保健室

澪「ムギ!頼むから食べてくれ!」

紬「イヤです…」

澪「もうすぐ二週間になるぞ!死んじゃうぞ!」

紬「唯ちゃんはもっと辛いもの…このくらい平気…」


ガラッ

梓「買ってきました!焼肉弁当です!」

澪「なんで焼肉弁当なんだよ!」

梓「意地になって食べない人でも、これなら食べるって店員さんが」

澪「…」

澪「さぁ食べるんだムギ」

梓「何としてでも食べてもらいますよ」

紬「イヤ…」

紬「あ、でも、これやってくれたら食事するって約束するわ」

澪「何だ!?」

梓「何ですか!?」

紬「耳をこっちに…」


ゴニョゴニョ


澪「…」

梓「…」


……

ギュ

澪「梓って、小さくて、守りたくなるよな…」

梓「澪先輩に包まれていると安心するです…」

澪梓「…」チラッ

紬「続けて」


澪「保健室に付いてきたってことはOKなんだよな?」

梓「待ってください。心の準備が…」

澪「が、我慢できない!梓の初めてを私にくれ!せ、責任は取るから!」もみもみ

梓「に、にゃぁぁ///」

澪梓「…」チラッ

紬「続けて」


澪「いや、もういいだろ。食べてくれ」

紬「食べるわ。食べるけど、時と場所の指定はしなかったわ」

紬「つまり…私がその気になれば食事をするのは10年後、20年後ということも…」

梓「何の意味も無かったじゃないですか!!」

澪「わ、私に言うなよ…」


梓「澪先輩のおっぱいも揉まれるべきです」ワキワキ

澪「やめろ!」



数日後

放課後


唯「…」

クラスメイト1「ねぇ唯…元気出してね」

クラスメイト2「1、早く行こうよ」

クラスメイト3「じゃ、じゃあね」

唯「…友達のいない学校がこんなに辛いと思わなかった」

スタスタ

唯「あっ、音楽準備室」

唯「無意識に歩いてきちゃったんだ…」

唯「誰もいないのかな…ちょっとだけ入っても…」


ガラッ

唯「えっ、何これ…」


天井、壁、窓には布が被せてあり、何も見えない
床には段ボールが山ほど積まれていた


唯「な、なんか変…どうしたんだろ」

唯「えーっと、アルバムは棚の上に…あった」

唯「あ~、これ丁度、去年の今頃だ」

唯「この写真…この時、来年はもっとちゃんとするからって言われて…」

唯「あったなぁ…こんなことも」

唯「う…、うぅ…」ポロポロ

唯「戻りたいよぉ…」


澪「いよ…だなっ!」

律「おーう!」

ガラッ

梓「唯先輩?」

紬「唯ちゃん?」

和「…」

唯「みんな…りっちゃん…」

律「な、なんでいるんだよ!」


唯「りっちゃん、ごめん!!!私が悪かったの!!」

律「なんで来たんだよ!何か見たのか!?」

唯「謝らせて!私の話を聞いて!!」

律「あ、謝らなくていいよ!早く出てけって」

唯「どうして!私悪いことしたんもん!りっちゃんを傷つけた!」

律「謝る必要なんてないんだってば!」

律「いいから出てけ!」ドン

ガンッ

唯「うっ…!」

澪紬梓「!!」

和「…」


律「あ…唯…?あ…」

澪「おい律!なんてことするんだ!」

梓「唯先輩!?大丈夫ですか!?唯先輩!」

紬「唯ちゃん…血が出てる…」

律「あ…唯…ごめ…わたし……そんなつもりじゃ…」

唯「う…う…あやま…う…」

紬「唯ちゃん、一緒に保健室行こう?」

紬「唯ちゃんは私に任せて、二人はりっちゃんを」

澪「わかった」

梓「わかりました」

律「あ……あ…」

和「…」


保健室

紬「先生はいないみたいだね…応急処置くらいなら、私でもできるかも」

~~~~

紬「よかった、そんなに酷い傷じゃなくて」

唯「ありがとう…ムギちゃん」

唯「ムギちゃんと話すの、久しぶりな気がする……痩せた?」

紬「ええ。…あのね、唯ちゃん。」

紬「実は…」

唯「…ムギちゃん。私、久しぶりにムギちゃんのお菓子が食べたいなぁ」

紬「えっ?」

唯「ダメ?」

紬「い、いいけど。じゃあ持ってくるから寝ててね」


~~~~~~

紬「唯ちゃん、持ってき」

紬「いない…!?」



……

トボトボ

唯(やっと気付いたよ)

唯(もう元通りにはならないんだね)

唯(怒ってたんじゃなくて、私のこと嫌いになっちゃったんだね)

唯(でも、しょうがないよね)

唯(私が悪いんだもん)

唯(なんで私はあんなことしちゃったんだろう)

唯(なんであんなにいい友達だった人を、騙そうとしたんだろう)

唯(今反省しても…もう遅いよね)


部室

律「うぅ…」

澪「いつまでも落ち込んでても仕方ないだろ。働け働け!」

梓「和さん、これはどこですか?」

和「あ、高い場所だから私がやるわ」

さわ子「がんばってるわねぇ~」

梓「先生も少しは頑張ってください…」


ガラッ

紬「た、たいへん!唯ちゃんが保健室からいなくなったの!」

澪律梓「えぇ!?」

和「…」


律「わ、私が探しに…」

澪「いまお前が行っても逆効果だ!私が…」

紬「い、いえ私が!………はふぅ」ガックリ

澪「ムギ!?2週間以上も何も食べてないの無茶するなよ。斎藤さん頼む!」

斎藤「御意。栄養注射でございます」


梓「私が探してきますから、みなさんは準備をお願いします」


……

梓「ケータイに電話を…」

アナウンス(電波が届かないか、電源が入っておりません)

梓「ダメか」

梓「一体どこを探せば…」きょろきょろ


あずにゃん2号「にゃあ~」

梓「え、よく似てる…。いや、あれあずにゃん2号だよね?」

梓「なんでここに?」

あずにゃん2号「にゃお」ダッ

梓「ちょ!待ってよ!」


近所の橋

唯(りっちゃん、私自殺するよ!)

唯(そうすれば、嫌いな子がいなくなって、りっちゃんは幸せだよね!)

唯(りっちゃんは幸せになるし、私が自殺すれば…)

唯(私が本当に反省してるってこと、きっと伝わるよね!)

唯(そうだ、初めからこうすればよかったんだ…)

唯(どうせ、もう生きていたって楽しいことないもん)

唯(…ここなら凄く高いから確実に死んじゃうよね)

唯(憂…ごめんね。迷惑かけちゃったよね)

唯(和ちゃんも、巻き込んじゃってごめん)

唯(でもみんなと一緒にいたから嫌われてないんだよね、良かった)

唯(けいおん部のみんなとの時間は人生で一番楽しかったよ)

唯(りっちゃん…ごめんね…)

唯(さようなら…)フラッ



ガサガサッ

あずにゃん2号「にゃう!」
梓「あれー?この辺に来たよね」ガサガサ

梓「もーっ。居なくなったなんて言ったら純ちゃんに顔向けできないよ…」

あずにゃん2号「にゃあ~~」

梓「あっちか…、あ、いた」

唯「」


梓「え…?」

梓「…」


梓「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


梓「イヤッ!いやぁぁぁぁぁぁ…」ボロボロ

梓「ウソだよぉぉぉぉ!なんでぇぇぇっぇ」

梓「いやぁ……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ボロボロ


唯「………ん」

梓「!」


梓「唯先輩!!生きてるんですか!?唯先輩!!!」パシパシ

唯「………はは、…天使さんって……あずにゃんみたいな顔してるぅ…」

梓「私です!梓ですよ!唯先輩!わかりますか!?」

唯「う、うん?」

唯「あれ、生きてるの?」

唯「私、飛び降りたのに…」

梓「やっぱり飛び降りたんですね」

唯「う、うん」

梓「唯先輩のバカッ!」

梓「唯先輩のバカッ!バカッ!バカッ!」

唯「あ、あずにゃん…?」

梓「バカッ!貧乳!天然!シスコン!」

唯「だって私が死んじゃえばみんな幸せに…」

梓「だからバカって言ってるんです!」

梓「はっ!と、とりあえず病院です!救急車を…」

唯「わ、私ほんとうに何ともないよ?自分でも不思議だけど…」

梓「ダメです!電話を…」

ピピピピ


梓「…もしもし」

律『おーっす。こっちはOKだけど、そっちどうだ?』

梓「律先輩の馬鹿!」

律『はっ!?な、なんだよ一体』

梓「律先輩のせいですよ!こんなことになったのは!バカ!」

律『な、なんでいきなりそんなに怒ってるんだよ?』

梓「律先輩の馬鹿!不人気!汗臭い!デコビッチ!レズ!ヒステリー!貧乳!貧乳!」

律『なっ…!なっ…!』

律『それより、唯は見つかったのか?』

梓「…今隣にいますよ」

律『じゃあ部室に連れてきてくれよ』

梓「ダメです!唯先輩どうしてたと思うんですか!?今から一緒に病院に…」

律『えっなにちょっと聞こえなかった』

唯「待って!!あずにゃん!!」

唯「私、部室に行っていいの!?」

唯「けいおん部に行っていいの!?」

梓「…はい。でも今はまず病院に」

唯「私は本当に無傷だよ!ほら。」

唯「お願いあずにゃん!けいおん部に行きたいの!!!!」


スタスタ

梓「ちょっとでも身体がおかしいと思ったらすぐ言ってくださいね?」

唯「うん…肩貸してくれてありがとう。あずにゃん」

唯「私、もうあずにゃんに嫌われちゃったと思ってたよ」

唯「また話せてよかったよぉ」

梓「…唯先輩、本当にすみませんでした…」

唯「どうしてあずにゃんが謝るの?悪いのは私だよ?」

唯「一度だけしか入れてくれないかもしれけど、りっちゃんに謝れるよね」

唯「もう、戻れるかどうかはいいんだ、りっちゃんと一度だけお話しできれば」

唯「もうけいおん部に戻る資格は私にはないんだ…」

梓「…」


唯「着いた!」

梓「ちょっと待ってください…私が先に入ります」

~~~~~

梓「どうぞ」

唯「うん」


ガラッ


パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ


「「「「「「「唯、誕生日おめでとう!!!!!」」」」」」」」」


律「誕生日おめでとう!唯!!」

澪「おめでとうな!唯」

紬「おめでとう唯ちゃん♪…頭の傷は平気?」

さわ子「おめでとうね唯ちゃん、早くお料理食べましょうよ~」

憂「お誕生日おめでとう!お姉ちゃん♪」

梓「…おめでとう、です」

クラスメイト1「おめでとう!」

クラスメイトその他「「「「「「おめでとう」」」」」


和「…おめでとう、唯」


天井や壁一面には手作りの飾り付け
テーブルには御馳走
大きく建てられたプレートには唯の誕生日を祝う言葉が書いてあった


律「ほーら、主役の帽子だぞぉ。ほらほら」

律「はっはー!大成功だなみんな!」

唯「…」

和「固まってるわね…」

紬「今までのショックが大きすぎるもの」ゲッソリ

澪「現状が理解できてないんだな…」

律「ゆ、唯!ゴメンな!実はさ…」


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