ジーッ

澪「みんな!私も、お弁当作ってきたぞ!はい梓、あ~ん?」

梓「あ、たい焼き持ってきたんで、いらないです」

紬「食欲ないから…」

唯「憂のお弁当おいしいな~」


~~~~~

和「今日はどうだった?」

律「楽しかった///」

和「そう。…じゃあ…」

律「あ、あの…!」

和「ん…」

律「わ、私なんか好きになってくれて、ありがとう!!」

律「ずっと言いたくて、あの、先週言いそびれちゃって、あんまりあの…今日も喋れなくて!」

律「ほ、ほんとはもっと面白い子だから、嫌いにならないでくれぇ!」

律「じゃあまた!」

ダッ


和「…………」



ジーッ


澪「19:30帰宅。今日はここまでか。なかなかボロを出さないな!悪魔め!」

梓「…もう認めましょうよ。悪い人じゃないですよ」

紬「なお悪いわ…悪いところがないというのは、最悪ってこと…」


唯(う~ん。りっちゃんは反応はまぁわかるんだけど…)

唯(なんかテンション低い?和ちゃん。どうしたんだろ)


数日後

部室

律「♪~♪~♪~」

カチャカチャ

澪「あっ、4にいたぞ。来てくれ」

梓「待ってください。2にも来ました」

澪「タイマンでイケるよな?」

梓「えっ、それはちょっと…。あ、秘薬忘れました。下さい」


澪「またかよ!あ、死んだ…」

梓「私も…。やっぱ二人じゃ無理ですよ…モンハンは」

澪「う~ん」

澪「でも唯は弱いし、律は鏡しか見てないし、ムギは…」

紬「シャランラ~…シャランラ~…」ゲッソリ


澪(ムギ…なんか、やつれたな)

澪(律は幸せそうだから放っておくことにした。でも私たちにあまり構ってくれなくなった)

澪(問題はムギだ。痩せ衰えていく。ご飯が喉を通らないらしい)

澪(唯もやはりどこかおかしい。うわの空だ)

澪(私と梓は慣れてきたが、もうけいおん部はバラバラだった)


梓「限界ですよ…もう」

澪「わかってる、でも私たちだけではどうすることも…」


コンコン


和「失礼します…」

澪「おっ和」

律「おっ、和じゃん」

澪「私が話しかけてもスルーするくせに…」

和「唯は来てる?」

律「まだ来てないよ掃除当番だし。どうかした?」

和「そう…あのね」


和「話があるの」


……

唯(掃除当番ダル~い)


ピンポンパンポーン


さわ子『平沢唯さん、至急音楽準備室まで来てください』


クラスメイト1「音楽準備室に呼び出しって珍しいよね?」

クラスメイト2「なんか、さっき誰かが暴れてるって騒ぎになってたよ…」


唯「えっ…?」


唯「し、失礼します…。えっ、なにこれ、ぐしゃぐしゃ…」


部室は物が壊れたり跳び散らかったりしていた


さわ子「来たわよ。じゃあ私は戻るけど、りっちゃん、落ち着いてね。乱闘騒ぎにでもなったら停学よ」

唯「りっちゃん…?」

律「……唯は知ってたのか…?」


唯「な、なにが?」

律「惚けるなよ!!!!!!」バン

紬「りっちゃん…暴力はやめて…」

梓「そ、そうですよ」

澪「…」

和「…」

律「カズくんは、和なんだよなぁ?」

唯「!言っちゃったの!?あ、や…」


律「もういいよ隠さなくて。唯はずっと知ってたんだろ?」

律「それどころか、一緒になって私を騙してた」

律「影から、騙される私を見て笑ってたんだ」

律「面白かった?なぁ唯?そんなことして面白かった?満足した?」

唯「違うよ…私…」

律「何が違うんだよ!!!」バン

律「嘘をつくな!私の目を見ろ!」

唯「うぅ」ポロポロ


律「和から全部聞いたよ。一つ除いてな」

律「これだけは唯から聞きたかった。正直に言ってくれ。私の目を見て」

律「これをやろうって言い出したのは、唯と和、どっちなんだ?」

唯「…」


唯「………わたし…」


律「そうか、いいぜ行って。もうここには来ないでくれ」

唯「そんな…謝らせてよりっちゃん…」

律「早く…行けっ…」フルフル

唯(りっちゃん、泣いてる!?)

唯「あ…あ…ほんとに…ごめ…」

律「出てけ!!!!!!」

ドン


唯家

唯(ど、どうしようどうしようどうしよう)

唯(りっちゃんが泣いてるのなんて初めてみた)

唯(取り返しのつかないことになっちゃった)

唯(どうしようどうしよう)


ガチャ

憂「あれー?お姉ちゃん、もう帰ってたんだ。今日は早いんだね」

唯「うい…」ポロポロ

憂「ど、どうしたの!?」

唯「私、とんでもないことしちゃった…」


唯「………というわけなの」

憂「…お姉ちゃん、本当にそんなことしたの?」

憂「それは律さんが怒るのも当たり前だよ…」

唯「私どうかしてたよ…」

唯「前にりっちゃんが澪ちゃんの歌詞をラブレターと勘違いした時、全然構ってくれなくて…」

唯「勘違いだったけど、あれがもし本物だったらって考えたら…不安で…」ポロポロ

憂「お姉ちゃん…」


唯「それでりっちゃんが、もうけいおん部に来るなって…」

唯「…どうしよう憂。けいおん部に行けなくなるなんて嫌だよ…」

憂「謝るしかないよ。明日みなさんのところに行こう?私も一緒に行くから」

憂「きっと許してくれるよ!」

唯「ありがとう…、ありがとう憂」ポロポロ



次の日

教室

唯「あ、ムギちゃんりっちゃん、おはよう…」

紬「う、うん…」

律「…」

唯「あの、りっちゃん。私、ちゃんと謝らないと…」

律「ムギ、トイレ行こうぜ」

紬「うん…」

唯「うぅ」


1年の教室

憂「梓ちゃん、お姉ちゃんのことなんだけど…」

梓「あ、聞いたんだ?ってそりゃそうか…。唯先輩どうだった?」

憂「凄く落ち込んでて…」

梓「だよね…律先輩怖かったよ。私も」


憂「お姉ちゃん、ちゃんと律さんに謝りたいんだって」

憂「放課後、お姉ちゃんと一緒に部室に行きたいんだけど、いいかな?」

梓「だめ、かな。ごめん憂」

憂「どうして!?お願い梓ちゃん!お姉ちゃんを許してあげて!けいおん部に戻してあげて!」

梓「う、憂…?落ち着いて」

憂「お願い…そのためなら私、何でもするから…」

梓「本当に?わかった。とりあえず放課後一人で部室に来て?」

憂「…ありがとう梓ちゃん」

憂「みなさんにも事情があるよね。まずは一人で行くね」



放課後

唯「うい…」

憂「お姉ちゃん、とりあえず私が先に行って、みなさんにお姉ちゃんの気持ちを伝えてくるから!」

憂「そうしたら二人でもう一回行こう?律さんに謝って、許してもらおう?」

唯「うん…、わかった…」

憂「お姉ちゃん!元気出して!大丈夫だよ!」

唯「う、うん…!」

憂「じゃあちょっと行ってくるね!待ってて」

どのくらい待ったかはわからない
唯には永遠とも思えるような時間だった

唯(…)


ガラッ


唯「憂、どうだった!?」

憂「ごめんね…お姉ちゃん」

唯「え…?」

憂「お姉ちゃんは、まだけいおん部に戻らない方がいいと思う…」

唯「そんな…うい…」



部室

澪「律、これで良かったのか?」

律「問題なーし!」

紬「唯ちゃん可哀そう…」ゲッソリ

律「私だって可哀そうだ!」

梓「っていうかムギ先輩、ご飯食べてくださいよ…、どんだけ食べてないんですか」


紬「一週間…くらいかな」

斎藤「お嬢様、焼肉弁当でございます」

紬「いらないわ…元のけいおん部に戻るまでは…」

斎藤「御意。栄養剤を注射致します。失礼」


澪梓(何気に一番可哀そうなのはムギ(先輩)かもな…)

澪(律の件と唯の件ダブルでダメージ受けてるからな…)


唯家

憂「あのね、お姉ちゃん。律さんはお姉ちゃんの事、そんなに怒ってなさそうだったよ」

唯「ぅ…うっく…ヒック…」シクシク

憂「恥ずかしい所を見られたから、意地になっちゃってるだけだと思うんだ」

唯「謝りたいよぉ…」シクシク

憂「怒ってる訳じゃないから、謝っても無駄だよ…」


憂「少し時間が経つのを待とう?絶対に元通りになるから」

唯「ック……ヒック」シクシク

憂「律さんの気持ちが落ち着くのを待つだけでいいんだよ。頑張ろう?お姉ちゃん」

唯「うぅぅぅぅぃぃぃぃぃ…うぃぃぃぃぃぃ」シクシク


唯(時間が経てば元通りになる。憂が示してくれた道は「唯一」の希望だった。唯だけに)

唯(けいおん部を失った私は、その希望だけが生きる活力だった)

唯(しかし、時間が経つほど、むしろ状況は悪くなっていった)

唯(行動力のあるりっちゃんはクラスの人気者、人気者の敵は、クラスの敵)

唯(クラスの友達も段々私から離れていく感じがした。りっちゃんに嫌われるのが怖かったんだろう)

唯(私は一人になった。学校で一言も喋ることなく帰った日もあった)

唯(休み時間に突っ伏して寝たふりをする日もあった)

唯(時間が経ってもまったく状況は良くならなかった)



唯「うい!今日はどうだった!?」

憂「え、えーっとね、紬さんがぐったりしてて…」


唯(憂にお願いをして、けいおん部の様子を聞くのだけが楽しみだった)



唯「ういー今日は寒いね」

憂「うん、そうだね…」

唯「手繋いでいこっか」

憂「あのね…お姉ちゃん。実は…」


梓「ういーおはよう。唯先輩もおはようございます」

唯「あずにゃん!?お、おはよう!!あずにゃんと話すの久しぶりだよぉ///」

梓「…はいそうですね」

梓「じゃいこっか、憂」

唯「え…?」


憂「ごめんねお姉ちゃん…今日から少しの間、梓ちゃんと登校するから…ごめんね」


唯「え…」

梓「…」


唯(その日から、憂は帰りが遅くなった)

唯(それに話していても、目を合わせてくれない。避けられているのかもしれない)

唯(…これで本当に一人ぼっちかぁ…)


学校

さわ子「はい、二人組作って~」

唯「…」オロオロ

律「ムギー!…は保健室だったな。じゃあうーんと…」キョロキョロ

唯「あ、あの…」

律「クラスメイト1!組もうぜー!」

唯「あぅ…」

和「唯、一緒に組もう?」

唯「和ちゃん!?なんでいるの?」

和「音楽は二クラス合同だよ?」

唯「良かった…」

唯(和ちゃんは、あの日からそんなに変わった様子はなかった)

唯(私と違って、クラスで居場所を失わなかったし、生徒会という居場所もある)

唯(でもその生徒会が忙しいらしくて、あんまり一緒にいてくれない…)


唯「そういえば、澪ちゃんは?」

和「保健室に紬を連れていったわ」

唯「ムギちゃんどうしたんだろう…」

和「…さぁ」


4