唯「ごっ、ごべ……ハナチ、ほんとに、出ちゃった」
梓「……構いませんよ。どうせお風呂場だし、流せばいいだけですから」
唯「れも、あうにゃんの綺麗なお肌が……ハナチなんかれ、汚れちゃった……」
梓「だから、すぐに流せますって。むしろ、ハナチ出すくらい私で興奮してくれたことの方が嬉しいです」

 唯先輩の手を握って、まだ洗ってもらっていない場所をなでてもらう。
 脇の下、腕、首筋……脚も。

唯「あぅ……あ、あずにゃん?」
梓「ん……ふ……ゆっ、唯、お姉様? ほら、ちゃあんと洗ってくれないと、いつまでも湯船に浸かれないですし」
唯「うっ、うん、わかってる……けど……」
梓「こ、ココは、石鹸が入ると大変ですから……知ってるとは思いますけど……優しく洗ってくださいね」
唯「わ、わかってるよ……すっごく大変だったもん……」
梓「やっぱりしたことあるんですね」

 最後に、股間へ唯先輩の手を運ぶ。
 緊張で硬直したかのように、唯先輩は私の耳元ではぁはぁと荒い呼吸を繰り返すばかり。

唯「う、うん、優しく、優しぃく……ん、ふぅ……はう、あぁ、あふ……」
梓「んっ……ちょ、ちょっとだけですよ、ちょっとだけ……はい、もういいです」
唯「やん、もう少し触ってたい」
梓「ボディソープを流してからなら……じゃなくて、次は私が唯、お、お姉様の身体を洗ってあげる番です」

 ハナチで息が苦しいせいか、唯先輩の全身がくてっと弛緩してる。
 大丈夫かな、のぼせたのかな、なんて思いつつ、後ろを向いて唯先輩を抱き締めた。
 あったかい、っていうより……熱い。
 それに背中で感じるより、まぁ、私は悲しいくらいまな板だけど、胸に唯先輩のおっぱいが当たって……ふよふよのぬるぬるで、とっても気持ちいい。

唯「んっ……あ、あずにゃん……」
梓「はい、座ってください。私はエッチぃ真似しませんから、期待しないで、洗ってる間にハナチを止めちゃってくださいね」
唯「うん……ごべんね」

 謝らなくていいです。
 唯お姉様、なんて勢いで私が言ったせいで、唯先輩がハナチを出してしまうなんて思ってもみなかったから。

梓「とりあえずスポンジでいいですよね、そうします。私の洗濯板で唯……お姉様と同じことしたって、気持ちよくなさそうですし」
唯「ふわ……あずにゃんが、私のこと……唯お姉様、唯お姉様って……夢……そう、これは夢……」

 お風呂場でエッチに雪崩れ込んじゃうのは、色々と危ない。
 滑って転んだり、のぼせたり、風邪を引いたり。
 だから私は、愛用のスポンジにボディソープを染み込ませて、念入りに泡立てる。

梓「ゆ、唯お姉様……えと、ハナチを止めるには鼻の下を指で押さえるといい、ってテレビでエゲレスのサバイバルマスターが言ってましたよ」
唯「うん……鼻の下……伸びまくってるけど、どの辺を押さえたらいいのかなぁ……?」

 ぼんやりとしつつも、唯先輩は私が言った通り、鼻の下に指を当てる。
 よし、今のうちに……。

梓「んしょ、んしょ……」

 軽く、優しく、手早く。
 唯先輩が痛がっていないか確かめつつ、綺麗な肌を傷付けないよう丁寧に、のぼせて余計にハナチが出ないように急いで。

唯「はふぅ……こりはこりで、人様の前で言えるような気持ちよさだね、あずにゃん」
梓「そうですか。ん、しょ、んしょ……唯せ……唯お姉様、こっちの脚で最後です。少し上げてください」
唯「ちょっとだけよー」

 ふざける余裕があるなら大丈夫、か。
 足の先から膝の裏も丁寧にスポンジでこすって、とりあえず完了……かな。

梓「シャワー出しますよ」
唯「あん、あずにゃん。一番大事なところがまだだよ」
梓「…………」

 いえ、わかってますけど。
 意識的に避けていたんですけど。
 やっぱり洗わなきゃいけませんよね、そうですよね。

唯「スポンジもいいけど、あずにゃんの指で、ちょこっとだけエッチくお股こすこすして欲しいなあ~?」
梓「……えいっ」
唯「んぁんっ!?」

 スポンジ一閃、腰を浮かせて淫らに微笑む唯先輩の股間を洗って、今度こそ完了。

唯「ううっ、あずにゃんってば、しどい……私はあんなに可愛がってあげたのに……」
梓「ハナチは止まったみたいですね、よかったです」
唯「あ、本当だ……すごいね、あずにゃん!」

 シャワーの温度を確かめた後、自分と唯先輩、交互に泡を流す。
 湯船に浸かったわけでもないのに、お互いに、見てわかるくらい赤く肌を火照らせてる。

梓「……ま、また、明日……明日は、私が先に、ゆっ、唯お姉様、の身体を……洗いますね」
唯「ぷふっ!?」
梓「……鼻の下を押さえてください」
唯「あい……」

 両手で口と鼻を覆うように、背中を丸める唯先輩。
 またハナチを出してしまったんだろう。
 それにしても……『唯お姉様』って呼ばれると、そんなに興奮して、嬉しいものなのかなあ?
 ベッドの上では、呼ばない方がいいかもしれない。まぁ、その……昂ぶった状態なら、呼んじゃうかもわからいけど。

唯「ふーっ、ふー……ふう……ふはー」
梓「ふーんふん、ふふーん♪」

 汗でぺとぺとしながら抱き合っても気持ちいいし、あわあわで抱き締められても気持ちいいし、お湯で流した卵肌の手触りもいいなんて、唯先輩ってば性能よすぎ。
 それに比べて、私なんて……ぺったんこだし、あわあわだったら少しは誤魔化せるだろうけど、こんなにちゅるんとしてないし。

唯「ふあー、さっぱりさっぱり♪ ありがとー、あずにゃん♪」
梓「い、いえ……お粗末様でした」
唯「シャワー貸して、あずにゃん。背中は私が流してあげるよ」

 渡すというより、引ったくられた。
 唯先輩は口元のハナチの跡を洗ってから、私の背すじにシャワーのお湯を当てる。

唯「やっぱり……いいなあ、あずにゃん。お肌すべすべで、羨ましいよ」
梓「は、はいっ? そんな、私なんかより唯せん……お、お姉様の方が、ずっとすべすべぷるんって感じですしっ」

 どうして、触ればすぐわかるハズなのに、そんなこと言うんですか。
 謙遜してるつもりでも、私、何だか情けなくなってきちゃいますよぉ……。

唯「ねえ、あずにゃん。もしかして、自分のお肌は綺麗じゃない、とか考えてる?」
梓「え? えと……は、はい……」
唯「私ね、さっき……エッチしてる時に思ったんだ。相手は、自分が思ってる通りに感じてくれない、って」
梓「…………」
唯「私は、あずにゃんのお肌、とっても綺麗で、私よりすべすべで、羨ましいと思ってるよ? でも、あずにゃんは逆のこと考えてるよね?」
梓「はい……」
唯「こんなにちゅるちゅるの、赤ちゃんみたいなお肌なのになぁ~?」

 シャワーを当てながら、つうっと背すじをなぞられる。
 思わず固まっちゃって、喉から可愛くない声が漏れちゃった。

梓「ひゃっ!?」
唯「んふふ。あずにゃんは、やっぱり可愛いなぁ」

 背すじから腰、お尻。ついついついーって、私をくすぐるように指を這わせてくる。

梓「ん、あ、あっ、あああ」
唯「あのね、あずにゃん。感じ方は人それぞれだよ? だから、もしあずにゃんが、私の肌の方が綺麗だと思ってても……」
唯「私は、私よりあずにゃんのお肌の方が綺麗だな、って……思ってる、よ?」

 ボディソープを流し終えて、唯先輩がシャワーを壁にかける。
 そして、また後ろから私を優しく抱き締めてきた。

梓「んっ……」
唯「あずにゃんは、とっても可愛いよ。髪だってつやつやだし、お肌もすべすべだよ」
梓「そんな……」
唯「だから、自信持っていいんだよ。私は可愛いんだって、あずにゃんはそう思って自慢していいくらいに素敵だから」
梓「ゆ……ゆぃせんぱあい……」
唯「こら」
梓「ふぇ?」
唯「お、お姉様、でしょ?」

 ふんす、っていう鼻息。
 隠してるつもりなんだろうけど、すっごく期待して、興奮してる唯先輩。

梓「……折角さっぱりしたのに、またハナチ出されたら大変なので、あったまって上がりましょうか」
唯「……ううん、あずにゃんのいけずぅ~」
梓「でも、このまま一緒に入りましょうか。唯先輩のおっぱい、ふよふよって背中に当たって気持ちいいですから」
唯「う、うんっ」

 きゅ、と唯先輩の腕の力が、少しだけ強まった気がした。
 でも、そのまま一向に動く気配がなかったから、仕方なく背負うようにして湯船に入る。
 おっぱいが、私にはないしっかり揉めるような膨らみが、背中に押し付けられて強く潰れてるせいで、気もそぞろだったけど。


 かっぽーん。

唯「あふぅ~……お風呂はいいよねぇ。リリスの産み出し」
梓「リリンでしたっけ」
唯「ちゃんと『文化の極みだよ』まで言わせてよ!」
梓「じゃあ、こんな抱っこされてるみたいな恥ずかしい格好から解放してください」
唯「このまま入ろうって言ったのは、あずにゃんだよ~」
梓「……ぶくぶく」

 うん、別に唯先輩から離れたいわけじゃないよ。
 相変わらずおっぱいが柔らかく背中にぷにょぷにょ当たってて気持ちいいし、でも、それが逆に私のコンプレックスを刺激するっていうか。

唯「あー……髪が長いと、こんな風になるんだねぇ」
梓「知らない人が見たら心霊現象ですよね」
唯「私もびっくりしたけど……ぶわって、うん、考えてみたら当たり前だよね。髪って水に浮くんだもんね」
梓「温泉とかで髪の長い人を見かけても驚かないでくださいね」

 あー。
 何だか、独りで入る時よりあったかいっていうか……すっごく充実してる感じ。
 後ろから抱っこされてて、ほっとする。自分以外の体温って、こんなに安心するんだ……。

唯「あずにゃん」
梓「はい?」
唯「お風呂って気持ちーね」
梓「はい」

 お風呂はぬるめの追い炊き。ずっと入ってても、冷めることはない。
 だけど、芯まであったまる前に、唯先輩のせいでのぼせちゃいそうですよ。

唯「あずにゃん、ほら」
梓「はい?」
唯「おならー」

 丸めたタオルを湯船に沈めて、ぶくぶくぶく。
 何て子供っぽい、っていうか今時の子供は、こんなことしません。

梓「タオルを湯船に入れるのはマナー違反ですよ」
唯「ご、ごめんね」

 後ろの方で、しゅんとうなだれた気配が伝わってくる。
 私のひと言で。ほんの軽い気持ちで放った言葉で、唯先輩は傷付くんだ。
 ……ううん、私もきっと、唯先輩の軽い気持ちの言葉で傷付いちゃう。

梓「怒ってませんよ」
唯「ほんと?」
梓「はい。唯先輩に優しく抱っこされて、今とっても幸せな気分ですから、私」
唯「あは……よ、よかった♪ 私も、あずにゃんをだきだきして、しかも裸で、お肌がこすれて気持ちいいよ!」
梓「欲情していると言った覚えはないです」
唯「はうっ」

 また、うなだれる。
 けど、欲情したくなる気分もわからないでもない、から。

梓「え、えと……ハナチ出さないって約束してくれますか?」
唯「うん……頑張る」
梓「ゆ、唯お姉様っ……背中、おっぱいぷにぷにで、実はかなり気持ちよくって……私、興奮、してます」
唯「ふっ……う、ん、だ、だいじょぶ。まだハナチ噴かないよ」

 『まだ』?
 じゃあ、この先を言うのは控えた方がいいのかな?

梓「……その、恥ずかしいんですけど……折角お風呂入ったんですけど……え、えと、ですね……」
唯「うんうん、お風呂入ったけど、何?」

 ぽたぽた、ぼたり。

梓「…………」
唯「あふ……こ、これはハナチじゃないよ! 心のエッチなおつゆだよ!」
梓「鼻の下押さえてください。あと鼻にティッシュ詰めた人とはエッチしたくないんですけど」
唯「ふぷ、ん……な、なるほど。つまりあずにゃんは、お風呂を上がってからまた一戦交えたいわけだね!?」
梓「シーツがハナチで血まみれになるとか、そんな惨状は御免ですからやっぱりいいです」
唯「のっ、のぼせてるから! お風呂でのぼせてるからだよ! その証拠に、さっきは全然ハナチ出さなかったじゃん!」

 ああ……そういえば、確かに。
 お互いに思いの丈を募らせて、無事に成就して、でもハナチは出さなかったですね。
 ……じゃあ、お風呂? 唯先輩の言う通り、お風呂でのぼせなければ平気なのかな?

梓「唯先輩」
唯「なぁに?」
梓「ちょ、ちょっとだけ、首を前に傾けてくださいです」

 膝を抱えるようにしていた腕をお湯から出して、唯先輩の頭の後ろに添える。
 くっ、と少しだけ力を込めると、唯先輩はそのまま素直に、私の顔の真横まで口元を動かしてきた。

唯「ど、どおしたの、あずにゃん?」
梓「そ、そのですね……」

 えい。もう、どうにでもなあれ。

唯「ちゅ……んふ、んんっ、んむ……はぷ」
梓「んちゅ、ちゅ……ちゅっ、ちゅちゅ、くちゅ……」

 はあ、と息をつきながら唇を離すと、唾液が透明な糸を引いて、まだ私と唯先輩とを繋いでいる。
 いやらしい、とってもいやらしい。感触も、音も、行為自体も。

唯「は、う、あぅ……あずにゃん……」
梓「ね、眠れそうにありません。このままじゃ私、身体が火照って、今夜は眠れないですっ」
唯「……うん。もっかいエッチしようね、あずにゃん」
梓「はい……唯先輩。エッチで一緒に気持ちよくなって、その……ぎゅって抱き締められたまま、眠りたいです……」
唯「いいよ、あずにゃん。ほんとは今すぐエッチなことしたいけど、我慢するよ。ハナチでお風呂を真っ赤にしたら本気で嫌われそうだし」
梓「それはさすがに引きますね、嫌いにはなりませんけど」
唯「あ、あはは……我慢しててよかったよ」

 ぷにぷに、ぎゅう。
 唯先輩の身体の感触が、とっても心地いい。
 けど……うん。もう一回エッチするって、して欲しいって、私からおねだりしちゃった。
 やらしい子だって思われたかな、って思ったけど、唯先輩は嬉しそうに応えてくれた。
 ……うん、うん。
 頑張ってエッチしよう。唯先輩を気持ちよくしてあげて、私はついででいいから、一緒に気持ちよくなって……一緒にイけたらいいな。

梓「唯先輩」
唯「ぅん?」
梓「やっぱり、『唯お姉様』って呼ばれた方が嬉しいんですか?」
唯「ぷふぅっ!?」

 ぼたぼたり。

梓「…………」
唯「あの、ちょ……心の準備が出来てない時に、いきなり呼ばれるとね、あのね、嬉しいんだけど、このハナチは違うんだよあずにゃんっ」

 ……お風呂の外では、唯先輩、って呼ぶことにしよう。
 お風呂限定ということにしておけば、私も間違えて口走ったりしないだろうし。

唯「あずにゃん、お願いだから誤解しないでっ」
梓「……ちゅ」
唯「ふわぁ!?」

 唯先輩の鼻の頭の辺りを、ちろり。
 口の中に、しょっぱくて、鉄臭い味が広がる。
 美味し……くはない、けど、これも唯先輩の味。

梓「貧血にならないでくださいね。私も興奮してますし、それは仕方ないと思いますけど……でも、唯先輩が倒れたりしたら、マジ泣きしますよ?」
唯「う、うん……気を付けるよ、あずにゃん」
梓「じゃ、じゃあ、そろそろ上がりましょうか? アイスは買い置きありますし、お互いにちょっと頭を冷やしてから布団に入りましょうっ」
唯「はわ……あ……うん……」

 ざぱぁ、とゆっくり立ち上がって、唯先輩の手を取る。
 あの感触は名残惜しいけど。でも、もっと気持ちいいことが待っているから。

梓「さ、早く身体を拭かないと、風邪引いてエッチどころじゃなくなりますよ、唯先輩っ!」
唯「そぉ、だね……うん、早く上がろ、あずにゃん……」

 唯先輩は、ぼんやりと瞳を彷徨わせていて、すっかりのぼせちゃったみたい。

梓「唯先輩?」
唯「あずにゃんと、こんなコト……そんなコト……えへへへへ……♪」
梓「…………」

 何でか、正気がどっかにお出かけしちゃってるっぽい。
 仕方ないから、脱衣場に連れていって、丁寧に全身の水滴を拭いてあげた。

~お風呂上がりまーす!~



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