澪「そろそろ練習しないか?」

律「んー、もうちょっとー」ハムハム

澪「全く・・・」

紬「まぁまぁ」

梓「そうは言っても・・・」

紬「りっちゃんもまだ足りないみたいだし」チラッ

律「ん・・・」ハムハム

澪「律、そろそろ離せよ」

律「もうちょっと・・・」ハムハム

澪「はぁ・・・あとちょっとだぞ?」

律「ん」ハムハム

唯「澪ちゃん、指ベタベタだよ?」

澪「あぁ。もう慣れっこだけど」

梓「それ、痛くないんですか?」

澪「甘噛みだから大丈夫」

律「私が澪に痛い思いさせるわけないだろ」ハムハム

唯「言ってることはかっこいいけど、ちょっと間抜けかなー」

紬「でもそんなにはむはむされても澪ちゃんも困るでしょう?」

澪「んー、確かにベース弾けないしなぁ」

紬「時間を決めたら?」

澪「時間?」

律「やだ」ハムハム

唯「ちょっとりっちゃん静かにしてて」

紬「一日5分だけ、とか」

律「そんなんされたら死ぬ」

梓「じゃあもう死ねよお前」

律「あんだとこら」


澪「りつ、そんなに私の指がいいのか?」ナデナデ

律「おう!澪の指は、なんていうか・・・噛みやすい!」

澪「・・・それ、遠まわしに手が大きいって言ってないか?」

律「え、えっと・・・あはは」

唯「りっちゃん、その噛み癖直さないと大変だよ?」

律「なんでだよー」ハムハム

唯「というわけで!私なりに考えたのです!」ジャーン!

梓「うわ、今自分でジャーン!って言ったよこの人」

唯「ビーフジャーキー!」

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」ハムハム

澪「・・・」ナデナデ

唯「二人して無視!?」

紬「私達のことも忘れないでね?」ニコッ

梓「そうです、ひどいです」

唯「ひどいのはムギちゃん達だよ!」

律「・・・だって、それをどうするんだよ」

唯「簡単だよ!噛み続けるんだよ!」

律「・・・」

唯「え、駄目だった?」

梓「いちいち聞くまでもないです。なんで無視されたか考えてください」

唯「あずにゃんって最近結構ひどいよね」

梓「ありがとうございます」

唯「とにかく、いいから噛んでみて」バリッ

律「えー?澪の指噛むのに忙しいんだけど」

唯「いいから!口開けて!」バッ

律「むぐ!?」

唯「・・・どう?」

律「・・・」ゴックン

唯「って、飲み込むの早いよ!!」イライラ

律「そ、そんなこと言ったって」

唯「もういいよ!りっちゃんに頼んだ私がおバカさんだったよ!はい、あずにゃん!」

梓「え?あ、あぁ。ありがとうございます?」モグモグ

唯「・・・」ジー

梓「・・・」モグモグ

唯「どう?」

梓「噛めば噛むほど美味しいです」

唯「やっぱりあずにゃんは最高だよ!」ダキッ

梓「抱きつかないでください」

唯「りっちゃん、見たでしょ?これが正しいビーフジャーキーの食べ方だよ」

紬「唯ちゃん、それはいいんだけど・・・りっちゃんに食べてもらわないと意味なくない?」

唯「あ」

澪「ばーかばーか」

唯「澪ちゃんが意地悪言う!」

梓「私に告げ口しないでください」

律「・・・」ハムハム

澪「こら、りつぅー?」

律「へへっ、澪の指気持ちいい」

唯「うわぁぁぁん!!」

梓「全く、しょうがないですねー」

紬「梓ちゃんも何か手が?」

梓「えぇ。唯先輩は全然駄目です。ビーフジャーキー?発想が小学生並みである意味可哀想です」

唯「後輩にここまで言われてる私はある意味じゃなくて本当の意味で可哀想だと思うんだ」

梓「私はこれを用意しました」

唯「あ、無視なんだ」

パサッ

紬「これって・・・」

梓「はい、犬用のガムです」

唯「私と大して変わらないじゃん!」


梓「先輩、これ噛んでみてください」

律「いやだよ」

梓「あぁ?」

紬「怖い。怖いわ、梓ちゃん」

律「なんで私がそんなの噛まないといけないんだよ」

梓「お前今までの話の流れ全く理解して無いだろ」

律「だって澪の指噛むのに夢中だったしー」

梓「こんな部長いやだ」

紬「よしよし。いいこいいこ」ナデナデ

唯「りっちゃん!あずにゃんがせっかく用意してくれたんだから噛んでよー」

律「だって、私人間だし・・・」

梓「普通の人間はそんなに人の指噛まないんですよ、わかるかなー?」

律「うっわ、こいつムカつくっ」

紬「梓ちゃん、気持ちはわかるけど落ち着いて」

澪「りつ、ちょっと噛んでみろよ」

律「ええー」

澪「ほら、あーん」

律「あーん」ハムッ

澪「よしよし」ナデナデ

律「・・・」ガジガジ

梓「もうこの人、犬でいいと思う」

唯「そう言われたら私も犬に見えてきた」

律「うえっ」ペッ

梓「はぁ?」


澪「どうしたんだ?」

律「まずい」ウゲェッ

梓「人がせっかく買ってきてやったのに」

律「だってこれ不味いぜ?とてつもなく」

梓「まぁ犬用ですからね」

律「お前本当にいい性格してんな」

紬「ねぇりっちゃん」

律「なんだ?」ハムハム

澪「こら、人の話聞くときははむはむしちゃ駄目だろ?」ナデナデ

唯「そもそも澪ちゃんがりっちゃんに甘すぎだと思うんだ」

梓「ですね」

紬「はい」スッ

律「え?」

紬「ほら」

律「な、なんだよ」

紬「・・・」

律「え・・・え?」

唯「あー、そういうことね」

梓「確かに、ムギ先輩はピアノやってるから綺麗な手してますよね」

律「い、いいの?」

紬「えぇ」ニコッ

澪「りつ」

律「え?」

澪「・・・」ジー

律「・・・え、えっと」

紬「早くしないと手引っ込めちゃうわよ?」

律「・・・!ご、ごめん、澪!」パクッ

澪「なっ・・・!!」ガーン

律「・・・」ハムハム

紬「どう?」

律「なかなかだ!」

澪「くっ・・・!」

唯「面白そう」

梓「律先輩」スッ

律「!?」

梓「どうです?」

澪「梓まで・・・!」

律「・・・」ソワソワ

梓「いや、いらないならいいんですけどね」

律「待ったぁ!」ハムッ

唯「変な釣りみたい」

律「・・・」ハムハム

梓「澪先輩の気持ちがちょっとわかりました」ナデナデ

律「あぐあぐ」ハムハム

唯「それじゃ私も」スッ

澪「や、やめろぉ!!」

唯「ほーら、りっちゃん。私の手はぷにぷにだよー」

律「!?」

唯「ちょっとだったら噛んでもいいよ?」

律「・・・そ、それは、その、ガブってしてもいいのか・・・?」

唯「うん、いいよ。きっと澪ちゃんはさせてくれなかったんだろうね?痛いの嫌だもんね?」

澪「律!誘惑に負けちゃ駄目だ!」

律「負けた!」ハムッ

澪「のぉぉぉ!!」


唯「えへへ、いいこいいこー」ナデナデ

律「あんぎあんぎ」ガジガジ

唯「ちょっと、痛いよー」アハハ

律「歯がちょっと食い込んで気持ちいい」

唯「それならここは?」

律「え?」

唯「親指の付け根。ふっかふかだよー?」

律「わぁ!」ガブガブ

唯「いたたた・・・よしよーし」ナデナデ

澪「くっ・・・!!」

梓「うわぁ、こんなに悔しそうな澪先輩初めて見た」


澪「りつ!今すぐ離しなさい!」

律「・・・」ガブガブ

唯「可愛いなー」ナデナデ

澪「りつぅ!・・・今すぐ離さないと、もう私の手噛ませてあげない」

律「」パッ

唯「早っ!」

澪「・・・」ジー

律「・・・」シュン

澪「りつ」

律「ごめんなさい。浮気しました。ごめんなさい」

澪「全く・・・」

梓「あ、これ浮気なんだ」

唯「斬新過ぎてついていけなかったね」

紬「ねぇ聞いて、右手がよだれくさいの」


ガチャ


唯「?あ、和ちゃん!」

和「練習やってる?」

唯「ううん!」

和「元気良く『ううん!』っていうのも考えものね・・・」

梓「あ、和先輩は?」

和「え?」

紬「ちょっとりっちゃんに手貸してあげてくれない?」

澪「おい、ちょっと待て」

和「嫌よ。噛まれるもの」

紬「だから、ちょっと噛ませてあげて欲しいの」

澪「今仲直りしたばかりなのわかるよな?見てたよな?」

和「えぇ・・・?しょうがないわね」

唯「さっすが和ちゃん!」

澪「和め・・・!!」

和「ほら」スッ

律「い、いや・・・その・・・」チラッ

澪(噛んだら絶交)

律「え、遠慮します・・・」

和「そう?」

唯「えええー!?いいの?和ちゃんは楽器やってないから私よりもぷにっぷにだと思うなー」

律「・・・」ピクッ

梓「そうですよ。よく見たらすごく綺麗ですし、噛み心地良さそうだなー」

律「・・・」チラッ

澪「好きにしろ」

律「・・・え、遠慮、します」プルプル

紬「思ったより忠犬ね」ウフフ

和「・・・?とりあえず、様子を見に来ただけだから。私生徒会にもどるわね」

唯「えーもう行っちゃうの?」

和「えぇ、まだ仕事が残ってるの。仕事が終わったら連絡するわ。タイミングが会えば一緒に帰りましょ」ガチャ

唯「うん!」


バタンッ


梓「唯梓なのか和唯なのかハッキリしろよ・・・」ボソッ

紬「紬梓・・・」ボソッ

梓「ない、それはない」

紬「ツインテぶっこ抜き決定」シャランラ


律「・・・」ハムハム

澪「よしよし」ナデナデ

唯「二人とも、そろそろ練習しよ?」

澪「私も練習したいんだけど、律が離してくれなくて」アハハ

紬「随分嬉しそうに言うのね」

澪「いやー、あはは」

律「やっぱ澪の手だなー」ガブガブ

澪「いった・・・!」

律「あ、ごめ・・・」シュン・・・

澪「い、いや、いいよ」

律「え・・・?」

澪「いいから。大丈夫だから」

律「本当か?」

澪「あぁ。律の好きにして」

梓「アンタら二人とも練習する気皆無だろ」


紬「二人の世界ねー♪」

唯「むしろLの世界だね」

紬「レズの世界?」

唯「そこまで言ってないよ」

律「・・・なぁ、澪?」

澪「・・・それは駄目」

律「まだ何も言ってないじゃん」

澪「そういうのは家に帰ってから、な?」

唯「ムギちゃんごめん、レズの世界でいいわ。正解だわ」

紬「私得」


ガチャ


さわ子「アンタ達、全然練習の音が聞こえてこないんだけど・・・」

梓「あれ?今日は吹奏楽の方じゃなかったんですか?」

さわ子「静かだからちょっと説教しに来たのよ」エッヘン!

紬「そうだったんですか。ごめんなさい」

さわ子「またお茶してたの?もう・・・私もちょっと混ぜなさいよ!」

唯「ううん、りっちゃんの噛み癖のせいで・・・」

さわ子「またぁ?」

律「ごめん・・・」

さわ子「そうだ!」

梓「どうしたんですか?」

さわ子「ほらっ」スッ

律「え?」

さわ子「噛んでいいのよ?」ハァハァ


律「・・・」

唯「・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」

澪「烏滸がましいんだよ、ババアが・・・」ボソッ

さわ子「えっ」

律「はぁ・・・練習しようぜ。練習」

梓「そうですね」

紬「なんの曲からやろうか?」

唯「ふわふわでいいんじゃない?」

澪「だな。私、手拭くからちょっと待って」

さわ子「なんでスルーするのよ!」



おわり