得点!

唯①
澪①
さ①

さわ子「いつまで経っても気まずくならないんてつまらないじゃない!」

澪「さわ子先生、そういうゲームじゃないです」

唯「トンちゃんに妬けちゃうね~」

梓「唯先輩みたいに餌をやり過ぎる人には任せられませんから」

唯「あずにゃんクールビズぅ」

澪「唯それ意味違うからな」

 唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥  
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③ ③\

唯「これは澪ちゃん優勝濃厚だね~」ニヤニヤ

澪「いいんだ。色々わかったこともあるし、やって良かったよ」

紬「ほんとね、ありがとう唯ちゃん」

梓「確かに…この時間がなかったら色々わからないままでした。だからこの時間を作ってくれた唯先輩に感謝です。ありがとうございます唯先輩」

唯「ふふふ。わたしもやって良かったよ! やっぱりみんな仲良しなんだってわかって」

澪「うん。じゃあ優勝は私ってことでみんな練習しようか!」

梓「そうですね!」

バァン!

律「待たせたな!」

梓「待ってないです」

律「そんなこと言うなよぉ~」

澪「全くまた和に迷惑かけて……」

律「机の奥底に眠ってたんだ……」

唯「りっちゃん置きべんするからだよぅ」

律「なにをーっ!? 唯だって「忘れないように置いてこう!」とかやってるだろーぅっ!?」

唯「あれは戦略だよ、りっちゃん!」

律「わたしのも戦略だいっ! 」

さわ子「あなた達……、ちゃんと持って帰りなさいね」

唯律「ひゃい……」

梓「……」イラッ

澪「じゃあ最後、律と梓な」


気まずさ選手権!
最終戦……!
律梓

律「(梓と二人きりとかなったことないしな~……何話していいか全くわからん!)」

梓「……」

律「(まあここは先輩としてエスコートしてやらないとな。優勝は澪で決まりだし。さーて何の話をしたもんかー)」

梓「……私、律先輩のこと見直してました」

律「ん?」

梓「澪先輩やムギ先輩と一緒にいる姿を見て、正直見直しました。この人は友達を大事にしてるんだなって」

律「改めてそう言われると照れるな…」

梓「でも……、だからって他を疎かにし過ぎです! 律先輩は!」

律「……」

梓「部長なのに申請用紙を出すの忘れたり、それなのに悪びれた様子もないなんて!
それが当たり前みたいな感じになってるからってそのままずっと引きずるなんてやっぱりおかしいと思います!」

律「……悪かったよ」

梓「後、勉強もちゃんとした方がいいと思います。同じ大学行くならもっと…」

律「……言いたいことはそれで終わりか?」

梓「えっと……、さっきので終わりです」

律「あっそ。ありがとなわざわざ。心配かけて悪かったな!」

梓「あ、あの……」

澪『……、止めてくる』

唯『わたしも行くよ、澪ちゃん』

紬『喧嘩しちゃ駄目……』

さわ子『待ちなさいみんな』

澪『さわ子先生! あのままじゃ喧嘩に……』

さわ子『梓ちゃんの言ってることは正論よ。確かにりっちゃんはちょっと周りの対応に甘えてた節があるわ。これはそれを直すいい機会だと思うの』

澪『でも……』

さわ子『この中であれを言って真面目に受け取らせることが出来るのは梓ちゃんだけなのよ。だから、見守りましょう』

澪『律……』

唯『あずにゃん……』
紬『二人とも……』

律「話すことを色々考えてたのがバカらしくなったよ」

梓「すみません……。でもやっぱり部長としての責任をちゃんと持って欲しいんです!」

律「ああ、わかってる。わかってるからこそ自分に腹が立つんだよ。後輩に言われるまで直そうとしなかったわたしに……!」

梓「律先輩……」

律「確かに、わたしが悪かったよ。梓。そのことについては謝る。もう申請用紙を出すことはないけど…この先にあったらもらった瞬間出すようにするよう……、ん、努力する!」

梓「はい! それがいいと思います!」

律「でも……」

律「こ で言っ 欲 くな った 。梓は私 こ やっ り い んだな」

梓「えっ……」

小さく、カスれた弱々しい声で、そう聞こえた。

律「もういいだろ」

澪「5分……、経ってないけどいいのか?」

律「ああ。梓に悪いことしちゃったな……」

唯「二人とも……」

紬「喧嘩はだめよ……?」

律「しないしない。みんなの大事な後輩なんだから……さ」

さわ子「これだけは言っておくわね。梓ちゃんの気持ちをわかってあげなさい」

律「うん、……はい」

梓「(私……、私は……)」

そうして、気まずさ選手権は終わりを告げた。一つの大きな気まずさを残したまま……。


 唯澪律紬梓
唯\⑧③③③ ⑰
澪⑧\③⑨③ 23
律③③\⑥⑮ 27 
紬③⑨⑥\③ 21
梓③③⑮③\ 24

優勝 田井中律

そうして、時は流れた──


──

学園祭が終わり、唯先輩達の受験も無事終わり、そして……卒業式。

梓「……」

私は部室で一人ぼんやりしていた。
唯先輩達に私の為の歌を聞かされて……、いっぱい泣いて、帰って唯先輩の家で卒業パーティーをしようって話になって、私は忘れ物を取りにこの部室にいる。

梓「……」

さっきまでのことがまるで夢のように現実味がない。
本当に唯先輩達は卒業してしまうのだろうか?
そんなことをまだ考えてる自分がとても弱々しく見えて……、この先私一人でやっていけるのか……不安で、不安で。

バァン!

梓「!?」

律「はあ……、はあ……」

梓「律……、先輩?」

律「わ、忘れ物は?」

梓「あ、はい。ありました。わざわざ迎えに来てくれたんですか?」

律「いや……、ちょっとわたしも忘れ物してさ」

梓「そうなんですか。じゃあ早く持って戻り」

律「半年くらい前、ここに気まずさを忘れたままにしてたから」

梓「!! ……、そのことはもう……気にしてませんから」

梓「私も悪かったですし……」

梓「確かにあんなとこで言うことじゃなかったですよね」

あの言葉が甦る──

律『ここで言って欲しくなかったよ。梓は私のことやっぱり嫌いなんだな』

そうだ。今までみんな二人の仲を深めようとしている流れで、私は律先輩には不満をぶちまけて。
私が律先輩だったら同じように怒っていたと思う。
あの言葉の意味がわかった頃にはもう戻れなくて、私も律先輩もあそこに気まずさを置いてきた。

梓「だからもう……、いいんです」

でもそれはそのまま忘れてしまった方がいい。その事を気にすればする程、私達はもっと気まずくなるのだから。

律「わたしさ、梓に言われてから考えたんだ。言葉で言っても伝わらないことってあると思うから。だから頑張った。勉強もだし、部長らしく振る舞ったつもりだ」

梓「(確かにあれから自分から練習しようぜっとか言うようになったっけ……)」

律「だから今日言いに来たんだ。わたしは……、ちゃんと部長出来てたか?」

梓「律先輩…」

この人はあの日のことをこんなにも重く受け止めてくれてたんだ。
ただ言葉でそうする、じゃなく行動でちゃんと見せてくれた。

梓「勿論です。最高の……部長でした」

律「そっか。じゃあ次はその最高の部長に梓がならないとな」

梓「律先輩みたいに上手く出来ませんよ……プッ」

律「な~か~の! 自信満々じゃねぇか!」

梓「ええ、だから安心して卒業してください。ここは私が守りますから、絶対に」

律「ああ、任せたよ。梓」


澪「5分、経ったな」

梓「澪先輩?!」

唯「①点!」

梓「唯先輩まで!」

紬「私も①点!」

梓「ムギ先輩も…! どうして…」

澪「私も、①点」

唯「ってことは澪ちゃんが優勝かな?」

澪「うっ……、まあ別にいいけどさ」

紬「気まずさ気まずさとんでけ~」

澪「律がどうしてもやり直したいって言うからさ」

梓「そうなんですか…」

律「ああ。5分経ってなかったしな。それにみんなの可愛い後輩ってフレーズをわたしだけ気まずくて使えないなんて許せん!」

梓「なんですかそれ」

律「つーまーりーこういうことだっ!」ぎゅむ

梓「ちょ、やめてください律先輩!」

律「なーかーのーっ」

唯「便乗! あ~ずにゃん!」ダキッ

澪「私も、ちょっとだけ///」

紬「みんな暖かい……」

──

──

気まずさと言うものはどうして生まれるんだろうか。
ちょっと考えてみた。

相手が今何を考えていて、何をどう話しかければいいかを自分が考える。
多分相手の人もそうだろう。

だから、自分が考えれば考えるほどあっちも気まずくなる。
まるで鏡のように写し合う、その間にあるものが気まずさ。

なら、どうしたらいいか?

答えは簡単。

梓「あの、軽音部、入りませんか?」

自分から話しかければ、後はなるようになる、です。

おしまい