律「うぃーっす」ガチャ

紬「あら、りっちゃん。もう先生はいいの?」

律「おう。ちょっと進路の話しただけ」バタンッ

紬「そう、今お茶いれるね」

律「さんきゅ。みんなは?」

紬「梓ちゃんは用事があるって言って帰っちゃった」

律「そうなのか。唯と澪はまだ追試中か」

紬「えぇ。澪ちゃん、大丈夫かしら」

律「可哀想だよな。風邪で休んだだけなのに唯と一緒に追試組だもんなー」

紬「あ、そういうことじゃなくて」

律「え?」

紬「ほら、追試やってるあの教室って寒いじゃない。澪ちゃん病み上がりだから・・・」

律「あ、あぁ。そういうことか」

紬「ぶり返さないといいわね」

律「あぁ、そうだな。まぁ、もしまた具合悪くなったら私がネギ買ってきてやるかな」

紬「ネギ?」

律「あぁ。ネギ。首に巻く用に」

紬「・・・」

律「え?おーい?」

紬「どうしてそんなことするの!」プンプン

律「え」

紬「澪ちゃんが可哀想でしょ!」

律「えっと、あ、はい。なんかごめんなさい」

紬「全く、どうしてそんな意地悪するのかしら」プンスカ

律「えっと・・・」

紬「?」

律「ムギは知らないのか?」

紬「何が?」

律「ネギを首に巻くといいって言うじゃん。風邪の時にさ」

紬「そ、そうなの?」

律「あ、あぁ。効果があるのかはわからないけど」

紬「ごめんなさい、そうとも知らず」

律「いいのいいの。気にすんなって」

紬「でも・・・」

律「ムギは風邪ひいたときはどうしてるんだ?」

紬「私、風邪はひかない体質なの」

律「何そのすんばらしい体質」

紬「えへへ、褒められちゃった・・・」

律「なんか可愛いからいいや」ナデナデ

紬「駄目ね、私ってば世間知らずで」

律「気にすんなってば」

紬「他には何か面白い話ない?」

律「え、えぇ?」

紬「なんでもいいの!」

律「えっと・・・そうだ!とっておきがある!」

紬「なになに!?」

律「となりのクラスのA子ちゃんとB美さん付き合ってるらしいぞ」

紬「・・・」ハァ

律「えっ」

紬「りっちゃん、そんな2週間も前の話・・・」

律「詳しいな!?」


紬「えぇ」キリッ

律「なんか可愛いからいいや」ナデナデ

紬「他には?」

律「えっと・・・あ、そうそう。澪がそのB美さんに告白されたんだよ」

紬「!!?!?!?」

律「うお、すごい食いつくな」

紬「それで!?それで!?」

律「ごめん、今の嘘」

紬「・・・!!・・・!!」

律「本当にごめんなさい」


紬「りっちゃんひどい」

律「あ、じゃあさ」

紬「?」

律「アンパンマンって産みの親はジャムおじさんじゃん?」

紬「えぇ、そうね。アンパンマンなら私もわかるわ」

律「名づけ親って誰だか知ってるか?」

紬「え?ジャムおじさんじゃないの?」

律「ううん」

紬「バタコさん?」

律「いんや、アンパンマンは自分でアンパンマンって名乗ったんだ」

紬「えっ」

律「どう?今の話」

紬「いまいち」

律「だよな」


紬「はい、りっちゃん」コトッ

律「おっ、さんきゅー」

紬「今日はショートケーキよ」

律「おぉ!今日は澪達も遅いし、二人で食べようぜ!」

紬「ダメよ・・・太っちゃう・・・」

律「うーん、そう言われると・・・」

紬「澪ちゃん達の分はとって置きましょう?梓ちゃんの分はりっちゃんが食べて?」

律「おぉ!いいの?」

紬「うん。召し上がれ」

律「へへ、やったぜ!・・・あ、そうだ」

紬「え?」

律「確か、イチゴってこの赤い部分じゃなくてつぶつぶの部分が果実なんだよな」

紬「そうなの!?」

律「おっ、今のはなかなか反応よかったな?」アハハ

紬「知らなかったわ・・・このつぶつぶが・・・!」

律「はっはっはー、物知りっちゃんだぞー」

紬「今のは『物知り』と『りっちゃん』をくっつけて、『り』を一個省いたのね!」

律「あの、いちいち解説しないでくれ、なんか恥ずかしくなってきた」

紬「いいじゃなっきゃっ!?」ツルッ

ボトッ

律紬「あ」

紬「イチゴ・・・落としちゃった・・・」

律「三秒ルール!!」ヒョイッ

紬「え!?」

律「ムギ、あーん!」

紬「え、でも今落ちt」

律「いいから、あーん!」コロンッ

紬「食べちゃった・・・」モグモグ

律「どうだ!美味いか!」

紬「え、えぇ・・・でも・・・落としちゃったものを食べるなんて、お父様に怒られちゃう・・・」

律「ムギは知らないのか?」

紬「え?」

律「三秒ルールだから今のはセーフだ」

紬「三秒ルール?」

律「あぁ。落としたものも三秒以内に食べたらセーフなんだ」

紬「そうなの?」

律「あぁ。これが世間の常識だぜ」キリッ

紬「し、知らなかったわ・・・!」

律「三秒以内だったらバイキンもつかない!食べても安心!」

紬「世界は私の知らない法則で充ち溢れているのね・・・!」

律「はっはっはっその通りだ、琴吹くん。だから君がお父さんに怒られることなんてないのだ!」

紬「よかったぁ、お父様怒ったら怖いからドキドキしちゃった」ホッ

律「ホントいちいち可愛いな」ナデナデ

紬「りっちゃん、今日頭なでなでしすぎよ」ムー

律「あれ?嫌だったか?」

紬「イヤじゃないけど、撫でた分叩いて欲しいわ」

律「何その過激なプラスマイナスゼロ」

紬「だって・・・」

律「ムギのこと叩いたり出来るわけ無いだろ?」

紬「りっちゃんの意地悪」

律「意地悪くないし」

紬「むー、いいもん。私ケーキ食べる」

律「おう。それじゃ、私も食べるかn」

ヒョイッパクッ

律「」

紬「・・・」モグモグ,キラキラ

律「おい、私のイチゴ」

紬「・・・」モグモグ,キラキラ


律「あーもう!可愛いな!」ナデナデ

紬「どうして!?悪いことしたんだから叱って!」

律「もー、駄目だぞー?」

紬「りっちゃん、それじゃ子供をしつけることになったときに大変よ」

律「誰がしつけの出来ない親か」

紬「叩いてもらえると思ったのに」チェー

律「なんていうか、その、ムギは可愛いから叩きにくい」

紬「・・・」ムニュー

律「自分のほっぺた押しつぶしてどうしたんだ」

紬「これなら可愛くないでしょ?」エッヘン

律「やばい、可愛い」ナデナデ

紬「どうして・・・!!」

律「とにかく、私がムギを叩くことなんて考えにくいよ」

紬「・・・」ショボーン・・・

律「そんな悲しげにケーキ食う人初めてみたよ」

紬「りっちゃんが悪いんだもっきゃっ!?」ベチャッ

律「あ」

紬「はっ、そうだわ!こういうときは、三秒ルールぅ!」スッ

律「こらぁぁぁ!!」スパーン!!

紬「やめて!離してりっちゃん!三秒経っちゃう!ギリギリセーフなのに!」

律「ムギ!よく見ろ!あれは確実にアウトだ!」

紬「そんな・・・三秒ルール・・・信じてたのに・・・!」

律「さすがに床に落ちたクリームはまずいだろ・・・」

紬「法則がよくわからないわ・・・」

律「ビジュアル的に適当に判断してくれ、そこは」


ガチャ

澪「よっ」

律「お、澪じゃん。唯は?」

唯「いるよ!?無視!?」

紬「だって澪ちゃんに隠れてるんだもの」

唯「えへへー、かくれんぼしちゃったね」

澪「高さはまだいいさ。でも、横幅に関しては・・・」ブツブツ

律「澪、誰も澪のことデブって言ってないから」

澪「デブって言うなぁ!」

律「だから言ってないだろ!?」

唯「ムギちゃーん、今日のお菓子なにー?」

紬「今日はショートケーキよー」

澪「うわ、美味しそう・・・!」

律「また太るかもな」

澪「うるさいっ」

紬「はい、どうぞ」

唯「ありがと!ムギちゃん!」

紬「これ、甘さ控え目だからね」スッ

澪「そんな気を使わせてごめんなさい」ズーン

紬「それじゃ、私はこれを・・・」

唯澪律「えっ」

唯「何そのグチャグチャのケーキ」

紬「これが私のケーキなの」

律「だからそれは駄目だって言っただろ!?」

紬「でも勿体無いわ・・・」シュン

澪「そうだけど・・・」

律「あ、ほら。梓の分余ってるだろ?それムギ食べろよ。な?」

紬「じゃあこれは・・・?」

唯「え、えっと、後でみんなで考えよう?」

紬「わかったわ」シュン

唯「トンちゃんもケーキは食べないもんねぇ・・・」

紬「あ、そういえば」

律「なんだ?」

紬「さっきは・・・叩いてくれて、ありがとう・・・!」

唯澪「えっ」

律「おいムギやめろ」

紬「すごく、気持よかった・・・」

律「おいコラ」

澪「何してたんだよお前ら・・・」

唯「りっちゃん・・・」

律「やましいことはなぁんにもしてないぞ」

紬「やらしいこともね」

律「上手いこと言ったつもりか」


澪「そういえば、梓は?」

律「梓は用事で帰ったんだってさ」

唯「あ、そういえば昨日憂がそんなこと言ってたかも」

紬「これ食べたら練習しよっか」

律「おう、そうだな」モグモグ


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次の日 梓のクラス


純「おはよー。・・・梓、いじめられてるの?」

梓「おはよー。・・・え?」

憂「なんか・・・グチャグチャになったケーキが・・・あと、ケーキの隣にこの紙が・・・」

『勿体ないからあずにゃんにあげるね!』

梓「なんでやねん」



おわり