べっどいん!

唯「ね、あずにゃん……そろそろ始めてもいい、かな?」
梓「……はい」

 もう何もすることがなくなって、寝るだけになった頃。
 そう答えると、唯先輩は今までにないくらい優しく私を抱き締めながら、ふわっとベッドに押し倒した。

梓「きゃっ」
唯「いざするとなると、結構緊張するね!」

 ふんす、といういつもの鼻息も、どこか興奮気味に荒い。
 よかった。興奮してるのも緊張してるのも……欲情、してるのも、私だけじゃないんだ。

梓「自分で脱ぎましょうか?」
唯「いやいや、私が押し倒した以上は最後まで責任を持つよ!」

 妙な責任感に、今はとってもどきどきする。
 って……ええ!?

唯「着ぃ替えたばぁかりぃの……あずにゃんのパンツぅ!」
梓「んっ……そっちが先なんですかっ!?」
唯「ほわぁ……か、可愛い! 可愛すぎるよ!?」

 この日の為に……ではないけど、持ってる中で、一番のお気に入りを誉められたのは率直に嬉しい。
 でも、唯先輩の手は止まらず、シャツも脱がそうとしてくる。

唯「上はどんなかなぁ~?」
梓「や、ちょっ……順番が……」
唯「あ、そうだったね」

 言いながら、シャツを全部まくり上げてしまう。
 ふんす、と明らかに興奮した息をしながら、私の頬を手でさする。

唯「可愛い……ほんとに可愛いよ、あずにゃぁん……脱がせちゃうのが勿体ないくらい似合ってるぅ……」
梓「そ、そりゃ、一応は勝負下着ですから……そう言ってもらえて、嬉しいです……」

 身体中に視線が刺さるみたい。
 お風呂から上がって、アイスを食べて、すっかり時間が経ったハズなのに……全身が火照って仕方ない。
 そんな私の有り様を、唯先輩は嬉しそうに眺めていた。

梓「ゆっ、唯先輩も、脱いでくださいよ……私だけ裸になるんじゃ、不公平です……」

 一方的に見られるだけじゃなくて、私も見たい。
 先輩の身体を、私のように興奮しきっているのか、確かめたい。

唯「う、うん、そうだね……うん。脱ぐの、恥ずかしいけど……」
梓「私はものすごく恥ずかしい真っ最中ですが」
唯「と、とりあえず脱ぐよ! 私もあずにゃんと同じ、ブラとパンツだけになる!」

 ばっ、ばばっと部屋着を脱ぎ捨ててしまう唯先輩。
 折角の機会なのに、勢いで奪われてしまった。

梓「あの……私が脱がせてあげたかったんですけども……」
唯「えっ!? あ、ごめん! もっかい着る?」
梓「いえ、もういいです……」

 でも。唯先輩の下着も、すごく可愛らしい。
 でも。ブラとお揃いのハズのパンツ、ちょっと模様が違う……?

梓「せ、先輩? せめて、下着は私が」
唯「う、うん。ごめんね、あずにゃん。私だけ得した気分になっちゃって」

 下着だけでも残ったのが幸いというか。
 その、何だか、唯先輩を脱がせて全裸にするところを想像したら……ハナチが出そうになってくる。
 どうしてこんなに興奮してるんだろ、私?
 やっぱり、エッチな子だから……かな?

唯「ど、どうする? あずにゃんが先? 私が先?」
梓「こういう時、先に脱いだら負けかなと思います」
唯「えへー……じゃ、私が先かな? あずにゃんの魅力にやられて、実は今、頭がくらくらしてるんだよ」
梓「唯先輩っ……ま、マジです……か?」
唯「大マジです」

 よくよく見ると、私に覆い被さった先輩の身体が、ゆらゆらと揺れていた。
 これが興奮のしすぎのせいなら、この人は、私をどんなにしたいんだろう?

唯「ね、ねえ、脱がせてよ、あずにゃん……それとも、自分で脱ぐ?」
梓「いっ、いえ……是非とも私にっ」

 興奮に震えながらも、思わず手が伸びる。
 まずは――ブラの方から。

唯「んっ」
梓「あ、あ……はぁ……唯先輩のおっぱい……綺麗ですね……」
唯「えへ、えへへ……合宿の時と違って、すっごく恥ずかちーよ」
梓「はい……ふたりっきり、ですもんね。しかも、今からエッチするんですし……」
唯「改めて言われると余計に興奮しちゃう」
梓「はい」
唯「あ、あれ? さっきまで変なこと言うと怒ってたのに、やけに素直だね」
梓「ふぅ……」

 覚悟を決めました。
 ここまできたら、するしかないじゃないですか。

梓「いいですか、唯先輩……私はもう、貴女とエッチすることしか考えていません。だから素直も何もないんですよ」
唯「ふくっ……」

 唯先輩が生唾を飲んで喉を鳴らす。
 本気の本気で、私とエッチしたくて堪らないんだ……。

梓「はっ、はぁ……唯先輩、下……パンツ、脱がせますよ?」
唯「う……ん。どぉぞ、あずにゃぁん……♪」

 とっても恥ずかしいハズなのに。
 例え女の子同士でも、これからエッチするって宣言してるんだから。
 なのに唯先輩は、私が脱がせやすいように腰を突き出しながら微笑んだ。
 普段は可愛いと思うその笑みが、綺麗で、いやらしくて……興奮する。

唯「んっ……あ、あはっ、あずにゃんに私の一番恥ずかしいところ、見られちゃってるよぉ……」
梓「ゆ、唯先輩っ……そっちの脚、少しだけ浮かせて……ください……」

 クロッチの部分が湿って――ううん。濡れて、糸を引いている。
 多分、私も同じなんだろうなぁ、と思いつつ、唯先輩の動きに合わせてパンツを引き抜く。

唯「えへへぇ……好きな人の前で裸になるのって、恥ずかしすぎるね」
梓「ま、まだですよ? 自分だけ恥ずかしくなってないで、私も……裸にしちゃってください……」

 ちっちゃく丸まったパンツの中に指を入れると、ぬるっと粘つく感触があった。

梓「ゆ、唯先輩だけじゃなくって……私も、ぬ、濡れちゃってますから……早く脱がしてぇ……」
唯「まっ、まーかせて!」

 情けないことに、私は自分から腰を浮かせていた。
 それなのに、唯先輩はわざとらしく私を抱き起こして、背中に腕を回す。

唯「んー……えいっ」

 ぱちん、とホックが外れた。
 すると唯先輩は、カップの真ん中をつまんで、やたらゆっくりと引き上げる。

唯「あずにゃん、乳首立ってる」
梓「唯先輩も同じじゃないですかっ」
唯「んーん、同じだけど同じじゃないよ? 私は攻めで、あずにゃんは受けで興奮してる感じだし!」
梓「うくっ」

 唯先輩にこれから何をされるのか、ものすごく興味がある。
 この気持ちを受けというなら、私は受けなのかもしれない。

唯「じゃあじゃあ、可愛いおっぱいの乳首を立たせてるあずにゃんのパンツ、今から脱がせちゃうよ~?」
梓「わっ、わざと恥ずかしい言い方しないでくださいっ」
唯「うん~? だって、本当のことなんだもん」

 くっ、とパンツに指がかけられる。
 見られる。見られちゃう。
 期待で、唯先輩以上に濡れちゃってる大事なところが、見られてしまう。

梓「あ、あうぅ……」
唯「ほ~れほれ、あずにゃんのアソコ……ごたいめ……ん?」
梓「うく……ひぅ、う……」
唯「あは……あずにゃん、私にこういう風にされるの想像して、気持ちよくなってるんだ?」
梓「ま、まだ、気持ちよくなって……ない……ですっ」

 バレちゃった。
 唯先輩とエッチしたいって、ずっとずっと思ってたこと。
 思うだけじゃなくって、有り得ないハズの『その時』を妄想して、自分でいじって気持ちよくなってたこと。

梓「うぅっ……ふ、ふぅ……ぐす……」
唯「どうして泣いちゃうの、あずにゃん? 私とエッチするの、嫌だった?」
梓「い、いえ、は、恥ずかしくてっ……私がこんなにやらしい子だって知ったら、唯先輩に嫌われると思って……ぅっ、ひうっ」
唯「どおして? 私、今すっごく嬉しいよ?」
梓「ふぇ……?」
唯「だって、私もこういうことしたいと思ってたし、あずにゃんもそう思っててくれたんなら……両想いってことだよね?」
梓「あ……」

 その通りだった。
 私は今更、何をこだわっていたのかな。

唯「ふふっ……あずにゃんてば、本っ当に可愛いっ!」

 ちゅ、ちゅっと、優しく唇で私の目元を何度も吸ってくれる。
 とっても塩っ辛いハズなのに。
 なのに、唯先輩は、とろけたマシュマロを食べた時みたいにうっとりとしていた。

唯「んむっ、ちゅちゅ……」
梓「唯先輩……んっ、ん、くすぐったい……」
唯「あむ……唯、でいいよ。あずにゃん?」
梓「ゆ、唯……先輩」

 まだ……違和感。
 やっぱり、唯先輩と呼ぶ方がしっくりくる。

唯「んもー……なぁに、あずにゃん?」
梓「も、もぉ、下着脱がせたんですからっ……き、気持ちよく、して、ください……」
唯「ふふふ、やっと素直になったね?」

 どうとでも言ってください。
 私は、唯先輩と早くエッチしたくてもう堪らないんですから。

唯「その前に……あずにゃん、ちゅ~っ」
梓「んむ……ちゅっ、んむむ、ちゅ……」

 あ……柔らかい、唇。
 初めてなのに、ちょっとだけど舌を入れられてる。
 それに、これは……唯先輩の、涎だ。

梓「ん、あっ、あむ、んふ……」
唯「ぷぁ……ごめん。お互い初めてのキスなのに、しょっぱかったね」
梓「……ですね。すみません」
唯「ううん。あずにゃんの涎で薄まったし」
梓「うっ、薄まったのは、唯先輩の涎のせいですっ」

 とろける、っていうのは今みたいな心地なんだろう。
 キスしただけなのに、こんなに気持ちいいなんて……もっと先に進んだら、一体どうなっちゃうんだろう。

梓「あの、も、もっと……キス、今度は……ディープキスっていうのを……」
唯「え? いいの?」
梓「いいも何も、少し、舌入れてきてたじゃないですか」
唯「う、うん、初めてだし、ふつーのキスを体験するのが順番かなって」
梓「……じゃ、じゃあ、次っ……順番的に、やらしいキス……ですよね?」
唯「え、えへへ……おねだりされちゃ仕方ないなぁ」

 もう、おねだりでも何でもいい。
 恥ずかしいけど、それ以上に、唯先輩と深く触れ合いたい。

唯「んー♪」
梓「ん……♪」
唯「んちゅ、ちゅるっ、ちゅう……れるれりゅ、んりゅ、はぷぷ」
梓「はむ……んあ、あっ、あ……あう、りゅぷ、あむっ、んちゅっ」

 気持ちいい。とっても気持ちいい。
 この感覚を、どんな言葉を使えば唯先輩に伝えられるのか、全然わからない。
 こんなに気持ちよくしてくれる感謝を、この感覚を、自分でなく唯先輩が与えてくれる嬉しさを、どうしたら伝えられるんだろう。

唯「は、はあっ、あ、あはぁ……どおしよ、あずにゃぁん……まだキスだけなのに、どっきどきが止まらないよ!?」
梓「は、はい、私もですっ……ちょっと舌を絡ませただけなのに、予想以上っていうか、気持ちよすぎ、です……」
唯「んじゃ、じゃあじゃあ、先に進む前にもっとキスしよっ! キスに飽きたら次はおっぱい!」

 飽きることなんて、あるんだろうか。
 きっと私は、今みたいなキスを続けられたら、正気を持っていかれてしまう。
 ……でも。

梓「はい……つっ、続き、お願いします……」
唯「うんっ、あずにゃんっ♪」
梓「ん、んっ……んんっ♪」

 この先は、ほとんど覚えてない。

~終わり~