音楽準備室!

唯「おいーっす!」ガチャ

律「お、唯おいっす。今日はやけに元気だな」

唯「ねえねえりっちゃん、昨日のテレビ見た?」

律「昨日?昨日はずっと聡とゲームしてたからなあ……そういやテレビ見てないや」

唯「やはりりっちゃんじゃダメだったか……」

律「おいなんだって」

澪「お疲れー」ガチャ

梓「失礼します」バタン

唯「あ、澪ちゃんあずにゃん、昨日のテレビ見た?」

梓「何ですかいきなり……」

澪「うーん…、昨日はずっと勉強してたからなあ……晩ごはんの時にニュースを見たくらいかな?」

梓「9時からのドラマなら見てましたけど…」

唯「あーもう!そうじゃなくて~!」バタバタ

律「こいつが何を言いたいのか全くわからん」

紬「遅くなってごめんね~」ガチャ

唯「あ、ムギちゃん!ムギちゃんならきっとわかってくれるよね?」

紬「? どうしたの?」

律「よくわからないけど、唯のやつ昨日テレビを見たかどうかをみんなに聞いて回ってるんだよ」

紬「テレビなら昨日も見てたけど……」

唯「本当!?何の番組!?」

紬「え~っと……、確か世界の国の色々なランキングを発表する~、みたいなので……」

唯「そう!それだよ!」

澪「なんだ、唯はテレビの話がしたかったのか」

唯「昨日そのテレビでね、シーランド公国って国のことをやってたんだよ」

律「シーランド公国?」

唯「イギリスの近くにある国でね、世界で一番小さい国なんだって」

梓「そうなんですか?でもそんな国聞いたことないですよ?」

紬「シーランド公国はね、戦争が終わって使われなくなった人工島に人が勝手に住みついて出来た国なの」

紬「人口も少ないし、領土も自然のものではないから正式には国として認められていないらしいわ」

律「へ~」

澪「なるほどな。で、その国がどうしたんだ?」

唯「昨日テレビで見て思ったんだよ。もしかしたら私たちもできないかな、って」

澪「何を?」

唯「国を作るの!」フンス

梓「どこにですか?」

唯「ここに!」フンス

澪「国民は?」

唯「もちろん私たちだよ!」フンスフンス

律「すっげーおもしろそう!」

紬「とっても素敵な考えだわ!」キラキラ

唯「でしょでしょ?」

澪「いや無理だろ」

梓「まず音楽準備室は私たちのものじゃありませんよ」

唯「えー?軽音部の部室だから私たちのものなんでしょ?」

澪「学校のものだってば…」

唯「じゃあ部室はやめてムギちゃんの家にしよう」

律「そうだな、ここよりずっと広そうだし」

紬「任せて!」フンス

澪「そういう問題でもないだろ!」

梓「よく分からないですけど、そういうのって国と交渉したり色々と手続きが必要なんじゃないんですか?」

澪「まず国が認めてくれないだろうけどな」

唯「ぶーぶー。澪ちゃんとあずにゃんはすぐ人の夢を壊すようなことを言うー」

律「そうだそうだー」

澪「だってだな……」

紬「まあまあ、でもこういうのって考えるだけでも楽しくならない?」

律「さすがに本気で作ろうとは思ってないし、気楽に考えようぜ!」

律「こういうもんはノリだよノリ!」

梓「ノリですか…」

澪「ノリねえ…」

唯「そうだよ~、こういうのは楽しんだもの勝ちだよ~」エヘヘー

澪「……まあ、たまにはこういうのに付き合ってやるか」クスッ

梓「…そうですね」クスッ

唯「やったー!国民ゲットだぜー!」

澪「それでまずは何をするんだ?」

紬「そうね……まずは国の代表を決めればいいんじゃないかしら?」

律「代表か……よーし、じゃあ私王様ね!」

唯「えー!?私も王様がいいー!」

律「へへーん、言ったもん勝ちだぜー!それに私部長だしー?」

唯「いいもん!じゃあ私副部長だからお姫様ね!」

梓「副部長の意味がわからないですし、そもそも唯先輩は副部長じゃないでしょ?」

澪(お姫様取られた……)ショボン

紬「王様がりっちゃんで、お姫様が唯ちゃん……」

紬「ということは、りっちゃんは唯ちゃんのお父さんね」

唯「ぱぱー」ダキッ

律「よしよし娘よー、お前は可愛いなー」ナデナデ

澪「ムギは何の役がいいんだ?」

紬「うーん、何がいいかしら?」

梓「ムギ先輩なら何でも似合いそうですよね」

澪「そうだな」

澪梓(だって家がもうそんな感じだし……)

紬「?」

唯「はいはーい!ムギちゃんは私のお母さんがいいと思います!」

唯「だってムギちゃんは優しいし、お菓子はおいしいし、ふわふわぽわぽわでお母さんみたいなんだもん!」フンス

律「唯の言ってる理由はよく分からないけど、確かにムギにぴったりだな」

梓「お姫様のお母さんだから……お妃さまの役ですね」

唯「りっちゃんの奥さんだよ!」

紬「よろしくね、りっちゃん」ニコッ

律「おう!こっちこそな!」

澪「それにしても律の奥さんか……ムギも大変だな」

梓「ああ、確かに…。なんでもムギ先輩任せにしちゃいそうですね」

唯「や~い、りっちゃんのダメ亭主~」

律「先生ーこのクラスにはいじめがありまーす」

紬「そんなことないもん!」ガタッ

唯「うひゃあ!?」ビクッ

紬「りっちゃんは優しいし、エスコートも上手だし、とっても可愛くてかっこいいんだもん!」

紬「それに料理だって裁縫だって上手だし、私りっちゃんと結婚できてとっても幸せなんだもん!」

澪「わ、わかったから落ち着こうな、ムギ?」タジッ

梓「そ、そうですよ!本当に結婚するわけじゃないんですから…」アセアセ

律「…さすがに目の前でそんなに言われたら…その……恥ずかしいんですが……///」カァッ

唯「もしかしてりっちゃん照れてるの~?」ウリウリ

律「うるせえ///」プイッ

澪「と、ところで梓は何がいいんだ?」

梓「わ、私は別に何でも……」

唯「あずにゃんはペットの猫さんだよ!」ダキッ

梓「に゙ゃっ!?な、なんでで私だけ動物なんですか!!」ジタバタ

唯「だってあずにゃんは猫さんなんでしょ?」

梓「なんでですか?!全然違います!!」

律「『に゙ゃっ!?』って言ってたくせに」

紬「言ってたわよね」

梓「言ってません!!」

澪「よくわかんないんだけど、王様って猫とか飼ってるものなの?」

唯「大丈夫だよー。猫さんの可愛さは世界共通、王様も平民も関係ないよー」

梓「言ってることはなんとなくわかりますけど……出来れば猫以外の役がいいです」

律「じゃあ王様の飼ってるペットのライオンとかどう?」

梓「だからペットから離れてください!!」

紬「澪ちゃんはなにがいいの?」

澪「え?わ、私は……」チラッ

唯「?」

澪(言えない…お姫様が良かっただなんて……)

律「…大丈夫、澪が何をやりたいかは言わなくてもわかるよ」

澪「律……」

律「私の愛じn…フベッ!」ゴツン!

澪「死ね!」

律「冗談だったのに……」シクシク

紬「りっちゃん、浮気はダメ!」メッ

律「大丈夫、浮気なんかしないってば……。私が愛してるのはムギ、お前だけだよ」グイッ

紬「りっちゃん……」ドキドキ

唯「ひゅーひゅーラブラブー」

澪「全く…」

唯「で、澪ちゃんの役なんだけどね」

律「そういえばまだ決まってなかったな」

唯「澪ちゃんは私のお姉ちゃんの役なんてどうかな?」

梓「なるほど、それならぴったりですね」

紬「そうよね、だって澪ちゃんって頼れるお姉さんって感じだもん」

澪「そ、そうかな…///」

唯「澪ちゃんも私と一緒にお姫様しようよ。お姉ちゃんお姫様。三姉妹だよー」

澪「ゆ、唯がやりたいならいいけど…///(やった!)」

律「よかったなー澪」ニヤニヤ

梓「あれ?でも三姉妹なら人数足りなくないですか?」

唯「足りてるよ?澪ちゃんに私にあずにゃん、ほらね」

梓「私もですか……まあペットよりはマシですけど……」

律「ていうかお姫様多いな」

唯「それはりっちゃんとムギちゃんがとってもラブラブの仲良しさんなんだからだよ」

律「なるほど!…よ~しムギ、今夜も仲良くラブラブするか~!」ウヒヒ

紬「や~ん♪」キャッキャ

梓「オッサンですか……」

律「まあとりあえずこれで全員の役が決まったな!」

唯「だね!……あれ?そういえばなんでこんな話してたんだっけ?」

梓「唯先輩が国を作りたいって言いだしたからですよ」

唯「おお、そうでした!」

澪「それで次は何をするんだ?」

唯「えーっとね……、何をすればいいんだろう?」

澪「おい」

律「なんでもいいんじゃないか?遊びなんだからもっと気楽に考えようぜ~」

紬「そうよね、難しく考えてたら楽しくなくなっちゃうわ」

唯「そうだよ~、なんでも思いついたことから何でも決めていけばいいんだよ~」

梓「あ、そういうことなら……」

唯「どうしたのあずにゃん?」

梓「ふわふわ時間が国歌、っていうのはどうですか?」

澪「なるほど!それはいいな!」

唯「うん!すごく私たちの国って感じだよね!」

紬「それじゃあ国旗はティーカップのマークでどう?大晦日のライブの時に唯ちゃんが考えたの!」

律「それも採用!あと国の名産品はムギのお茶とお菓子で…」

澪「一番盛んな文化は音楽で…」

唯「そしてマスコットはトンちゃんだね!」

律「……マスコットってなんだよ」

唯「えへへ~」

………

律「…これでだいたい決まったかな?」

紬「結構時間掛かっちゃったね」

唯「でもこれなら誰が見ても私たちの国ってわかってもらえるよ!」フンス

梓「……そういえば今日練習してなくないですか?」

澪「あ…」

律「まあ、たまにはこんな日があっていいだろ?」

澪「こんな日ばっかりだから問題なんじゃないか!」

律「…澪も楽しんでたくせに」ボソッ

澪「うっ…」

紬「暗くなってきたしそろそろ終わりにしよっか?」

梓「そうですね」


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