木冬かがみが大学でぼっちになっているようです@ 大生板
メニュー



アクセス数
本日: 2
昨日: 24
累計: 14663


ここの人気ページ
トップ10 (TotalCount)

前月 2012年5月 翌月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    


この日記のはてなブックマーク数
かがみの誕生日まで 日
かがみの誕生日まで 時間
かがみの誕生日まで 秒

1年たってもぼっち。

1.

「・・・よし、っと」
夜中の1時過ぎ。暗いワンルームの中で、煌々と光るラップトップディスプレイに顔を近づけ、「一仕事」を終えたささやかな喜びを口にだした。

2ちゃんねる。世界的にも例を見ない規模の匿名掲示板の集合体、とでも言おうか。
高校時代に見た映画がきっかけでその存在を知り、自分の趣味に関する板をのぞいたりしていたが、まさか近い将来に自分の居場所がその仮想空間にしかなくなることなど、あのころは思ってもみなかった。

今日は、初めて「スレッド」というものを立ててみたのだ。
初めてこの掲示板に書き込んだときは、半年ROMれ?とかなんとか言われてひどい目にあった。それから半年、そろそろ自己主張しても良い頃だろうと思ったのだ。
「これでいいのかな・・」
ブラウザを更新してみる。すると、スレッド一覧の先頭に、私が先ほどひねり出したタイトルがしっかりと表示されている。

輝いていた高校時代。毎日が、ただただ楽しかったあの頃を思い出すと、今自分が送っている生活とのギャップに胸が締め付けられる。

卒業式の日のこと。
「国立に進学とは、かがみんはやっぱすごいネ~」
「いや、私はアンタが第一志望に受かったことのほうが驚きだわ・・」
「えへへ、こなちゃん、年末のお祭りが終わってから、すっごくがんばってたもんね」
「ええ、現役生は最後の追い込みでの伸びしろが大きいといいますが、泉さんの成績の伸びは尋常じゃないと教職員の中でも話題になっていたようですよ」
「いやぁ~、お父さんと年末にさ、現役合格したら好きなもの買ってもらうって約束したもんだから(=ω=.)」
「こなたさん、アンタまじですごいよ・・」

そう、この日を境に、仲良しだった私達4人は別々のみちをたどることとなるのだ。
こなたは関西の私大に、つかさは県内の専門学校に、みゆきは北海道の医大に、それぞれ進路を決めていた。私はというと、第一志望ではなかったものの、関東圏の国立大学に合格し、初めての一人暮らしの準備を進めていた。

友人達との別れは悲しかった。
でも、新しい環境でも、今と同じように新しい仲間が出来て、毎日笑い会える生活が、当たり前に待っているものだと、私は信じていた。本当に。

2.

入学式、オリエンテーション、初めての講義・・・すべてが真新しく、刺激的だった。
サークルにも入った。法律の勉強をするためのまじめなサークルだ。友達も出来た。同じ新入生のいい子たちだった。
滑り出しは順調、そんな矢先に、事件が起こった。
サークルの新歓コンパでのこと。
「あはは、くさいよね~。ところでさ、みんなやっぱり将来は弁護士とか検事とかを目指してるの?」私はそうだ。

「うーん、まだわかんないかなあ」
「いろいろ遊びたいし、司法試験って結構難しいらしいからねえ」

え?じゃあなんて法律サークルなんかに入ったの?

「だって、テニサーとかオールラウンドサークルのノリは合わないし、体育会って感じでもないし・・・」

今が楽しければいい。でもそれじゃ、自分の将来のためにならないでしょ?
あのだらしなくて、でもほっとけない、青髪の友人の顔が浮かんだ。
そして、会って間もない目の前の友人に、こう言い放った。

「アンタねえ、そんなんじゃ法経に入った意味がないでしょ?もっとまじめに取り組みなさいよ!」

瞬間、辺りが静まり返った。

高校時代なら「いやあ~かがみんは相変わらず手厳しいねえ・・まいったよ(=ω=.)」なんて、軽いリスポンスが返ってきたものだった。

「う、うん、じゃあ、ちょっとはまじめに考えようかな、はは・・」
「(なんだアイツ、急に大きな声だして)」
「(いるよな、ああいうKYなヤツ)」
みんなが私のことを見ているのが分かる。
私が、この場の空気を壊したのが分かった。
でも・・・私はあの子のことが心配で、あの子の将来のために・・・・

3.

後日、私はサークルを辞めた。
新歓コンパでの一件以来、友達から避けられるようになったから。そして、上級生達も私のことを珍獣を見るような目で見ていることがわかったから。

自分の存在が受け入れてもらえないことが耐えられなかった。
高校時代はこんなことはなかった。
こんなはずじゃなかった。

こなたが宿題を写しに来たときも、「そんなんじゃ自分のためにならないだろ!ちょっとは自分でやれよ!」なんて突き放したりもした。
意思の弱いつかさが、専門学校に進路を決めてからぐうたらな生活を送り始めたときも、「いくら大学受験が無いからって時間を無駄に過ごしちゃだめよ。料理の勉強を今のうちにしておくとか、出来ることをやっておきなさいよ!」なんて叱咤したりもした。

彼らはどこかだらしなかったけど、私の言葉の直球をうまく受け流してくれていた。
だから、私はいつも遠慮することはなかったし、それで私達の関係が壊れることはまったく無かった。

私は、あの4人の中でしか生きられない存在だったのかもしれない。

私は4人の中でもみゆきと並んでしっかりしていて、唯一のツッコミ役。自他ともにそう認めていた。実は一番あの関係に依存していたのは、私だったのかも知れない。

実際、他の3人は新しい環境でもうまくやっているようだ。
こなたは大学でオタサーに入り、早くも中心的なメンバーとなりつつあるらしい。
つかさも専門で友達を作り、この間は実家でお泊り会をやったそうだ。
北海道のみゆきも、慣れない気候に戸惑いながらも元気にやっているらしい。おおらかな北海道の風土が私に合っているのかもしれません、と年賀状に書いてあったっけ。

私だけなんだ。
高校時代、あの限られた環境での人間関係しかイメージできず、新しい世界への踏み出し方が分からない。
講義に出ても、サークルの勧誘を受けても、もう怖くて他人に話しかけることが出来ない。新歓コンパでの、私の言葉に固まっていた女の子の表情が忘れられず、人と話すのが怖くなってしまった。

4.

みんなでつるんで、毎日飲み会をやって、旅行に行って、そして、もしかして、恋人なんかもできちゃったり・・・

大学に入れば当たり前に待っていると思っていた、そして、自分の周りの大多数の学生にとっては実際当たり前の生活が、私にとってこんなにも縁遠いものだったなんて。

そして今、私は一人でパソコンに向かっている。
法律の勉強だけなら一人で出来ると思っていたけど、私の精神はリアルな孤独の世界に耐えられなかった。人は一人では生きていけない。
大学受験だって、一緒にがんばる仲間がいたから乗り越えられたのだ。
もっとも、あの時はそれが当たり前とおもっていたから、仲間のいるありがたさ、孤独のつらさなどまったく頭になかったけど。

もう、無理だ・・・。

コンビニ店員以外と話さない日が続く毎日。
教室にも食堂にも居場所が無くて、人目の無いトイレでご飯を食べる毎日。
休講になっても誰も教えてくれない毎日。
風邪を引いても誰もお見舞いに来てくれない毎日。
逃した授業で先生が話した試験情報を誰も教えてくれず、全出席なのに、一生懸命勉強したのに、散々な成績を取ってしまう毎日。
夏休みだというのに、2ちゃんねるばかり見ている毎日。

そうだ、2ちゃんねるがあるじゃないか。

自分の孤独のはけ口がほしかった。
自分の存在を、どんな形でもいいから認識してくれる場所が欲しかった。
どんな、形でも。

そして、私はスレッドを立てた。

5.

木冬かがみが大学でぼっちになっているようです
1 : 大学生社長(千葉県):2007/08/23(木) 01:19:56
四人組の中で一番ぼっちになりそうなのは間違いなくかがみ


はじめて立てたスレッド。
どれだけの、あっちの世界の人がこのスレッドに興味を持ってくれるだろうか。

そう、「彼ら」が知っている私は、ツンデレで、根が優しくて、努力家で、そして3人の仲間と楽しい日々を送っていた「キャラクター」、柊かがみなのだ。
その私が、こんな生活を送っているなんて、想像もできないことだろう。
高校を卒業すると同時に、「彼ら」の見ている私達の生活は終わったのだ。
「見せる」ために、大きな見えざる力にかけられた補正が、あのまぶしいほどに幸せだった日々を作り出したのだ。

その補正に甘えていた私は、そこから足を踏み出した瞬間にすべてを失った。
努力を重ね、自らの足で歩みを進めているほかの3人と違い、私はリアルの重さに耐えられなかったのだ。

2ちゃんねるにスレッドを立てることで、私が救われるわけじゃない。
でも、このスレッドが続く限り、私の存在は消えない。
私という存在があったことの証を、こんな形でもいいからこの世界に残したかった。
そして、私の苦しみを、誰かと分かち合いたかった。

6.

「ふふ、馬鹿みたい」

こんな思考に陥る時点で、すでに私の精神は崩壊している。
席を立ち、部屋の隅にある冷蔵庫を開ける。自炊を挫折して以来、酒ビンや缶ビールに埋め尽くされた庫内から、今日買ってきたワンカップを取り出し、封を開け、一気に飲み干す。急激にアルコールが血中を駆け巡り、世界がなんだか明るくなったような気がする。
と、同時に、意識が遠のき、ベッドに倒れこむ。

薄れ行く意識の中で、私は、輝いていたあの日々を思い、踏み出せなかったその後を思い、明日からも続くであろう孤独を思い、そして、眠りについた。



更新履歴

2012-04-05

2011-12-11

2011-06-17

2011-05-29

2011-05-27

2011-05-22

2011-05-20

2010-09-22

2010-03-09

2009-12-13

2009-11-02

2009-10-28

2009-07-03

2009-06-24

2009-06-14

2009-05-21

2009-04-09

2009-01-09

2008-12-25

2008-12-19

2008-12-15

2008-12-14

2008-12-13

2008-12-02

2008-12-01

2008-11-27

2008-11-19

2008-11-18

2008-11-08

2008-11-02

2008-10-26

2008-10-16

2008-10-05

2008-10-03

2008-10-02

2008-09-26

2008-09-23

2008-09-21

2008-08-22

2008-08-10

2008-08-09

2008-07-10

2008-07-01

2008-06-23

2008-05-28

2008-05-17

2008-05-13

2008-05-07

2008-05-03

2008-04-19

2008-03-19

2008-03-17

2008-03-16

2008-03-15

2008-03-03

2008-02-27

2008-02-23

2008-02-22

2008-02-14