Emacs
エディタとして、Emacsを導入する。Carbon Emacsパッケージを利用する方法と、MacPortsから普通のEmacsを導入する方法と、2種類存在する。
Carbon Emacsパッケージを利用する方法
Carbon Emacsは、Mac OS Xのアプリケーションとして動作するので、Mac OS X付属のIMを使えるというメリットがある。同時に、様々な便利な関数が導入されているので、カスタマイズがしやすい。Leopardではまったく問題無く動作するが、Snow Leopardでは不具合の情報がいくつか出ているので、注意すべきである。
Carbon Emacsパッケージのページから、ディスクイメージをダウンロードし、インストールする。基本的には、Mac OS Xの他のアプリケージョンと同じように起動できるが、ターミナルやxterm上などから通常のEmacsと同様に起動できるようにするために、.bashrcに以下の記述を追加すると、使いやすくなる。
#Carbon Emacs
alias emacs='/Applications/Emacs.app/Contents/MacOS/Emacs'
なお、"#"で始まる行は、コメント文と見なされるので、設定に影響しない。
普通のEmacsをMacPortsから入れる。
MacPortsからは、以下のコマンドで導入できる。
$sudo port install emacs
また、Emacsが起動するときに別窓で開くようにしたいならば、
$sudo port install emacs +x11
とする必要がある。
Cocoa Emacs
MacPortsからCocoa版のEmacsを導入することもできる。こちらもMac OS Xのアプリケーションとして動作するので、Mac OS X付属のIMを使えるというメリットがある。現状ではCarbon Emacsほど完成度は高くないが、Snow Leopardでも問題無く動作する。
$sudo port install Emacs-app
Cocoa Emacsは、現状で、Shiftを使ったイベントをIMに渡せないので、使い方によっては、使い物にならない場合がある。特にAquaSKKを使用している場合には、致命的な問題になる。(ddskkを入れることにより、回避できるという情報あり)。この点については、AquaSKKの問題ではなく、Cocoa Emacsの問題であるようなので、Cocoa Emacsの改良を待つしかない(参考:
AquaSKKのチケット#19187)
pTeX
MacPortsで提供されている、日本語TeX環境をインストールする。TeXは組版処理ソフトウェアである。数式のキレイさでは、群を抜いている。
$sudo port install pTeX
上記コマンドで、インストールできる。デフォルトではeuc版が入る。UTF-8版のpTeXが欲しい場合には、別途、variantsを指定する必要がある。
$sudo port install pTeX +utf8
gcc
Xcode3にはgcc 4.0以外にgcc 4.2も入っているが、他のバージョンのgccや、MacPortsのgccが欲しい場合は、導入する。
$sudo port install gcc42
$sudo port install gcc43
$sudo port install gcc44
なお、MacPortsで入れたgcc 4.x(xは各バージョンの番号)を使って各言語のソースをコンパイルするには、以下のようにする。
gcc-mp-4.x <hoge.c>
g++-mp-4.x <hoge.cc>
gfortran-mp-4.x <hoge.f>
g95
Fortranコンパイラとして、gccに中にあるgfotran以外にも、g95を導入できる。
$sudo port install g95
POV-Ray
POV-Rayは、可視化に用いる。レイトレーシングにより描いた3Dの絵を吐き出すソフト。
$sudo port install povray
なお、設定ファイルは ~/.povray/3.6/ に置かれる。絵の大きさ等、適宜編集するべき。
ImageMagick
convertコマンドとか使って、動画変換や画像変換を行えるもの。ImageMagickを、+mpeg +jpegでインストールする。
$sudo port install +mpeg +jpeg
ffmpeg
動画変換用のコーデックが入っている。
$sudo port install ffmpeg
gnuplot
グラフ作成やプロットができるソフト。
$sudo port install gnuplot
Octave
Octaveは、MATLAB互換の、行列計算等をこなすソフトである。MacPortsでインストールすることもできるし、Mac OS X用にバイナリパッケージも配布されている。
MacPortsでのインストール
$sudo port install octave
依存関係により、gnuplotもインストールされる。また、ビルドの際にデフォルトではMacPortsのgcc 4.3を使うので、それもビルドされる。仮にgcc 4.4等が既にインストールされている状況で、gcc 4.3を必要としない場合は、variantsでビルドに使うコンパイラを指定できる。以下は、gcc 4.4を使う例である。
$sudo port install octave +gcc44
同様に、g95を使う場合は
$sudo port install octave +g95
となる。
バイナリパッケージによるインストール
Octaveの公式サイトから、Intel MacだったらIntel用のディスクイメージを、PowerPCだったらPowerPC用のディスクイメージを、インストールする。インストール後、.bashrcに以下の内容を追記する。
#Octave.app
alias octave="/Applications/Octave.app/Contents/Resources/bin/octave"
こうすることで、xtermやターミナルの上から、通常通りOctaveを起動できる。
MaximaとiMaxima
数式処理システム。Mathematicaみたいなものだけど、Mathematicaはハッキリ言って値段が高い。
$sudo port install maxima
素のMaximaは表示が見にくいが、imaximaを利用すると、非常に見やすい表示が可能である。Carbon Emacsパッケージを利用している場合は、既にインストールされており、利用できる。なお、iMaximaの仕様には、別途、TeX環境のインストールが必要である。
Inkscape
Inkscapeは、オープンソースで開発されているベクトル画像編集ソフトウェア(ドローソフト)。レポートや論文・プレゼン用のちょっとした図などを作るのに、使える。ここでは、Inkscapeをインストールし、Textextを使ってTeXの数式を図の中に挿入できるようにする。前提条件として、TeX環境がMacPortsでインストール済みであるとする。
まず、必要なもの(Inkscape,pstoedit,py25-gtk,py25-lxml,python_select)をインストールする。
$sudo port install Inkscape pstoedit py25-gtk py25-lxml python_select
依存関係でいろいろ入るので、時間がかかる。気長に待つべし。
その後、
$sudo python_select python25
MacPortsで導入する分は以上。
次に、
Textextの公式ページから、textext-0.4.4.tar.gzをダウンロードし、適当なディレクトリに置く。ここでは、ホームディレクトリに置いたものとして話を進める。
textext-0.4.4.tar.gzを解凍する。
$cd
$tar zxvf textext-0.4.4.tar.gz
こうすると、ホームディレクトリにtextext.py, textext.inx, LICENSE.txtの3つのファイルができているハズなので、確認する。
$ls
...
textext.py
textext.inx
LICENSE.txt
...
textext.py と textext.inxを、~/.inkscape/extensions/ に移動する。
$cd
$mkdir ~/.inkscape;cd ~/.inkscape
$mkdir extensions
$cd
$mv textext.py ~/.inkscape/extensions/textext.py
$mv textext.inx ~/.inkscape/extensions/textext.inx
LICENSE.txt は、消してしまってかまわない。
最後に、/opt/local/share/inkscape/extensions/inkex.py を ~/.inkscape/extensions/ にコピーする。
$cp /opt/local/share/inkscape/extensions/inkex.py ~/.inkscape/extensions/inkex.py
以上で、InkscapeとTextextを使用できる。使用する際には
$inkscape
とすれば、X11が起動し、X11上でInkscapeが動く。
OpenDX
OpenDXは、IBMによるオープンソースのデータ可視化ツールである。
MacPortsでインストールするには、
$sudo port install opendx
とする。
なお、現状ではこれではうまくインストールできない時がある。MacPortsでソースのみを取得したあと、Portfileの書き変えをして、autoconfを使わないようにする必要がある。詳しくは、
MacPortsのTicket #23928参照のこと。
問題点
Intel Macでは問題なくインストールできるが、PowerPCのMacではcdfのビルドでコケてしまい、うまく入らない(研究室のPower Mac G5で確認)。
最終更新:2010年03月23日 15:02