澪「なんだこれ。落とし物か?」

澪「ゆいあずってたしか唯と梓が演芸大会で結成した……」

澪「あれだよな……」

澪「なんだーあいつら、いつのまに正式なユニットになったんだ」

澪「ていうかファンクラブって」

澪「そんな有名じゃないだろっ!」

澪「HTTですらまだファンクラブ存在しないっていうのに」

澪「ってわたしのは何故かあるけど……」

澪「ゴホン」

澪「きっと唯あたりがいいだしたんだな」

澪「『和ちゃ~ん 私たちのファンクラブもつくってよ~』」クネクネ

澪「とかそんな感じで」

澪「やれやれ」

澪「ん?名前が書いてある」

澪「会員NO.001 コトブキツムギ」

澪「ムギのかよっ!」

澪「しかも001って会長なのか?」

澪「あれ?てっきり和が……あれ?」

澪「わからない……でもかすかに感じるこの疎外感」

澪「なんだか私も入りたくなってきた!」



澪「というわけなんだ。はいコレ」

紬「澪ちゃんありがとう~。探してたの~」

澪「わ、わたしも入っていいのかな」

紬「えっ、もちろんよ!!」

紬「まさか澪ちゃんが入ってくれるとは思わなかったわ!」

澪「唯と梓のユニットなのに私にお呼びがかからない方が不思議だ!」

澪「ところでファン会員限定のシークレットライブとかやってるのか!?」

紬「毎日がイベントだらけよ~」

澪「すごいなぁゆいあずは!」

紬「さぁできたわ。はいどうぞ」

澪「ありがとう」 

澪「会員NO.20895……?」

澪「……なんだこの数は」

紬「全国にたくさんファンがいるのよ~」

澪「えええぇぇぇ!! いくらなんでもいすぎだろ!」

澪「だいたいどうやって世間様に認知してもらったんだよ」

澪「内緒でCDとかだしてるのか? レコード会社とか!?」

澪「私はみてないけどMステとかでちゃってるのか!?」

澪「さすがにMステは中学生以来みてないけどっ!!」

紬「澪ちゃん」

紬「たずねる前に一度、ファンクラブとしての視点から彼女たちを見てみるといいわ」

紬「そのときあなたはゆいあずの全てを知るでしょう」

澪「そ、そうか。わかったよ」

澪「しかしなんか……いざこう会員カードをもつと」

澪「とても恐れ多いような……」

澪「カードにプリントされた二人の写真からオーラを感じる」

澪「全国で会員2万人だからなー」

澪「知らぬ間に大物となった二人の顔を凡人の私がまともにみれるのだろうか」

澪「それにしても唯も梓もずっとだまってるなんて」

澪「う、なんだか寂しい気持ちになってきた」

澪「律はこのこと知ってるのかな」


唯「ふふふん ふんふん ふふーん♪」テクテク


澪「あ! 唯様だ!」

澪「ってなんで様をつけてるんだ私は」

澪「ほんと権力にひれ伏して情けない」

澪「でも末端会員の私なんかが唯に話しかけていいんだろうか」

澪「あああああっ話しかけたい。けど話かけられない苦悩」

澪「……いや、どうってことはない」

澪「いつもどおりだ。いつもどおり声かけるだけ」

唯「あ! 澪ちゃーん!おはよー」

澪「きゃー唯様!」

唯「んあ?」

澪「違う違う。よぉ唯。おはよう」

唯「うん、澪ちゃんどうしたの?」

唯「なんか顔こわばってるよ?」

律「おっはよー!」

バン

唯「アイタ! もーりっちゃん朝から元気すぎだよー」

澪「おいいいいいいい律う!!」

澪「りつううううう!!」

澪「律おまええええええええっ!!!」

律「な、なななに、澪どうした。おはよ」

澪「お前こそ! お前こそォ! 唯になにしてんだ!! おはよ」

律「なにって……スキンシップ……」

澪「ふざけるな! もし唯になにかあったらどう責任とるんだ!?」

澪「二万人でお前の家おしかけるぞ!」

律「二万人? なー唯ー今日は澪どうしたんだろう」

唯「澪ちゃんたまに変な日あるよね」

澪「ご、ごめんつい」

澪(なぜか激昂してしまった)

澪(ファン意識が高すぎるのだろうか?)

澪(いやむしろこういうのは民度の低いファンのすることだ)

澪(プライベートには絶対干渉しない! それがファンの鉄の掟)

澪(気を付けないと)

澪(しかし私は末端とはいえ、付き合いの長さはそんじょそこらの会員よりずっと上なはずだ!)

澪(唯のことは本当によくしってる)

澪(てか数多いる会員のほとんどは生で会ったこともないはず)

澪(それに対して私は会うどころか一緒に遊んだりバンドしたりお泊りしたり)

澪(もしかして私って超めぐまれてるんじゃないか!?)


澪「ふふっ」

律「なんか笑ってるぞ……」

唯「きっと悪いものでも食べたんだよ」

紬(まだよ澪ちゃん。ゆいあずの恐ろしさは単体では大したことないの)

紬「真価を発揮した時のあなたの反応がたのしみよ……ふふふ」

唯「こっちも笑ってるよ?」

律「澪の笑みは不気味なのにムギのはいたって爽やかだな」



授業中

澪「だめだ……どうしても意識してしまう」

澪「唯……唯様……」

澪「唯様ヨダレたらして寝てる……ふふ」

澪「激写したい。とても見慣れた光景だけど写真におさめたい」

澪「唯様……私の心のアルバムはいつのまにかもういっぱいなんです」

澪「あ、いまのフレーズいいな。メモメモ」

唯「zzz……ズピー」

澪「頭なでなでしたい」

澪「唯様、お昼一緒に食べてくれるかな」

澪「体育の授業一緒にペア組んでくれるかな」

澪「はわわわわわ考えれば考えるほどおかしくなっていく」

澪「唯の存在が私の中でふくらんでいく!」

澪「普通に接したらいいだけなのに!」

澪「普通に……」

澪「ああああああああっあ! 和ぁ、そこ席かわってえええええええ」


さわ子「秋山さん 外で立ってなさい」

和「……」



昼休み

唯「ふあああ。良く寝たー」

和「ちょっと唯 。あなたノートがヨダレででろでろよ?」

律「うはぁ。こりゃひでえ」

唯「この染みユーラシア大陸にそっくりだよ!」

紬「またノート写さしてあげるね」

唯「ありがとー。澪ちゃんも今度ノートうつさせて。でへへ」

澪「はっはい!喜んで!」

律「なーんでお前は唯相手にかしこまってんだよ」

澪「そ、そうか……唯!駄目だろ授業はちゃんと聞かなきゃ」

律「廊下立たされたお前がいうか~」

紬「そうよ澪ちゃん。らしくないわ」

唯「澪ちゃん今日はホントへんだねー」

和「澪はいつも変よ」

澪(こいつらのナチュラルっぷりが羨ましい)

澪(このカードのせいだ。これがあるから変に意識してしまっているんだ)

澪(捨ててしまおうか……)

紬「だめよ澪ちゃん」

澪「!」

紬「あなたはまだゆいあずの本髄に迫ってないわ」

澪「ッ!!」

紬「放課後、せめて放課後まで待ちなさい」

澪「わ、わかりました会長」

和「呼んだ?」

澪「いや生徒会長じゃない……」

和「?」


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