(フリー百科事典ウィキペディアより引用)
アニメーション制作会社(-せいさくかいしゃ)とはアニメーションの実制作を業務とする会社である。企画、製作から制作までを行う『元請制作会社』、元請制作会社から一括して仕事を受注し制作業務全般を行う『グロス請け(下請け)制作会社』、作画・背景美術・撮影など制作工程別に仕事を請け負う『専門スタジオ』の3つに分けられる。
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ほとんどの制作会社が東京都内、特に大手制作会社の所在地付近に集中しており、地方には少ない。その多くは中小企業であり、かつて所属していた制作会社から独立して起業するケースが多い。
かつての東映動画や虫プロダクションといった大手制作会社はアニメーターを含め社員として雇用していたが、後にクリエイターを社員として抱えてしまうと人件費や制作本数の調整が困難で経営に支障をきたすため、あるいは才能が求められる職業であり、固定給では評価できないという理由からその多くが出来高制での業務委託契約による非雇用者として従事するようになった。
正社員や契約社員といった雇用形態はプロデューサーや制作進行といった制作部門を除き少ない。人材の流動性が高く、一つの制作会社が大きくなっていくのではなく、次々と独立し、中小の制作会社を設立することが多い。
制作工程別に分業化が進み、制作会社の多くは「器」としてのスタジオを用意して業界内で人材を融通しあうことで制作を行っている。
広告代理店やビデオメーカーなどは、資金調達や著作権窓口業務、企画、流通に携わり、実制作は行わないが、制作本数の増加や、制作会社の持つオリジナル版権の利用を目的に制作会社を自らの傘下に収めるケースも見られる。
広告代理店など中間に入る企業が多いため制作費が十分得られないこと、製作費を出資できないために製作者になれず著作権を得られないことが理由で制作会社のほとんどは経営が苦しい。そのため制度改正などの支援策が望まれている。また、制作会社はもっと経営能力を高めるべきだとする意見も多い。
アニメ制作会社は主に中央線や西武新宿線の沿線に所在する事が多く、アニメ作品の中には沿線風景が描かれることがある。