メンタルアカウンティング(mental accounting、心の会計)とは、経済学者Richard Thalerによって提唱された概念で、
金品の価値や利用基準をその出所や使途によって区別すること。
概要
以下の場面を考えてみる。
- 宝くじ(未)で10万円当たった場合と、給料の余剰分で10万円貯まった場合とで、それを元手に旅行したいと思うのはどちらか?
- 飲み屋で同僚と飲むグラスビール(未)一杯と、家で一人で飲む為の缶ビール1本とで、より高い金を出してもいいと思うのはどちらか?
多くの人は、前者だと答えるのではないだろうか。
10万円はどちらも生活に必要なお金ではないし、ビールの品質はどちらも同じであるから、経済合理性の観点だけから言えば両者に差は無いはずである。それでも上記の結果になる理由は以下のように考えられる。
- 10万円の例は、宝くじが当たった事による収入は臨時収入であり、"コツコツ貯めた"10万円に比べて減少時の損失をあまり感じないから。
- ビールの例は、同僚との酒の席で飲む方が"楽しい酒"であり、一人で飲むよりもその価値が高い様に感じられるから。
つまり人は、同じ金銭であっても、その入手方法や使途に応じて(時に無意識に)重要度を分類し、扱い方を変えているのである。
この働きのことをメンタルアカウンティングと言う。
また、卵を採る為に飼っている鶏の頭数を確認することを"メンドリカウンティング"という(嘘)
関連項目
Put not your trust in money, but put your money in trust.
-Oliver Wendell Holmes
金に信頼を注ぐのではなく、信頼に金を注がねばならない。
-オリバー・ウェンデル・ホームズ
最終更新:2009年09月17日 19:53