トリプトファンオペロン

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トリプトファンはアミノ酸の一種。 つまり,さまざまなタンパク質を合成するために必要なので,常に合成を続けてある一定量をキープしておきたいが,作りすぎるのも無駄.よって,トリプトファンが少ないときにはトリプトファン合成酵素を合成し,大量に存在するときには合成酵素の合成をストップさせたい. トリプトファンオペロンには、トリプトファンを合成するための酵素タンパク質(トリプトファン合成酵素群)をコードする領域が含まれている。 その遺伝子の発現は、以下に示すようなプロセスに従って進行する。 +RNAポリメラーゼが、DNA上のプロモーターと呼ばれる領域に結合する。 +RNAポリメラーゼは、DNA上を下流に向かって移動し、開始コドンより下流の塩基配列をmRNAに転写する。転写されたmRNAからトリプトファン合成酵素群が生成(翻訳)される。トリプトファン合成酵素群をコードしている遺伝子群は、オペロン(構造遺伝子群)と呼ばれる。 +トリプトファン合成酵素群はトリプトファンを合成する。 +合成されたトリプトファンはリプレッサーと呼ばれるタンパク質に結合し、その立体構造を変化させる。リプレッサーをコードしている遺伝子は、調節遺伝子と呼ばれ、オペロンとは別の位置に存在している。 +立体構造が変化したリプレッサーは、プロモーターとオペロンの間に存在するオペレーターと呼ばれる領域に結合するようになる。(立体構造が変化していないリプレッサーは、オペレーターに結合できない。)オペレータ領域は、作動遺伝子とも呼ばれる。 +オペレーターにリプレッサーが結合すると、DNA上の下流に向かったRNAポリメラーゼの移動が妨げられ、mRNAの転写がストップし(上記のプロセス2を阻害)、トリプトファン合成酵素の生成がストップする。この過程がフィードバックである。 +大腸菌はそれまでに合成したトリプトファンのストックを消費しながら活動するようになる。 +トリプトファンのストックが消費されると、リプレッサーからトリプトファンが分離して、その立体構造が以前のものへと戻り、オペレーターから離れる。 +プロセス1が再開され、再びトリプトファン合成酵素の生成が開始される。 +このフィードバック制御のため、トリプトファン合成酵素の量は、自動的に適切なレベルに保たれる。

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