検証23:何度も不吉な場面を夢に見てうなされる王子
山岸版(画像右)の厩戸は、未来の子孫惨殺場面を夢で何度も見てしまい、うなされる。山岸凉子の厩戸は、ぼんやりとではあるが未来が見えてしまう、という設定になっている。本人は見たくて見ようとしている訳ではなく、汗をかいてうなされ、知りたくない未来に苦しんでいる。
このアイディアは池田版(画像左)でも使われており、池田版では夢ではなく現実に起きている時に、突然、何度も、子孫虐殺シーンを見て未来を知ってしまう設定になっている。そして夢では、死んだはずの物部達を、何度も何度も夢で見てしまうのだ。起きた後の、汗をかきながら「また、あの夢だ…」という心象表現もそっくりである。
山岸版の「夢=未来の子孫の残虐場面」「現実=物部の亡霊」の図式を、夢と現実の設定を反対にしているだけで、アイディアは全くの丸パクである。