卵形成

ヒトの雌性の配偶子は、大型で運動能力を欠くため、卵と呼ばれる。
ヒトの卵は以下のプロセスに従って形成される。

  1. 多細胞動物の発生初期段階、卵巣が完成する以前に始原生殖細胞(2n)と呼ばれる特殊な細胞が分化する。
  2. 始原生殖細胞は卵巣内で、卵原細胞(2n)へと分化する。
  3. 卵原細胞は、卵巣内で体細胞分裂をおこない、その数を増やしてゆくが、やがて増殖を停止して成長期に入り、核と細胞質の体積を著しく増加させてゆく。
  4. 体積を増加した卵原細胞は一次卵母細胞(2n)と呼ばれ、減数分裂はこの一次卵母細胞からスタートする。
  5. 減数分裂の第一分裂が終了すると、一次精母細胞一つあたり、二次卵母細胞(n)が一個と極体とよばれる特殊な娘細胞が一個形成される(この段階で生じる極体は特に第一極体と呼ばれる)。極体は体積がきわめて小さく、最終的には退化・消失することになる。つまり、極体に渡される栄養分(細胞質)は無駄であり、極体の体積が小さいのは、形成される卵に最大限の栄養素(細胞質)を受け渡すためだと考えられている。
  6. 二次卵母細胞が減数分裂の第二分裂を行うと、卵(n)と第二極体が一つずつ形成される。ヒトの卵の場合、第二分裂の中期で排卵が起こり、受精後に減数分裂を完了させる。まて、卵の場合は精子とは異なり、変態の過程がない。
  7. 結果として、精子とは異なり、一つの一次卵母細胞より、一つの卵しか生じない。
最終更新:2009年05月21日 16:55
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