この日は金曜日
土曜日は各々がドロドロした思いを胸に過ごした
唯と和は仮想デートを繰り返す
澪と梓と紬は謎の密会
律は鏡の前でおかしーしと叫び続ける
そして日曜日が来るのであった
律(昨日は色々髪型とか服とか考えてみたけど、結局いつもと変わらないな…)
律(人間そんなに急には変われないって!)
和「田井中さん?」
律「!」
和「待たせてゴメン。先に着いてたんだけど、…緊張して中々声かけられなかったんだ」
律(うわ///カッコよすぎだろ!)
~~~~~~
澪(まぁお約束通り尾行してる訳だが)
梓(カズくん超カッコいい件)
ドカッ
紬(また木を殴ってしまったわ…)
唯(いいよ和ちゃん、台本完璧だよっ)
……
和「突然あんなラブレター送っちゃって、気味悪くなかった?」
律「ぜんぜん///そんなこと///」
和「よかった。何から乗ろうか」
律「えぇぇぇと、、コーヒーカップ///」
澪(コーヒーカップ!?いやいや律、お前あんなの退屈だって言ってただろ!)
梓(イケメンの隣にいると律先輩が可愛く見えてくる件))
ドカッ
紬(まぁもうほんと…)
唯(いい感じいい感じ)
和「やる夫の海賊乗らない?」
律「うん…///」
和「あれさ、最後にちょっと坂があるけど、怖くない?」
律「平気です…///」
和「同い年だから、タメ口でいいよ」
律「うん…///」
ジーッ
澪(あれ本当に律か?カチューシャ付けた憂ちゃんじゃないのか?誰だアレ)
梓(女同士が仲悪くなる理由がわかってしまった件)
メリッ
紬(私の中の黒い犬が…)
唯(もうすっかりりっちゃんの心を掴んでるね)
……
和「ちょっと休憩しようか。何か食べる?」
律「チュロス///」
和「はい、買ってきたよ。ところで、今日まだ俺のこと名前で呼んでくれてないよね?呼んで欲しいな」
律「カズくん///」
和「呼び捨てでいいよ」
律「でもカズくん///」
和「俺は律ちゃんて呼んでいい?」
律「りっちゃん///」
和「でも、律ちゃん」
律「///」
ジーッ
澪(律が…律が…)
梓(ちょっ!あんまり近づきすぎないでください!)
ドガッ ドガッ
紬(…)
唯(なんか、上手くいきすぎてて怖いくらい)
……
和「もうこれで、あと乗ってないのは観覧車だけだね。どうする?」
律「のる///」
和「うん。でもパレード見れなくなっちゃうかも」
律「のる///」
スタッフ「はい足元気を付けてくださいね~」
……
スタッフ「はい足元気を付けてくださいね…」
澪(こんなに悲しい観覧車は初めてだ…)
梓(幸せって相対的なものですね)
紬(2 ・ 3 ・ 5 ・ 7 ・ 11 ・ 13 ・ 17 ・ 19 ・ 23 ・ 29 ・ 31 ・ 37 ・ 41 ・ 43 ・ 47 ・ 53 ・ 59…)
唯(観覧車では次の約束を取り付けてね、和ちゃん)
……
律「キレイ///」
和「律ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう」
和「もし嫌じゃなかったら、またこうして遊ぼうよ」
律「///」コクン
ヒュ~ ドォ~ン
和「あっ、花火がいいタイミングで見れたね」
律「キレイ///」
ジーッ
唯「何話してるんだろうね~あの二人。花火キレイだね~」
紬「花火より君の方が奇麗だよ、とか言っちゃって」ブツブツ
澪「やめろ」
梓「今日はウチに泊まりなよ。朝までお互いのことを知りあおう。とか言っちゃって」ブツブツ
澪「おいやめろ!」
~~~~~~~
和「じゃあまた電話するよ。メールも」
律「送ってくれてありがと///」
和「…」
律(はぁ…なんか夢みたいだったし、私も私じゃないみたいな感覚だったな)
律(こういう感じなのか。デートって。漫画で見てもわかんないことってたくさんあるな…)
律(あんまり顔見れなかったし…、全然喋れなかった)
律(変な子だと思われてないか心配になってきたぜ…)
ジーッ
澪「良かった…。さすがに泊まりはなかったな」
梓「私たち、一体なんでこんなことしたんですかね…虚しいだけってわかってたのに」
紬「帰りましょう…」
唯(パーフェクトだよっ和ちゃん!)
唯(あと、2、3回デートしてから…フッてもらうか…)
唯(そうすれば、男なんか嫌いになって、またけいおんメンバー一筋なりっちゃんが帰ってくるよね?)
次の日
部活
ヴィーン
律「」ポチポチポチポチ
澪梓紬「…」
ヴィーン
律「」カチカチカチカチ
澪梓紬「…」
唯「りっちゃん、昨日デートだったんでしょ。どうだった~?」
律「うん、まぁ楽しかったぜ」ポチポチポチポチ
梓「さっきからずーっとメールしてる相手はカズくんですか?」
律「まぁなー」カチカチカチ
紬「りっちゃん、お茶いかが?」
律「いまいいや」ポチポチ
澪「なぁ律、新しい歌詞書いてみたんだけど…」
律「後で見る」めるめる
澪「律、そんなこと言うなよ律ぅ」
律「澪、ウザい」めるめる
澪「な…!う…」
ピピピピ
律「で、電話キタ!カズくんだ///」
律「も、もしもし!///」
ガラッ
唯紬「…」
澪「律…、なんで外で話すんだ…?なんで昨日のこと、詳しく私に話そうとしないんだよ…」
梓「デートの話はともかく。普通、ああいう会話は聞かれたくないと思います」
澪「今まで、私たちの間に、隠し事なんてなかったのに…」
梓「おかしくないですよ。気になる人できたらあーなりますって」
澪「そんなことない!私は今までどんなフラグが立っても、律を優先してきたぞ!」
澪「彼氏だって、私にだってその気になればできたかもしれない!でも友情を優先してきたんだ!」
梓「律先輩のことそんな風に見てたんですか?見下してたんですね」
澪「はぁ!?」
紬「やめて…」
梓「だってそうじゃないですか!律先輩がモテなかったから、自分も遠慮してたってことでしょ!」
澪「違うぞ!」
梓「何が違うんですか!」
澪「フラグすら立たない梓には、わからないだろうな!」
梓「なっ!私だってフラグぐらい立つもん!3丁目のタマとか、魚屋さんのミケとか…」
澪「それ猫じゃないか!実は冷静に見えて凄いテンパってるだろ!」
紬「静かにして…頭痛が痛いの…」
唯(…)
唯(うんうん…みんな荒れてるね)
唯(澪ちゃんの気持ち、凄くわかるよ)
唯(間違ってるのはりっちゃんだよ。私たちを優先すべきなのにさ)
唯(みんな、この気持ちをちゃんと覚えておいてね)
唯(もしまた誰かが、同じ状況になっても…)
唯(私を裏切っちゃダメだよ…?)
唯家
唯「次は、水族館デートにしよっか」
和「まだやる気なの…?あ、またメールが」
唯「よく来るね~。どんなメールか見せてよ~」バッ
和「あっ…ちょ…」
件名
ぉ願ぃ♪
本文
次のデートは、ぉ弁当作ってこょぅかな!!
ぅんと、ぉ腹空かしてきて↑↑
ぃぃ??
唯「尽くすタイプだね~りっちゃん。わかるよ」
唯「いい加減で大雑把に見えて、実は一番人を喜ばせることを考えてるんだよね」
唯「でもこの文体は意外だったな~まるで別人だよ」
唯「案外本人も、和ちゃんといる時は、私は別人だとか思い込んでるのかもね」
和「…」
和「ねぇ唯、わかってる?」
和「これバレたら、律に嫌われるのは、男じゃなくて唯だよ?」
和「こんなこといつまでも続くわけが…」
唯「大丈夫だよ~。あと2、3回で終わりにするから」
和「終わりって、どうするの?」
唯「りっちゃんを、フッて」
和「!?」
唯「セリフは、そうだな~」
『見た目と性格が全然違くて幻滅した。君を好きになる男なんていないだろうね』
唯「こうかな」
唯「そうすればりっちゃんは、もう一生恋なんてする気なくなるだろうから」
唯「私と毎日遊んでくれるよね♪うんたん♪」
和(この子…)
唯「和ちゃんだってもう共犯だよ。大丈夫だよバレなきゃ!」
唯「さ、電話でもメールでもいいから、誘って。水族館」
和「…」めるめる
唯「グッジョーブ」
10分後
ピンポーン
憂「はーい!」
憂「あっ、律さん。どうぞ上がって下さい」
律「おじゃまします!」
唯「り、りっちゃん!?どうしたの?私いま和ちゃんと勉強してるから…」
律「いいよ。私は憂ちゃんに料理習いに来たんだ///へへ///」
唯「え?料理…?そんなの…」
律「なんだよ?私のキャラじゃないって?べ、別にいいじゃん///」
憂「律さんはね、男の子にお弁当に作ってあげたいんだって!」
律「ちょ、バラさないでくれよ!///」
唯「…………ふ~ん…」
そして次の日曜日に二週続けてのデート!
律「水族館なんて小学校以来///楽しみ///」
和「…良かった。子供っぽいって思われないか、心配してたんだ」
律(今日もカッコいいな///スタジャン似合ってる///)
和「なんか律ちゃんの服、先週とはちょっとイメージ違うね」
律「変かな…?」ショボーン
和「可愛いよ。俺は好きだな」
律「///」
ジーッ
澪「私の律が、どんどん遠いところに行ってしまう…」
梓「また隠れて付いてきてしまった…」
紬「見たくないのに目が離せません…」
唯(今日も服のチョイスは当たったみたいだね)フンスッ
……
ざわざわ
和「けっこう中暗いね…混んでるし。離れないようにね」
律「こうしよーよ///」
ギュッ
和「!………うん」
ジーッ
澪「梓!離れないようにな!」ギュウウウウウウウ
梓「痛い痛い!痛いです澪先輩!やめて!」
ドガッ ゲシッ
紬(…)
スタッフ「ちょっとお嬢ちゃん!水槽にそんなことしたら危ないよ!」
唯(りっちゃん、だんだん積極的になってる?)
……
和「そろそろお昼にしようか」
律「うん///」サッ
和「…ありがとう。本当にお弁当作ってきてくれたんだね」
律「はい///」
和「…?」
律「あ~ん///」
和「あ、あーん」パク
律「…」
和「お、おいしいよ」モグモグ
律「///」
最終更新:2010年01月26日 01:40