おんせん!

唯「あずにゃ~ん。ポーズ決めて、ポーズ! ちょおいやらしいやつ!」

梓「嫌ですよ……は、はい。こんな感じでどうです?」

 ぱしゃ、と間髪入れずにフラッシュの光。

唯「いいねいいね~。その調子でタオル取ってみよっか!?」

梓「駄目ですっ。他に誰もいないからって、そこまで恥を捨てきれませんのでっ」

唯「ううぅん、あずにゃんのいけずぅ~♪」

 温泉に浸かるというよりは、代わりばんこに撮影会をしてる感じ。
 唯先輩は、かなーりご機嫌な様子。

唯「あのねあのね、あずにゃん。さっき、ムギちゃんからもらった割引チケットを確認したんだけどね」

梓「はい?」

唯「ひとりよんせんえんでいいみたいだよ! こんなに素敵な旅館だけあって、素敵な割引率だよね!」

梓「……はい? 旅行費用は、一緒に計算して確認しましたよね」

唯「うん。あ、でもね、ムギちゃんが『間違えて期限切れのチケット渡しちゃったの~』って、交換してくれたんだけど」

 えっと、確か私が受け取った時は八千円になる計算で、結構痛い額だけど唯先輩との思い出作りだし、とか思ってた覚えがあるんですが。
 それでもいざ泊まってみたら、八千円で済ませるのが申し訳ないくらいの豪華な旅館で。

唯「ちゃんと携帯の電卓で計算したよ? 私も、いくら何でも安すぎじゃないかなー、どこ間違ったかなーって思ったんだけど……」

梓「はあ……ムギ先輩に、後でしっかりお礼を言わないといけませんね。割引チケット、超特別優待チケットにしてくれたみたいですから」

唯「……うん、そうだね。ふけーきとかオフシーズンとか言っても、こんな素敵な旅館が貸し切りだなんて、やっぱりおかしいもんね」

 んう……これじゃあ女狐だとか、心の中でだって失礼なこと言えないじゃないですか。
 あの人は気にしないんだろうけど、おっきな借りが出来ちゃった気分ですよ。

梓「あの、唯先輩。ムギ先輩へのお土産、ってわけじゃありませんけど……欲しがってた写真、一枚だけならあげてもいいかなと」

唯「え? あずにゃん、嫌だったんじゃないの?」

梓「いえ、嫌なのは嫌なんですけど、それは唯先輩との本気でラヴい写真を他の人に見せるのが嫌なわけで……明日、旅館の前で抱っこしてもらって、ってくらいなら構いませんよ」

唯「そっかぁ。じゃ、女将さんにお願いしないとね」

梓「はい」

 ムギ先輩のご期待には添えそうにありませんが、お陰様で唯先輩と楽しい旅行が出来ましたよー、っていう気持ちということで。

唯「んじゃー、それはそれとして! あずにゃん、はいえろポーズ!」

梓「ふぇっ!? え、えっ、わあ!?」

 ぱしゃり。

唯「う、うわあ……今、すっごいの撮れちゃった……」

梓「なっ、何ですか!? どんなの写しちゃったんですかぁ!?」

唯「んへへへへ。おぜうさん、この恥ずかしい写真をばら撒かれたくなかったら、もっと大胆な写真を撮らせてーん♪」

梓「どーいう理屈ですか、それっ! やだもう、今度は私が唯先輩を撮る番ですよ!」

 わいわい、きゃいきゃい、ざぶーん。
 温泉って本来、もっとしっとり楽しむものなんだろうけど。
 唯先輩にかかれば、どうしてもこうなっちゃうのは仕方ないかなあ。



おねむ!

唯「ふあゎ……んにゅうー」

梓「は、はしゃぎすぎましたね、さすがに……温泉に入って逆に疲れるとか、有り得ません……」

 ふたりしてへとへとになりつつ、部屋に戻る。
 まぁ、お昼の観光の疲れがどっと出たのかもしれないけど。

唯「……ふぉぉぉ!?」

梓「どうしたんですか、唯先輩?」

 先に部屋に入った唯先輩の背中にぶつかりそうになって、慌てて足を止める。

唯「や、や、や……やったー! これだよこれ! 温泉旅館っていったらこれがないとね!」

 ……って。

梓「唯先輩が変なこと言うから、本当にお布団ひとつだけしか敷いてくれてないじゃないですかぁ!」

唯「んふー……枕、ふたつ並べてあるよ? ちゃあんと、枕元にティッシュも置いてくれてるしぃ」

梓「雰囲気出そうとして声色変えても駄目ですっ。そ、そりゃあ、一緒に寝るつもりでしたけど……その、えっちぃことする体力、残ってないってゆうか……」

唯「あずにゃん。エッチはいつでもどこでも出来るけど、温泉旅館でひとつの布団で寝るっていうのは、なかなか経験出来ることじゃないよ?」

 そんな真面目な顔で力説されても困るんですが。
 ああもう、早速記念写真撮ろうとしてるし。

唯「あずにゃんあずにゃん、ほらほら。横になって一緒に記念撮影しよ! 早くっ」

梓「はあ……んもう、唯先輩ってば、本当に仕方ないですねえ……」

唯「ん……あずにゃん、も少し寄って、ほっぺぴたーってなるまで。うん、後ろのティッシュも入れて……はい、撮るよー」

梓「も、もうっ……こんな恥ずかしい写真、撮るなんて……」

 ぱしゃ。

唯「はー、満足満足。それじゃあ……お風呂にする? エッチする? もう寝ちゃう?」

梓「さっき、私もう体力残ってないって言いましたよね?」

唯「にゅー。あずにゃん、寝るのはいつでもどこでも出来るけど、温泉旅館でひとつの布団でえちーことするっていうのは……」

梓「写真撮る前と言ってること微妙に変わってますよね」

唯「……わかったよ。今夜は大人しく寝るよ……」

梓「はい。そんでは、私はお先に……ふわゎゎゎ……んにゅぅ……」

 汗も引いたし、髪もほぼ乾いてるし、歯磨きも済ませてあるし。
 さ、明日は朝ご飯をいただいたら、すぐに出発しないと。

唯「電気消すよー」

梓「ふぁい……おやしゅみなしゃい、唯しぇんぱぁい……」

 布団に潜り込むなり、強烈な睡魔に襲われる。
 でも、もうちょっとだけ、起きてないと。

唯「んしょ、んしょ……えへー。あずにゃん、おやすみぃ」

梓「んにぅ」

 唯先輩も同じ布団に入ってきて、当然のように私を胸の内に抱き締めてくれた。
 ちょっとだけ頭を動かして、谷間のところに鼻先を埋めて、収まりをよくする。
 ……うん。これで快眠は約束されたも同然です。

唯「えへへへへ。おっぱい好きなあずにゃん、大好きだよ」

 何とでも言ってください。
 こんなにあったかくて柔らかくて、気持ちいいモノをお持ちな唯先輩のせいなんですからね。

梓「……ゆぃしぇんぱ……だぃ、しゅき……れふ……すぴゅー……」



まよなか!

梓「むにゅ……」

 ふと、目が覚めた。
 別におトイレに行きたくなったわけでも、寝苦しくなったわけでもない。
 ただ……何だか、むずむずする。

唯「……すぴょぴょ……んぅ~……にゃふ~……」

 どう、しよう、かな。
 すやすや眠ってる唯先輩を起こせないし、寝る前にあんなこと言った手前、お願いするわけにもいかない。
 しょうがない、自分でするしかない……かな。

梓「んっ……んん、ふ、ふぅ……」

 浴衣の裾に手を入れて、自分を慰める。
 ちょっとくらい無理をしてでも、えっちぃことしてもらえばよかった、かな。

梓「んぁっ、あっ、あふぅ……っく、ん、んきゅ……きゅぅんっ……」

 唯先輩、きっと私をへろへろにして、恥ずかしい写真を撮るつもりだったんだろうな。
 気持ちよくなっちゃって、もう正体も怪しくなった辺りで、えろいやらしーポーズなんか取らせるんだ、絶対に。

梓「んぅ……ゆ、唯先輩っ……はぁ、はぁぅ……んくっ……」

 こんなに密着して添い寝してるのに、何してるんだろ、私。
 でも、起こすの可哀想だし……あ、そうだ、ちょっとだけなら。

梓「唯、せんぱぁい……指先だけ、ちょっぴり、貸してください……ん、しょ……んくぅ」

 唯先輩の腕を動かして、指先が私の股間に触れる位置へ。
 そして、私の指を添えて、また淫らな行為に耽る。

梓「はあっ、は、ああ、唯先輩っ……んく、ぁう、き、気持ちーです、唯せんぱぁいっ……ああ、あふっ」

唯「すぴゅぴゅ……すぅ……くふぅ~……」

梓「あ、う、そこっ……唯先輩、そこ、とっても感じちゃうですよぉ……っはう、はぅんっ……あっ、あああっ」

 気持ちよくって、時々、身体が跳ねる。
 密着した唯先輩も一緒に揺れるけど、眠りが深くて全然気付いてないみたい。
 ……もう少しだけ、もう少しで済みますから、眠ったままでいてくださいね?

梓「んっ、ん、んんぅ、ふぁ……あは、い、いいですぅ、唯先輩、気持ちいいですぅっ……んっ、くぅっ、んんん!」

 もう、少し……もう、済みます、から。

梓「ふああ、あっ、駄目だめ、イくっ、あっ、イきます、唯先輩っ……私、イっちゃいますっ、ああ、ふにゃあああっ!」

 全身に走る快感を、ぎゅううっ、と唯先輩の腕にしがみついて堪える。
 声も、出来るだけ我慢したつもりだったけど、唯先輩の指先が、酷く敏感になっている私のあそこを優しくさすってくれるから、まだ快感が止まない。
 ……え?

梓「んぅ、あ、にゃうっ……も、もしかして……唯先輩、起きちゃってます……? い、いつから、ですか?」

唯「んう……あずにゃんが、イっちゃう直前かな? んもー、起こしてくれればよかったのにぃ」

梓「はうっ、んんんっ……んにゃ、は、はう、すみませんでした、からっ、もお、指っ……んく……ふにゃあ」

唯「あずにゃんのえっち。私の指、勝手に使うなんて……どうしてくれるのかなあ?」

 あ……何か、唯先輩の目が意地悪モードになってる気がする。

梓「こ……こお、します……んっ、あむ、ちゅるる……ぴちゅ、んく、ちゅぴる」

唯「わぁ、お口で綺麗にしてくれるんだ……ちょっと予想外だったよ」

 ぱしゃ。

梓「ひんっ!? んふ、ぷぁ……しゃ、写真は、駄目ですよぅ」

 勝手に手指を使っちゃったのは謝ります。
 けど、私の愛液にまみれた指を私自身が舐めてお掃除してるところなんて、写さないでください。

唯「指、早く綺麗にしてくれないと……お布団めくって、きっと大変なことになってるあずにゃんの格好を写しちゃうよ?」

梓「ふぁ、ふぁい……っんむ、くむっ、ちゅるる、れるぷ、はむ……ん、んあ……」

 そんな写真を撮られたら、私、恥ずかしすぎて死んじゃうかもしれないです。
 唯先輩の指、一生懸命に綺麗にしますから、どづか許してくださいよぅ。

梓「んむっ、ふう、くぷぷ、ちゅっ、れる、れろっ……んふ、ちゅううっ、ちゅ、ふあ……はあ、はぅ……唯先輩、これで、どおでしょう?」

唯「ん……うん、結構気持ちよかったし、綺麗になったね……けど、駄目。私が隣にいたのに、ひとりでえっちぃことしたのは許せないよ」

 ばさっとお布団が剥ぎ取られる。
 浴衣は勝手にまくれてて、私と唯先輩の素足が絡み合ってるいやらしい光景。
 そして……太ももの途中まで脱ぎかけの、私の縞々ぱんつ。

梓「や……や、です……唯せんぱぁい……」

唯「駄ぁ目。撮っちゃうからね……はい、チーズ」

 ぱしゃ。
 ぱしゃぱしゃ。

梓「やああっ! お願いです、許してくださいっ! も、もうこんなことしないから、だからっ」

唯「……本当に? 約束?」

梓「約束します……んく、ぐす……本当に、唯先輩と一緒の時は、無理に起こしてでもえっちぃことしてもらいますから……」

唯「そっか、うんうん。それならいーんだよ。もう今夜は写真は撮らないであげるね」

 うう、消してくれるわけじゃないんですか。

唯「んじゃ、少しだけ一緒にお風呂に入ろっか。拭くだけより、洗った方がすっきりするでしょ、お股」

梓「うく……は、はい……」

 私、唯先輩を起こす気は全然なかったのに……こんな目に遭わされるくらいなら、最初からお願いしてた方がよかったかも。


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