唯「きゃっきゃ♪」 パシャパシャ

律「うふふ♪」 ジャブジャブ

澪「あいつら……」

紬「まぁまぁ、いいじゃない澪ちゃん。最後の合宿なんだし」

梓「それにしても本当にのどかな所ですね」

憂「そうだね。怪談話があるなんて嘘みたいですよ」

澪「そそそそそ、そうだな!きっとデマだったんだ!」

律「おーい、澪も川に入ってジャブジャブしようぜー!」

唯「水が冷たくて気持ちいーよー」

澪「服が濡れるから嫌だ」

律「なにおー!?」 バシャバシャ

澪「律!?やめろ!!」

澪「この野郎!!」 ジャバジャバ

律「うわー!澪が怒ったぞー!」

唯「りっちゃん隊員ー!」

梓「……結局澪先輩もまじってるし」

紬「うふふ」

憂「お姉ちゃんすごく楽しそう♪」

梓「……」

最後のがっしゅく!ということで私たちはいつも通り海沿いの別荘に宿泊する予定だったのですが……


─────

部室

梓「え、今年は海じゃないんですか?」

律「まぁ海もいいんだけど、今年は山がいいんじゃないかと思ってな」

梓「山……、ですか」

律「ムギがいいところ知ってるだよ。な、ムギ!」

紬「近くに小川もあってとてもいいところなの。それとね、出るって噂なの♪」

澪「で、出る?」

唯「たぬき?」

律「お化けだよ、お化け!」

澪「ひっ」

紬「別荘の近くにね、お祭の日に地図から消えちゃった村があるんだって」

律「紅い蝶見るとその村に連れて行かれるんだっけ?」

紬「ええ、実際に行方不明になってる人もいるって話よ」

唯「なんと!?」

梓「そ、そんな危ないところやめたほうがいいですよ」

律「大丈夫だって!どうせ噂に尾ひれがついたんだろ」

紬「私も何度かあの別荘を利用しているけど、今までなんともなかったわ」

唯「えー、つまんないー」

律「お、じゃあ一緒に紅い蝶探すか!?」

唯「喜んで!!」

紬「うふふ、決まりね」

梓「そんな安直な……」

律「そうだ!せっかくだから憂ちゃんも連れていこうぜ!」

唯「おお!りっちゃんにしてはナイスアイディアだよ!」

律「それは褒めてないぞ、唯ー!!」 メコリメコリ

唯「痛い!りっちゃんそれすごく痛いよ!!」

梓「はぁ、分かりましたよ」

律「よっしゃー!梓様の了解が出たぞ!」

唯「ははー!」

梓「なんでそんなにテンション高いんですか……」

紬「遠足前にテンションあげ過ぎて、当日風邪を引く勢いね♪」

律「ふぅ……、そんなにはしゃぐなよ唯」

唯「あれ!?」

梓「それにしても澪先輩は山でいいんですか?(たしかお化けとか苦手だったような)」

澪「……」

梓「澪先輩?」

紬「気絶してるわ」

律「衛生兵ー!!」

唯「静かにしていただけないかしら、律さん」

律「ん!?」


─────

律「うぇっくしょーい!!」

唯「わ、すごいくしゃみ」

澪「自業自得だぞ」

律「澪が水いっぱいかけるからだろー。(風邪引いたら)責任とれよなー」

紬「(結婚かしら!結婚かしら!)」

澪「おまえが悪い!」 ポカ

律「あいた!」

憂「ふふ、皆さん本当に仲がいいんですね」

紬「そうね」 ダラダラダラダラ

澪「ムギ、涎垂れてるぞ」

梓「もう十分に遊びましたよね。さぁ今度は練習の時間です」

唯&律「「ええ~~!!」」

澪「えーじゃない。まだ学祭も残ってるんだ、気を抜いてはいられないぞ」

律「あ、紅い蝶だ!」

澪「うひぃ!」 ビクッ

梓「そういう冗談はよくないです」

澪「じょ、冗談?」

律「うん♪」

澪「りーつー!」

梓「……はぁ」

紬「あの、ちょっといいかしら」

唯「どうしたの、ムギちゃん?」

紬「憂ちゃんの姿が見えないのだけれど」

澪「さっきまでここにいたよな?」

律「ああ……」

梓「あ!あそこ!」

憂「……」 フラフラ

唯「憂!!」

律「なんだか様子が変じゃないか?」

澪「たしかに」

唯「憂ー!そろそろ別荘に戻るよー!」

憂「……ブツブツ」

紬「まるで聞こえてないみたい」

梓「憂ー!唯先輩もらっちゃうぞー!」

唯「不束者ですが」

梓「ち、違います!こう言えば憂なら応えてくれるんじゃないかと!」

紬「反応無しね」

澪「どうしちゃったんだよ、憂ちゃん」

律「おい、憂ちゃんの前に飛んでるの蝶じゃないか?」

唯「紅い蝶……」

梓「そんな!あれって単なる噂なんじゃ!!」

律「と、とにかく追うぞ!!」


律「クソ、見失った!」

唯「憂ー!何処にいるのー!?」

澪「なぁ、あれはなんだ?」

梓「鳥居ですね……」

紬「まさか憂ちゃんこの先に?」

唯「憂!!」 ダッ

梓「唯先輩!?」

律「唯のやつ先走りやがって!」

紬「私たちも行きましょう」

澪「そうだな!」

律「なんだか暗くなってきたな」

澪「……」 ガクガク

梓「まだ13時頃だったはずです」

紬「……時計は止まってるわ」

律「何ぃ!?」

梓「携帯も電源が入りません」

律「いったいどーなってんだ」

唯「……ブツブツブツ」

律「おい、唯。大丈夫か?」

唯「え?あ、うん」

律「しっかりしろ、これから憂ちゃん探すんだろ?」

唯「……」

梓「唯先輩……」

律「憂ちゃん捜索隊副隊長田井中律」

律「なんだか暗くなってきたな」

澪「……」 ガクガク

梓「おかしいですね、まだ13時頃だったはずです」

紬「……時計止まってるわ」

律「何ぃ!?」

梓「携帯も電源が入りません」

律「いったいどーなってんだ」

唯「ブツブツブツ」

律「おい、唯。大丈夫か?」

唯「え?あ、うん」

律「しっかりしろ、これから憂ちゃん探すんだろ?」

唯「……うん」

梓「唯先輩……」

律「憂ちゃん捜索隊副隊長田井中律!唯隊長に何処までもついて行きます!」

唯「りっちゃん……」

澪「わ、私も同じ考えだぞ、唯。律が副隊長ってのは気に食わないがな」

紬「うふふ、私だって負けないであります、唯隊長」

梓「早く憂を見つけて帰りましょう。その後はしっかり練習しますからね」

唯「みんな……、ありがとー」

律「はは、今は泣くところじゃないぜ?いくぞー!おー!って言うところだ」

唯「そうだね!よーし、みんないくぞー!!」

 「「おー!!」」


……

律「お、開けたところに出たぞ」

唯「ほんとだ!」

梓「あそこに変なモニュメントがありますよ」

律「なんだこれ。円形にでかい岩が並んでるけど、何かの儀式の後か?」

紬「岩に注連縄が結んであるわね。日本のカルナック列石なのかしら?」

澪「たしかに気になるけど、憂ちゃんとは関係ないと思うぞ。急いで憂ちゃんを探そう」

唯「はい!澪隊員いいこと言った!副隊長に昇進!!」

律「おい!私はどーなるんだ!?」

唯「クビです」

律「訴えてやるぅ!」

梓「み、皆さん!ちょっときてください!!」

澪「どうしたんだ、梓?」

私たちは小高い丘の上に立っていました。
そしてその眼下には昔ながらの日本家屋が立ち並んでいたのです。

唯「村っぽいね」

律「村っぽいな」

紬「……地図から消えた村」

澪「あひぃ!!」 ビクビク

梓「ここが……」

律「まぁ現状から察するとそうみたいだな」

唯「噂じゃなかったんだね」

紬「ご、ごめんなさい!まさか本当だったなんて……」

律「ムギのせいじゃないさ。それを言ったら私だって行きたいって言ったんだから、私にも責任はある」

唯「一応部長さんだしね」

律「一応は余計だろう!?」

梓「あぁ!」

澪「おひぃ!?」

律「あ、梓ちゃん!急に大きな声出さないで頂戴!びっくりして死んじゃうでしょ!澪が」

梓「すみません。でもあそこの家に憂が!」

律「ほんとか!?」

梓「はい!たしかにあの家に憂が入っていくの見ました!」

唯「澪副隊長!」

澪「あ、ああ」

唯「律元副隊長!」

律「その呼び方やめろ」

唯「突撃~!」 ダバダバ

梓「ま、待ってくださいー!」 パタパタ

律「よし、ムギも行くぞ」

紬「……うん」

律「帰ったらムギの淹れてくれた紅茶飲んで、甘~いスイーツ食べような、みんなでさ」

紬「……りっちゃん」

律「ほら、ぼやぼやしてると置いてくぞ!」

紬「うん!」

律「この家だな」

梓「……はい」

澪「……」 ガタブルガタブル

唯「よし、みんな行くよ!」

紬「ええ!」

律「ごめんくださーい……」 ガラガラ

澪「かかか、勝手に入るのはまずいんじゃないか」

律「どうみても無人だろ!幽霊に許可取れってのか?」

澪「そういうことは言うな!泣くぞ!!」

律「はいはい、悪かったよ」

紬「……中は埃だらけね」

唯「憂ー!何処なのー!?」

梓「たしかにここに入ったのに……」

律「とにかく、しらみつぶしに探してみよう!」

私たちは一度ばらけて憂を探すことにしました。
ですが憂は見つかりません……

律「はいはい、皆さん一旦しゅーごー!」

 「「はーい」」

律「何か収穫は……、ないみたいだな」

梓「……」

唯「あずにゃん、私はあずにゃんを信じてるよ!」 ダキッ

梓「ゆ、唯先輩!?」

紬「うふふ、笑って笑ってー♪」

澪「ムギ、それカメラか?」

紬「ええ、奥の部屋で見つけたの。写影機って言うらしいわ」

律「詳しいな」

紬「側にこの本が落ちていてね、そこに書いてあったの」

唯「あずにゃん笑顔だよ、笑顔!」

梓「は、離してください!」

紬「この本によるとね、幽霊も撮影できて、おまけに封じ込めることもできるらしいわ」

律「すげーカメラだな!」

唯「びっくりカメラだね!そういう面白……ゴホン!そういうアイテムは隊長である私が持つよ」

律「職権乱用だぞー!」

唯「唯ちゃんフラーシュ!」 パシャパシャ

律「ぐわー!!」

澪「おい!馬鹿やってないで憂ちゃん探すの続けるぞ!!」

梓「一階は全部見て周ったので後は二階ですね」

紬「ええ、行きましょう!唯ちゃん隊長!!」

唯「じゃありっちゃん盾役だから一番前ね」

律「盾!?」

澪「おいしい役だな」

梓「あ、二階は一部屋しかないみたいですよ」

唯「りっちゃんゴー!」

律「あーもー!分かったよ!私が開けるよ!」 ガチャリ

唯「うむ、大丈夫みたいだね!」

律「ずいぶん広い部屋だな」

………うぅ

澪「いいいいい、今のは!?」

紬「奥の方から聞こえたわ」

梓「憂でしょうか」

律「行ってみれば分かるだろ……」

唯「そうだね!」

律「唯、一応あのカメラ出しとけ」

唯「うん」

そして私たちは奥へ奥へと進みました。
最後の部屋の襖を開けるとそこには……!


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