梓「んにゃあああああ! あっ、あああ! ゆ、唯先輩っ! あっ、ふにゃああんっ!?」

 ざぶん、とジャグジーの中に落とされて。
 溺れはしないけど、むしろそっちの方がマシだったかもしれない。

唯「うわぁ……本当だ。あずにゃん、すっごくえろっちぃ顔してるよ……♪」

梓「ひああああんっ! ちょ、あぅ、さ、さっきは、もぉちょっと、ゆーよがっ……あ、あああああ、にゃ、んにゃっ……にゃああああああぁんっ!」

梓「うふふ……ぷくぷくぷく……♪」

 鼻先まで水面に沈めて、唯先輩はじーっと私が身悶える様子を観察してる。
 あっちやこっち、そっちから、もう予想もしてない方向から泡がぶつかってきて、おかしくなりそう。
 ついさっき、唯先輩も、この感覚を嫌っていう程に味わったわけですね。
 この、地獄のような快楽天国を。

梓「んひいいいんっ! ひゃあぅ、あっ、あぅぅっ、あ、助けっ、ああああああ、唯せんぱっ、すみませんでしたっ、ああああ、もおしません、から、助けっ……にゃああああああ!」

唯「いやあ。好きな人のえろいやらしい顔を見るのって、どっきどきだねえ?」

梓「あうっ、あ、イくっ、イっちゃいますっ、にゃああああん! やああっ、許しっ……にゃ、ふにゃああああああっ!」

唯「……ぶくぶくぶく」

 こんなに気持ちいいなんて……先に教えてくれたら、我慢出来なくても覚悟は出来たのに。
 唯先輩ってば、ほんとに、酷いですよぉ……。


べっどるーむ!

梓「ふにゃあ……♪」

唯「気持ちいかったね、あずにゃん」

梓「……はい、です……」

 身体も髪も唯先輩が拭いてくれたけど、まだ天井がぐるぐる回ってる。
 ベッドがよく弾むせいか、感覚が変になってるせいか、ぽわんぽわん弾んでるみたい。

唯「ええと……冷蔵庫の中、飲んでいいのかな?」

梓「は、はい……親からカード借りてますし、何なら、ルームサービス頼んでも平気ですけど……」

 もう少し後にしてもらわないと、こんなイきまくって、ぜいぜい息してる姿なんて、ホテルの人に見られたくないですが。

唯「ミネラルウォーターでなくっても、私は水道のお水でいいんだけどなあ……」

梓「あ……私のバッグに、飲み物入ってます。カルピスですけど」

唯「初恋の味だね! いただきます!」

 元気ですね、唯先輩は。
 私なんて、もう数えきれないくらい気持ちよくなっちゃって、何ていうか……お腹一杯ですよ。

唯「んぐ、んく……ぷはー。はい、あずにゃん! 間接キス!」

梓「あっ……ど、どもです。ん……はむ。んっ、んぅっ、んくっ……はあ……♪」

 普段そういうこと全然気にしないくせに、どうしていきなり間接キスとか言うんですかね。
 お陰で、自分のペットボトルなのに無駄にどきどきして……妙に美味しく感じちゃったじゃないですか。

唯「あずにゃん、あずにゃん! 私、他の部屋のベッドでもぼーんって跳ねてくるね!」

梓「あ、あっ……」

 まあ、その、どうせ使っても使わなくてもベッドメイクはするんだろうから……少しくらい遊んでも、別にいいと思いますけど?
 そんなにはしゃいじゃって、子供みたいじゃないです?
 そりゃあ、こんなスプリングの効いたベッドで遊ぶ機会なんて滅多にないでしょうけど?
 ……こういう遊びでうずうずしちゃうのって、やっぱり私がまだ子供ってことなのかなあ?

梓「わ、私も行きます、唯せんぱーい!」

 やだ、まだ膝ががくがくしてて、普通に立てない……。
 でも、唯先輩と一緒に遊びたいから、頑張る。

梓「ゆ、唯先輩っ! ひとりだけで遊ぶなんてズルいですよーぉ!」

 ばゆんばゆんって、私も跳ねて遊びたいですよ。
 ただでさえ面白そうなのに、唯先輩が一緒なら、それはもう楽しいに決まってます。

唯「え~? ベッドで跳ねて遊びたいだなんて、あずにゃんはまだまだお子ちゃまだねぇ~」

 ……よりによって、貴女がそれを言いますか。



いんざべっど!

唯「楽しかったね、あずにゃん」

梓「はいです」

唯「……お風呂、とっても気持ちよかったね」

梓「……はい、です」

唯「一泊二日……なんだよね」

梓「はい。屋内プールで遊ぶなら、夜更かししないで早寝するのがベストですよ?」

唯「んう~……」

 何かされそうだけど、私はもぞもぞと唯先輩に向かって這いずってく。
 ふたりで寝てもとっても広いベッドだけど、やっぱ、相手がいてこそだよね。

梓「んにゅ~……唯せんぱぁい」

唯「んん……あーずにゃん♪」

 ぎゅうっ、って。
 ぴっとりくっつくと、期待通りに唯先輩が抱き締めてくれる。
 いつもとは違う匂いと、慣れないバスローブの感触。
 でも、唯先輩のあったかさは同じ。

唯「……あずにゃん、どおする?」

梓「プールで遊ぶんなら、このまま寝ちゃいましょう」

唯「折角のホテルなんだし、こう、えっちぃことしてあずにゃんと非日常な夜を過ごすのもいいかなと」

梓「そ……れは、私もいいかなと思いますが、時季外れのプールも捨てがたいな、と」

唯「……私、水着新しいのじゃないよ?」

梓「私は新しいの用意しました」

唯「じゃあ寝る! 今すぐ寝るよ!」

梓「……どういう基準なんですか」

唯「えへへ。ちゃんとわきまえるから、抱き着いたり抱っこしたりさせてね?」

梓「えっちくなければ、別にいいですけど」

唯「んじゃあ、そうゆうことで……おやすみ、あずにゃん。好きだよ」

 ……はい。
 言わなくても、いえ、言ってくれると嬉しいですけど、私も大好きですよ。

梓「はい。おやすみなさいです」

 バスローブ越しでもふよふよの胸に、顔を埋める。
 唯先輩は、半分寝ぼけながらも、しっかり私を抱き締めてくれた。
 嬉しい。
 気持ちいい。
 あったかい。
 ……幸せ。

梓「……大好きです、唯先輩」

唯「んう……」

 まだ起きてるのか、もう寝ちゃったのか、わかんないけど。
 きゅ、って少しだけ、私を抱く腕の力が強くなった気がした。




めざめのあさ!

 何かむにっとしてあったかい。
 気持ちいいからすりすりしちゃえ。えいっ。

梓「にゅむにゅぅ~……」

唯「んんぅ……♪ もお、あずにゃんってば寝ぼけちゃって……」

 ……ああ、そっか。
 この柔らかいのは、唯先輩のおっぱいなんだ。

梓「ふにゅ~」

 すべすべしてて、こうしているだけでとっても幸せな気分です。
 こう、指を動かすと素肌の程よい弾力も楽しめ、て……?
 ……素肌?

梓「ふえっ!?」

唯「あ。おはよー、あずにゃん。よく眠れた……みたい、だね」

梓「はわわっ!? あの、私、ええっ!? どおして、こんなことに……」

 ちょっぴり顔を赤くした唯先輩が、目覚めの私に微笑みかけてくれている。
 けど、寝る前は確かに合わせてあったバスローブが、今ははだけて胸元全てがあらわになってしまっていた。
 勿論、それだけじゃなく。
 跳ね起きる前は、私は唯先輩の生乳に頬をすり寄せていた気がするし、何より、まだ両手が唯先輩のおっぱいを掴んでいた。

唯「んー、何かね、あずにゃんが寝ぼけたまんま私のおっぱいを触ろうとしてね」

梓「は、はい……」

唯「バスローブが邪魔だったみたいで、眠ってるとは思えない鮮やかな手付きで脱がされちゃって、びっくりしてたらお顔でもすりすりしてきて」

梓「……す、すみませんでした……はぅぅ」

 私ってば、何ていう真似をしちゃったんだろう。
 寝ぼけてた、なんて言い訳にならない。
 少なくとも唯先輩の睡眠を妨げたことには違いないし、了解も得ず勝手に胸を触って……しかもその行為をほとんど覚えてないなんて悔しすぎる。

唯「えへへ……謝らなくてもいいよ? 私も、あずにゃんの可愛い寝顔を眺めて楽しませてもらったもん」

梓「ん、んく……ど、どうもです……素敵な胸枕、ご馳走様でした」

唯「うふふ、変なお礼。こんな胸でよければ、いつでも貸してあげるのに」

梓「は、はぁ……そ、それじゃ、またいずれ、一緒に寝る時にでもお願い出来れば……」

唯「うんっ。今度からは、脱がされやすそうなパジャマを用意しとくね!」

 寝ている間にこんな真似しちゃうなんて、もしかしてものすごく欲求不満だったりするのかな、私。
 ううん、昨夜は唯先輩の気が済むまで悶えさせられたし、私だって、他人には絶対に見せないような唯先輩のやらしー表情を堪能させてもらったし。
 だから、欲求不満ってことだけはないとおもうんだけど……ううっ、唯先輩の顔、まともに見られないよぉ。

梓「…………」

 ちらっと視線を上げて、顔色を窺ってみる。
 何か、ちょっと困ったような表情を浮かべてる。

唯「ねえ、あずにゃん」

梓「はいっ、何でしょうかっ」

唯「……おっぱい、もういいかな? お腹減ってきたし、朝ご飯食べたいんだけど」

梓「…………」

 むにゅむにゅむにー。

梓「んひゃあ!? すすすっ、すみませんすみません!」

 唯先輩の胸元から慌てて手を放して、バスローブの前を合わせて膨らみを隠した。
 本当、何やってるんだろ、私ってば。

梓「はうー……」

 頬が熱い。
 恥ずかしいし、唯先輩に変な子だって思われちゃったかもしれないし。
 両手で顔を覆うように隠して、強烈な恥ずかしさが落ち着くまで、少しだけじっとしていようと思ったんだけど。

唯「うわあ、あずにゃんってばえっちぃなぁ。私のおっぱい触ってた手、そのまま顔に当てて感触に浸るなんて」

梓「んにゃっ……!?」

 確かに、状況だけ見ればおっしゃる通りなんですが、何でもそういう方面に結びつけるのはよくないと思います。

梓「浸ってませーんっ!」

唯「えへへ、そっか」

 駄目だめ、こんな間近にいたら、またおかしな気分になっちゃう。
 早く着替えて朝食を済ませて、そんでもって、お楽しみのプールに行かないと!



ぷうる!

唯「朝ご飯もすっごく美味しかったねー、あずにゃん♪」

梓「はいです。さ、しっかり食べたことですし、プールで遊び倒しましょう!」

唯「うん! 季節外れのプールって変な感じだけど、たっくさん遊ぼーね!」

 水着を持って、更衣室に向かって。
 唯先輩には先に着替えてもらって、その後で、私は新しく買った水着を装着する。

梓「……うん、大丈夫だよね……よしっ」

 鏡でチェックも済ませて、いざ唯先輩の下へ!

唯「ふおおおおおおう!?」

 顔を合わせるなり、唯先輩がへんてこな叫び声を上げた。
 ざっと見回した限りでは、他のお客さんはいないみたいで、よかった。

唯「天使……!」

梓「……はい?」

唯「おおう、感謝します神様! 今ここに、あずにゃんという名の天使がご降臨あそばされました……!」

 いえ、そんなの大袈裟ですってば、唯先輩。
 膝がくがく震わせながら拝まないでくださいよ。

梓「その……言いすぎだと思いますけど、嬉しい、です」

唯「言いすぎなんかじゃないよ! とぉっても可愛いよ、あずにゃん! また惚れ直したよ!」

 あう、そんな、惚れ直しただなんてぇ……もー、照れちゃうじゃないですか。

唯「これで羽根と輪っかがあったら、もう完璧に天使だよ! 持ち前の可愛らしさが有頂天だよ!?」

 天使とまで言ってもらったのに、私は月並みな誉め言葉しか言えませんけど、本心ですからね。
 ううっ、面と向かってこういうこと言うのはとっても恥ずかしいですね、唯先輩!

梓「う、うく……唯先輩も、水着姿、とっても素敵ですよ……?」


 ざっぱーん!

唯「あっずにゃーん! 気持ちいいよ、生あったかいけど寒くなくて、ぬるい温泉みたいだよ!」

梓「…………」

 あれ? 何で速攻でプールに突入しちゃってるんですか?
 もしかして私をからかって遊んでましたか?
 もう少しもじもじする私の反応を楽しんだり、一緒に準備運動して密着、どきどきしますねどうしましょう的なことを考えたりはしないんですか。
 ……はあ。
 仕方ないか、プールが目の前にあるんだし……私も楽しむことにしようっと。

梓「あ。ぬるめでもプールだから塩素がたっぷり入ってるハズですよ。他にお客さんいないからって、変なことしないでくださいね?」

唯「えー」

梓「……注意しなかったら、するつもりだったんですか。変なこと」

唯「ううん、決してそんなことはないよ。うん」

 まあいいですけど。
 私も軽く準備運動して……っと。

梓「えいっ」

 ざぷーん。

 あー、気持ちいい。
 お湯でも水でもない中途半端な温度だけど、唯先輩が言った通り、季節外れのプールなんてとっても贅沢な気分。
 しかも、時間帯のせいかもしんないけど、私達ふたりの貸し切り状態だし。

唯「あずにゃん、あずにゃん。こっちにおいで」

梓「はい?」

 ばしゃばしゃ。

唯「……水の中なら!」

梓「にゃあ!?」

 いきなり、抱き上げられた。
 私の背中と脚の裏に腕を回して、私自身も驚くくらいに、ひょいって。

唯「ほら! お姫様抱っこだよ!」

梓「ふあ……!」

唯「えへへ。あずにゃんが重いわけじゃないんだけど、私、あんまり力ないから」

唯「でも、水の中ならこのとーり! お姫様抱っこも軽々だよ!」

梓「…………」

唯「……あり? あずにゃん?」

 こんな不意打ち……ズルいですよ。


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