律「こーさーん。こーさんでーす」

澪「無理、もう無理。ラブ&ピースの精神で行こう」 

唯「と、取りあえず起きようか。あずにゃん、澪ちゃんを起こして上げて」

梓「は、はい。澪先輩、大丈夫ですか?」 ぐいっ

澪「あ、ありがとう。・・・あー、梓は温かいな」 きゅーっ

梓(あー、澪先輩は良い匂いだなー♪) くんか、くんか


唯「りっちゃん、大丈夫?」 ぐいっ

律「いやー。雪玉が、体を通り抜けたかと思ったぜ」

唯「さながらニュートリノだね」

紬「わー、カミオカンデもびっくり♪」

律「ノーベル賞並みに意味が分からん」


律「とにかく雪合戦は止めだ。冗談抜きで、春まで埋まる」

紬「だったら、もっとみんなで楽しめる事をしてみる?」

澪「まあ、そうだな」

梓「となると、やはり」

唯「だるまっちゃう?」

梓「その言い方はどうかと思いますけど、良い考えですね」

律「梓の醒め方もどうかと思うけどな」

律「よーし。誰が一番大きいのを作るか、競争しようぜ」

澪「みんなで仲良くじゃなかったのか」

紬「まあまあ♪私、負けないからー」

唯「ムギちゃんは、すごいの作りそうだね」

律「梓なんか、雪だるまに練り込まれちゃうぞ。こういう感じになー」 ぎゅーっ

梓(律先輩は、こういう匂いかー) くんかくんか


律「よーし。早速やってみるか。・・・よいよい」

澪「お前な。もう少し丁寧に作れよ」

律「澪こそ、ちまちまし過ぎだ。それだと、100年経っても出来ないぞ」


紬「ふーん。意外と個性が出るのかしら」

唯「だったら私のは、結構普通のが出来そうだな。ね、あずにゃん♪」 にこっ

梓(ぼけてるのか本気なのか、難しい事を言う人だな)


紬「よいしょ、よいしょ」 ごろごろ

梓「・・・早速、大きくなってきましたね」

紬「そうかしら?」

梓「私は練り込まれないよう、少し離れてます」

紬「うーん。でも、それはそれでありなのかしら」

梓(真顔で言われても困るし、何がありか言われも困る) たらー


唯「よいせ、よいせ」

律「・・・転がすと、普通は丸くなるんだけどな」

澪「コンペイトウか、これは」

唯「し、失礼な。大体二人こそ、どんなの作ったの」

律「それは、その」

澪「わ、私は私なりにだな」

唯「えーと、これか」

唯「りっちゃん」

律「サ、サイズは結構あるだろ」

唯「私のがコンペイトウなら、りっちゃんのはげんこつあられだよ」

律「土まで掘っちゃったんだよ。たはは」

唯「こっちは、澪ちゃんのか」

澪「か、形は良いぞ」

唯「飴ちゃんサイズだけどね」

澪「大切なのは大きさじゃなくて、形なんだよ。分かるか、形なんだよ。形」

律「取りようによっては恥ずかしい台詞だな、おい」


唯「あずちゃんは、どうなった?」

梓「この通りです」 

澪「可もなく不可もなく、か」

律「良くも悪くも突っ込みどころがないな」

梓「そ、そうですね」 しゅん

唯「でもそういう所、あずにゃんらしくて良いよね」 きゅっ

梓「唯先輩♪」

律「全く、梓は可愛いな」

澪「唯の背中を見て育ってるからだろ」

紬「うふふ♪」


律「しかし、ちまちまやってても面白く無いな」

澪「お前が言い出したんだろ」

紬「まあまあ♪」

唯「じゃあ、これを合体させてみる?」

梓「みんなで作った雪玉を?」

唯「そう。軽音部、一致団結だよ」

律、澪、紬、梓「おおっ♪」 


梓「だったら、もう少し考えてみましょうか」

唯「どういう事?」

梓「サイズ的にムギ先輩のが胴体でしょう。キーボードとしても、バンド全体を支えてますし」

紬「あらあら♪」

律「なるほどな。だったら私と澪はリズム隊だから、胴体の補強かな」

梓「では、律先輩と澪先輩とムギ先輩が合体と言う事で」

澪(それはそれで、ありかもな♪)

紬(トリプルー♪)


律「そうなると頭は、唯と梓のツインギターだな」

唯「あずにゃん♪」 きゅっ

梓「はいはい」 きゅっ

唯「珍しく、嫌がらないね」

紬「寒いと、人肌恋しくなるのよねー♪」

梓「そ、そういう訳では」

紬「いいからいいから♪」 きゅっ

梓(匂いと匂いのハーモニー♪) くんか、くんか


律「さてと。まずはムギの雪玉に、私と澪のを合体させるか」

紬「合体、合体♪」

澪「おーっ♪」

律「妙にやる気だな。少しずつ砕いて練り込むか、適当にひっつけるか」

澪「それよりも、頭を乗せる部分の補強でも良いかもな」

紬「さらに合体ね♪」

律「じゃ、そうするか。唯、梓。頭の方を頼むぞ」

唯「あずにゃんの雪玉が綺麗に出来てるから、これで十分だと思うけどね」

梓「そんな事無いですよ。唯先輩のは唯先輩ので、良く出来てます」

唯「たはは、ありがと。でも、良いんだよ。・・・えいっ」 かぱっ

梓「わ、割っちゃうんですか?」

唯「そしてあずにゃんの雪玉を中に入れて、周りを囲むと」

梓「はあ」

唯「こうすれば、あずにゃんを守れるからね」

梓「一緒になってるんだから、私も唯先輩を守ってるんですよ」

唯「たはは、そかそか」

梓「はいっ♪」


律「それじゃ、頭を乗っけてみるか」

澪「バランスもあるし、全員でやった方が良さそうだな」

唯「なんだか、御神輿みたいだね」

紬「わっしょい、わっしょい♪」

律「・・・多分違うと思うけど、まあやってみようぜ」

律「せーので行くぞ。せーのっ」

紬「よいしょーっ♪」

唯「お、おわっ」

梓「唯先輩、負けてられませんね」

唯「そだね、あずにゃん。・・・よいしょっ、よいしょっ」

梓「よいさっ、よいさっ」

澪「へっくしょんっ」

律「雪玉抱えて奇声上げるって、なんの集会だよ。それと澪、地味にぼけるなよ」


唯「よっこいしょと」 どさっ

澪「・・・意外と上手く乗せられたな。後は補強か」

律「じゃ、私の雪玉を崩しつつ首の部分を埋めていくと」 ぺたぺた

澪「私のも、使ってみるか」 ぺたぺた

唯「段々、一つになってくね」

梓「みんなの雪だるまですからね」

律「この野郎。良い事言いやがったな」

紬(合体、合体♪)


律「・・・大体、こんなもんか」

唯「でも、なんか足り無くない?」

紬「顔?」

梓「ああ。それと普通、手とかありますよね」

律「そういう事なら、私に任せとけ」 すちゃっ

澪「なるほどな」 すちゃっ

唯「スティックと、ピック?」

紬「スティックが腕で、ピックが顔になる訳ね♪」

律「そういう事、後はセンスの問題だ」

唯「もう仕方ないなー。やっぱり私がいないと」

律「ムギと澪で頼む」

唯「しどいよ、りっちゃん」

澪「まあまあ。それと唯には、最後の役割があるからな」

唯「・・・私を雪だるまにするってオチ?」

澪「あのな。とにかく、大人しく見てろ」 ぽふっ

紬「うふふ♪」 ぺたぺた

澪「えー、スティックはこの辺と」 さくっ


澪「出来た、かな」

紬「うんうん♪」

澪「後は、唯の出番だ」

唯「これで完成じゃないの?」

紬「梓ちゃん、何か足り無くない?」

梓「顔は出来てますし、手もありますし。・・・ああ」

律「なるほどな」

梓「唯先輩」

唯「うん、分かった♪」 とたとた

唯「お待たせー。・・・この辺に、こう付けてと」

律「よし。出来た」

澪「今度こそ完成だな」

紬「うん、うん♪」

梓「唯先輩」

唯「雪だるまもぶーくろちゃんを付けて、あったかあったかだね」

梓「はいっ」

梓「・・・でもこれって、いつかは溶けて無くなっちゃいますね」

澪「梓」

梓「当たり前の事でしたね。あはは」 しゅん

律「溶けたら、また作れば良いだけだろ」

梓「でも」

紬「今年が終わったら来年も。・・・その次の年も、ずっとずっと」

澪「何度でも、みんなで一緒に作ろうな」 ぽふっ

梓「はいっ♪」 

唯「私も、この雪だるまに誓うよっ」

律「だから、溶けて無くなるんだってば」

澪、紬、梓「あはは」



                                 終わり