りましょう」

律「へへ、その通りだぜ」

澪「ああ、私たちはこれからも一緒だぞ」

紬「うふふ、言いたいこと全部言われちゃったわぁ」

唯「ありがとう……ありがとう、みんな……」

律「あはは、このけいおん部は泣き虫が多いな」

澪「り、律!」

唯「へへ、ほんとだね」 グスングスン

律「さてと、そろそろ憂ちゃん救出しに行くか!学祭にむけて練習もしないといけないしな」

唯「せっかく忘れてたのに!りっちゃんそういうことは黙ってるべきだよー」

梓「あはは、さっきまで泣いた唯先輩がもう元に戻ってます」

唯「そ、それは言わないお約束だよ、あずにゃん」

紬「うふふ」

澪「それじゃあ唯隊長、いつのもやつ頼む」

唯「いつもの?」

律「あれだよあれ」

唯「……あ、あれね!」

唯「行くよ!放課後ティーターイム!」

唯「憂を助け出して、帰るぞー!」

 「「おー!!」」

唯「その後ムギちゃんの入れてくれたおいしい紅茶を飲むぞー!」

 「「おー!!」」

唯「今日は疲れたので、帰ったら練習はしないで早く寝るぞー!」

 「「おー?」」

梓「……何ですか、最後の」

澪「ま、まぁ今日ぐらいはいいけどさ」

律「ひゃっほう!澪のお許しが出たぞー!」

唯「いえーい!」

紬「別荘にとびっきりおいしいケーキを用意してあるから楽しみにしてね♪」

唯「おぉう!?」

律「よっしゃ!憂ちゃんのところに一番のりするのは私だい!」

唯「あ、ずるいよりっちゃん!」

梓「ま、待ってください!」 タタッ

紬「うふふ、みんな元気いっぱいね」

澪「まったくしょうがないな。私たちも急ごう」

紬「ええ♪」

道は下へ下へと続いていました。
この先に唯先輩が言っていた黄泉へと通じる穴があるのでしょうか。

澪「ふぅ、随分と下りてきたもんだな」

律「さすがは黄泉の穴に通じるだけのことはあるなー」

紬「そうね。でもお化けがでないのが幸いかしら」

梓「ふぅ……ふぅ……まったくです」

唯「あはは、あずにゃんは運動不足だねー」

梓「あぅ」

シャン……シャン……

気がつくと目の前には布で顔を隠して錫杖をもった僧侶?のような人が
道を塞いでいました。

唯「みんな、気をつけて!」

澪「ひっ!」

律「来るぞ!」

?「贄の定めに従え!」

律「あっぶね!」 サッ

すんでのところで律先輩は錫杖の一振りを避けました。

律「ムギ、写影機!」

紬「はい!」

律「くらえっ!」 パシャッ!

?「ぐぁあ!」

この村にきて律先輩の男前度が格段に上がった気がします。
律先輩が男の子だったら惚れちゃうかも……なんちゃって!

律「……なんとか撃退できたみたいだな」

唯「でも油断できないんだよ!まだ近くにいるかもしれないよ」

澪「そそそそそ、そうだな!」

紬「あたりに注意しながら進みましょう」

ゆらりと、ムギ先輩の後ろの景色が揺らいだような気がしました。

梓「ムギ先輩後ろ!」

紬「え?」

律「くそ!まだいやがった!」

?「贄の定めに従え!!!」

律「ここからじゃ距離が遠すぎるか!?こうなったら……」


1 大声をあげて注意をひく

2 写影機をムギに投げる

3 ダメもとで写影機で撮影してみる

※2



律「ムギ!受け取れぇええ!」 ブン

そう言って律先輩はムギ先輩に向かって写影機を放り投げました。

紬「任せて!」 パシ

ムギ先輩ナイスキャッチ!

紬「えい!」 パシャッ!

?「ぎゃぁああああああ!!」

僧侶は断末魔と共にスゥっと消えてしまいました。

律「やったな、ムギ!」

紬「うん、りっちゃんのお陰よ♪」

梓「ナイス判断でした」

律「あはは、照れるぜ」



澪「ガタガタブルブルショワー」


紬「それにしても今まで撮ったときとお化けの反応が違ったわね」

梓「そうですね。封じ込めて消えたって感じでした」

唯「もしかしたらもしかしたら!近づいて撮ったほうが攻撃力があがるアイテムなんじゃ!?」

律「あはは、そんなわけないだろー」

紬「どうかしら、意外と当たってるかも」

律「まぁ仮に本当だったとして、封印するにはギリギリまで近づかないとダメみたいだな」

紬「そうね、さっきは目と鼻の先!って距離で撮ったし」

唯「澪ちゃんだったら近づく前に気絶しちゃうね!」

律「あはは、そーだな……って澪何処行った?」

梓「あ!そういえば澪先輩さっきので気絶してました!!」

律「やっば!置いてきちまった!!」

唯「い、急いで戻ろう!!」

紬「ええ!」

澪「……ぐすん」

律「泣くなよ。悪かったって」

澪「ふん!」

澪先輩となんとか合流することができたのですが……
置いていかれて、すねているようです。

唯「澪ちゃんごめんねー!」 スリスリ

澪「うわぁ!やーめーろー」

紬「あ、私も♪澪ちゃんごめんなさいー」 スリスリ

2人で挟み込むように澪先輩にスリスリしています。
わ、私もまざりたいかも。

律「梓もまざりたそーだな?」 ニヤニヤ

梓「そ、そんなわけないじゃないですか!」

か、顔に出てたかな……///
場違いなことで盛り上がっていると、また錫杖の音が聞こえてきました。
もう出てこなくていいのに!

シャリンシャリン……

唯「りっちゃん、また出たよ!」

律「こいつは攻略法も分かったし、返り討ちだぜ!」

梓「り、律先輩、唯先輩!後ろにも!!」

紬「こっちにもいるわ!」

澪「さ、三人も!?」

僧侶たち三人は、品定めするかのようにぐるぐると私たちの周りを回り始めました。

律「……囲まれちまったみたいだな」

澪「どどどどど、どーするんだ!」

紬「あまり時間もかけていられないわ」

唯「だんだん近づいてきてるよ!」

律「こうなったら……!」


1 一点突破だ!

2 一匹ずつ迅速に仕留める!

3 ……私がおとりになる

※1


律「こうなったら一点突破だ!みんな、私に続けぇえ!」

そういうやいなや、律先輩は正面の僧侶に向かって走っていきました。

?「儀式を…!」 ブン!

律「知るかぁあ!!」 パシャッ!

?「ぎゃぁああああ!!」

唯「りっちゃんやるぅ!」

紬「さすが部長さんね」

梓「まだ後ろから追ってきますよ!」

澪「足はこっちのが速い。全速力で逃げるぞ!」

 「「おー!」」

澪「ま、撒いたか?」

梓「そのようです」

律「なんとか切り抜けられたな」

唯「またまたナイス判断だったね、りっちゃん!」

律「だろー!?」

唯「この功績を評価して……」

律「いよいよ私が隊長か!?」

紬「あ!あれを見て!!」

梓「あれは……、憂!?」

唯「ど、何処!?」

律「……」

憂「………オネエチャ」

唯「うぃいいいい!」

澪「……待て、唯」

唯「は、離してよ澪ちゃん!そこに憂がいるんだよ!?」

澪「様子がおかしくないか?」

唯「そんなことは……」

憂「……」

紬「憂ちゃん?」

梓「どうしたの憂、一緒に帰ろう?」

憂「……」

澪「私は……」

1 思い過ごしだと思った

2 ここは様子を見よう

3 静かに写影機を構えた

※3


憂「……ドウシテ」

唯「憂?」

憂「ドウシテオイテイッタノォオオオオオ!!!」

唯「きゃあ!」

澪「下がれ、唯!」 パシャッ!

憂「ヒィイイイ!!」

律「どーなってんだよー!?」

紬「分からないわ!でも、何かに操られているみたい!」

フフフ……アハハハハハハハハ……!!
甲高い女性の笑い声が聞こえたかと思うと、憂は……
いえ、憂に取り付いたそれは正体を現したのです!

真っ白な着物に、真っ赤な血のりをつけた少女……

律「こ、こいつがラスボスっぽいな……」

澪「すごい威圧感だ。ビリビリ伝わってくる」

紬「攻撃を受けたらただじゃすまないわね」

律「いってー!……程度じゃすまないだろうなぁ」

唯「……憂」

梓「こっちに来てますよ!」

律「みんな、一旦散れ!!」

そして私たちは方々に散りました。
しかし少女は迷うことなく私の方にやってきたのです。
てか、なんで私!?

澪「梓、これを使え!!」

澪先輩が私に向かって写影機を投げます。
なんとかキャッチ!危うく落とすところだった……

梓「えい!」 パシャッ

少女「……アハハハハ!」

梓「な、なんできかないの!?」 パシャッ

少女「…………」

すぐ目の前まで迫っています!
絶対絶命……

唯「あずにゃぁああああん!!」

梓「!?」

唯「もっと引き付けて撮るんだよ!ギリギリまでだよ!」

そうだ、さっき先輩たちが話していたじゃないか!
近づけば近づいただけ、撮ったときに威力が上がるって!!

律「まだだぞ、まだ撮るな!!」

うう、もう目の前なのにぃ!

紬「まだ、まだ撮っちゃだめよ!」

唯「今だよ、あずにゃん!!」

梓「どうだぁ!!」 パシャッ!!

少女「ひぅ!」

紬「きいてるみたいよ!」

律「よし、この調子で憂ちゃんを取り戻すぞ、唯!」

唯「うん!」

今助けるからね、憂!

女の子のお化けは体制を立て直すと、今度は私に向かって歩いてきた。

唯「あずにゃん、写影機ぷりーず!」

梓「はいです!」 ブン!

唯「高く投げすぎだよ!」

写影機は私の手をかすめて、後ろのほうに飛んでいってしまった。

梓「ご、ごめんなさい!」

私は慌てて写影機を拾う。
うん、どこも壊れてないみたい。

律「唯!!」

りっちゃんの声ではっと我にかえる。
女の子のお化けはすぐ目の前まで迫っていた!!

私は……


1 シャッターを切った!!

2 まだだ、まだ撮るな!!

※2



焦るな、まだ撮るべきじゃない!

女の子が一歩、また一歩と近づいてくる!!

梓「唯先輩!!」

うわぁああ!今にでもパシャパシャやっちゃいたい気分だよぉ!!

そして私は……