解明 III


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芝村 の発言:
八神は呼べませんでした

海法
これなかったのか、こなかったのかわかりますか?

芝村 の発言:
これなかった
ペンギンは姿を消したよ

海法
(さてと)

芝村 の発言:
今いるのは貴方がただけだ

海法
「じゃぁミチコさんに電話しますか?」

芝村 の発言:
近くの電話が鳴っている。

海法
二人で取ります。

あさぎ
「もしもし」

芝村 の発言:
ミチコ
「こんにちはあさぎ藩王」
「そろそろ、我々がお入用かしら」

あさぎ
「こんにちはー」
「う、うん。そろそろ?」

芝村 の発言:
ミチコ
「おしゃべりなペンギン」

海法
「お見通しなら話が早い」

芝村 の発言:
ミチコ
「まあ、聞こえているのわかってて、そう言ったんでしょうけど」

あさぎ
「僕の子を返してください」

芝村 の発言:
ミチコは笑った。
「もちろん」

あさぎ
「あの子は、生まれは不幸だが、死ぬまで、
 最後まで不幸でおわらせたくない」
 …代償は、払います。
 たとえ、いくらかかろうとも」

芝村 の発言:
ミチコ
「返すだけならただでも」

海法
「八神少年は、そちらにいるのですか?
 てっきり革新側のほうにいるものかと」

あさぎ
「それではまるで…いや、何が望みですか?
 あの子が、あの子として生きていくために俺は何をすればいい」

芝村 の発言:
ミチコ
「情報はただじゃないわ」

あさぎ
「わかっています」

芝村 の発言:
ミチコ
「何が望み? そうね。いい取引はしたいわ 思考制御を外すなら200億」

あさぎ
200・・・

海法
「そちらが少年を返せるという証拠は?」

芝村 の発言:
ミチコ
「この電話じゃだめかしら」

海法
(耳をすます)

芝村 の発言:
何も聞こえないよ。

芝村 の発言:
ミチコは笑った。
ミチコ
「商人は信頼が一番。取引はなしでもいい」

あさぎ
「思考制御を外すだけで200億ということは
 まだ他にもある、ということですね」
「単位は?わんわん、円、それとも別の何かですか」

芝村 の発言:
ミチコ
「我々は今、マイルが欲しい。マイルなら値引きしてもいいわ」

あさぎ
「何に使うんですか。そんなもの。
 いや、その辺はさておきましょう。」

芝村 の発言:
ミチコは笑った。

芝村 の発言:
ミチコ
「そうね。情報は高いから」

あさぎ
「取引相手には余計な詮索はしない方がいい。
 信用にかかわります」

芝村 の発言:
ミチコ
「他にもいくつかあるわね。最初からついてたのも。我々が仕掛けたのも」

あさぎ
「そのなかで、彼の生死にかかわるものは?」
「いや、外せば死ぬというような致命的なものはいくつあります?」

芝村 の発言:
ミチコ
「そういうのはサービスしてあげる」
「タダでもいいわよ」

あさぎ
「・・・ふむ。」
「しかし、電話だけで全面的に信じろというのは…
 いや、信頼第一なのは理解しています。」
「あなたは、返すのだけはタダだといった。
 それを証明していただきたい」
「彼の身柄を確かめるために、先に10マイル、支払います」

芝村 の発言:
ミチコは笑った。

あさぎ
「その後、改めて治療を行っていただき、完了した時点で残金を払う」
「別にあなたに損はないはずだ」
「まあ、うっかり外せない器具をつけられる可能性はありますが、
 信用第一、ですよね」

芝村 の発言:
ミチコ
「いったでしょ? 情報は高い」

あさぎ
「支払うか、支払わないかの選択肢しかないと?」

芝村 の発言:
ミチコ
「それくらいは、私に有利なゲームだと思うけど」

あさぎ
「それは、そうですね。
 あなたはすべてを知っている。」

芝村 の発言:
ミチコ
「1分まってあげる」

あさぎ
「払います。」
「あの子に本当の笑顔を取り戻させてやることができるなら
「いくらでも惜しくはない。たとえ国と引き換えにしても

芝村 の発言:
ミチコ
「180」

あさぎ
「それは・・
「80をマイル、100を資金の形でいけますか。」

芝村 の発言:
ミチコ
「ごめんなさい。わんわんにはなんの価値もないの」

あさぎ
「出せて140」

あさぎ
「計算間違いがなければ、そこが底値です」

芝村 の発言:
ミチコ
「単独ではそうでしょうね」

あさぎ
「単独?国のマイル全部つぎ込んでコレですよ」

芝村 の発言:
ミチコ
「貴方がたは協力が得意」
「違ったかしら」

あさぎ
「残念ながらルール的に厳しいですね」
「マイルの管理している宰相府につつぬけになりますよ」
「マイルの取引をすれば足がつく、証拠を残したくないと
 思いますが」

芝村 の発言:
ミチコは笑っている。

ミチコ
「我々は宰相府と共闘がしたい」
「同じ女ならお姉さんのほうが魅力的だと、分からせたい」

あさぎ
「…ポチ王女?」

芝村 の発言:
ミチコ
「いいえ。我々が」

あさぎ
「別の派閥、ですか」
「二手に分かれてるという。」

芝村 の発言:
ミチコ
「情報は高いわ」

あさぎ
「そうですね。ただ、信頼も高いです」

芝村 の発言:
ミチコ
「残念。我々にはかえそうもないわ」

芝村 の発言:
電話は切れた。

あさぎ
うあわ

海法
(10数えます)

芝村 の発言:

数えた。
何もなかった。

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芝村 の発言:
ペンギンが出てきたよ。

海法
「おや、師匠」

芝村 の発言:
ペンギンは逆探知装置を戻した。

あさぎ
「ええええええ」

海法
「時間は稼げましたか?」

あさぎ
「うう、猫さん。俺は人間不信になりそうです。
 犬がいいよ、犬が」

芝村 の発言:
ペンギン
「無理だな。だがまあ、呼吸音はいくつかひろった。
 あとは高性能集音マイク、監視要員は今、襲撃している」

海法
「手がかりがあるなら行かせてください」

芝村 の発言:
ペンギン
「あればな。まあ、可能性は高くない」

あさぎ
「たとえわずかでも、可能性があるなら」
「いきます」

芝村 の発言:
ペンギンは歩き出した。無線で指示を出している。

海法
ついていきます

あさぎ
ついていきます。

芝村 の発言:
1km離れた場所の、公園のベンチだ。
死体が二つある。

芝村 の発言:
ペンギン
「脳は調べたか」

あさぎ
近寄ります

海法
誰と誰でしょう

あさぎ
誰かわかりますか?

芝村 の発言:
部下:
「今、調べました」

芝村 の発言:
誰か知らない人だね

海法
「監視員、か……」

芝村 の発言:
部下:
「乗っ取りですね」

芝村 の発言:
ペンギン
「枝は?」
部下:「ニューヨークです」

芝村 の発言:
ペンギン
「……」
「パリの次はニューヨークか」
「どうする?」
「再度の取引をまつか、それとも、襲撃するかだ」

海法
「ゆけるものならどこへでも」

あさぎ
「いけるなら」
「もう一度、あの子が笑う姿を見たい」

芝村 の発言:
ペンギン
「襲撃のほうが、高くつく可能性がある」
「例えば敵はお前達にあの子をぶつける可能性がある」
「問題ないな?」

あさぎ
「う・ん」
「あの子の顔が見れるなら、それでも」

海法
「ええ」

芝村 の発言:
ペンギンは電話を取った。

ペンギン
「交渉は聞いての通りだ。聞こえているな」

ペンギンは笑った。

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芝村 の発言:
はい。お疲れ様でした。

あさぎ
おつかれさまでした

海法
お、おつかれさまでしたー

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最終更新:2008年01月01日 16:55