遺伝子としてのDNAの重要な性質として、「子へと受け継がれる」というものがある。
子へと受け継がれるためには、DNAはまず、S期(間期)に複製して二倍量になる必要がある。
DNAの二重らせん構造が明らかになると、次に、その複製メカニズムを解明する必要が出てきた。

DNAの二重らせん構造を基礎にすると、その複製方法には大きく分けて三つの可能性が考えられた(右図)。


  • 保存的複製:親が持つ元来のDNA二重らせんが次代でもそのままの二重らせんを維持し、新しく合成される一本鎖DNAが二本集まってもう一組の二重らせんが新たに形成される。

  • 半保存的複製:親の二重らせんを構成する二本のDNA鎖がバラバラになって、そのそれぞれに新しく合成される一本鎖DNAが相補性塩基対を形成する。その結果、古いDNA鎖と新しい二重らせんから構成される、新たな二重らせんが二本形成される。

  • 分散的複製:新しく形成される二本の二重らせんは、親が持っていた元来のDNA鎖と新たに合成されるDNA鎖がモザイク状につなぎ合わさったものとなる。

正しいのが半保存的複製であることを、実験によって明らかにしたのは、メセルソンとスタールの二人である(1958年)。



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