自治体史の目録(中世編)@wikiへようこそ

 中世で目的とするテーマの史料収集を行う方法はいくつかある。  まず一般論として『大日本史料』をめくる。東京大学史料編纂所データベースでは「大日本史料総合データベース」が公開されており、研究対象の語句が『大日本史料』及び『史料綜覧』の綱文にあれば、検索することができる。  『大日本史料』は編纂が終わるのは、まだまだ数百年先の話になるが、該当する綱文に関連する史料にはどのようなものがあるかを『史料綜覧』では提示してあるので、その記録・文書をめくるとよい。  次は古記録をめくる。中世の記録は多く活字化されている。『大日本古記録』・『史料纂集』・『史料大成』をはじめとして『史籍集覧』や、『歴代残闕日記』などを片っ端からめくれば、複数の記録から歴史事象を復元できるだろう(知りたい日の記録がまったく残っていないということも、ありうるが。)  そして何より重要なのが、古文書をめくること。事件、人物を調べるにしろ、文書論や荘園や地域史を調べるににしろ、第一次史料となる古文書の収集・分析は欠かせない。幸いなことに鎌倉時代は竹内理三先生が『鎌倉遺文』を編纂され、主要な古文書は活字化されている。その他では『平安遺文』・『南北朝遺文』・『戦国遺文』と編纂・刊行が進んでいる。

 こうした史料収集をする際に、特定の地域の古文書・古記録をまとめて調べることは出来ないか。それを可能にしてくれる手っ取り早い方法が、自治体史をめくることである。特に「戦国大名の発給文書集めたい」や「某荘のことを調べたい」と考えている人には非常に重宝する史料集といえる。都道府県レベルから市町村レベルにいたるまで、様々な自治体史が刊行されている。  但し、自治体の予算の都合などもあり発行部数は少なく、特に中世は売り切れとなっていることが多い。そのため、大学図書館や公共図書館を利用し、「めくる」ことになるだろう。例えば東京都立中央図書館の3階にある地方史コーナーでは、都道府県レベルの自治体史を網羅し、利用者の便をはかっている。

 このような大変便利な自治体史だが、初めて調べるという場合にはやっかいなこともある。それは編纂スタイルのバラツキである。史料の掲載を編年としているのか、家分けにしているのか、家分けとしてその家(もしくは所蔵機関など)の史料はすべて掲載しているのか。もし県史で載っていなければ、市史には載っているのかなど。先に記した通り、自分で買い集めることがなかなか難しい自治体史は図書館で利用することが多い。そうであれば、図書館で閲覧する前に知っておきたい(そしてめくる時間を多く取りたい)と思うのは必然である。しかしインターネットで検索しても、すべての自治体史の詳細情報は載っていない。

 そこで今回、研究するための工具として自治体史の中世の刊行状況・目次などをwikiで制作した。どの史料がどこに載っているのか、またどちらの編纂が新しいのか等の情報を提供し、研究の一助となればと思う。

野村朋弘拝

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最終更新:2009年08月18日 19:33
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