BADENDでした、いきなりごめんね
とりあえずどこかの分岐へとばそうかと思いますけど
どこからがいい?

.>>84
律のやつ。梓のやつ。澪のやつ。

※梓




梓(私は……どうしよう?)

梓(やっぱりあんなもの使わない方がいいに決まってる。何が起きるかわかったもんじゃないし)

唯「それじゃあみんな書けたねー? いっせーので見せるよ。せー……のっ!」サッ

澪「唯が使う、ムギが使わない、律が使う、梓が使わない、私が使わない……ということで」

梓「あのギターはまた物置行きですね」

唯・律「え~……ぶー! ぶー!」

澪「恨みっこなしで文句なしって言ったやつはどこのどいつだ!」

唯「ちぇー」

紬「それじゃあ、さっそくしまってきましょうか」

律「隠れてこっそり使っちゃおうか、唯」

唯「いいねー!」

澪「おい!!」

紬「ってことで、使わない組がこれをどこかに隠してきまーす」

律「ずるいぞー!」

唯「そうだそうだー!」

澪「さっきバカなこと言ったのが悪いんだろ。反省してここで大人しく待ってなさい」

唯・律「きぃー!」

澪「お・と・な・し・く。わかりましたか?」

唯・律「……いえす」

梓「それじゃあ行きましょうか」

紬「どこがいいかしら」

澪「そうだなぁ……」

.>>89
校舎内のどこかへ隠そうよ。
いやいや、ここは校舎外のどこかへ隠すべきだ。

※校舎外



澪「てことで外まで来ちゃったけど」

梓「私的には先生(さわ子)へ預けるのがベストかと思っていたんですけど」

紬「まぁまぁ、もしものことを考えてのことよ」

紬「このへんでいいかしら」

ザック、ザック、ザック…

梓「本当に埋めちゃうんですか?」

澪「他に隠しようもないしな」

サッ、サッ…

紬「これでよしっ、と」

澪「うん、上出来。それから……」

澪「ここに埋めたってことは私たち自身も忘れなきゃな」

澪「せっかく隠したのに覚えていちゃ元もこうもない」

梓「だから預けようって……」

紬「私たち3人だけの秘密ね! こういうのってドキドキしちゃう!」

梓「む、ムギ先輩っ」

紬「大丈夫。ちゃんと忘れるから」

梓「ならいいんですけど……」

澪「とにかく、これは絶対に使わないようにしなきゃ」

澪「よし、それじゃあ部室にもどろっか」

紬・梓「うん(はい)」


律「おかえりー。どこに隠したー?」

澪「言うわけないだろっ」

紬「唯ちゃんとりっちゃんには内緒~」

唯「ムギちゃんのいじわるぅ」

紬「ごめんなさいねー」

梓「ていうかもう遅くなっちゃいましたね……外真っ暗です」

律「それじゃ、今日はもう帰ろうぜ」

澪「練習……とか言ってる場合じゃない一日だったな」

梓「あはは、本当ですよ」

タイムマシンを見つけてからひと月が経ちました。
唯ちゃんとりっちゃんはもちろん。隠した組の私たちですらアレについては忘れ始めている頃でした。
……いいえ、私は片時もアレのことを忘れることはなかった。
いつも頭の端っこにはアレのことがあり、暇さえあれば考えていたの。

紬「……」

私の好奇心は薄らぐことを知らなかった。
アレはどういった原理で動くのか。
なぜギターの形状なのか。
本当に過去へいけているのか。もしかすれば未来へもいけるんじゃないか。
そもそも……なぜ軽音部の物置に存在していたのか。

紬「よし」

走り出した好奇心は止まりませんでした。



2010年6月12日 職員室

紬「失礼します。さわ子先生はいらっしゃいますか」

さわ子「あら、琴吹さん? どうしたの、何か用?」

紬「はい」

さわ子「進路について?」

紬「ええ、まぁ。ですけど少し場所を移してお話ししたいんです」

さわ子「内緒のお話?」

紬「だめですか?」

さわ子「ううん、大丈夫。それじゃあ、行きましょうか」

紬「ありがとうございます」

さわ子「随分人気がないところまで来ちゃったけど……はっ、まさか……ムギちゃん?」

紬(こんな離れまで来る必要はなかったかな)

さわ子「だ、だめよ! 教師と生徒が……しかも同姓なのにっ」

紬「え?」

さわ子「え? あ、違うの?」

紬「えっと、なにが……」

さわ子「な、なんでもないのよっ!」

紬「はぁ……それじゃあ、お話ししますね」

私は5月7日に物置の掃除をしてアレを見つけたこと。
みんなで興味半分ふざけ半分で使ってしまったことを全て話した。
するとさわ子先生は、

さわ子「そう、そうなの……」

紬「アレは軽音部のOGの人たちの物なんですか。それとも」

さわ子「……アレは私の物よ。一応」

紬「一応?」

さわ子「貰ったのよ」

紬「誰から」

さわ子「さぁ、誰なのかしらね」

イジワルそうに私に笑って見せたさわ子先生。
そんなことお構いなしにと私は疑問次々とをぶつけていく。

紬「アレで過去にいけるということは?」

さわ子「知ってるわ。もちろん」

紬「……」

そんな物をあんなところへ放置していた。
この人は何を考えてそんな事をしたのだろう。

さわ子「さて」

紬「?」

さわ子「アレはまだ物置にしまってあるの? また使ったりした?」

紬「いいえ、適当なところに埋めて隠してきちゃいました。ごめんなさい、断りもなくそんなことして」

さわ子「……ううん、いいのよ。そう、隠しちゃったの」

さわ子「それで良かったのかもしれない。よければ埋めた場所を教えてくれない? 確認しに行きたいし」

紬「はい――」

さわ子先生へ私たちが隠した秘密の場所を伝える。
結局、アレがいったい何なのかを先生は詳しく教えてくれなかった。
私にこれ以上知ってもらいたくないのかもしれない。
ということは、私が自分でアレを調べるしか知る術はないということ。

好奇心が止まらない。


紬「たしか……」

当てずっぽうにスコップで土を掘り返す。
正確に埋めた場所を覚えていなかったからこうするしかない。

紬「あった!」

カツン、とスコップの先が当たる音。
見つけた。この箱だ。
乱暴に箱のふたを開けて中身を確認する。
アレは変わりなく、そこに入っていた。
まわりに誰もいないことを確認して持参してきたギターケースにアレを移す。
箱をもとの場所へ埋め返し、逃げるように私はこの場を後にした。

紬(みんな、ごめんね)

家に帰ると執事の斎藤がいつものように私を迎え、夕食ができていると言う。
「今日はお腹が減っていない」と食事を断り、すぐに自室へ籠った。
背負ったギターケースを机に置き、中身をもう一度確認する。

紬「よかった……」

持ってきているあいだにも、これがどこかへ消えてしまうのではないかと気が気ではなかった。
どうしてここまで私は固執してしまっているんだろう。
答えは一つ、このタイムマシンが私の好奇心をくすぐる。
これは何なのだろうという純粋な思いが私を突き動かす。

紬「よ、よぉし……」

ドアがノックされたことに気がつくことなく、私はタイムマシンを解体し始めた。

解体作業を始めてから数時間が経つ。
作業をしているあいだ、時間が淡々と過ぎていくことなんてまるで気にならなかった。

紬「……」

私はこういった物に関しては全くと言っていいほど知識がない。
タイムマシンの中身はいたって普通のギターと変わりがない……なんてことはなかった。
複雑な構造に見たこともない機械。

紬「なんだろう、これ」

ボディの内側に2020/12/4 T.K.と彫られていることに気づく。



2010年6月14日

部屋に籠り続けて2日経った。
学校には風邪を引いたと、斎藤に休みをとらせ、私はタイムマシンの構造を調べ続けた。
唯ちゃんたちが私を心配してお見舞いに来てくれても「風邪がうつってしまうから」と追い返させた。
タイムマシンを使ってないにしろ、みんなに内緒でこんなことをしているのだから会わせる顔がないのだもの。

斎藤「お嬢様。これ以上は専門家が必要では」

斎藤にはとうに私が部屋に籠って何をしているのかバレていた。
ううん、バレた。
それからはこの作業に斎藤を加え、私と二人でひたすらこれの解明を試みた。

紬「……そう思う?」

斎藤「はい」

紬「なら斎藤。頼めるかしら」

斎藤「はい」

紬「ごめんなさい、斎藤。妙な事に付き合わせてしまって」

斎藤「今さら何をおっしゃいますか。この斎藤、お嬢様が望むのなら……」

紬「優しいのね」

斎藤「むしろ、甘いのかもしれません」

紬「そうね……ありがとう、斎藤」

次の日、斎藤が数人の研究者(学者)たちを連れてきた。
研究者たちにアレを見せると興味深そうに中身を見て、話合っている。
「場所を変えた方がいい」一人が私に向かってそう提案する。
たしかに。この部屋でできることは既にないに等しい。
私たちはとある大学の研究室を借り、そこで解析を進めることにした。



2010年7月1日

斎藤「紬お嬢様。もう7月になります。そろそろ学校の方へ行かれては」

紬「……せっかく面白くなってきたところなのよ。そんなところへ行っている場合じゃない」

あれから彼らの協力もあって随分と解析が進んだ。
私もタイムマシンの正体に近づくにつれ、以前より熱中して研究に取り組むようになった。
当然のごとく、学校には顔を出さずに。

斎藤「ですが、ご友人も心配していられますよ」

紬「……」

唯ちゃんたちは毎日のように私の家に訪れてきてくれているらしい。
友達そっちのけで研究ばかりの私を心配してくれている……。
なんていい友人たちを持ったのかしら、私は。
みんな、何してるのかな。

斎藤「それに学業も大切です。将来のことを考えたとしても」

紬「……そうね。わかった」

久しぶりにみんなの顔が見たい。
部室でティータイムを楽しみたい。



2010年7月2日 軽音部室

唯「でもよかったよぉ、久しぶりにムギちゃんの顔が見られて」

澪「ほんと。病気はもう大丈夫か?」

紬「ええ。おかげさまで」

律「ムギがいないからティータイムもずぅっとお預け状態だったんだぜー」

梓「律先輩、けっこう楽しみにしてましたもんね」

唯「私もだよ!」

梓「そうですね」

みんな何も聞かずにこんな私を明るく迎えてくれた。
変わらない。とってもいい子たち。
私は人数分のカップにお茶を淹れ、お菓子を運ぶ。
1ヶ月ぶりとはいえ、随分長いことこんなことをしてなかったんだなとあらためて感じた。
席に着くと、みんなは私がいない間に起きた出来事を楽しげに話してくれた。

紬「あらあら、うふふ」

ふいに唯ちゃんが立ちあがり、私に抱きつく。
とても柔らかくて、暖かくて、優しくて……黙ってじっと唯ちゃんを感じた。

唯「ムギちゃん、痩せたね……」

紬「そう?」

律「病気だったんだもんな。大丈夫か?」

澪「私のお菓子、あげるよ」

梓「私も」

紬「え」

律「じゃあ私もだ」

唯「私の分もどうぞ! はい!」

私の目の前におかれるチョコレート味のパウンドケーキ。

紬「みんな……」

紬「こんなに食べたら、太っちゃう。ふふっ」

律「澪ぐらい肉つけなきゃ!」

澪「おい!?」

澪「……ぷっ」

唯「えへへっ」

梓「くすっ」

室内に明るい笑い声が響きわたる。
ああ、こんなにもここは暖かったんだ。居心地が良かったんだ。
ごめんなさいみんな。私にはあんな物よりも優先することがあったのね。

紬「大好き……みんな大好き」

唯「私もだよ! ううん、私たちもだよ。ムギちゃん!」



2010年9月6日

あれからまた学校に今までどおり通いつめていた。
研究には以前よりは熱を注ぐことはなくても毎回立ちあってはいたし、解明しようと頑張った。
でもそんな時にある事件が起きてしまった。
タイムマシンが研究者たちもろとも消えてしまった。
ううん、盗まれた。持ち逃げされてしまった。

斎藤「申し訳ございません。こんな事態に陥ってしまうとは……この斎藤、一生の不覚です……っ」

紬「……」

許す、と言うことができなかった。
別に斎藤が悪いわけじゃない。
ショックだったの。これでも彼らを信頼していたから。

紬「今までのデータも……持っていかれちゃったのね」

斎藤「……申し訳ございません」

紬「あと少しだったのにね……残念よ……」

斎藤「……もうしわけ――」

紬「もういいっ!!」

紬「もういい! 謝らなくていい!」

斎藤「お嬢様……」

紬「斎藤、二度と私の前に現れないで! 出ていって! ここから!」

斎藤「……」

斎藤「かしこまりました」

次の日、斎藤は執事をやめてウチを出ていった。
お父様からは何度も引きとめられていたけど、決心は変わらないと。
本当のことを言えば斎藤にはここを出ていってほしくなかった。
傍にいて欲しかった。
じゃあなんであんなバカなことを言ってしまったのかしら。

斎藤は私のことがなんでもわかってる。
幼少のころからずっと私の傍にいてくれた。
良き理解者でもあって、いつも家にいない父の代わりでもあった。

私にとって斎藤はお父さん。

だから、出ていってって言ったことが本心じゃないと見抜いてくれて、嫌だと言ってくれると思っていた。
無茶よね……そんなの。
斎藤を探して謝ろう。
そして戻って来てもらおう。

紬「お父様、お願いがあるの……――」

お父様に斎藤の捜索を頼んだ。
嫌な顔することなく、私の頼みを引きうけてくれた。
すぐにも斎藤の捜索が始まった。
数日経って、お父様が私の部屋へ訪れ、斎藤が見つかったと報告してくてた。
斎藤はアパートの一室を借り、一人で住んでいたみたい。
お父様からそう教えられ、すぐにもアパートへ行こうとするが止められた。
そして悲しげな顔で私にこう告げた。

「斎藤は自殺していた」

紬「え」

紬「なんて……?」

「……死んでいたんだよ、紬。本当に……残念だっ」

紬「あああ……あああ……あああああ―――――」


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