12月

唯(あずにゃんから初詣にいこうとメールがきた)

唯(放課後ティータイムのみんなに送ってるみたいだ)

唯(久々にあずにゃんに会いたいな。憂にも)

唯(澪ちゃんは元気だろうか)



元旦―初詣

律「みんな集まったのは久々だなー」

梓「はい!みなさんちょっと大人になりましたね」

紬「唯ちゃん、憂ちゃんはどうだった?」

唯「元気だったよ、とっても!」

澪「唯に相当会いたかっただろうな」

梓「こっちでは唯先輩の話いっぱいしてましたよ」

唯(時間をおいたら澪ちゃんともみんなとも普通に話せた)

唯(ただ前みたいにふざけたりできなくなったな……)

唯(でもこの5人はなぜか落ち着く)


翌日唯実家

憂「お姉ちゃん、御節の余り食べる?」

唯「ありがとー!憂ー!」

憂「アイスもあるからね」

唯「わーい!やっぱり実家は落ち着くもんだねー」

憂「お姉ちゃん、実家って言ってみたかっただけでしょ?」

唯「えへへー」

唯(憂の前では今でもこんな感じになってしまう……)

唯(ああ、あっちに帰りたくないなー)

唯(憂は本当によくできた妹だ)

唯(姉に気づかいさせることもなく、自分が気づかいしてるようにもみせない)

唯(みんな憂みたいならいいのにな)



4月

唯(2年生だ。今年からは就職についてまじめに考えよう)

唯(ちなみに初詣でにあった時に話したんだけど、りっちゃんは外バンもやってるらしい)

唯(結構頻繁にライブとかやってるみたい)

唯(自分たちの実力を試したかったから、今まで知り合いは一切呼ばなかったらしい

  んだけど、そろそろ呼んでもいいだろうということで、私はライブに呼ばれた)

唯(なかなかいいバンドだったけど、ライブはたぶん二度と行かないだろう)

唯(何の個性もないバンドだったからだ。無理に個性を出すよりはマシだとは思うけど)

唯(りっちゃんはライブに忙しくて単位が全然とれてなかったみたいだ)

唯(いつもなら、前日の夜に無理矢理澪ちゃんに頼んで教えてもらってるところだけど)

唯(澪ちゃんに頼らないで潔く単位をあきらめるりっちゃんは少し格好よく見えた)

唯(何も私だけがいろいろ考えてるわけではないのだ)

唯(今までうぬぼれていた。私だけが特別だと思っていた)

唯(でもみんなそれぞれ考えて、みんなそれぞれ成長していたのだ)

唯(どうしようもないのは私だけだったんだ)

唯(生まれて初めて死にたいと考えた)



6月

梓「唯先輩!今1人ですか?」

唯「あずにゃん!ムギちゃん!どうして一緒にいるの?」

紬「そこで梓ちゃんに逢ったのよ。久々にお茶しない?」

唯「いいね」

唯(言い忘れていたがあずにゃんは同じ大学に入学した)

唯(あずにゃんは頭がいいのにどうしてこんなところにきたのか少し疑問だ)

唯(それにしても今考えると……私はムギちゃんという人間のことをあまり知らない)

唯(何をかんがえているか一番わからないのがムギちゃんだ)

紬「梓ちゃんもう1人暮らしは慣れた?」

梓「はい、だいたい。唯先輩でもできるんですからね」

唯「あずにゃん!ひどい~」

紬「あははは」

唯(ムギちゃんは勉強はできるし、美人だし、家はお金持ちだ)

唯(でもそれを鼻にかけるようなこともしないし、貧乏くさい事にあこがれたりするし)

唯(なんでも楽しそうにやるし……謎だ)

唯(ムギちゃんは楽しければいいのだろうか?楽しむことが人生だと思ってるんだろうか?)

梓「そういえばなんで唯先輩だけサークルに入らなかったんですか?」

唯「やっていけるか不安だったんだよ……勉強も大変そうだし」

梓「律先輩でもやれてるんだから大丈夫なんじゃないですか?」

唯「これはここだけの話だけど、りっちゃんは単位ボロボロなんだよ~」

梓「……大学って恐ろしいですね。じわじわと追い詰められていく感じが……」

紬「でも梓ちゃんは大丈夫よ」

唯「そうだよ!あずにゃん!」

唯(そもそもムギちゃんは私たちと一緒にいて楽しいのだろうか?)

唯(やっぱり一番の曲者はムギちゃんだ……)


8月

唯(1年はあっという間だ。何もおきずに日々は過ぎていく)

唯(私はあれからたびたび死にたいと考えるようになった)

唯(どうしてかはわからない。わけもなくふと死にたいと考えるのだ)

唯(しかし、そんなことは誰にでもあるだろう)

電話「ブーブー」

「ライブのお知らせです!X月XX日、○○にてライブをします!ぜひ来てください!」

唯(またりっちゃんからメールだ……)

電話「ブーブー」

「唯、律のバンドのライブ見に行かないか?ムギも誘って」

唯(今度は澪ちゃんからか……)

「その日用事があるんだ」

唯(送信)



夏休み

唯(バイトはやめた。しかし仕送りだけで十分生活できたし、無駄遣いしなかったから蓄えはある)

唯(そのお金で機材を充実させ、私はマイスペースに曲をアップするようになった)

唯(ここから火がついて私はデビューするのだ!)


12月

唯(しかし4ヶ月、曲を入れ替えたりしたが何も起こらなかった)

唯(まあそうだろうね。期待した私が馬鹿だったよ)

唯(もうお金もなくなってしまった……)

唯(りっちゃんのバンドは自主企画をするくらいになっている)

唯(レコード会社がみにきたりもしてるらしい)

唯(だからなんだ……)



翌日―学校

紬「唯ちゃん?」

唯「ムギちゃん!」

唯&紬「お茶しない?」

唯(誰かと話したくてたまらなかったんだ……)

唯(ムギちゃんは天使だ……)




紬「唯ちゃん、私サークルやめたんだ」

唯「え?なんで?」



紬「先輩と揉め事があったの。1、2年VS3年生みたいになっちゃってね」

紬「私そういう雰囲気苦手だから……」

唯「そうなんだ……大変だったね」

紬「でも今は後悔してるの……こんな感じのことって社会にでたらいっぱいあると思うのに、私逃げちゃって……」

唯(私は嫌な人とかかわりたくないからサークルにすら入らなかった……)

唯(入ったら楽しかったかもしれなかったのに……)

唯(ムギちゃんの話を聞いて気分が暗くなった)



1月

唯(何もない日々。テストが近い。澪ちゃんにノートを見せてくれといわれた)

唯(そのお返しにお菓子を買ってもらった。幸せだ。)

唯(そのとき澪ちゃんにりっちゃんのバンドが解散したときいた)

唯(心のどこかで喜んでしまった……どうしてだろう)

唯(あずにゃんはどうしているのだろう。学校でもめったにあわない)

唯(前にも言ったとおり、放課後ティータイムは解散したわけではない)

唯(誰かが言い出せば、また動き出すかもしれない)

唯(でもそんな空気じゃなかった)



2月―唯実家

唯(憂は高卒で公務員になった)

唯(給料も悪くないようだ)

唯(憂は朝、仕事に出かけた)

唯(家で憂を待つというのは新鮮だ)



憂「ただいまー」

唯「おかえりーういー」

憂「今日も疲れたよー」

唯「えへへー私カレー作ってたんだー」

憂「ありがとー!」


唯憂「いただきまーす!」

唯「どう?おいしい?」

憂「すっごくおいしいよ!お姉ちゃん!」

唯「よかったー!」

憂「お姉ちゃんの料理ってなんか新鮮だね!」

唯「私も憂のこと家で待つのって新鮮だなって考えてたよ!」

憂「高校時代を思い出すね」

唯「楽しかったよね、あの頃はー」

憂「そうだね。それよりおねえちゃんが1人暮らしできてることにびっくりだよ」

唯「そんなことくらいできるよー!」

憂「あははは、ごめんね。お姉ちゃんわりと何でもできるから安心したよ。

  この調子なら来年の就職活動も大丈夫そうだね」

唯「そ、そうだよ!お姉ちゃんに任せなさい!」

唯(憂の口から私に向けて就職なんて驚いた)

唯(そうだ、私はもう20歳なのだ。大人なのだ)

唯(1人で稼いで生きていかなくてはならないのだ)

唯(周囲の人間に嫌気を感じている場合ではないのだ)


3